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第392話 パーティーのあとの at 1995/12/23
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「……今日はありがとな、ロコ」
「べ、別にケンタのために来たわけじゃないし。スミにどうしても、って言われただけだから」
「それでも、だよ。ありがとう」
僕がもう一度感謝の言葉を口にすると、ロコはとまどいながらも、こくり、とうなずいた。それから、何を思い出したのか、いつものように困ったような顔をしながら微笑む。
「みんな、ちっとも変わってないんだもん。ロコちゃん、ロコちゃんって。ちょっとびっくり」
「言うほど時間なんて経ってないじゃんか」
「ま、そうなんだけどさ……でも、あたし……」
ロコはそれきり、口をつぐんでしまう。
僕も言い出す言葉がみつからないまま、無言のまま並んで歩いた。
しばらくして、ふと、ロコがこう言った。
「……と、ところでさ、ケンタ?」
「ん?」
聞き返す。
すると、言いづらそうにロコはためらい、それから後ろ振り返った。
そこには真っ白なもこもこハイネックセーターの上に、僕の持っているものに似たネイビーのピーコートをはおった純美子が立っていた。フリルのあしらわれたピンクのふんわりとふくらんだスカートに厚手の黒タイツ。両手でボストンバッグを持っていて、ヒール高めのおでこ靴がコツコツ鳴っている。
「スミのウチって、木曽根商店街のところじゃなかったっけ?」
「……え!? あ……う、うん、そうなんだ……ケド……」
「なんで真っ赤になってるのさ? それに、そんな大荷物持って、一体どこに……? あ――」
何かを察したようなロコのセリフに、純美子はすっかり動揺してしまい、真っ赤になった頬を少しでも隠そうと首元のマフラーに顔を埋める。とたんにロコの表情がにやにやしだした。
「えー!? まさかとは思うけど……もしかして……ちょっと、ケンタ?」
「な、なんだよ? まさかって何の話だよ?」
僕も妙にあせってしまい、つい、怒ったような口調になる。ふっ、と突然顔を寄せてきたロコが、僕にだけ聴こえるようにそっと囁きかけた。
『ふーん……聖なるふたりだけの夜って奴ね。そういえばママが、ケンタんちのパパママがケンタを置いて田舎に帰ったって言ってたっけ。ふーん、なるほどねー? ふーん』
『な、なんだよ? べ、別に悪いことしてるわけじゃないだろ!?』
『……これからする気かも』
『なっ!? おまっ!? ばっ!?』
『未成年との淫行とかって罪重いんじゃないのー? 大丈夫―? ね、お・じ・さ・ん・?』
ちゅ、中学生と中学生なんだし問題ないだろ!?
っていうか、特にヘンなことするつもりなんてないってば!
とも言えず、あわあわ口をわななかせていると、ロコは僕を放っておいて、純美子のところに近付いた。そしてやっぱり冷やかすような顔つきで何やら話しかけている。言い返す純美子。
と、突然、直前の純美子のセリフで、ロコの表情が一瞬にして真顔になった。
「え、えっと……ケンタ? ちょっと悪いんだけどさ――」
「うん、ケンタ君。先に行っててくれない? あとから行くから――」
「? ど、どうしたの――?」
「「いいから」」
まさかとは思いつつ、慌てて尋ねかえすと、ふたり揃ってそう僕に告げた。冗談の入り込むスキなんてない表情でお互いに見つめ合っている。まさか……喧嘩でもはじめようってのか?
「ね、ねえ、ふたりとも、ちょっと落ち着いて――!」
「……大丈夫だよ、ケンタ君。別にもめてるわけなじゃいから。安心して」
「そ。……どうしても話しておかないとイケナイ話があるってだけだから。女同士の、ね?」
「べ、別にケンタのために来たわけじゃないし。スミにどうしても、って言われただけだから」
「それでも、だよ。ありがとう」
僕がもう一度感謝の言葉を口にすると、ロコはとまどいながらも、こくり、とうなずいた。それから、何を思い出したのか、いつものように困ったような顔をしながら微笑む。
「みんな、ちっとも変わってないんだもん。ロコちゃん、ロコちゃんって。ちょっとびっくり」
「言うほど時間なんて経ってないじゃんか」
「ま、そうなんだけどさ……でも、あたし……」
ロコはそれきり、口をつぐんでしまう。
僕も言い出す言葉がみつからないまま、無言のまま並んで歩いた。
しばらくして、ふと、ロコがこう言った。
「……と、ところでさ、ケンタ?」
「ん?」
聞き返す。
すると、言いづらそうにロコはためらい、それから後ろ振り返った。
そこには真っ白なもこもこハイネックセーターの上に、僕の持っているものに似たネイビーのピーコートをはおった純美子が立っていた。フリルのあしらわれたピンクのふんわりとふくらんだスカートに厚手の黒タイツ。両手でボストンバッグを持っていて、ヒール高めのおでこ靴がコツコツ鳴っている。
「スミのウチって、木曽根商店街のところじゃなかったっけ?」
「……え!? あ……う、うん、そうなんだ……ケド……」
「なんで真っ赤になってるのさ? それに、そんな大荷物持って、一体どこに……? あ――」
何かを察したようなロコのセリフに、純美子はすっかり動揺してしまい、真っ赤になった頬を少しでも隠そうと首元のマフラーに顔を埋める。とたんにロコの表情がにやにやしだした。
「えー!? まさかとは思うけど……もしかして……ちょっと、ケンタ?」
「な、なんだよ? まさかって何の話だよ?」
僕も妙にあせってしまい、つい、怒ったような口調になる。ふっ、と突然顔を寄せてきたロコが、僕にだけ聴こえるようにそっと囁きかけた。
『ふーん……聖なるふたりだけの夜って奴ね。そういえばママが、ケンタんちのパパママがケンタを置いて田舎に帰ったって言ってたっけ。ふーん、なるほどねー? ふーん』
『な、なんだよ? べ、別に悪いことしてるわけじゃないだろ!?』
『……これからする気かも』
『なっ!? おまっ!? ばっ!?』
『未成年との淫行とかって罪重いんじゃないのー? 大丈夫―? ね、お・じ・さ・ん・?』
ちゅ、中学生と中学生なんだし問題ないだろ!?
っていうか、特にヘンなことするつもりなんてないってば!
とも言えず、あわあわ口をわななかせていると、ロコは僕を放っておいて、純美子のところに近付いた。そしてやっぱり冷やかすような顔つきで何やら話しかけている。言い返す純美子。
と、突然、直前の純美子のセリフで、ロコの表情が一瞬にして真顔になった。
「え、えっと……ケンタ? ちょっと悪いんだけどさ――」
「うん、ケンタ君。先に行っててくれない? あとから行くから――」
「? ど、どうしたの――?」
「「いいから」」
まさかとは思いつつ、慌てて尋ねかえすと、ふたり揃ってそう僕に告げた。冗談の入り込むスキなんてない表情でお互いに見つめ合っている。まさか……喧嘩でもはじめようってのか?
「ね、ねえ、ふたりとも、ちょっと落ち着いて――!」
「……大丈夫だよ、ケンタ君。別にもめてるわけなじゃいから。安心して」
「そ。……どうしても話しておかないとイケナイ話があるってだけだから。女同士の、ね?」
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