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幼馴染三人衆
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「高校受験合格おめでとう~!」
ボクと拓司に向けられたクラッカーが軽快な音を鳴らす。
いつもの藤堂の別館で集まったのはボクと拓司と、拓司の彼女で幼馴染の舞ちゃんだ。今日は高校受験が無事終了した男2人のお祝いだと舞ちゃんが企画してくれた。ちなみに舞ちゃんは中高一貫の女子校なので受験はない。
中学3年になってから受験に向けて本格的に活動し始めた。と言ってもボクはオメガ枠で合格が決まっているので少しでも点数を上げるため、拓司も合格レベルは充分に満たしていたので上位狙いだ。受験での順位は入学後に学内で発表されるらしい。
「もう1つ、小太郎の婚約お披露目会が決まったからついでにお祝いしましょ。」
そう、受験が終わったボクはついに静哉くんの婚約者だと世間に発表される。ボクの中では番になったときに一生を添い遂げる覚悟を決めていたから、お披露目会に関して特に改めて思うことはないけどね。
「いや~花嫁修行に付き合っていた私としても感慨深いわよね。」
「花嫁修行?そんなのしたっけ?」
「小太郎気付いてなかったのか?小さいころから藤堂家で色々一緒に習い事をしてきただろう?あれだよ。」
なんてこった。確かに小さいころからボクたち3人はこの藤堂家の別館で遊ばせてもらっていた。そのときについでだからと遊び感覚で色々習い事をさせてもらっていた。
小学校に上がってからもみんなで勉強をするときは常に大人が近くにいてわからないことや知らないことを教えてくれていた。理科の先生が来て庭のプールに片栗粉を溶かして水の上を走る実験などをしたこともある。
規模がえげつない。
「確かにマナーとか普通習わないよねぇ。」
「俺と舞はサーブする側も教えてもらったな。」
テーブルマナーの勉強では成果を見せるために藤堂家の本館で3人おめかししてフルコースを振る舞われた。試験監督はセバスチャンだ。
そういえば別館で練習して本館でお披露目という流れが自然にできていたな。ピアノも家族を呼んで観客になってもらい発表会をしたこともあった。
「それとゲーム関係も何かと藤堂財閥に絡んでいたぞ。ほら、神経衰弱とか。」
「"おじさん神経衰弱"のこと?」
"おじさん神経衰弱"とはその名の通り色々なおじさんが描かれたカードを神経衰弱の要領でめくって、なおかつおじさんの勤めている会社と役職とおじさんの名前が言えたらポイントになるカード遊びだ。ひっかけに双子のおじさんも混ざっていて非常に盛り上がった。あのおじさん達は藤堂財閥の子会社やグループ会社の社長や重役だったらしい。今はカードで遊んだりはしていないが、役職の変更があったら静哉くんが教えてくれてちゃんと最新情報を把握している。
「私は"小太郎電鉄"が好きだったな。」
"小太郎電鉄"とは双六の要領で全国の駅を回り、物件や特産物や株を購入しながらゴールを目指すテレビゲームだ。その内容も藤堂財閥関係で作られていた。もちろん物価も株価もリアルタイムで更新されていた。どこからか訴えられそうだが藤堂家で、ボクたちしか使わないから大丈夫だと静哉くんが言っていた。
「あのゲームを作ったの五十嵐の会社のシステム開発部の社員なんだぜ。そうそう、お披露目会はうちと共同開発して作ったシステムの発表会見をするついでにさりげなくするらしいな。」
ボクはあくまで一般人。過保護な大人たちはボクが目立つことを良しとしないのでしれっと発表してそのままやり過ごすつもりらしい。
こうして小さい頃を思い出してみると確かにここで学んだ様々なことは藤堂家の一員になるための勉強だったんだな。
「もしかして2人ともわかってて一緒に習い事をしてくれていたの?」
「おう、ただで習い事ができてラッキーだったな!」
「私なんて予定外に色々できるようになったから今の学校に行くことに決めたんだ。小太郎のおかげで選択の幅が広がったよ。」
「そのおかげで会う時間が減ったのは不満なんですけどー?」
「もう!その話は散々したでしょ?」
不満そうな拓司をポコポコ叩く舞ちゃん。
うん、今日も仲良し。
*******************************
舞が一時帰宅してもほとんど拓司が独占するので小太郎はあまり会えていません。
ボクと拓司に向けられたクラッカーが軽快な音を鳴らす。
いつもの藤堂の別館で集まったのはボクと拓司と、拓司の彼女で幼馴染の舞ちゃんだ。今日は高校受験が無事終了した男2人のお祝いだと舞ちゃんが企画してくれた。ちなみに舞ちゃんは中高一貫の女子校なので受験はない。
中学3年になってから受験に向けて本格的に活動し始めた。と言ってもボクはオメガ枠で合格が決まっているので少しでも点数を上げるため、拓司も合格レベルは充分に満たしていたので上位狙いだ。受験での順位は入学後に学内で発表されるらしい。
「もう1つ、小太郎の婚約お披露目会が決まったからついでにお祝いしましょ。」
そう、受験が終わったボクはついに静哉くんの婚約者だと世間に発表される。ボクの中では番になったときに一生を添い遂げる覚悟を決めていたから、お披露目会に関して特に改めて思うことはないけどね。
「いや~花嫁修行に付き合っていた私としても感慨深いわよね。」
「花嫁修行?そんなのしたっけ?」
「小太郎気付いてなかったのか?小さいころから藤堂家で色々一緒に習い事をしてきただろう?あれだよ。」
なんてこった。確かに小さいころからボクたち3人はこの藤堂家の別館で遊ばせてもらっていた。そのときについでだからと遊び感覚で色々習い事をさせてもらっていた。
小学校に上がってからもみんなで勉強をするときは常に大人が近くにいてわからないことや知らないことを教えてくれていた。理科の先生が来て庭のプールに片栗粉を溶かして水の上を走る実験などをしたこともある。
規模がえげつない。
「確かにマナーとか普通習わないよねぇ。」
「俺と舞はサーブする側も教えてもらったな。」
テーブルマナーの勉強では成果を見せるために藤堂家の本館で3人おめかししてフルコースを振る舞われた。試験監督はセバスチャンだ。
そういえば別館で練習して本館でお披露目という流れが自然にできていたな。ピアノも家族を呼んで観客になってもらい発表会をしたこともあった。
「それとゲーム関係も何かと藤堂財閥に絡んでいたぞ。ほら、神経衰弱とか。」
「"おじさん神経衰弱"のこと?」
"おじさん神経衰弱"とはその名の通り色々なおじさんが描かれたカードを神経衰弱の要領でめくって、なおかつおじさんの勤めている会社と役職とおじさんの名前が言えたらポイントになるカード遊びだ。ひっかけに双子のおじさんも混ざっていて非常に盛り上がった。あのおじさん達は藤堂財閥の子会社やグループ会社の社長や重役だったらしい。今はカードで遊んだりはしていないが、役職の変更があったら静哉くんが教えてくれてちゃんと最新情報を把握している。
「私は"小太郎電鉄"が好きだったな。」
"小太郎電鉄"とは双六の要領で全国の駅を回り、物件や特産物や株を購入しながらゴールを目指すテレビゲームだ。その内容も藤堂財閥関係で作られていた。もちろん物価も株価もリアルタイムで更新されていた。どこからか訴えられそうだが藤堂家で、ボクたちしか使わないから大丈夫だと静哉くんが言っていた。
「あのゲームを作ったの五十嵐の会社のシステム開発部の社員なんだぜ。そうそう、お披露目会はうちと共同開発して作ったシステムの発表会見をするついでにさりげなくするらしいな。」
ボクはあくまで一般人。過保護な大人たちはボクが目立つことを良しとしないのでしれっと発表してそのままやり過ごすつもりらしい。
こうして小さい頃を思い出してみると確かにここで学んだ様々なことは藤堂家の一員になるための勉強だったんだな。
「もしかして2人ともわかってて一緒に習い事をしてくれていたの?」
「おう、ただで習い事ができてラッキーだったな!」
「私なんて予定外に色々できるようになったから今の学校に行くことに決めたんだ。小太郎のおかげで選択の幅が広がったよ。」
「そのおかげで会う時間が減ったのは不満なんですけどー?」
「もう!その話は散々したでしょ?」
不満そうな拓司をポコポコ叩く舞ちゃん。
うん、今日も仲良し。
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舞が一時帰宅してもほとんど拓司が独占するので小太郎はあまり会えていません。
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