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PHASE-1819【間近】
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余裕を見せても油断は見せないソドンバアム。
トリッキーな迎撃には意外性はあったけども――、
「くっ!」
「意外性だけだったな」
上半身を大きく反らしてからの迎撃だったけども、背後から膝裏に一蹴り入れられると直ぐさま体勢を崩されてからの、
「ぎぃ!?」
コンッという音と共にリーバイが頭を抑えながら倒れる。
「勝負有りだな」
ここで間に入る俺氏。
「リーバイの負け」
「くぅぅ……」
俺が敗北宣言を伝えれば悔しそうにしながらも立ち上がり、発言を受け入れるようにソドンバアムへと頭を下げる。
「というわけで、これからよろしく頼むぜ隊長さん」
ここでラルゴが代表して言えば、
「これだけ気骨のある連中の指揮が出来るってのは誉れだよ」
「そうだろう! なあリーバイ」
ラルゴに言われれば、
「ですね……」
渋々と返すところにはまだ子供らしさが残っている。
「ですが、隊長として不適合と判断したら――」
「はいはい、その時はまた受けて立ってやるよ」
「分かっていればいいですよ」
と、強気な発言にソドンバアムはやれやれとばかりに首を振る。
リーバイはリーバイで思っていることをちゃんと口に出せるようになった。良い成長だ。
「中々に強いね。頼れる隊長の誕生だよ」
「だな」
「兄ちゃんやオイラに比べれば弱いけどね」
「兵士は集団で規律を持って戦うからな。俺たちみたいに個人技で好き勝手に動き回るのとは違った強さだから」
「なるほどね」
納得してくれるミルモン。
実際、動きに関して速いというのは兵士同士の戦いで見た時の感想。
ミルモンが言うように、一対一なら十分に対処できる動きではあるけども兵士は集団だからな。
集団による乱れのない連携で攻めてこられれば、俺やミルモンは大いに苦戦することになる。
そう伝えれば、ここでも納得してくれる。
「ま、くろいバリバリを撃ち込めば相手は大混乱だけどね」
「それはそう」
強者であっても大魔法と勘違いする技だからな。
密集隊形による集団だからこそ、広範囲に影響のある魔法の前だと弱いのも事実。
「だからこそ魔法なんかを使ってくる難敵は大将たちを頼るのさ。で、俺たちの仕事は難敵の側にいる有象無象をぶっ潰すこと。大将たちが気を散らすことなく戦えるようにするのが俺たちの役目だ」
と、ラルゴ。
「自分たちが出来る部分で全力を出せば良いだけのことだ」
「その通りだな」
場を締めるようにモーリスのおっさんが言えば、ソドンバアムがそれに続く。
「あんたもやり手なんだろう?」
「そんなわけない。そこのリーバイという小僧だけでなく、お宅よりも遙かに格下だよ」
「本当か? 今度は俺たちで試してみねえか」
「冗談じゃねえよ!」
ラルゴからの挑戦を全力で拒否するモーリスのおっさんの必死さに場が和む。
「モーリスのおっさんはあれでしょ。ラルゴのおっちゃんと一緒で隊長の下で部隊に指示を出す副隊長の立場でしょ」
「自分がですか?」
ミルモンに対しては敬語なんだな。
俺の使い魔だからかな。
「アローンガット戦では見事に全体を指揮していたからね。ミルモンが言うようにラルゴと一緒になって隊長を支えつつ、各部隊への指示も頼みたいね」
「分かりました」
受け入れてはくれるけど、なんとも面倒な役割を担ったとばかりに顔は渋面。
実績がある以上、それなりのポジションにはついてもらわないとな。
俺の私兵は基本、訓練ばかりで実戦経験なんてほぼないからね。
経験を積んでいる者達に引っ張ってもらいたい。
これから合流してくれる製造所の私兵たちにも協力をしてもらわないとね。
と、
「そういえばロイルから参加する元クルーグ商会私兵たちって何人くらい参加するの?」
「ざっと百ですね」
なるほどね。
元々いたラルゴたち百。これにゴブリンとミストウルフによる騎獣隊。
ここに実戦経験があるロイル私兵が百。
「ラルゴ、合流予定組も含めた場合、現状どのくらいの数になってる?」
「五百ってところだな。古参以外にも志願者もいて本来はもっといたんだが訓練が過酷でな、半分くらいになっちまった」
それでも初期からしたら増えたな。
過酷な訓練でも残り続けた面子。
「頼りになるね」
「おうよ! その分、大将の懐も寂しくなっていくだろうけどな」
「……頼りになるね……」
「てことで、前線だが隊長が決まったことだし大将の言うように懇談会を開かねえとな!」
騒ぎたいだけじゃねえか……。
まあいいけど。俺が懇談会って言ったしな。
って、これ今後も私兵が集結する度に懇談会を開きそうなんですけど……。
「兄ちゃん完全にスッカラカンになるね」
「爺様に頼らねば……」
個人的に兵を持つって事はそれだけ支出もかさむって事だからな。
そこをケチってたら兵達の心も離れていくこともあるので、出すところでは出していきたい。
私兵のまとめ役も誕生したことだし、後は――、
「いよいよですかね」
「その時は近いでしょう」
先生との会話は要塞軍議室。
高順氏やゲッコーさん、ベルのお陰で兵達も見事に整っている状態。
仕事量が減って嬉しいようで、先生は三人を褒めちぎる。
で、軍議室にはナブル将軍に心の友であるダンブル子爵の姿もある。
要塞後方からも兵を全てこの地へと集結させていた。
当然、俺の私兵であるゴブリンとミストウルフの騎獣隊も集結しているので軍議室にはアルスン翁の姿もある。
居並んでいる面子を見ればいよいよってところだが、まだ役者が全員、揃っているわけじゃない。
先生のその時は近い発言。
大集結も間近だな。
トリッキーな迎撃には意外性はあったけども――、
「くっ!」
「意外性だけだったな」
上半身を大きく反らしてからの迎撃だったけども、背後から膝裏に一蹴り入れられると直ぐさま体勢を崩されてからの、
「ぎぃ!?」
コンッという音と共にリーバイが頭を抑えながら倒れる。
「勝負有りだな」
ここで間に入る俺氏。
「リーバイの負け」
「くぅぅ……」
俺が敗北宣言を伝えれば悔しそうにしながらも立ち上がり、発言を受け入れるようにソドンバアムへと頭を下げる。
「というわけで、これからよろしく頼むぜ隊長さん」
ここでラルゴが代表して言えば、
「これだけ気骨のある連中の指揮が出来るってのは誉れだよ」
「そうだろう! なあリーバイ」
ラルゴに言われれば、
「ですね……」
渋々と返すところにはまだ子供らしさが残っている。
「ですが、隊長として不適合と判断したら――」
「はいはい、その時はまた受けて立ってやるよ」
「分かっていればいいですよ」
と、強気な発言にソドンバアムはやれやれとばかりに首を振る。
リーバイはリーバイで思っていることをちゃんと口に出せるようになった。良い成長だ。
「中々に強いね。頼れる隊長の誕生だよ」
「だな」
「兄ちゃんやオイラに比べれば弱いけどね」
「兵士は集団で規律を持って戦うからな。俺たちみたいに個人技で好き勝手に動き回るのとは違った強さだから」
「なるほどね」
納得してくれるミルモン。
実際、動きに関して速いというのは兵士同士の戦いで見た時の感想。
ミルモンが言うように、一対一なら十分に対処できる動きではあるけども兵士は集団だからな。
集団による乱れのない連携で攻めてこられれば、俺やミルモンは大いに苦戦することになる。
そう伝えれば、ここでも納得してくれる。
「ま、くろいバリバリを撃ち込めば相手は大混乱だけどね」
「それはそう」
強者であっても大魔法と勘違いする技だからな。
密集隊形による集団だからこそ、広範囲に影響のある魔法の前だと弱いのも事実。
「だからこそ魔法なんかを使ってくる難敵は大将たちを頼るのさ。で、俺たちの仕事は難敵の側にいる有象無象をぶっ潰すこと。大将たちが気を散らすことなく戦えるようにするのが俺たちの役目だ」
と、ラルゴ。
「自分たちが出来る部分で全力を出せば良いだけのことだ」
「その通りだな」
場を締めるようにモーリスのおっさんが言えば、ソドンバアムがそれに続く。
「あんたもやり手なんだろう?」
「そんなわけない。そこのリーバイという小僧だけでなく、お宅よりも遙かに格下だよ」
「本当か? 今度は俺たちで試してみねえか」
「冗談じゃねえよ!」
ラルゴからの挑戦を全力で拒否するモーリスのおっさんの必死さに場が和む。
「モーリスのおっさんはあれでしょ。ラルゴのおっちゃんと一緒で隊長の下で部隊に指示を出す副隊長の立場でしょ」
「自分がですか?」
ミルモンに対しては敬語なんだな。
俺の使い魔だからかな。
「アローンガット戦では見事に全体を指揮していたからね。ミルモンが言うようにラルゴと一緒になって隊長を支えつつ、各部隊への指示も頼みたいね」
「分かりました」
受け入れてはくれるけど、なんとも面倒な役割を担ったとばかりに顔は渋面。
実績がある以上、それなりのポジションにはついてもらわないとな。
俺の私兵は基本、訓練ばかりで実戦経験なんてほぼないからね。
経験を積んでいる者達に引っ張ってもらいたい。
これから合流してくれる製造所の私兵たちにも協力をしてもらわないとね。
と、
「そういえばロイルから参加する元クルーグ商会私兵たちって何人くらい参加するの?」
「ざっと百ですね」
なるほどね。
元々いたラルゴたち百。これにゴブリンとミストウルフによる騎獣隊。
ここに実戦経験があるロイル私兵が百。
「ラルゴ、合流予定組も含めた場合、現状どのくらいの数になってる?」
「五百ってところだな。古参以外にも志願者もいて本来はもっといたんだが訓練が過酷でな、半分くらいになっちまった」
それでも初期からしたら増えたな。
過酷な訓練でも残り続けた面子。
「頼りになるね」
「おうよ! その分、大将の懐も寂しくなっていくだろうけどな」
「……頼りになるね……」
「てことで、前線だが隊長が決まったことだし大将の言うように懇談会を開かねえとな!」
騒ぎたいだけじゃねえか……。
まあいいけど。俺が懇談会って言ったしな。
って、これ今後も私兵が集結する度に懇談会を開きそうなんですけど……。
「兄ちゃん完全にスッカラカンになるね」
「爺様に頼らねば……」
個人的に兵を持つって事はそれだけ支出もかさむって事だからな。
そこをケチってたら兵達の心も離れていくこともあるので、出すところでは出していきたい。
私兵のまとめ役も誕生したことだし、後は――、
「いよいよですかね」
「その時は近いでしょう」
先生との会話は要塞軍議室。
高順氏やゲッコーさん、ベルのお陰で兵達も見事に整っている状態。
仕事量が減って嬉しいようで、先生は三人を褒めちぎる。
で、軍議室にはナブル将軍に心の友であるダンブル子爵の姿もある。
要塞後方からも兵を全てこの地へと集結させていた。
当然、俺の私兵であるゴブリンとミストウルフの騎獣隊も集結しているので軍議室にはアルスン翁の姿もある。
居並んでいる面子を見ればいよいよってところだが、まだ役者が全員、揃っているわけじゃない。
先生のその時は近い発言。
大集結も間近だな。
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