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第2章 異世界教と異世界教
第16話 そして現実へ……
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○。○。○。○。
「サクラも気をつけるんだ。君もきっと異端な能力を持っているはず。どこに異世界教のスパイが潜んでいるのか分からない……もし自分の能力が分かっても人に見せないほうが良い」
○。○。○。○。
雫の言葉が頭から離れない。
銭投げのような技『フリックバレット』。これは明らかに四元素の力ではないだろう。
火魔法な訳はないしなー、もちろん水なんで使ってない。近いのは風か土だけど風で飛ばしているわけでもない……土か……でも磁力だから土の力というより土の特性だよなぁ──
「うーん、分からん。とりあえず人前で使わないようにすればいいだけか」
張っていた心の風船から悩みが一気に深い呼吸と共に抜けていった。
上がっていた肩が下りると、一気に力が抜けて床に寝転んだ。熱くなった体をひんやりとした床がやさしく冷やしてくれる。
「はぁ、気持ちいいな」
穴の開いた天井を見上げると、隙間から漏れる光が僕を丸く囲うように照らす。蘇生魔法でもかけられているような感覚を覚え、優しく暖かな光を浴びていると瞼が重く……
○。○。○。○。
「ん、ん~」
柔らかな布地に優しく包まれていた。いつもと変わらぬ朝、大きく伸びをするとさっきまでの出来事が夢のように思い返される……。
「夢……じゃないよな」
雫と手を繋いだ感触、刀を受けた感覚、全てがリアルな出来事として残っていた。
「そうだ!」
なぜか雫の家に行ったほうが良いと思った。
頂上に達している太陽の日差しに背中を押されると、いてもたってもいられなくなり自転車を走らせた。
雫の家、広い敷地を区切る長く白い塀が目印。壁沿いに暫く進むと立派な門構えが昔ながらある旧家を感じさせる。
途中から気合の入った声が公道まで響き渡り、斑霧流居合術道場が練習中であることを報せた。
「勢いで来ちゃったけどなんて言おうか」
インターホンに指を伸ばしたまま固まってしまう。ぷるぷる震える指を一生懸命に押し込もうとするが気持ちがそれを拒否。
「朔弥くんじゃない」
「うわぁ──」
膨張していた緊張が破裂、ビクンと大きく後ずさりして門扉にぶつかった。
「大丈夫朔也くん?」
その場にいたのは雫の母だった。
「お、おばさん……驚かせないでくださいよ」
「インターホンをずっと指差したまま固まってる不審者がいるから誰かと思ったわよ。今日はどうしたの?」
「雫のことで何か進展があったのかなぁと思って……幼馴染ですから」
よし、上手くかわした。ただ嘘をついたことだけは後ろめたかった。僕は雫の行方を知っている……が、話せることでもないし信用されないだろう。ただ所在を知っているからこそ僕は落ち着いていられるのだ。
「ありがとうね朔也くん、学校で問題ばかり起こしていたから、もう心配してくれる人なんていないと思っていたわ」
おばさんは大きな扉を少し開いて隙間を作ると、中に入るように手招きした。
母屋までに向かう途中も、離れにある道場から門下生たちの声が響いてくる。その音に交じっておじさんの厳しい檄が飛んでいた。
「雫の父も雫がいなくなって辛いのよ。悲しさを打ち消すように力が入っているわ」
しんみりした空気、知っていることを隠しているというとてつもない罪悪感に襲われる。強いプレッシャーが詳しい状況を喉元まで引っ張り出すが、必死に奥へと抑え込んだ。
小さい頃は良く遊びに来ていた斑霧家、あの頃のまま……まるで時間が止まったままのよう。家の匂いと懐かしさに涙がほんのり溢れた。
美しい庭園を覗かせる和室、大きな一枚板を挟んで座布団に座る、目の前に置かれたお茶をすすると、遠くを見つめながらおばさんが口を開いた。
「雫はね、異世界教に連れ去られたんじゃないかと思っているの。中2の……雫がグレる少し前だったかなぁ。急におかしくなった日があったの」
予想外の言葉。まさかおばさんから『異世界教』という言葉を聞くとは思えなかった。それと中2の雫と何の関係があるんだ。
「それでおばさんはなんで雫が異世界教に連れ去られたと思っているの?」
「あのね、中2雫が不思議なことを言ってたの。『これから異世界教の時代が始まるんだ』って……その時は何のことか分からなくって気にしなかったんだけど、後で聞いてみたら『なんのこと?』だって。考えてみるとその辺りから雫が変わっていったのよ」
「異世界教……? 雫が中学生の時に……?」
「それでね、雫が行方不明になるちょっと前に興奮しながら言ってたの、『思い出したの、中学の時のことや朔弥が異世界教に引き入れられた訳が』って。慌てて出ていったかと思ったらそのまま……」
おばさんは涙を落とした。
「そんなことが……一体、雫は何を思い出したんだろう」
これさえ分かれば異世界教の秘密分かるかもしれない……ただそれを知る雫はもういない。また雫とあって聞き取れないだろうか。
……でもそうなると沙羅は一体何者なんだ。
”リーン、リーン……”。けたたましくなる黒電話、何回聞いてもドキリとする着信音。驚くたびに変えようとするのだが、いざ変えようとすると気が乗らなかった。
メッセージを送ってきたのは沙羅から、画面に目を落とす。
[沙羅] 本堂が完成したの。明日からの祝日に見に行きましょう。
スマホを持つ手が震える。
なんとしても異世界教の秘密を解き明かして雫を助けたい。それが光輝や結衣たちを救うことに繋がるんじゃないか、そんな気がしてならなかった。
『了解』と返信、直ぐに『明日、ルーセットを迎えに出します』とメッセージが入った。
* * *
「朔弥ー、明智さんの迎えが来ているわよー」
一階から聞こえてきたのは母の声、両手でガッツポーズを作って気合を入れると階段を駆け下りる。
母は、擦れ違いざまに「明智さんと付き合ってるの? 家柄が全然違うけど大丈夫かしら」と首を傾げて頬に手を当てた。
「違うよ、高校の友人たちで旅行に行くんだよ」と吐き捨てるように家を出た。
玄関前には黒塗りのワンボックスカー、車に興味がない僕でも高級車であることが分かる。
「どうぞ、後ろにお乗り下さい」
開かれた自動扉、ルーセットに促されるまま車に乗り込んだ。
窓にはスモークが貼られ、外はうっすらと見える程度、静かな走行音に小さな揺れ、甘い香りのする車内は眠りを誘った。
「寝ていても大丈夫ですよ」
横長の座席に横になると自然と瞼が閉じられた。
…………「甘い匂い……気持ちいい……」
○。 ○。 ○。 ○。
○。 ○。 ○。 ○。
「ん……んん」
どれほど寝ていたのだろう。もの凄く深い眠りについていたようで頭がモヤモヤする。
「ルーセットさんごめんなさい、すっかり──ってあれ?」
真っ白な壁に囲まれた無機質な6畳ほどの和室。小さな照明が一つ焚かれた薄暗い場所にいた。
いくら調べても扉がない。ただただ薄暗く香ばしい線香の匂いがするだけ、夢だか現実だか分からない状況に頭がバグったような気がして髪をかきあげ頭を振る。
カチャ……壁の一部が四角く凹み横に動く。スライドしていくにつれて外から入る光が僕を照らす……そして正面にいる人影。
「沙羅!」
「朔弥、良く寝ていたから瞑想部屋に移動しておいたわ」
いつもと変わらぬ雰囲気、表情。沙羅はゆっくりと近づくと僕の背中をポンポンと叩いて別の部屋へと案内された。
新築を感じる匂いを感じながら長い通路を歩く沙羅についていく。言葉を発することもなく静かな館内に響いているのは足音だけ。
「朔弥、ここが完成したばかりの異世界教総本山よ。最上階から見上げる富士山が綺麗だからあとで一緒に見に行きましょ」
沙羅の言葉が右から左に抜けてしまう。何を聞いてもこれまでのことがグルグル頭を巡り猜疑心も相まって頭の中に入ってこなかった。
「サクラも気をつけるんだ。君もきっと異端な能力を持っているはず。どこに異世界教のスパイが潜んでいるのか分からない……もし自分の能力が分かっても人に見せないほうが良い」
○。○。○。○。
雫の言葉が頭から離れない。
銭投げのような技『フリックバレット』。これは明らかに四元素の力ではないだろう。
火魔法な訳はないしなー、もちろん水なんで使ってない。近いのは風か土だけど風で飛ばしているわけでもない……土か……でも磁力だから土の力というより土の特性だよなぁ──
「うーん、分からん。とりあえず人前で使わないようにすればいいだけか」
張っていた心の風船から悩みが一気に深い呼吸と共に抜けていった。
上がっていた肩が下りると、一気に力が抜けて床に寝転んだ。熱くなった体をひんやりとした床がやさしく冷やしてくれる。
「はぁ、気持ちいいな」
穴の開いた天井を見上げると、隙間から漏れる光が僕を丸く囲うように照らす。蘇生魔法でもかけられているような感覚を覚え、優しく暖かな光を浴びていると瞼が重く……
○。○。○。○。
「ん、ん~」
柔らかな布地に優しく包まれていた。いつもと変わらぬ朝、大きく伸びをするとさっきまでの出来事が夢のように思い返される……。
「夢……じゃないよな」
雫と手を繋いだ感触、刀を受けた感覚、全てがリアルな出来事として残っていた。
「そうだ!」
なぜか雫の家に行ったほうが良いと思った。
頂上に達している太陽の日差しに背中を押されると、いてもたってもいられなくなり自転車を走らせた。
雫の家、広い敷地を区切る長く白い塀が目印。壁沿いに暫く進むと立派な門構えが昔ながらある旧家を感じさせる。
途中から気合の入った声が公道まで響き渡り、斑霧流居合術道場が練習中であることを報せた。
「勢いで来ちゃったけどなんて言おうか」
インターホンに指を伸ばしたまま固まってしまう。ぷるぷる震える指を一生懸命に押し込もうとするが気持ちがそれを拒否。
「朔弥くんじゃない」
「うわぁ──」
膨張していた緊張が破裂、ビクンと大きく後ずさりして門扉にぶつかった。
「大丈夫朔也くん?」
その場にいたのは雫の母だった。
「お、おばさん……驚かせないでくださいよ」
「インターホンをずっと指差したまま固まってる不審者がいるから誰かと思ったわよ。今日はどうしたの?」
「雫のことで何か進展があったのかなぁと思って……幼馴染ですから」
よし、上手くかわした。ただ嘘をついたことだけは後ろめたかった。僕は雫の行方を知っている……が、話せることでもないし信用されないだろう。ただ所在を知っているからこそ僕は落ち着いていられるのだ。
「ありがとうね朔也くん、学校で問題ばかり起こしていたから、もう心配してくれる人なんていないと思っていたわ」
おばさんは大きな扉を少し開いて隙間を作ると、中に入るように手招きした。
母屋までに向かう途中も、離れにある道場から門下生たちの声が響いてくる。その音に交じっておじさんの厳しい檄が飛んでいた。
「雫の父も雫がいなくなって辛いのよ。悲しさを打ち消すように力が入っているわ」
しんみりした空気、知っていることを隠しているというとてつもない罪悪感に襲われる。強いプレッシャーが詳しい状況を喉元まで引っ張り出すが、必死に奥へと抑え込んだ。
小さい頃は良く遊びに来ていた斑霧家、あの頃のまま……まるで時間が止まったままのよう。家の匂いと懐かしさに涙がほんのり溢れた。
美しい庭園を覗かせる和室、大きな一枚板を挟んで座布団に座る、目の前に置かれたお茶をすすると、遠くを見つめながらおばさんが口を開いた。
「雫はね、異世界教に連れ去られたんじゃないかと思っているの。中2の……雫がグレる少し前だったかなぁ。急におかしくなった日があったの」
予想外の言葉。まさかおばさんから『異世界教』という言葉を聞くとは思えなかった。それと中2の雫と何の関係があるんだ。
「それでおばさんはなんで雫が異世界教に連れ去られたと思っているの?」
「あのね、中2雫が不思議なことを言ってたの。『これから異世界教の時代が始まるんだ』って……その時は何のことか分からなくって気にしなかったんだけど、後で聞いてみたら『なんのこと?』だって。考えてみるとその辺りから雫が変わっていったのよ」
「異世界教……? 雫が中学生の時に……?」
「それでね、雫が行方不明になるちょっと前に興奮しながら言ってたの、『思い出したの、中学の時のことや朔弥が異世界教に引き入れられた訳が』って。慌てて出ていったかと思ったらそのまま……」
おばさんは涙を落とした。
「そんなことが……一体、雫は何を思い出したんだろう」
これさえ分かれば異世界教の秘密分かるかもしれない……ただそれを知る雫はもういない。また雫とあって聞き取れないだろうか。
……でもそうなると沙羅は一体何者なんだ。
”リーン、リーン……”。けたたましくなる黒電話、何回聞いてもドキリとする着信音。驚くたびに変えようとするのだが、いざ変えようとすると気が乗らなかった。
メッセージを送ってきたのは沙羅から、画面に目を落とす。
[沙羅] 本堂が完成したの。明日からの祝日に見に行きましょう。
スマホを持つ手が震える。
なんとしても異世界教の秘密を解き明かして雫を助けたい。それが光輝や結衣たちを救うことに繋がるんじゃないか、そんな気がしてならなかった。
『了解』と返信、直ぐに『明日、ルーセットを迎えに出します』とメッセージが入った。
* * *
「朔弥ー、明智さんの迎えが来ているわよー」
一階から聞こえてきたのは母の声、両手でガッツポーズを作って気合を入れると階段を駆け下りる。
母は、擦れ違いざまに「明智さんと付き合ってるの? 家柄が全然違うけど大丈夫かしら」と首を傾げて頬に手を当てた。
「違うよ、高校の友人たちで旅行に行くんだよ」と吐き捨てるように家を出た。
玄関前には黒塗りのワンボックスカー、車に興味がない僕でも高級車であることが分かる。
「どうぞ、後ろにお乗り下さい」
開かれた自動扉、ルーセットに促されるまま車に乗り込んだ。
窓にはスモークが貼られ、外はうっすらと見える程度、静かな走行音に小さな揺れ、甘い香りのする車内は眠りを誘った。
「寝ていても大丈夫ですよ」
横長の座席に横になると自然と瞼が閉じられた。
…………「甘い匂い……気持ちいい……」
○。 ○。 ○。 ○。
○。 ○。 ○。 ○。
「ん……んん」
どれほど寝ていたのだろう。もの凄く深い眠りについていたようで頭がモヤモヤする。
「ルーセットさんごめんなさい、すっかり──ってあれ?」
真っ白な壁に囲まれた無機質な6畳ほどの和室。小さな照明が一つ焚かれた薄暗い場所にいた。
いくら調べても扉がない。ただただ薄暗く香ばしい線香の匂いがするだけ、夢だか現実だか分からない状況に頭がバグったような気がして髪をかきあげ頭を振る。
カチャ……壁の一部が四角く凹み横に動く。スライドしていくにつれて外から入る光が僕を照らす……そして正面にいる人影。
「沙羅!」
「朔弥、良く寝ていたから瞑想部屋に移動しておいたわ」
いつもと変わらぬ雰囲気、表情。沙羅はゆっくりと近づくと僕の背中をポンポンと叩いて別の部屋へと案内された。
新築を感じる匂いを感じながら長い通路を歩く沙羅についていく。言葉を発することもなく静かな館内に響いているのは足音だけ。
「朔弥、ここが完成したばかりの異世界教総本山よ。最上階から見上げる富士山が綺麗だからあとで一緒に見に行きましょ」
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