ラブ×リープ×ループ!

虚仮橋陣屋(こけばしじんや)

文字の大きさ
489 / 539

第487話 イチャコラすんな at 1996/2/26

しおりを挟む
 週も明けて月曜日。

 時刻は早くも放課後。僕らの部室の決して大きくも余裕もないちゃぶ台の上を覆い尽くすように、ぐでー、と占領してぶつぶつ愚痴を垂れ流しているヤツがいる。もちろんロコのことだ。


「うへぇ……マジでやんのぉ……? その模試のハナシなら、先週で終わったじゃんよー……」

「終わってない。結果が返ってきただけだろ」


 わざわざ荻島センセイの手を借りて全員分のプリントを作ってきたのだけれど、ロコが邪魔で置く場所がない。几帳面きちょうめんにまとめた紙束で容赦なくロコの背中を、びしびし! と叩いた。


「それにだ。毎回学校の中間・期末だって確認と復習やってるじゃんか。それと同じだって」

「あ、すっごい! ね、ケンタ君? 半分わけて。配るの手伝うよ!」


 ぴょこり、と僕の肩越しに顔を突き出した純美子に視線を向けたロコだったが、ちゃぶ台の上から退去するどころか開き直って居座る戦法に変更したようだ。がしり、と天板の端をつかむ。


「絶対! ぜーったい! あたし、ここからどかないからね!」

「……ほう? 実力行使がお望みのようだな? ま、そうでなくても――こうやれば、っと」


 無理矢理どかそうと思えばくすぐればいいだけのハナシなので、こっちにはだいぶ余裕がある。ただし、それはそれで、それなりのリスクが含まれており、『またあたしの前でいちゃついて……うふうふうふふ♡』と純美子が闇堕ちしかねないのだ。



 なので、





「……? ――!?」

 いっそロコのカラダをちゃぶ台と思えばよい、というダイタンな作戦を実行に移した僕だ。





「ちょ――ちょっと、あんたひと様のセクシーキュートなカラダをなんだと思ってるのよ!?」

「セクシーもキュートも理解不能だけど、部員みんなの公有地であるちゃぶ台様の上を不当に占有しているワケだから、こっちも好き勝手にやらせてもらおうってワケさ。黙って寝とけ」

「ちょ――!? 載せんな! インク臭いってば! かさかさくすぐったいし!」

「うん? 家具がしゃべったのかな? にしても……もうちょっと平らだといいんだけど……」


 おかしいな。もしかするとロコのヤツ、四月の身体測定より、む――胸が大きくなっているんじゃないか? もっと……こう……ぺたーん、としている方がプリント並べやすいんだが。



 ――ぐりり。



「なーにーをー見てるのカナー?」

「ごっ! 誤解です! スミちゃんの胸のあたりなんて見てませんって!」


 思わぬ失言に、ぐりり、と頬にねじ込まれたプリントの束を丸めた『凶器』の動きが一気に加速して、ぐごごごご! と掘削マシーンのように回転しはじめた。痛い! 痛いってば!


「いだだだだだだだだだだ!」

「うふうふうふふ……♡」

「くふ――ひゃいっ! も、もう! どくわよ、あたしっ!」

「おい、馬鹿! 今動くな! せっかく全部置いたプリントがバラバラに――っていだだだ!」

「うふうふうふふ……♡」

「あーもうっ! ロコちゃんパワーで、どぉおおおおおおおおおおん!!」



 どぅっ――ひらひらひらひら……。



「んなっ!? プ、プリントっ――!」


 もにゅり――反射的に伸ばした手のひらの中に、見事に、正確に、ロコの右胸ががが。


「……あ」

「あんっ」

「……うふうふうふふふふふふふふふふ♡」


 ちが――違う違う!
 今のは偶発的に起きた事故であってですねていうか変な声出すなぁ!


 僕らのドタバタイチャコラ劇の一部始終を眺めつつ、深々と溜息をついてなにごともなかったかのように平常運転に戻る部員たちであったとさ。


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】年収三百万円台のアラサー社畜と総資産三億円以上の仮想通貨「億り人」JKが湾岸タワーマンションで同棲したら

瀬々良木 清
ライト文芸
主人公・宮本剛は、都内で働くごく普通の営業系サラリーマン。いわゆる社畜。  タワーマンションの聖地・豊洲にあるオフィスへ通勤しながらも、自分の給料では絶対に買えない高級マンションたちを見上げながら、夢のない毎日を送っていた。  しかしある日、会社の近所で苦しそうにうずくまる女子高生・常磐理瀬と出会う。理瀬は女子高生ながら仮想通貨への投資で『億り人』となった天才少女だった。  剛の何百倍もの資産を持ち、しかし心はまだ未完成な女子高生である理瀬と、日に日に心が枯れてゆくと感じるアラサー社畜剛が織りなす、ちぐはぐなラブコメディ。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。  とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。  ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。  お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!  ※特別編4が完結しました!(2026.2.22)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

処理中です...