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第164話 僕らの『がっしゅく!』最終日(5) at 1995/7/30
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「――と、いうわけで、だ」
僕はがっくり肩を落とした荻島センセイの姿が職員室へ消えていくのを確認してからみんなに向けて言った。
「まずは第一段階クリアだ。あとは合宿中決めたグループごとに作業を進めていく。いいね?」
「ホ、ホントにいいの、あれで?」
「いい、って言われたんだから、いいんだよ、シブチン」
まだおろおろしている渋田に適当な調子で手を振ってみせる僕。
「……ただし、だ。荻島センセイから最後に言われたように、盗難と破損についてはセンセイにも納得してもらえる対策を立てなくちゃいけなくなった。まあ、想定の範囲内だけどね?」
「アテはあるんでしょうね、ケンタ?」
「……まだ、時間はあるからね。これから何か考えるさ」
僕がそう返答すると、ロコは、やっぱり、と言わんばかりに、ぐるり、と目を回してみせたが、言ってもムダだと思ったのか特にそれ以上のことはなかった。そもそも、そうしなければ僕らの考えたプランが実現できないことを部員のみんなはもう知っているからでもあるのだろう。
「ケンタ君のやることが一番多いのに……本当に大丈夫なの? 無理したらダメだよ?」
「だ、大丈夫、大丈夫だって。心配してくれるのはありがたいけどさ……僕は部長なんだぜ?」
なあに。
この程度のプランなら、僕が少し余計にがんばればいいだけのことだ。
あの五年前の夏。至上最悪のデスマーチに頭のてっぺんまでずっぽりハマりこんだ時の、地獄の十九連勤を乗り越えてきたタフネスぶりは伊達じゃないところを見せてやろうじゃないか。
って――なにを考えてるんだ、僕は。
(今はここに、頼れる仲間たちがこんなにもいるじゃないか。彼らを信頼していればこそ、彼らに頼って任せなけりゃダメだ。また、同じあやまちを繰り返すつもりなのか、古ノ森健太!)
僕はかぶりを振って、過去幾度となく繰り返してきた愚かな行為を脳裡から追い出した。
「い、いや、もちろんみんなの意見も聞かせて欲しいと思ってる。でも、今は一旦保留だ」
「まーそうよね。早いとこ進められるところから進めないと、夏休みなんてあっという間だし」
「そういうことだ、サトチン」
僕は車座になって座っている部員たちの前に立ち、いつものホワイトボードを引きずり出すと、そこに一気に書き出していった。
脚本・シナリオ制作:古ノ森
プログラミング担当:古ノ森、渋田、(五十嵐、佐倉)
デバグ・チェッカー:水無月、(古ノ森、佐倉)
大・小道具作成担当:五十嵐、佐倉、(渋田、野方、水無月)
衣装及びメイク担当:佐倉、(野方)
物資手配・調達担当:野方、渋田
安全管理・渉外担当:古ノ森、(五十嵐、野方)
会計監理・進行管理:古ノ森
きゅ――。
「もう一度おさらいだけど、カッコ付きの中の人は、メイン作業者のアシスタントだからね。あとここに、兼部メンバーのスミちゃんとロコが適宜サポート参加するってことになってる」
手についたマーカーかすを払いながら僕は二人を見てこう言った。
「ただし。……ふたりとも無理はしないで欲しいんだ。こっちはあくまで『兼部』なんだからさ」
「あっちも夏合宿あるし、文化祭でのステージ発表もあるから……。ま、空いてる時に来るわね」
「う、うん、だよね……。でも――」
まだ純美子は何か言い足りなさげだったけど、合宿疲れもあるから、ここらで一旦解散することにしたのだった。
僕はがっくり肩を落とした荻島センセイの姿が職員室へ消えていくのを確認してからみんなに向けて言った。
「まずは第一段階クリアだ。あとは合宿中決めたグループごとに作業を進めていく。いいね?」
「ホ、ホントにいいの、あれで?」
「いい、って言われたんだから、いいんだよ、シブチン」
まだおろおろしている渋田に適当な調子で手を振ってみせる僕。
「……ただし、だ。荻島センセイから最後に言われたように、盗難と破損についてはセンセイにも納得してもらえる対策を立てなくちゃいけなくなった。まあ、想定の範囲内だけどね?」
「アテはあるんでしょうね、ケンタ?」
「……まだ、時間はあるからね。これから何か考えるさ」
僕がそう返答すると、ロコは、やっぱり、と言わんばかりに、ぐるり、と目を回してみせたが、言ってもムダだと思ったのか特にそれ以上のことはなかった。そもそも、そうしなければ僕らの考えたプランが実現できないことを部員のみんなはもう知っているからでもあるのだろう。
「ケンタ君のやることが一番多いのに……本当に大丈夫なの? 無理したらダメだよ?」
「だ、大丈夫、大丈夫だって。心配してくれるのはありがたいけどさ……僕は部長なんだぜ?」
なあに。
この程度のプランなら、僕が少し余計にがんばればいいだけのことだ。
あの五年前の夏。至上最悪のデスマーチに頭のてっぺんまでずっぽりハマりこんだ時の、地獄の十九連勤を乗り越えてきたタフネスぶりは伊達じゃないところを見せてやろうじゃないか。
って――なにを考えてるんだ、僕は。
(今はここに、頼れる仲間たちがこんなにもいるじゃないか。彼らを信頼していればこそ、彼らに頼って任せなけりゃダメだ。また、同じあやまちを繰り返すつもりなのか、古ノ森健太!)
僕はかぶりを振って、過去幾度となく繰り返してきた愚かな行為を脳裡から追い出した。
「い、いや、もちろんみんなの意見も聞かせて欲しいと思ってる。でも、今は一旦保留だ」
「まーそうよね。早いとこ進められるところから進めないと、夏休みなんてあっという間だし」
「そういうことだ、サトチン」
僕は車座になって座っている部員たちの前に立ち、いつものホワイトボードを引きずり出すと、そこに一気に書き出していった。
脚本・シナリオ制作:古ノ森
プログラミング担当:古ノ森、渋田、(五十嵐、佐倉)
デバグ・チェッカー:水無月、(古ノ森、佐倉)
大・小道具作成担当:五十嵐、佐倉、(渋田、野方、水無月)
衣装及びメイク担当:佐倉、(野方)
物資手配・調達担当:野方、渋田
安全管理・渉外担当:古ノ森、(五十嵐、野方)
会計監理・進行管理:古ノ森
きゅ――。
「もう一度おさらいだけど、カッコ付きの中の人は、メイン作業者のアシスタントだからね。あとここに、兼部メンバーのスミちゃんとロコが適宜サポート参加するってことになってる」
手についたマーカーかすを払いながら僕は二人を見てこう言った。
「ただし。……ふたりとも無理はしないで欲しいんだ。こっちはあくまで『兼部』なんだからさ」
「あっちも夏合宿あるし、文化祭でのステージ発表もあるから……。ま、空いてる時に来るわね」
「う、うん、だよね……。でも――」
まだ純美子は何か言い足りなさげだったけど、合宿疲れもあるから、ここらで一旦解散することにしたのだった。
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