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第5章 3組の双子
第57話 結衣と彩衣
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「とりあえず記憶を戻しておくわね」
ゴスロリファッションの女性が指をパチンと鳴らすと頭に掛かっていた靄が晴れた。結衣と光輝が連れ去られてからの記憶、雫との記憶、そしてサクラとしての記憶。
それからリリスは色々と説明してくれた。……もう神子を下りたんだから、いつまでも長老と呼ばないでと怒らつつ。
バスリングのジンにあるマタイ神殿を守っていた『金髪少女』
ウッドバーレンのニッケにあるマルコ神殿を守っていた『紫髪幼女』
ストネシアのシュッセルでルカ神殿を守っていた『緑髪天然』
ヨハマのコツにあるヨハネ神殿を守っていた『赤髪姉貴』
「サクラは時間を飛んだようね。マルコ神殿の神子が聖女に変わってから1年ほど経っているわ」
リリスの驚きの発言。
「え、そんなに? 体感だと数日しか経ってないけど」
「サクラさん、だから言ったじゃないですか。存在が安定していないって」
確かにウタハ長老からそんな事を言われた気がする。
「相変わらずウタハは馬鹿ねぇ、パライソの実を食べる状況になかったじゃない」
「アカリさんはダマっていて下さい。あれもこれも全て異世界教が悪いんです!」
なんか全く神子だったとは思えない……神子だった位だからもっとおしとやかなんじゃ……
「そ、それで神子たちがどうしてここに?」
「さっきも言ったけど神子は全て変わったの。もう全て君たちに任せたってね」
「リリス、そんな冷たい言い方してはダメなのじゃ」
「ユニさん、リリスさん……ちゃんと説明してあげて下さいよ」
「ウタハが最初にルカ神殿を取られたのがいけなかったんでしょ」
「アカリさーん、そんな言い方しないでくださいよー」
えっと……僕は一体何を見せられているんだ。彩衣なんて座り込んで気にせず風景を眺めているぞ。
「お、オホン。リリスから説明するわね。さっきも言った通り神子が全て入れ替わったの。ルカ神殿はソウジャ、マルコ神殿は聖女結衣、マタイ神殿はニコ、ヨハネ神殿はラクナシア」
「姉、聖女、素晴らしい」
「ラクナシアが神子にまたなんで?」
「あなたラクナシアちゃんの知り合い? 今回、みんなで神子を降りようってことになったからね、ちょうど近くに強くて優しい可愛らしい子がいたからお願いしちゃった。こういうのはタイミングが大事なのよ。いわゆる運命ね!」
そ、そんな簡単に神子って決まるものなのか……。
「そこで。サクラたちにお願いがあるのじゃ」
「お願いですか……!?」
「そうなんです、サクラさんたちにはこの場所に来て欲しいのです」
はい? 今いる場所に来て欲しい? 言っている意味が分からない。
「緑髪、頭悪い」
あ、彩衣さんそんな直接的な……。
「ウタハ、言われてるわよ。まぁしょぼんとしているウタハは放っておいて、今は精神世界のこの場所にいるの。地上に一度戻って肉体世界のベヌスに来る方法を見つけてこっちに来て欲しいの」
そういえばウタハ長老が昔、精神がどうとか言ってたよな。
「とりあえずサクラの姿はセレンの魔法がベースになってるからアカリの魔法で固定しておくわね」
「ちょっと……戻してはもらえないんですか」
「ダメね、朔弥としての容姿は異世界教に知れ渡ってるもの……それと彩衣ちゃん、あなたは聖女結衣と容姿が一緒だからトラブルになると思うの、だから10歳位の容姿に変えておくわね」
「えっと、アカリさん彩衣の姿は変えないんですね」
「私は容姿を変える力なんてないもの。彩衣ちゃんの場合は彼女の内なる力を借りただけよ」
内なる力ってなんだ……彩衣が魔法使いみたいじゃないか。
彩衣の容姿が10歳程度に変わっていく……元々小柄だったせいか、10歳とは思えないほどの小ささだ。
「本当の、両親、知ってるか?」
「え、本当の両親って……出雲神社のおじさんとおばさんじゃ」
「聖女結衣と彩衣ちゃんの双子姉妹は、高位な種族の子供だと思うの。私たち4人は幻族だけどもっと神に近いような……幼い頃にソウジャに連れ去られてチキュウに捨てられた子供ね」
「なんの種族かまで分からないですが、時間が関係する種族だと思います。聖女結衣は身体を何者かに差し出して精神だけこの場所に来て時間を移動しながらサクラを助けていたから」
「あ、あのー全く理解が追いつかないのですが」
「朔弥、そういうもの、気にしない」
「あらー、彩衣ちゃんの方が理解が早いわねー」
えっと、それって理解してるんじゃなくて理解しようとしていないだけじゃないか。
「それと彩衣ちゃん、朔弥のことはサクラって呼んであげて。こっちの世界ではあまり好ましくない名前だから」
「分かった。名前、どっちでもいい。中身、一緒」
「サクラさん愛されてますねー、ミヅキさんはどうするんですかー」
「 心に突き刺さる刃、ぼ、僕は別に……」
危ない危ない、本人の前で女性として考えたこと無いなんて言えるはずが……ってここに来る前に女性と感じてしまったんだー。
「それでサクラさん、彩衣ちゃんは弱いの」
「はい?」
「だから成長させてあげながらベヌスへの道を探りなさい」
「サクラ、頼んだぞ」
ちょっとなんで彩衣は順応してるんだ。知識も経験も僕の方があるのに焦ってるのが馬鹿みたいじゃないか。
「サクラ、モイセスには手を出してはならんのじゃ」
「それと、ソウジャさんにもですね」
「このふたりは私たちに近い強さがあります」
それなら4人でかかれば簡単なんじゃないだろうか……。
「サクラが考えていることは分かるわ。でも、私たちは『あのお方』の許しがないと『戦わずの誓い』は破れないのです」
「『あのお方』?」
「「「「尊いお方【です/じゃ】」」」」
良くわからないけど、この人たちが惚れている人だということは顔を見れば分かる。
「それで僕たちはベヌスへの道を見つけるためにどうすればいい?」
「答えられません」
「えっと……来て欲しいんだよね?」
「ベヌスへの道は自分で探さないといけない決まりなのじゃ」
「了、サクラ、何とかなる」
そんなんでいいのか……
「でも考えてみたら、何のためにベヌスに向かうんだろう」
「サクラ、そういうもの」
「ちょっと彩衣、僕が何もしなくても問題なく世界は動くんじゃないの」
「確かサクラの言う通りね。このまま異世界教を野放しておくとこっちの世界にもチキュウにも影響が出るのよ」
「そうじゃな、あやつらはこの世界とチキュウを物理的に融合させようとしているのじゃ」
「あらユニちゃん、やっと理解できたのね」
「アカリはいちいちうるさいのじゃ」
えっと……物理的融合って、異世界の建物やチキュウの建物があちこちに建つってことなのか……ラノベ好きにしてはむしろ胸熱なんじゃ。
「サクラ、顔ダメ、大戦争、世界滅ぶ」
「彩衣ちゃんは頭いいわねー、最終的には異世界教だけが生き残るってことなんでしょうけどね」
「ダメじゃないか!」
結局の所、僕がベヌスへの道を見つけて物理的にこの場所に来た時には世界を救う答えが見つかるだろうということらしい。
こうして僕たちは新たに異世界の地に降り立つのであった。
ゴスロリファッションの女性が指をパチンと鳴らすと頭に掛かっていた靄が晴れた。結衣と光輝が連れ去られてからの記憶、雫との記憶、そしてサクラとしての記憶。
それからリリスは色々と説明してくれた。……もう神子を下りたんだから、いつまでも長老と呼ばないでと怒らつつ。
バスリングのジンにあるマタイ神殿を守っていた『金髪少女』
ウッドバーレンのニッケにあるマルコ神殿を守っていた『紫髪幼女』
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ヨハマのコツにあるヨハネ神殿を守っていた『赤髪姉貴』
「サクラは時間を飛んだようね。マルコ神殿の神子が聖女に変わってから1年ほど経っているわ」
リリスの驚きの発言。
「え、そんなに? 体感だと数日しか経ってないけど」
「サクラさん、だから言ったじゃないですか。存在が安定していないって」
確かにウタハ長老からそんな事を言われた気がする。
「相変わらずウタハは馬鹿ねぇ、パライソの実を食べる状況になかったじゃない」
「アカリさんはダマっていて下さい。あれもこれも全て異世界教が悪いんです!」
なんか全く神子だったとは思えない……神子だった位だからもっとおしとやかなんじゃ……
「そ、それで神子たちがどうしてここに?」
「さっきも言ったけど神子は全て変わったの。もう全て君たちに任せたってね」
「リリス、そんな冷たい言い方してはダメなのじゃ」
「ユニさん、リリスさん……ちゃんと説明してあげて下さいよ」
「ウタハが最初にルカ神殿を取られたのがいけなかったんでしょ」
「アカリさーん、そんな言い方しないでくださいよー」
えっと……僕は一体何を見せられているんだ。彩衣なんて座り込んで気にせず風景を眺めているぞ。
「お、オホン。リリスから説明するわね。さっきも言った通り神子が全て入れ替わったの。ルカ神殿はソウジャ、マルコ神殿は聖女結衣、マタイ神殿はニコ、ヨハネ神殿はラクナシア」
「姉、聖女、素晴らしい」
「ラクナシアが神子にまたなんで?」
「あなたラクナシアちゃんの知り合い? 今回、みんなで神子を降りようってことになったからね、ちょうど近くに強くて優しい可愛らしい子がいたからお願いしちゃった。こういうのはタイミングが大事なのよ。いわゆる運命ね!」
そ、そんな簡単に神子って決まるものなのか……。
「そこで。サクラたちにお願いがあるのじゃ」
「お願いですか……!?」
「そうなんです、サクラさんたちにはこの場所に来て欲しいのです」
はい? 今いる場所に来て欲しい? 言っている意味が分からない。
「緑髪、頭悪い」
あ、彩衣さんそんな直接的な……。
「ウタハ、言われてるわよ。まぁしょぼんとしているウタハは放っておいて、今は精神世界のこの場所にいるの。地上に一度戻って肉体世界のベヌスに来る方法を見つけてこっちに来て欲しいの」
そういえばウタハ長老が昔、精神がどうとか言ってたよな。
「とりあえずサクラの姿はセレンの魔法がベースになってるからアカリの魔法で固定しておくわね」
「ちょっと……戻してはもらえないんですか」
「ダメね、朔弥としての容姿は異世界教に知れ渡ってるもの……それと彩衣ちゃん、あなたは聖女結衣と容姿が一緒だからトラブルになると思うの、だから10歳位の容姿に変えておくわね」
「えっと、アカリさん彩衣の姿は変えないんですね」
「私は容姿を変える力なんてないもの。彩衣ちゃんの場合は彼女の内なる力を借りただけよ」
内なる力ってなんだ……彩衣が魔法使いみたいじゃないか。
彩衣の容姿が10歳程度に変わっていく……元々小柄だったせいか、10歳とは思えないほどの小ささだ。
「本当の、両親、知ってるか?」
「え、本当の両親って……出雲神社のおじさんとおばさんじゃ」
「聖女結衣と彩衣ちゃんの双子姉妹は、高位な種族の子供だと思うの。私たち4人は幻族だけどもっと神に近いような……幼い頃にソウジャに連れ去られてチキュウに捨てられた子供ね」
「なんの種族かまで分からないですが、時間が関係する種族だと思います。聖女結衣は身体を何者かに差し出して精神だけこの場所に来て時間を移動しながらサクラを助けていたから」
「あ、あのー全く理解が追いつかないのですが」
「朔弥、そういうもの、気にしない」
「あらー、彩衣ちゃんの方が理解が早いわねー」
えっと、それって理解してるんじゃなくて理解しようとしていないだけじゃないか。
「それと彩衣ちゃん、朔弥のことはサクラって呼んであげて。こっちの世界ではあまり好ましくない名前だから」
「分かった。名前、どっちでもいい。中身、一緒」
「サクラさん愛されてますねー、ミヅキさんはどうするんですかー」
「 心に突き刺さる刃、ぼ、僕は別に……」
危ない危ない、本人の前で女性として考えたこと無いなんて言えるはずが……ってここに来る前に女性と感じてしまったんだー。
「それでサクラさん、彩衣ちゃんは弱いの」
「はい?」
「だから成長させてあげながらベヌスへの道を探りなさい」
「サクラ、頼んだぞ」
ちょっとなんで彩衣は順応してるんだ。知識も経験も僕の方があるのに焦ってるのが馬鹿みたいじゃないか。
「サクラ、モイセスには手を出してはならんのじゃ」
「それと、ソウジャさんにもですね」
「このふたりは私たちに近い強さがあります」
それなら4人でかかれば簡単なんじゃないだろうか……。
「サクラが考えていることは分かるわ。でも、私たちは『あのお方』の許しがないと『戦わずの誓い』は破れないのです」
「『あのお方』?」
「「「「尊いお方【です/じゃ】」」」」
良くわからないけど、この人たちが惚れている人だということは顔を見れば分かる。
「それで僕たちはベヌスへの道を見つけるためにどうすればいい?」
「答えられません」
「えっと……来て欲しいんだよね?」
「ベヌスへの道は自分で探さないといけない決まりなのじゃ」
「了、サクラ、何とかなる」
そんなんでいいのか……
「でも考えてみたら、何のためにベヌスに向かうんだろう」
「サクラ、そういうもの」
「ちょっと彩衣、僕が何もしなくても問題なく世界は動くんじゃないの」
「確かサクラの言う通りね。このまま異世界教を野放しておくとこっちの世界にもチキュウにも影響が出るのよ」
「そうじゃな、あやつらはこの世界とチキュウを物理的に融合させようとしているのじゃ」
「あらユニちゃん、やっと理解できたのね」
「アカリはいちいちうるさいのじゃ」
えっと……物理的融合って、異世界の建物やチキュウの建物があちこちに建つってことなのか……ラノベ好きにしてはむしろ胸熱なんじゃ。
「サクラ、顔ダメ、大戦争、世界滅ぶ」
「彩衣ちゃんは頭いいわねー、最終的には異世界教だけが生き残るってことなんでしょうけどね」
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