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第382話 その16「女の子たちとパーティーしよう!」 at 1995/12/18
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「なんと! ですね!」
その日の放課後のことである。
そろそろ寒さも身に染みる季節となり、僕らだけに与えられた特権、元・宿直室だからこそのチートアイテム『掘りコタツ』で暖を取りつつ、渋田のハナシとやらを聞くことになった。
「僕らも『クリスマスパーティー』やりましょうー! ってことなんですよー! いぇーい!」
だが、あまりに突拍子もないそのセリフに、全員声もなく顔を見合わせた――いや、正確に言うならば、顔を見合わせたのは、僕と純美子、そして、五十嵐君と水無月さんだ。それから、佐倉君を含めたやけに上機嫌な渋田をのぞいた五対の目が、澄ましている咲都子に向けられた。
「ね、ねぇ、サトちゃん? い……いいの、それで?」
「んー? 楽しそうでいいじゃんか。そ・れ・と・も。なーんか都合悪かったかなー、スミ?」
「ふぇっ!? わ、悪くはない……ケド……。ね?」
こら。
ね? って、そこで僕を見るんじゃありません。かわいいけども。
隣の咲都子がエロオヤジみたいなぐふぐふ笑いでこっち見てるから。
「今年のクリスマスは月曜日でしょ? でも、二学期は二十二日までだもんね。たとえば冬休み初日の土曜日はどうかなって。準備とかもそろってできそうだからね。どう? どうどう?」
「あっ……。そ、それならよさそうですねっ!」
ようやく会話の流れにほっとしたのか、佐倉君がうんうんうなずいている。
「ぼ、僕、ウチでのクリパはちょっとニガテで……あ、あのう、その……姉さんたちが……(ぽっ)」
佐倉君が何かを思い出し真っ赤に頬を染めているところをみると、例によって、せり・しのぶの暴走姉たちの欲望のはけ口、着せ替え人形にされ弄ばれているようである。いい加減やめてあげて、佐倉姉妹。でも、佐倉君のミニスカ小悪魔風サンタ姿なら、ぜひ見てみたいところである。うむ。
「主の降誕祭ですか……。しかし、みなさん、無神論者では? 無論、僕もそうですが?」
「あははは。日本人は、都合のいい時だけクリスチャンだったり仏教徒だったりするからねー」
「あ、あたし! お友だちと、ク、クリスマスパーティーするなんて、は、はじめてですっ!」
「……ぜひやりましょう、古ノ森リーダー! これはすでに決定事項です!!」
イキナリ態度を一八〇度変えないでよ、五十嵐君!
怖い! 目が怖いから!
やる! やりますって! く、苦しい……!
突然僕の胸倉に掴みかかりゆさゆさ揺すりはじめた五十嵐君を止めつつ、純美子がこう言う。
「えっと………………ロコちゃんは?」
その瞬間、わずかに刻が止まったようだった。
誰もが言葉にしたいのに、うまく声が出ない。
そのぎこちない状況下で僕はさらりと告げた。
「あのさ……? ロコのことは、もう、いいんじゃないかな、スミちゃん?」
「どうして?」
「ど、どうしてって……」
僕は助けを求めるように他の部員たちの顔を見る。誰もが僕の意見に同意しているようだった。しかし、真正面から僕をまっすぐに見つめている、たれ目がちな大きな瞳は違っていた。
「どうしていいなんていうの? あんなにみんなでチカラを合わせたんじゃない。僕たちはロコをあきらめたりなんかしない、って。ケンタ君、そう言ってたよね? あれは嘘だったの?」
「そ、それは――」
「コドモっぽいって言われても構わない。でもね? あたし、ロコちゃんから『部活辞める』だなんて聞いてない。ちゃんと聞かなきゃ、スミが許さないもん。勝手に辞めさせないもん!」
「で、でも、だな……」
「もうっ! ケンタ君のいくじなし! だったら、あたしが引きずってでも連れてくるから!」
「あ! ち、ちょっとっ! スミちゃん!?」
最後に、ふん! と盛大にふくれたままそっぽを向き、純美子は部室を出て行ってしまった。
その日の放課後のことである。
そろそろ寒さも身に染みる季節となり、僕らだけに与えられた特権、元・宿直室だからこそのチートアイテム『掘りコタツ』で暖を取りつつ、渋田のハナシとやらを聞くことになった。
「僕らも『クリスマスパーティー』やりましょうー! ってことなんですよー! いぇーい!」
だが、あまりに突拍子もないそのセリフに、全員声もなく顔を見合わせた――いや、正確に言うならば、顔を見合わせたのは、僕と純美子、そして、五十嵐君と水無月さんだ。それから、佐倉君を含めたやけに上機嫌な渋田をのぞいた五対の目が、澄ましている咲都子に向けられた。
「ね、ねぇ、サトちゃん? い……いいの、それで?」
「んー? 楽しそうでいいじゃんか。そ・れ・と・も。なーんか都合悪かったかなー、スミ?」
「ふぇっ!? わ、悪くはない……ケド……。ね?」
こら。
ね? って、そこで僕を見るんじゃありません。かわいいけども。
隣の咲都子がエロオヤジみたいなぐふぐふ笑いでこっち見てるから。
「今年のクリスマスは月曜日でしょ? でも、二学期は二十二日までだもんね。たとえば冬休み初日の土曜日はどうかなって。準備とかもそろってできそうだからね。どう? どうどう?」
「あっ……。そ、それならよさそうですねっ!」
ようやく会話の流れにほっとしたのか、佐倉君がうんうんうなずいている。
「ぼ、僕、ウチでのクリパはちょっとニガテで……あ、あのう、その……姉さんたちが……(ぽっ)」
佐倉君が何かを思い出し真っ赤に頬を染めているところをみると、例によって、せり・しのぶの暴走姉たちの欲望のはけ口、着せ替え人形にされ弄ばれているようである。いい加減やめてあげて、佐倉姉妹。でも、佐倉君のミニスカ小悪魔風サンタ姿なら、ぜひ見てみたいところである。うむ。
「主の降誕祭ですか……。しかし、みなさん、無神論者では? 無論、僕もそうですが?」
「あははは。日本人は、都合のいい時だけクリスチャンだったり仏教徒だったりするからねー」
「あ、あたし! お友だちと、ク、クリスマスパーティーするなんて、は、はじめてですっ!」
「……ぜひやりましょう、古ノ森リーダー! これはすでに決定事項です!!」
イキナリ態度を一八〇度変えないでよ、五十嵐君!
怖い! 目が怖いから!
やる! やりますって! く、苦しい……!
突然僕の胸倉に掴みかかりゆさゆさ揺すりはじめた五十嵐君を止めつつ、純美子がこう言う。
「えっと………………ロコちゃんは?」
その瞬間、わずかに刻が止まったようだった。
誰もが言葉にしたいのに、うまく声が出ない。
そのぎこちない状況下で僕はさらりと告げた。
「あのさ……? ロコのことは、もう、いいんじゃないかな、スミちゃん?」
「どうして?」
「ど、どうしてって……」
僕は助けを求めるように他の部員たちの顔を見る。誰もが僕の意見に同意しているようだった。しかし、真正面から僕をまっすぐに見つめている、たれ目がちな大きな瞳は違っていた。
「どうしていいなんていうの? あんなにみんなでチカラを合わせたんじゃない。僕たちはロコをあきらめたりなんかしない、って。ケンタ君、そう言ってたよね? あれは嘘だったの?」
「そ、それは――」
「コドモっぽいって言われても構わない。でもね? あたし、ロコちゃんから『部活辞める』だなんて聞いてない。ちゃんと聞かなきゃ、スミが許さないもん。勝手に辞めさせないもん!」
「で、でも、だな……」
「もうっ! ケンタ君のいくじなし! だったら、あたしが引きずってでも連れてくるから!」
「あ! ち、ちょっとっ! スミちゃん!?」
最後に、ふん! と盛大にふくれたままそっぽを向き、純美子は部室を出て行ってしまった。
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