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第3章 王道の異世界ファンタジー
第29話 旅立ち……
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月が昇り辺りが暗くなってきた頃、ギルドで報酬を受け取った僕とミヅキは家に戻っていた。
「今日は依頼達成のお祝いをしようよ。何もしていない僕が報酬をもらっちゃったからね、何かお祝いっぽいものを買いに行ってくるよ」
そさくさと立ち上がって家を出た。大した荷物も無いのでバッグひとつで外に向かう……「いてっ」、何もないところでつまずいてしまった。動揺しているのだろう。
「大丈夫ですか? あまり買いすぎると明日の特訓に響きますので注意してくださいね」
彼女の言葉に後ろ髪を引かれる。こみ上げる感情を抑えながら街の外へと走った。
僕の唯一の荷物であるバッグ。長老に餞別にもらったものだ。なんでもジゲンフォーという素材で編まれた物で、幾ら荷物を入れてもいっぱいにならないらしい。
○。○。「そのバッグの中身、フェイク用に見える場所に適当に入れておきなさいね。入っている荷物は好きに使っていいけどいつか消えると思うから注意してね」○。○。
だそうだ、夢のような代物を躊躇なくポンッとくれた。
「こんな凄いものをくれた長老とは一体何者なのだろう」
「長老は長老よ」
「うわぁ」
急に後ろから声をかけられて尻餅をついてしまった。尻をさすりながら立ち上がる。
「長老、後ろから急に声をかけないでくださいよ」
「一つ言い忘れちゃってさ。もしウタハに会えたらジンに来るように言っておいて」
ウタハ長老……何故か知っているような気がする。顔も思い出せない声も思い出せない……でも、会えば分かるようなそんな感じ。
「今は余計なことを考えなくていいわ。旅をする中で色々と知ることになるでしょう」
「はい。旅をしてミヅキを守れるくらい強くなったら戻って来ます」
「言うわね。それは私に勝つくらい難しいことかもしれないわよ」
なんだろう。今日は口が良く回る。出ていかなくてはならない寂しさが口数を多くさせているのだろう。
「それじゃあ出発します」
「そうだ、これも持っていきな」
放られたのは上部が窪んでいる黄色いライターサイズの物体。
「なんですかこれ?」
「炎媒介って言うんだ。持ったまま魔力を流してみな」
魔力を流す? 良くわからないけど気を流すように力をこめてみた。
「うわっー」
上空に巨大な火柱が吹き出した。驚きのあまり手を離してしまう。
「流し過ぎだよ。なんとなくでいいんだ」
チャッカンファイアーを拾い上げて軽く魔力を流し込むと、窪みから炎が放出されゆらゆら揺れた。
「これはライター?」
「それで焼いたり茹でたりできるだろ。『あのお方』がライターとかいうものを真似て作ったんだ。懐かしいなぁ『あのお方』とパーティーを組んでた時は楽しかったなぁ……今頃何をしてるんだろうなぁ」
頬を赤らめ手を添えている長老。
「長老?」
ニヤニヤしていた長老は一瞬でいつもの表情に戻った。
「オッ、オホン。それじゃあ行ってきな。せめて5年以内に戻ってきなよ。ミヅキだっていつまでも独り身じゃないからね」
え、えっと……なんて返せばいいのだろう。いつかまたミヅキと会える日がくるだろう。
「そ、それじゃあいってきます」
帰ってきた時に長老から「君に任せるよ」と言ってもらえるように努力しないとな。
感動的な感情が7割、不安が2割。ゲームの世界に旅立つワクワク感のようなものが1割。異世界っていうくらいだからなぁモンスターを倒せば経験値がもらえてレベルアップしたりして……そんな入り混じった感情を胸に抱え旅立つのだった。
* * *
……僕が街を出た頃
「長老……」
「ああ、ミヅキか。彼は行ったよ」
涙ぐむミヅキ。
「仕方ないですね。朔弥さんはこのままここに居ていい人間じゃない」
「ミヅキちゃん、傷は大丈夫かい」
「やめて下さい長老。大好きな朔也さんの前で嘘をついたと思うと胸が苦しいんです」
「まったく私が助けたって事にするなら先に言っておきなよ、彼が急にお礼を言ってきた時はなんのことかと思ったよまったく」
「うふふ、ごめんなさい。彼が強くなって戻ってきた時、今度は逃さないんだからー」
「ミヅキちゃんもまだまだなんだよ。せめて私の攻撃に10秒は耐えて欲しいものね」
「朔弥さん、早く強くなってわたしたちの仲間になってくださいね」
真円を描くきれいな月、こぼれおちんばかりの星空の中で長老とミヅキがこんな話しをしていることを僕は知る由もなかった。
* * *
多くの星が周囲を照らし、ほんのりと光る路が不安を和らげてくれる。
「獣が寄り付かない路か……この上を歩けば安心だな」
そうは思っても誰もいない真っ暗な道を歩いていると、僕は何をしているんだろうという疑問が沸々と生まれてくる。そんな揺れる想いを振り払うように空を見上げた。
「いやいやいや、ミヅキのために頑張って強くならないと」
両手で頬を叩く。しかし、普通に学校に通って光輝や結衣たちとつるんだ思い出、小さい頃に一緒に遊んだ雫との思い出が何度も頭を過る。
さっきまでモンスターを倒して経験値を稼いでレベルアップするぞーと息巻いていたのが急に浅はかだったように思えてしまう。
「これからどうしようかなー。そういえば長老がバッグに色々と入れてくれたった言ってたっけ」
バッグ自体に入れられているのは当面の食料である干し肉や傷薬。異次元に入れられた荷物を取り出すのはそっちを思って手を突っ込むだけ。
テントみたいな物が無いかなぁと思えばテントが吸い付きどういう仕組みかバッグの口より大きな物が取り出せる。
思わずポケットから巨大なものから小さな物まで不思議アイテムを取り出せる『耳をかじられた狸のようなロボット』が頭に浮かんだ。
テントはレトロなワンポールタイプ。中央にポールを突き立てるだけで完成した。
寝ている間に獣に襲われたりしないかな……異世界っていう位だから盗賊とか出ないかなと心配したが、一度組み立てると外からはビクともしないほど強固なもの。石を投げつけようが叩こうが傷一つつかなかった。
「せっかくなら食べ物でも出てくれば良いのにー」
バッグから出てきたのは小ぶりなリンゴ。食べ物を念じたらなんでリンゴが出てきたのか不思議だったが気にせずに一口かじった。
ちょっと待てよ……空腹で考えなしに食べてしまったけどいつからバッグに入っていたんだ……しかしリンゴの甘い匂いに誘われて心配軍は完敗。一気に食べきってしまった。
リンゴ1個で空腹は満たされた。とりあえず明日から食事は自分で用意できるようにしたいなぁ。
「あのウルフレッドとか言う狼は強そうだから……鶏とか豚とか牛とかその変歩いていないかなぁ。湖があったら釣りで魚をゲットするって手もあるな」
なんとなく出来そうな気になってくる。何よりも捌かないでも肉を確保できるという事実がハードルを下げてくれる。
「あとは武器か……」
精神武器を取り出すと手に握られるのはハナの針。何度やっても同じ状況に、
「異世界転移っていったら剣でしょー」
と叫んだ。頭から聞こえる『シャー』という鳴き声、吐くような声は明らかにハナが怒っている。
──手の中から何かが押し返してきた。棒のように伸びていったかと思うと剣へと変化した。
「うわぁ」
思わず剣を放り投げた。ポールに当たって跳ね返る。鉄同士がぶつかり合う音がテント内を響き、強く耳がキーンとなった。
「なんだこれ……」
転がった剣を拾い上げる。見れば見るほどゲームの世界でありそうな鉄の剣、しっかりとした持ち心地、手で折り曲げても剣先を支点に足で折ろうとしてもびくともしない。
「よし!」
上がったテンションに従うようにテントを飛び出して思いっきり素振りをした。あまりのへっぴり腰に自分でも笑ってしまう。
「熟練度1だなこりゃ……レベルは1かな」
「明日から経験値を稼いでレベルアップだー」と楽しい空想を心に叫び床につくのであった。
「今日は依頼達成のお祝いをしようよ。何もしていない僕が報酬をもらっちゃったからね、何かお祝いっぽいものを買いに行ってくるよ」
そさくさと立ち上がって家を出た。大した荷物も無いのでバッグひとつで外に向かう……「いてっ」、何もないところでつまずいてしまった。動揺しているのだろう。
「大丈夫ですか? あまり買いすぎると明日の特訓に響きますので注意してくださいね」
彼女の言葉に後ろ髪を引かれる。こみ上げる感情を抑えながら街の外へと走った。
僕の唯一の荷物であるバッグ。長老に餞別にもらったものだ。なんでもジゲンフォーという素材で編まれた物で、幾ら荷物を入れてもいっぱいにならないらしい。
○。○。「そのバッグの中身、フェイク用に見える場所に適当に入れておきなさいね。入っている荷物は好きに使っていいけどいつか消えると思うから注意してね」○。○。
だそうだ、夢のような代物を躊躇なくポンッとくれた。
「こんな凄いものをくれた長老とは一体何者なのだろう」
「長老は長老よ」
「うわぁ」
急に後ろから声をかけられて尻餅をついてしまった。尻をさすりながら立ち上がる。
「長老、後ろから急に声をかけないでくださいよ」
「一つ言い忘れちゃってさ。もしウタハに会えたらジンに来るように言っておいて」
ウタハ長老……何故か知っているような気がする。顔も思い出せない声も思い出せない……でも、会えば分かるようなそんな感じ。
「今は余計なことを考えなくていいわ。旅をする中で色々と知ることになるでしょう」
「はい。旅をしてミヅキを守れるくらい強くなったら戻って来ます」
「言うわね。それは私に勝つくらい難しいことかもしれないわよ」
なんだろう。今日は口が良く回る。出ていかなくてはならない寂しさが口数を多くさせているのだろう。
「それじゃあ出発します」
「そうだ、これも持っていきな」
放られたのは上部が窪んでいる黄色いライターサイズの物体。
「なんですかこれ?」
「炎媒介って言うんだ。持ったまま魔力を流してみな」
魔力を流す? 良くわからないけど気を流すように力をこめてみた。
「うわっー」
上空に巨大な火柱が吹き出した。驚きのあまり手を離してしまう。
「流し過ぎだよ。なんとなくでいいんだ」
チャッカンファイアーを拾い上げて軽く魔力を流し込むと、窪みから炎が放出されゆらゆら揺れた。
「これはライター?」
「それで焼いたり茹でたりできるだろ。『あのお方』がライターとかいうものを真似て作ったんだ。懐かしいなぁ『あのお方』とパーティーを組んでた時は楽しかったなぁ……今頃何をしてるんだろうなぁ」
頬を赤らめ手を添えている長老。
「長老?」
ニヤニヤしていた長老は一瞬でいつもの表情に戻った。
「オッ、オホン。それじゃあ行ってきな。せめて5年以内に戻ってきなよ。ミヅキだっていつまでも独り身じゃないからね」
え、えっと……なんて返せばいいのだろう。いつかまたミヅキと会える日がくるだろう。
「そ、それじゃあいってきます」
帰ってきた時に長老から「君に任せるよ」と言ってもらえるように努力しないとな。
感動的な感情が7割、不安が2割。ゲームの世界に旅立つワクワク感のようなものが1割。異世界っていうくらいだからなぁモンスターを倒せば経験値がもらえてレベルアップしたりして……そんな入り混じった感情を胸に抱え旅立つのだった。
* * *
……僕が街を出た頃
「長老……」
「ああ、ミヅキか。彼は行ったよ」
涙ぐむミヅキ。
「仕方ないですね。朔弥さんはこのままここに居ていい人間じゃない」
「ミヅキちゃん、傷は大丈夫かい」
「やめて下さい長老。大好きな朔也さんの前で嘘をついたと思うと胸が苦しいんです」
「まったく私が助けたって事にするなら先に言っておきなよ、彼が急にお礼を言ってきた時はなんのことかと思ったよまったく」
「うふふ、ごめんなさい。彼が強くなって戻ってきた時、今度は逃さないんだからー」
「ミヅキちゃんもまだまだなんだよ。せめて私の攻撃に10秒は耐えて欲しいものね」
「朔弥さん、早く強くなってわたしたちの仲間になってくださいね」
真円を描くきれいな月、こぼれおちんばかりの星空の中で長老とミヅキがこんな話しをしていることを僕は知る由もなかった。
* * *
多くの星が周囲を照らし、ほんのりと光る路が不安を和らげてくれる。
「獣が寄り付かない路か……この上を歩けば安心だな」
そうは思っても誰もいない真っ暗な道を歩いていると、僕は何をしているんだろうという疑問が沸々と生まれてくる。そんな揺れる想いを振り払うように空を見上げた。
「いやいやいや、ミヅキのために頑張って強くならないと」
両手で頬を叩く。しかし、普通に学校に通って光輝や結衣たちとつるんだ思い出、小さい頃に一緒に遊んだ雫との思い出が何度も頭を過る。
さっきまでモンスターを倒して経験値を稼いでレベルアップするぞーと息巻いていたのが急に浅はかだったように思えてしまう。
「これからどうしようかなー。そういえば長老がバッグに色々と入れてくれたった言ってたっけ」
バッグ自体に入れられているのは当面の食料である干し肉や傷薬。異次元に入れられた荷物を取り出すのはそっちを思って手を突っ込むだけ。
テントみたいな物が無いかなぁと思えばテントが吸い付きどういう仕組みかバッグの口より大きな物が取り出せる。
思わずポケットから巨大なものから小さな物まで不思議アイテムを取り出せる『耳をかじられた狸のようなロボット』が頭に浮かんだ。
テントはレトロなワンポールタイプ。中央にポールを突き立てるだけで完成した。
寝ている間に獣に襲われたりしないかな……異世界っていう位だから盗賊とか出ないかなと心配したが、一度組み立てると外からはビクともしないほど強固なもの。石を投げつけようが叩こうが傷一つつかなかった。
「せっかくなら食べ物でも出てくれば良いのにー」
バッグから出てきたのは小ぶりなリンゴ。食べ物を念じたらなんでリンゴが出てきたのか不思議だったが気にせずに一口かじった。
ちょっと待てよ……空腹で考えなしに食べてしまったけどいつからバッグに入っていたんだ……しかしリンゴの甘い匂いに誘われて心配軍は完敗。一気に食べきってしまった。
リンゴ1個で空腹は満たされた。とりあえず明日から食事は自分で用意できるようにしたいなぁ。
「あのウルフレッドとか言う狼は強そうだから……鶏とか豚とか牛とかその変歩いていないかなぁ。湖があったら釣りで魚をゲットするって手もあるな」
なんとなく出来そうな気になってくる。何よりも捌かないでも肉を確保できるという事実がハードルを下げてくれる。
「あとは武器か……」
精神武器を取り出すと手に握られるのはハナの針。何度やっても同じ状況に、
「異世界転移っていったら剣でしょー」
と叫んだ。頭から聞こえる『シャー』という鳴き声、吐くような声は明らかにハナが怒っている。
──手の中から何かが押し返してきた。棒のように伸びていったかと思うと剣へと変化した。
「うわぁ」
思わず剣を放り投げた。ポールに当たって跳ね返る。鉄同士がぶつかり合う音がテント内を響き、強く耳がキーンとなった。
「なんだこれ……」
転がった剣を拾い上げる。見れば見るほどゲームの世界でありそうな鉄の剣、しっかりとした持ち心地、手で折り曲げても剣先を支点に足で折ろうとしてもびくともしない。
「よし!」
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