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18 犯人
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「裏切り者~!!」
見覚えの有るベッドで仰向けのままユッカに頭を押さえられているモラフ。
そして…両手両足をガッチリ押さえるのは、ドレアの忠実な下僕、使用人ココとレミアだ。
「はい!モラフ君に質問が有ります。」
椅子に座り細い脚を組む女性…ご存じ姉外道ドレアだ。
「私の大好物のランの実を全部食べたのはモラフ君ですか?」
ランの実とは、今の時季に森で採れる石ころ位の大きさの実だ。棘々の殻に守られ焚き火に入れるとパチパチと音を出しながら外皮が真っ赤になる。その皮を剥くと、
それは柔らかく白い実が現れる。
(お嬢様…儂も、あの何とも言えない甘味は大好きなのじゃ!)
「食べてません!」
「はい!ブーです。」
「アハ!」
またしても、足の間に何とも言えぬ衝撃が防御力0の、モラフを襲った!
(母上!グリーンドラゴンの加護とは何なのですか!)
珍獣服は役に立ってくれない。
護衛…そうだ僕の護衛が僕を押さえるなんて変な話しだぞ!
「ユッカ!お願い助けてよ!」
真上に見えるユッカに、可愛い瞳を向け助けを求める。
その瞳は、君は僕の騎士だと必死に訴えていたのだ。
「アタシも好き…ランの実。」
使命より食欲を選んだユッカ。その虚ろな瞳は、今押さえているのがモラフだと認識しているかも怪しい所だ!
(人間の欲とは…何とも恐ろしく哀しいものじゃ!)
「無念!」
口の周りに食べカスが沢山付いているモラフは白状する。
「姉上の大好物は…僕の大好物でもあるのだ!」
「ぎゅ!ぐあ!はう~!」
当然と言えば、そこまでの話しだ。チョン撃を受けるに値する事をしたのはモラフなのだから…。
珍しく姉上では無く、モラフが悪い事をしてしまった。
本当に人の欲とは…恐ろしいものだ。
(儂は前世から大好物なのじゃ!1番好物歴が長い!)
無惨な姿で横たわるモラフ。足の間がパチパチと熱くなっている。
「アタシ…ランの実が採れる場所…知ってます!」
場の空気が一変する!今の時季にランの実が店に並んでも直ぐに無くなってしまう。栽培方法は不明。森や山に入り天然物を探すしかないのだ。値段も、それなりにする。公爵家には度々、贈り物として贈られて来るには来るのだが常に少量だ。
簡単に言ってしまえばランの実は…希少実なのだ!
「行くわよ!私達でランの実を採り尽くすのよ!」
翌日。
登山に適した動きやすい格好をするドレアとユッカ。
護身用に剣を腰に差している。
…モラフ?彼は嫡子だ!どんな場所に行こうが正装だ。礼儀は忘れない。
「ママ!ランの実を探してきます。」
クレハは今の時期は、獣達の気性が荒いから危ないと言うのだが、ドレア達の食欲は止まらなかった。
「アタシの家です!」
ユッカが指差す先に木造の建物が見える。
(ふむ、いかにも木こりの家じゃ!)
庭の薪の詰み具合が生活感を漂わせている。モラフは、親御さんに挨拶したいとユッカに頼み、家に入ろうとするのだったが、扉が開かない。どうやら留守の様だ。
居ないものは、仕方がない。挨拶はまたにして3人は、
少し色付き始めた森の木の葉を見ながら雑林の中へ消えて行くのだった。
それにしても、珍獣モラフの正装は…森が良く似合う。
果たして無事にランの実を採れるのだろうか?
見覚えの有るベッドで仰向けのままユッカに頭を押さえられているモラフ。
そして…両手両足をガッチリ押さえるのは、ドレアの忠実な下僕、使用人ココとレミアだ。
「はい!モラフ君に質問が有ります。」
椅子に座り細い脚を組む女性…ご存じ姉外道ドレアだ。
「私の大好物のランの実を全部食べたのはモラフ君ですか?」
ランの実とは、今の時季に森で採れる石ころ位の大きさの実だ。棘々の殻に守られ焚き火に入れるとパチパチと音を出しながら外皮が真っ赤になる。その皮を剥くと、
それは柔らかく白い実が現れる。
(お嬢様…儂も、あの何とも言えない甘味は大好きなのじゃ!)
「食べてません!」
「はい!ブーです。」
「アハ!」
またしても、足の間に何とも言えぬ衝撃が防御力0の、モラフを襲った!
(母上!グリーンドラゴンの加護とは何なのですか!)
珍獣服は役に立ってくれない。
護衛…そうだ僕の護衛が僕を押さえるなんて変な話しだぞ!
「ユッカ!お願い助けてよ!」
真上に見えるユッカに、可愛い瞳を向け助けを求める。
その瞳は、君は僕の騎士だと必死に訴えていたのだ。
「アタシも好き…ランの実。」
使命より食欲を選んだユッカ。その虚ろな瞳は、今押さえているのがモラフだと認識しているかも怪しい所だ!
(人間の欲とは…何とも恐ろしく哀しいものじゃ!)
「無念!」
口の周りに食べカスが沢山付いているモラフは白状する。
「姉上の大好物は…僕の大好物でもあるのだ!」
「ぎゅ!ぐあ!はう~!」
当然と言えば、そこまでの話しだ。チョン撃を受けるに値する事をしたのはモラフなのだから…。
珍しく姉上では無く、モラフが悪い事をしてしまった。
本当に人の欲とは…恐ろしいものだ。
(儂は前世から大好物なのじゃ!1番好物歴が長い!)
無惨な姿で横たわるモラフ。足の間がパチパチと熱くなっている。
「アタシ…ランの実が採れる場所…知ってます!」
場の空気が一変する!今の時季にランの実が店に並んでも直ぐに無くなってしまう。栽培方法は不明。森や山に入り天然物を探すしかないのだ。値段も、それなりにする。公爵家には度々、贈り物として贈られて来るには来るのだが常に少量だ。
簡単に言ってしまえばランの実は…希少実なのだ!
「行くわよ!私達でランの実を採り尽くすのよ!」
翌日。
登山に適した動きやすい格好をするドレアとユッカ。
護身用に剣を腰に差している。
…モラフ?彼は嫡子だ!どんな場所に行こうが正装だ。礼儀は忘れない。
「ママ!ランの実を探してきます。」
クレハは今の時期は、獣達の気性が荒いから危ないと言うのだが、ドレア達の食欲は止まらなかった。
「アタシの家です!」
ユッカが指差す先に木造の建物が見える。
(ふむ、いかにも木こりの家じゃ!)
庭の薪の詰み具合が生活感を漂わせている。モラフは、親御さんに挨拶したいとユッカに頼み、家に入ろうとするのだったが、扉が開かない。どうやら留守の様だ。
居ないものは、仕方がない。挨拶はまたにして3人は、
少し色付き始めた森の木の葉を見ながら雑林の中へ消えて行くのだった。
それにしても、珍獣モラフの正装は…森が良く似合う。
果たして無事にランの実を採れるのだろうか?
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