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ミミナガ

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お披露目パーティ2(side拓司)

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(side拓司たくじ

 あいつはいまごろ「この人"おじさん神経衰弱"で見た人だ~」とか思ってんだろうな。 

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 小太郎こたろうに出会ったのは2歳のとき、近所の児童館にまいと一緒に連れられたのが始まりだった。正直あまり覚えていない。
 俺は物心がつく前からまいが大好きで、俺の世界の全てがまいだった。そんな俺の世界に突然小太郎こたろうが入ってきた。親から聞いた話だが、最初はまいとすぐ仲良くなった小太郎こたろうを俺は邪険にしていたらしい。しかし意地悪をされてもニコニコと人懐っこく関わってくる小太郎こたろうと次第に仲良くなっていった。
 遊び場所は児童館からいつの間にか藤堂とうどう家別館になるころには俺にとって小太郎こたろうまいと同様に守るべき存在になっていた。当然1番はまいだけど。
 昔から俺のこのまいに対する執着具合で「実はアルファなのではないか?」と言われていたが、毎年の健康診断結果ではベータであることに変わりはなかった。と言っても五十嵐いがらし家は皆一度はアルファだと疑われるほどにそれぞれが各分野に秀でていた。
 無駄のない経営をこなす父、システム開発の総責任者の母、運動が得意で様々な種類の格闘技を極めている長男、学生でありながら既にホワイトハッカーとして会社で活躍している次男と全員がベータでありながら何かしらの才能を発揮していた。
 アルファの中でも能力が低くて、オメガというだけで小太郎こたろうを見下す奴もいる。結局は個性だと気付くのに時間はかからなかった。
 ただ、アルファとオメガはつがいという特別な繋がりでお互いを縛ることができる。ベータの俺にはどう頑張ってもベータのまいを縛ることはできない。
 そこが少し羨ましい。

 最初、静哉しずやくんは小太郎こたろうの兄だと思っていた。よく一緒に児童館にも来ていたし、いつも小太郎こたろうの近くにいて俺の1番がまいなように、彼の1番は小太郎こたろうだった。
 中学校に上る前に小太郎こたろうの正式な護衛にならないかと打診された。言われなくても小太郎こたろうといるつもりだったし、小遣いも貰えると言うので了承した。ただし、全寮制の女子校に行ったまいが帰ってきたときはそちらを優先させてもらうと条件を付けた。
 静哉しずやくんはただ優しいだけではない。藤堂とうどう家別館で色々な習い事を3人でさせてもらえたのは小太郎こたろうの将来のこともあるのだろうが、少ない人数で他人と関わることなく囲い込めるからだ。
 小太郎こたろうに近付くアルファとベータの男は牽制しろと言われている。俺が小太郎こたろうの近くにいられるのは俺が生まれたときからまい一筋だったからだろう。
 おそらくまいも女子校に行かなければ小太郎こたろうをサポートする役割を与えられていたんだろうなと容易に想像できる。

 そんなことを考えながら意識をパーティに戻す。今回は「五十嵐いがらしセキュリティ」中心なので家族総出で本番を迎えた。両親は舞台上、長男れつは警備、次男冬真とうまはシステム関係のサポート要員、俺は会場内でサーブアシスタントだ。
 立食型式なのでシャンパングラスを載せたトレイを片手に会場を歩き回る。実は自分も"おじさん神経衰弱'の答え合わせをしているようなものなので少し楽しい。今日は護衛ではないのだが、常に小太郎こたろうの位置と周りの状況は把握している。先ほどから小太郎こたろうたちに付かず離れずの距離にいるのは確か政界のご令嬢オメガか。静哉しずやくんを狙ってきたのか?まぁ彼らの間に割り込む隙はないと気付くだろうし危害を加える雰囲気ははなさそうなので放置で良いか。
 すると男性2人で話をしている姿が目に留まる。小太りの男性がアルコール飲料が入ったシャンパングラスを壮年の男性に勧めている。小太りな方はさっきのオメガ令嬢の父親だな。シャンパングラスを手渡された男性は確かお菓子メーカーの⋯。
 その後すぐに小太り男性は離れていった。そのタイミングで俺はこっそりと壮年の男性に声をかけた。

「よろしければグラスをお取替えいたしましょうか?」

 少し驚いた顔をした男性は次にニヤリと笑みを浮かばせた。

「わかるかい?」
「はい、アルコールは苦手と記憶しております。」

 双子の兄弟が立ち上げたお菓子メーカーで社長の兄はザル、弟は下戸だと"おじさん神経衰弱"で覚えていた。双子の見分け方についてを議題に皆で白熱したことは良い思い出だ。
 それにしても弟はあまり公の場には出ないと言われていたのに珍しいことだ。双子の弟、宮永一二みやながかずじ様は俺のネームプレートをチラッと一目した。

「君、五十嵐いがらし社長の息子か。」
「三男の拓司たくじと申します。」

 シャンパングラスのトレイを持っていたので浅く礼をする。

「ふむ⋯何か私に希望はあるかい?」

 これは個人契約のお誘いだろう。五十嵐うちで警備を担当する際、参加者の要人に気に入られると個人契約を持ちかけられることがある。会社うちでは名指しで護衛を契約できる。芸能人の護衛依頼などは信頼関係も重要となるため、大体このシステムが利用されている。
 利用者は信頼できる人と契約できるし、指名された側も給料が上がるためお互いにウィンウィンの関係だ。
 しかし俺は個人契約についてだとわかった上で、

「では御社で3年前に期間限定発売されたチョコレート菓子"なめこの館"を私のパートナーが非常に好んでおりまして、いつか再発売をご検討頂ければと思います。」

 と答えた。宮永みやなが様は「そちらかい?」と少し驚いた顔をした。
 驚くのも無理はない。警備担当の者は皆個人契約を欲しがっている。しかし俺には必要はない。

「私は春野小太郎はるのこたろうの護衛に永久就職が決まっておりますので。」

 宮永みやなが様は「残念だ。」とくすりと笑った。

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 幼馴染同士の恋愛も好きだけど、距離感バグってる幼馴染(恋愛ではない)も同じくらい好きです。
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