18 / 18
(最終話)ラブラブハッピーな未来
しおりを挟む
「お母さん早く!まずは2人で写真撮ろうよ。」
真っ黒なランドセルを背負って手を振るのは本日小学校の入学式を迎える息子の和哉だ。静哉くんにそっくりだけど髪の色はボクと同じく真っ黒だ。桜は散ってしまったが、色とりどりのチューリップが植えられたプランターが通路に並べられている。
「次はお父さんと姫ちゃんも一緒ね。拓司、写真撮って!」
はいはいとカメラを構えた拓司は学生時代から変わらずボクの友人で護衛だ。ボクの隣に並んだ格好良い旦那さまは3歳になったばかりの娘の姫華を抱っこしている。ボクにそっくりで髪色は静哉くんと同じ栗色の娘は我が家のアイドルだ。
ボクは高校卒業後、進学はしなかった。学生生活は充分堪能できたし、オメガに学歴は求められない。ボクは少しでも早く静哉くんの仕事の手伝いをしたかった。
18歳になってすぐ入籍し、卒業後は結婚式の準備のために本格的な仕事を覚えるのは式の後にすることになったので、必要な資格を取るために勉強した。拓司は大学に通うことになったので、その間は五十嵐家のSPが交代で護衛になった。
結婚式と新婚旅行を終えてから静哉くんの仕事の補佐をしながら忙しい日々を過ごしている。
「あ!和いた!」
「一緒に写真撮ろうぜ!」
走り寄って来たのは双子の兄弟の鷹と鷲だ。
「小太郎おはよ。晴れて良かったね~。」
「皆さんおはようございます。」
伸ばした髪を後ろにくくった雅が先輩に肩を抱かれて歩いてきた。先輩は相変わらず丁寧なヤクザにしか見えないな。
「雅おはよう。体調はどう?」
「悪阻も大分落ち着いたから平気。」
現在雅の大きなお腹には3人目の命が宿っている。肌に優しく脱ぎ着しやすいマタニティ服は一華ちゃんのお店の商品だ。
「ミャー子、俺たちは先に入って座っておこう。門真、双子を見ておいてくれ。」
先輩は護衛に一声かけてボクたちにペコリと頭を下げて雅を連れて行った。悪阻がひどかったのでかなり過保護になっていると以前雅が愚痴を零していた。
そんな雅はボクと同じく進学はせずに「僕に先輩の仕事を手伝えるなんてできるわけないでしょ?」と言って宮永のお菓子メーカーが経営、監修する和菓子店の店員として働いている。看板息子としておじいちゃん・おばあちゃんに大人気だそうだ。ちなみに雅は高校卒業間際に初発情期で先輩と番になり、そのまま流れるように入籍まで済ませた。本人もその速さに唖然としていたが、何だかんだ言って先輩のことは好きそうなのでいいんじゃないかな。
****************************
入学式を終え、雅たち宮永一家を誘って我が家(=藤堂家別館)の庭で入学祝いパーティをした。もうすぐ仕事の合間を縫って親戚一同が集まる予定だ。その前に合流した舞ちゃんは拓司と連名で子供たちに入学祝いの図書カードをくれた。舞ちゃんはアルバイトをしながら大学に通い、卒業後は正社員となって一華ちゃんの秘書になっている。大学卒業してすぐに拓司と籍を入れ、一緒に住むようになってから拓司のやる気が前にも増してみなぎっている。
「お父さん、だっこして。」
娘の姫華は甘えっ子なのですぐお父さんにだっこをせがむ。
「お兄ちゃんたちと遊ばないの?」
「おなかしゅいた。お母さんおぎぎりちょうだい?」
「はいはい、おにぎりね。おかかで良い?」
さ行が苦手な話し方が愛らしい。そういえば息子はら行が苦手だったな。娘がちまちまとおにぎりを食べていると「お腹すいたー!」と元気よく男子たちが走ってきた。
賑やかなパーティは夜まで続き、遊び疲れた子供たちは早々に寝てしまい思わぬ自由時間ができた。セバスチャンが明日の予定を告げて部屋から出て行くと静哉くんと2人きりになる。
「コタ、今日はお疲れ様。」
「静哉くんも、今日の姫華はずっと抱っこちゃんだったね。」
「父親の特権だよ。でも今は夫として可愛い妻を抱っこしたいかな?」
そう言ってさっとボクを抱き上げベッドまで運ぶ。子供たちは夢の中。娘が夜泣きしても住み込みの家政婦が対応してくれる。ボクは遠慮なく静哉くんにキスをした。
大好きな人たちに囲まれて、宝物のような子供たちを授かり、愛しい人とラブラブに過ごす日々。
ボクはこの上なく幸せだ!
******************************
これにて完結です。
見切り発車で書き始めたのでどのように話を進めていくか悩みました。最後まで書き切れて良かったと思います。
いつか雅を主人公にしたスピンオフを書けたらいいなと思っています。その時はこの話の続きではなく、完全に新しい話として更新するつもりです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
真っ黒なランドセルを背負って手を振るのは本日小学校の入学式を迎える息子の和哉だ。静哉くんにそっくりだけど髪の色はボクと同じく真っ黒だ。桜は散ってしまったが、色とりどりのチューリップが植えられたプランターが通路に並べられている。
「次はお父さんと姫ちゃんも一緒ね。拓司、写真撮って!」
はいはいとカメラを構えた拓司は学生時代から変わらずボクの友人で護衛だ。ボクの隣に並んだ格好良い旦那さまは3歳になったばかりの娘の姫華を抱っこしている。ボクにそっくりで髪色は静哉くんと同じ栗色の娘は我が家のアイドルだ。
ボクは高校卒業後、進学はしなかった。学生生活は充分堪能できたし、オメガに学歴は求められない。ボクは少しでも早く静哉くんの仕事の手伝いをしたかった。
18歳になってすぐ入籍し、卒業後は結婚式の準備のために本格的な仕事を覚えるのは式の後にすることになったので、必要な資格を取るために勉強した。拓司は大学に通うことになったので、その間は五十嵐家のSPが交代で護衛になった。
結婚式と新婚旅行を終えてから静哉くんの仕事の補佐をしながら忙しい日々を過ごしている。
「あ!和いた!」
「一緒に写真撮ろうぜ!」
走り寄って来たのは双子の兄弟の鷹と鷲だ。
「小太郎おはよ。晴れて良かったね~。」
「皆さんおはようございます。」
伸ばした髪を後ろにくくった雅が先輩に肩を抱かれて歩いてきた。先輩は相変わらず丁寧なヤクザにしか見えないな。
「雅おはよう。体調はどう?」
「悪阻も大分落ち着いたから平気。」
現在雅の大きなお腹には3人目の命が宿っている。肌に優しく脱ぎ着しやすいマタニティ服は一華ちゃんのお店の商品だ。
「ミャー子、俺たちは先に入って座っておこう。門真、双子を見ておいてくれ。」
先輩は護衛に一声かけてボクたちにペコリと頭を下げて雅を連れて行った。悪阻がひどかったのでかなり過保護になっていると以前雅が愚痴を零していた。
そんな雅はボクと同じく進学はせずに「僕に先輩の仕事を手伝えるなんてできるわけないでしょ?」と言って宮永のお菓子メーカーが経営、監修する和菓子店の店員として働いている。看板息子としておじいちゃん・おばあちゃんに大人気だそうだ。ちなみに雅は高校卒業間際に初発情期で先輩と番になり、そのまま流れるように入籍まで済ませた。本人もその速さに唖然としていたが、何だかんだ言って先輩のことは好きそうなのでいいんじゃないかな。
****************************
入学式を終え、雅たち宮永一家を誘って我が家(=藤堂家別館)の庭で入学祝いパーティをした。もうすぐ仕事の合間を縫って親戚一同が集まる予定だ。その前に合流した舞ちゃんは拓司と連名で子供たちに入学祝いの図書カードをくれた。舞ちゃんはアルバイトをしながら大学に通い、卒業後は正社員となって一華ちゃんの秘書になっている。大学卒業してすぐに拓司と籍を入れ、一緒に住むようになってから拓司のやる気が前にも増してみなぎっている。
「お父さん、だっこして。」
娘の姫華は甘えっ子なのですぐお父さんにだっこをせがむ。
「お兄ちゃんたちと遊ばないの?」
「おなかしゅいた。お母さんおぎぎりちょうだい?」
「はいはい、おにぎりね。おかかで良い?」
さ行が苦手な話し方が愛らしい。そういえば息子はら行が苦手だったな。娘がちまちまとおにぎりを食べていると「お腹すいたー!」と元気よく男子たちが走ってきた。
賑やかなパーティは夜まで続き、遊び疲れた子供たちは早々に寝てしまい思わぬ自由時間ができた。セバスチャンが明日の予定を告げて部屋から出て行くと静哉くんと2人きりになる。
「コタ、今日はお疲れ様。」
「静哉くんも、今日の姫華はずっと抱っこちゃんだったね。」
「父親の特権だよ。でも今は夫として可愛い妻を抱っこしたいかな?」
そう言ってさっとボクを抱き上げベッドまで運ぶ。子供たちは夢の中。娘が夜泣きしても住み込みの家政婦が対応してくれる。ボクは遠慮なく静哉くんにキスをした。
大好きな人たちに囲まれて、宝物のような子供たちを授かり、愛しい人とラブラブに過ごす日々。
ボクはこの上なく幸せだ!
******************************
これにて完結です。
見切り発車で書き始めたのでどのように話を進めていくか悩みました。最後まで書き切れて良かったと思います。
いつか雅を主人公にしたスピンオフを書けたらいいなと思っています。その時はこの話の続きではなく、完全に新しい話として更新するつもりです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
130
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
Ωだったけどイケメンに愛されて幸せです
空兎
BL
男女以外にα、β、Ωの3つの性がある世界で俺はオメガだった。え、マジで?まあなってしまったものは仕方ないし全力でこの性を楽しむぞ!という感じのポジティブビッチのお話。異世界トリップもします。
※オメガバースの設定をお借りしてます。
起きたらオメガバースの世界になっていました
さくら優
BL
眞野新はテレビのニュースを見て驚愕する。当たり前のように報道される同性同士の芸能人の結婚。飛び交うα、Ωといった言葉。どうして、なんで急にオメガバースの世界になってしまったのか。
しかもその夜、誘われていた合コンに行くと、そこにいたのは女の子ではなくイケメンαのグループで――。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
『アルファ拒食症』のオメガですが、運命の番に出会いました
小池 月
BL
大学一年の半田壱兎<はんだ いちと>は男性オメガ。壱兎は生涯ひとりを貫くことを決めた『アルファ拒食症』のバース性診断をうけている。
壱兎は過去に、オメガであるために男子の輪に入れず、女子からは異端として避けられ、孤独を経験している。
加えてベータ男子からの性的からかいを受けて不登校も経験した。そんな経緯から徹底してオメガ性を抑えベータとして生きる『アルファ拒食症』の道を選んだ。
大学に入り壱兎は初めてアルファと出会う。
そのアルファ男性が、壱兎とは違う学部の相川弘夢<あいかわ ひろむ>だった。壱兎と弘夢はすぐに仲良くなるが、弘夢のアルファフェロモンの影響で壱兎に発情期が来てしまう。そこから壱兎のオメガ性との向き合い、弘夢との関係への向き合いが始まるーー。
☆BLです。全年齢対応作品です☆
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
いい加減観念して結婚してください
彩根梨愛
BL
平凡なオメガが成り行きで決まった婚約解消予定のアルファに結婚を迫られる話
元々ショートショートでしたが、続編を書きましたので短編になりました。
2025/05/05時点でBL18位ありがとうございます。
作者自身驚いていますが、お楽しみ頂き光栄です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
完結おめでとうございます、更新ありがとうございました。
タイトルからして可愛らしいお話でした。小太郎くんの心情もわかりやすく可愛かったし、静哉くんの囲い込みもガッチリした真綿で「これこれ、これなんだよ」って感じでしっくりきながら読めました。わかりやすいオメガバース最高。
スピンオフも楽しみにしてます。
読んで頂きありがとうございました。
苦労して幸せを掴むオメガも物語に深みが出て好きなのですが、たまにハッピーだけのオメガバースを見たくなるときもあるので自分で書いちゃいました!
スピンオフは気長にお待ち頂ければと思います(•‿•)
何時も楽しく読ませてもらってます。
スピンオフ、楽しみにしてますね。
読んで頂きありがとうございます!
考えがまとまったら書きたいな〜とぼんやり考えております(^^)