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シーズン1 魔法使いの塔
第六章 11)不吉な胸騒ぎ
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バルザ殿が部屋からいなくなって、私はドッと疲れを感じ、へたりこむように椅子に坐った。
バルザ殿が醸し出すオーラは凄まじい。
口調は丁寧で、眼差しは優しく、その印象はあくまで温厚な僧か、知的な学者という感じである。
しかし先程の戦い振りを見ていたせいか、その温厚で知的な表面の下に、とんでもなく凶暴な野獣を裡に抱えているのも感じ取れるのだ。
それが、私を終始脅かしていたかもしれない。
あまり正確な喩えではないかもしれないが、獰猛な野獣が閉じ込められている、その檻の前に立っているような感じなのだ。
但しその檻は絶対的に頑丈で、その野獣がいくら暴れようとも壊れることはないと保障されている。
だけど野獣のその迫力を鼻先に感じ続けされるのだから、こっちとしては断じて平静でいられない。
プラーヌスと一緒にいても疲れることは確かだ。
あの二人で行った旅以降は多少、プラーヌスの醸し出すトゲトゲしたオーラに慣れたことは確かだけど、プラーヌスも檻の中に凶暴な獣を飼っていて、しかもその檻の鉄格子は、バルザ殿の檻より遥かに壊れやすい。
その中にいる野獣が、ちょっとした刺激で飛び出てきそうで、そういう意味ではプラーヌスのほうが厄介である。
しかしプラーヌスには自堕落なところがあって、自分自身を厳しく律しているところがまるでない。
何かと要求が多い主ではあるが、どこか好い加減な部分が見て取れ、そんな奴に何を言われても気は楽なのである。
基本的に彼は孤独が好きで、個人主義者であろう。
プラーヌスは何も他人に期待していないと思う。
そもそも他人を信用していないに違いない。
何か下手なことをやらかして怒らせさえしなければ、扱いは簡単なのだ。
一方、バルザ殿はそういう意味ではまるでプラーヌスと正反対だと思う。
バルザ殿はストイックで、大変に高いレベルに生きている。私は普通に話していても、終始彼を見上げているような気分にさせられる。
いや、しかしそれが不快なのかという決してそうではない。
そんなバルザ殿に魅せられて、むしろこっちも彼のレベルに合わせなければいけない気にさせられるのだ。
そう、何かバルザ殿といると、いつもの自分以上の自分でありたくなるのだ。
だからバルザ殿に率いられた兵たちは自分たち以上の力を出すのかもしれない。誰もがバルザ殿の期待に応えたい、バルザ殿に認められたいと張り切るから。
しかしそういう人と一緒にいると疲れるのは間違いないだろう。
特に私のような、部屋に籠って絵を描いているだけで幸せを充分に感じられるタイプは、バルザ殿の太陽のようなエネルギーは苦手である。
長時間、太陽の光の下にいるとその熱で体力を奪われるように、全身汗だらけでくたびれ果ててしまう。
そういうわけで私は疲れ切っていた。
しばらく椅子に座って休むことにする。
何だか自分のパワーを全てバルザ殿に吸い取られたような気分である。
私はプラーヌス同様、太陽と相性は悪いのかもしれない。次にバルザ殿と会うときは貴婦人が持つような日傘が必要だろう。
そんなことを考えながら椅子に座っていたら、その部屋にプラーヌスが現れた。
「やあ、シャグラン」
「ど、どうしたんだよ、プラーヌス、突然」
「うん、とても拙いことになったかもしれない」
その表情から伺うに、彼は私とバルザ殿の会話をどうやってか盗み聞きしていたようであった。
しかしプラーヌスはその事実をことさら言いたてることもなく、まして言い訳もすることもなく、さもそれは当然だという感じの態度である。
「本当にこれはとても拙いことになったね」
プラーヌスはさっきまでバルザ殿が座っていた椅子に腰かけた。
「な、何がだよ?」
私はバルザ殿との会話の中で、何か彼の気を損ねるようなことを言っていたのかと思ってドキリとした。
心当たりはないわけではない。
「いや、バルザ殿のことさ。せっかく優秀な門番を見つけたと思ったのに、すぐにここから出ていかれるかもしれないと僕は危惧している」
「ど、どうしてさ?」
どうやらプラーヌスは私のことでその表情を暗く曇らせているわけではないようだ。
それがわかって私は少しホッとしたが、バルザ殿を解雇するなんてどういうことだ?
「バルザ殿はやはり只者ではない。ただ強いだけの乱暴者でなく、かなり頭も切れるということさ。恐るべき勘の良さだよ」
「・・・何のことを言っているのかさっぱりわからないけれど、確かに彼は頭も良さそうだね」
「まあ、僕も少しばかり無茶なことをしたことは事実なんだ。無から有を生じさせるのは、あまりに強引なやり方だったかもしれない。記憶を奪うよりもずっとね。ましてや指輪一つでそれをやるなんて、今から思うと正気の沙汰とは思えない」
「だから何のことを言ってるんだよ?」
私はプラーヌスの話している言葉の意味が一つも理解出来なくて苛々してきた。
「まあ、独り言のようなものだね」
プラーヌスは苦笑いしながらそう言った。「君には永遠にわからないことさ。教えるつもりもないよ。だけどそれぐらいの愚痴は許してくれ」
「愚痴なのかい、これは・・・」
「ああ、愚痴と後悔さ。しかしまあ、あれだけの人物だ、多少の小細工じゃどうにもならなかったかもしれないが」
「本当に訳がわからないよ、プラーヌス」
私は呆れるように声を上げた。
「もちろん、せっかく手に入れることが出来た門番を、あっさりと手放す気はないのだけどね。これから、もっと強烈な手を打つけれど」
「はあ・・・」
「あれほど優秀な門番はどこを探しても見つかりっこないだろう。何が何でも引き止めてみせるさ」
「そうかい」
結局、彼が何を言いたいのか何一つわからないまま、プラーヌスは部屋を出ていってしまった。
それでも、わかったがまるでなかったわけでもない。
私にもわかったこと、それは私とバルザ殿の会話を盗み聞きしたプラーヌスは、バルザ殿がこの塔からすぐに出て行くかもしれないと危機感を感じているということだ。
それを悟るに至った事情は、その会話のどの断片からなのかまるでわからないのだけど、プラーヌスはその事実を確信しているということ。
プラーヌスがそれを確信しているというのなら、どうやらそれは事実に間違いないということ。
私はその事実を前に取り乱さざるにはいられなかった。
バルザ殿と話すと汗をぐっしょりかくほど疲れるが、彼にはこの塔を出ていって欲しくない。
そんなの寂しいに決まっているではないか。
確かにバルザ殿はこの塔にいるのが不本意かもしれない。
だけどせっかく得られた門番なのだ。この塔の人間として、そのような大切な人材を失いたくないのは当たり前だ。
それにバルザ殿が出ていくというのは、プラーヌスの計画がどこかで失敗したということである。
それは何らかの不幸な結末を招くかもしれないのだ。
私は勘の良いほうではないが、嫌な胸騒ぎを感じざるを得なかった。
バルザ殿が醸し出すオーラは凄まじい。
口調は丁寧で、眼差しは優しく、その印象はあくまで温厚な僧か、知的な学者という感じである。
しかし先程の戦い振りを見ていたせいか、その温厚で知的な表面の下に、とんでもなく凶暴な野獣を裡に抱えているのも感じ取れるのだ。
それが、私を終始脅かしていたかもしれない。
あまり正確な喩えではないかもしれないが、獰猛な野獣が閉じ込められている、その檻の前に立っているような感じなのだ。
但しその檻は絶対的に頑丈で、その野獣がいくら暴れようとも壊れることはないと保障されている。
だけど野獣のその迫力を鼻先に感じ続けされるのだから、こっちとしては断じて平静でいられない。
プラーヌスと一緒にいても疲れることは確かだ。
あの二人で行った旅以降は多少、プラーヌスの醸し出すトゲトゲしたオーラに慣れたことは確かだけど、プラーヌスも檻の中に凶暴な獣を飼っていて、しかもその檻の鉄格子は、バルザ殿の檻より遥かに壊れやすい。
その中にいる野獣が、ちょっとした刺激で飛び出てきそうで、そういう意味ではプラーヌスのほうが厄介である。
しかしプラーヌスには自堕落なところがあって、自分自身を厳しく律しているところがまるでない。
何かと要求が多い主ではあるが、どこか好い加減な部分が見て取れ、そんな奴に何を言われても気は楽なのである。
基本的に彼は孤独が好きで、個人主義者であろう。
プラーヌスは何も他人に期待していないと思う。
そもそも他人を信用していないに違いない。
何か下手なことをやらかして怒らせさえしなければ、扱いは簡単なのだ。
一方、バルザ殿はそういう意味ではまるでプラーヌスと正反対だと思う。
バルザ殿はストイックで、大変に高いレベルに生きている。私は普通に話していても、終始彼を見上げているような気分にさせられる。
いや、しかしそれが不快なのかという決してそうではない。
そんなバルザ殿に魅せられて、むしろこっちも彼のレベルに合わせなければいけない気にさせられるのだ。
そう、何かバルザ殿といると、いつもの自分以上の自分でありたくなるのだ。
だからバルザ殿に率いられた兵たちは自分たち以上の力を出すのかもしれない。誰もがバルザ殿の期待に応えたい、バルザ殿に認められたいと張り切るから。
しかしそういう人と一緒にいると疲れるのは間違いないだろう。
特に私のような、部屋に籠って絵を描いているだけで幸せを充分に感じられるタイプは、バルザ殿の太陽のようなエネルギーは苦手である。
長時間、太陽の光の下にいるとその熱で体力を奪われるように、全身汗だらけでくたびれ果ててしまう。
そういうわけで私は疲れ切っていた。
しばらく椅子に座って休むことにする。
何だか自分のパワーを全てバルザ殿に吸い取られたような気分である。
私はプラーヌス同様、太陽と相性は悪いのかもしれない。次にバルザ殿と会うときは貴婦人が持つような日傘が必要だろう。
そんなことを考えながら椅子に座っていたら、その部屋にプラーヌスが現れた。
「やあ、シャグラン」
「ど、どうしたんだよ、プラーヌス、突然」
「うん、とても拙いことになったかもしれない」
その表情から伺うに、彼は私とバルザ殿の会話をどうやってか盗み聞きしていたようであった。
しかしプラーヌスはその事実をことさら言いたてることもなく、まして言い訳もすることもなく、さもそれは当然だという感じの態度である。
「本当にこれはとても拙いことになったね」
プラーヌスはさっきまでバルザ殿が座っていた椅子に腰かけた。
「な、何がだよ?」
私はバルザ殿との会話の中で、何か彼の気を損ねるようなことを言っていたのかと思ってドキリとした。
心当たりはないわけではない。
「いや、バルザ殿のことさ。せっかく優秀な門番を見つけたと思ったのに、すぐにここから出ていかれるかもしれないと僕は危惧している」
「ど、どうしてさ?」
どうやらプラーヌスは私のことでその表情を暗く曇らせているわけではないようだ。
それがわかって私は少しホッとしたが、バルザ殿を解雇するなんてどういうことだ?
「バルザ殿はやはり只者ではない。ただ強いだけの乱暴者でなく、かなり頭も切れるということさ。恐るべき勘の良さだよ」
「・・・何のことを言っているのかさっぱりわからないけれど、確かに彼は頭も良さそうだね」
「まあ、僕も少しばかり無茶なことをしたことは事実なんだ。無から有を生じさせるのは、あまりに強引なやり方だったかもしれない。記憶を奪うよりもずっとね。ましてや指輪一つでそれをやるなんて、今から思うと正気の沙汰とは思えない」
「だから何のことを言ってるんだよ?」
私はプラーヌスの話している言葉の意味が一つも理解出来なくて苛々してきた。
「まあ、独り言のようなものだね」
プラーヌスは苦笑いしながらそう言った。「君には永遠にわからないことさ。教えるつもりもないよ。だけどそれぐらいの愚痴は許してくれ」
「愚痴なのかい、これは・・・」
「ああ、愚痴と後悔さ。しかしまあ、あれだけの人物だ、多少の小細工じゃどうにもならなかったかもしれないが」
「本当に訳がわからないよ、プラーヌス」
私は呆れるように声を上げた。
「もちろん、せっかく手に入れることが出来た門番を、あっさりと手放す気はないのだけどね。これから、もっと強烈な手を打つけれど」
「はあ・・・」
「あれほど優秀な門番はどこを探しても見つかりっこないだろう。何が何でも引き止めてみせるさ」
「そうかい」
結局、彼が何を言いたいのか何一つわからないまま、プラーヌスは部屋を出ていってしまった。
それでも、わかったがまるでなかったわけでもない。
私にもわかったこと、それは私とバルザ殿の会話を盗み聞きしたプラーヌスは、バルザ殿がこの塔からすぐに出て行くかもしれないと危機感を感じているということだ。
それを悟るに至った事情は、その会話のどの断片からなのかまるでわからないのだけど、プラーヌスはその事実を確信しているということ。
プラーヌスがそれを確信しているというのなら、どうやらそれは事実に間違いないということ。
私はその事実を前に取り乱さざるにはいられなかった。
バルザ殿と話すと汗をぐっしょりかくほど疲れるが、彼にはこの塔を出ていって欲しくない。
そんなの寂しいに決まっているではないか。
確かにバルザ殿はこの塔にいるのが不本意かもしれない。
だけどせっかく得られた門番なのだ。この塔の人間として、そのような大切な人材を失いたくないのは当たり前だ。
それにバルザ殿が出ていくというのは、プラーヌスの計画がどこかで失敗したということである。
それは何らかの不幸な結末を招くかもしれないのだ。
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