1,844 / 1,861
視線は南へ
PHASE-1844【よかチェスト】
しおりを挟む
なによりやはり一番大事な部分となるのは、
「とにもかくにも状況に合った最適解の効果を発揮できるスクロール発動だよな」
「兄ちゃんには難しそうだね」
「あ、うん……」
俺みたいな戦略眼が欠如しているのが持っていても宝の持ち腐れなのは分かっているよ。
でもストレートに言われるとヘコむってもんだ。
特に俺に高い忠誠心と信頼性を持っているミルモンから言われるとくるものがあるね……。
「あ⁉ 違うからね! 兄ちゃんは前線で戦わないといけないから全体を見る暇がないってことだからね。決して戦略や戦術がダメダメってことが理由じゃないから」
「なら嬉しいよ」
「オイラが兄ちゃんに対してそんなトゲのあるようなことを言うわけないじゃないか」
うん。たまに言っているけどね。
「で、どうするのさ?」
「簡単だな。こういったのに聡い方々に任せればいいだけだよ」
――。
「ふむふむ。私と公達にスクロールを任せるということですね」
「はい。まず間違いなくこの陣営――というかこの全軍の中で戦況を見極める能力において二人を超える存在はいませんので」
「ね、公達。主はこういった人なのですよ」
「裏表なく純粋な気持ちで言ってくれるので嬉しい反面、むず痒くもなりますね」
「私の気持ちが分かってくれたでしょう」
「はい。なにより悪い気がしません」
言われるとそれだけで励む気持ちになる。という言葉を二人して言ってくれる。
その気はないけど人誑しなのが俺のようだ。
「変化が激しい戦場で知略を振り絞ってくれるお二人には負担になるでしょうが、適任者となれば二人しかいません。お任せしてもいいですよね?」
「主に言われて断る理由はありません。そもそも上に立つ者はただ一言、実行せよ――と言うだけでよいのです」
「それは横着な言いようですね。言っている俺がもしいるなら俺自身が全力でぶん殴ってやりますよ!」
「そのような性格だからこそ我々もついて行くというもの。任された以上は十二分に力を発揮してご覧に入れましょう」
「とうとう我々もこの世界に馴染んだ力を扱えるわけですね叔父上」
「公達、私たちの偉大なる魔法で敵には絶望を味方には恩恵を与えてあげましょう」
ノリノリなのか先生がポージング。
手にした羊皮紙を巻き、それをワンドに見立てて空へと向ける。
これに遅れて荀攸さんもポージングを真似るが、先生より控えめなものだった。
先生の所作がコクリコに似ているところからして、普段のあいつの所作を参考にしているようだな。
「お二人とも魔法の効果を覚えるのは大変でしょうが――」
「心配ご無用!」
俺へと手のひらを見せて力強く先生が言えば、
「既に効果のほどは頭の中に入れておりますので」
と、荀攸さんが継ぐ。
流石というべきかリンは俺だけでなく皆にもメモを用意していたようで、二人はもう読み終わって完璧に理解している模様。
半日、必死になって読んだけども未だに理解できていない俺とはおつむの出来が違うってもんですばい。
先生じゃないけど、こういうのはやっぱり適材適所だよな。
スクロールは先生と荀攸さんに任せれば問題なし。
二人だけでなく、この二人の指示のもとに扱ってくれる者たちも内のギルドには多くいるからな。
――ギルドといえば、
「先日の夕暮れ時にいざこざがあったけど、現状、問題は発生していないよな?」
「報告が上がっていないから問題ないんじゃない。気になるなら南側に行ってみる?」
「ミルモンの提案に従いませう」
――馬上の人となって南側に移動。
先日は夕方って事もあって訓練を終えている者達も多かったが、昼間ともなれば覇気と闘気に漲る声が方々から上がってくる。
兵士たちも常に己を磨くように槍を手にして連携強化の訓練。
藁人形へと向かっての刺突。
槍衾とは違って班規模の五人編成からなる息の合った突きは強烈なもの。
五人が同じ場所を狙って突き刺すとなれば、大型の連中もひとたまりもないだろう。
無駄なく動く練度の高い兵たち。しかも各地から集まった装備が違う混成軍による高い連携。
付き合いの浅い者達ばかりだから訓練は各地の兵で分けてやったほうが効率が良さそうだが、先生がこの拠点にいるからその辺の問題は解決している。
ユニークスキル【王佐の才】が発動しているから混成軍であっても息の合った連携をサクサクと習得してくれるだろう。
加えて筍攸さんの通常スキルには【師事向上】ってのもあるからな。
二人が同じ場所にいることで習得速度は更に上がる。
励む混成軍だが王都兵の参加者は少ない。
理由は――、
「「「「キィィエェェェェェェェェェェェェェイィィイ!!!!」」」」
王都兵たちの猿叫に慣れていないようで、各地の兵たちは狂った声を上げて標的である藁人形へと突撃する王都兵の姿に距離を置いていた。
藁人形に家族でも殺されたのか? と思うほどに、目を血走らせて鬼気迫る勢いで全力疾走。
諸手で強く握りしめたロングソードを上から下へと振り下ろす姿には共に戦う者たちも畏怖を覚えている。
訓練中は狂気にも見える斬撃だろうが、戦場においてはその突撃が味方側を大いに奮起させてくれるだろう。
「いつ見ても狂っているようにしか見えない……」
藁人形に殺意を込めて剣を振り下ろす王都兵からは陰でも陽でもない不気味な感情が伝わってくるそうで、ミルモンはそれが大層に嫌なようだ。
藁人形であろうとも全身から殺意を放ち、雑念を捨てて斬撃にのみ集中しているという証拠なのかもしれない。
つまりは――、
「わっぜよか~チェストじゃ」
――ダイフクに跨り南側へと移動する中で兵たちの訓練を見つつ移動すれば、
「こっちはまた独特だよね」
「冒険者は集より個だからな」
といってもここでも班規模の隊伍で訓練中。
同じ班規模でも兵士たちのように同時方向から同時攻撃を行うということはなく、一人が正面、二人が左右か背後へと回り込む。後方の二人が前衛三人の支援という個々の特徴を活かした立ち回り方をしている。
これが兵と冒険者の違いだよな。
「会頭。本日も見回りですか?」
「ごきげんようカイル。皆、気合入ってるね」
「最前線のこの地だからこそ油断なんて出来ませんからね。いつでも戦えるように体は常に温めていますよ」
「温めるのもいいけど無理はしないようにね。怪我でもしたら大変だ」
「いやいや、すぐに回復するんで問題ないですよ!」
いつでも回復要員が動いてくれるってことだから結構、無理しているようだな。
「今日は他の冒険者たちとは問題は起こしていないよね?」
「よくやれていますよ。舐め腐ったことを口に出す奴は実力で分からせてやりますけどね」
本日も俺がここへと来る間に何度か衝突が起こっているってのが今の発言で分かったよ……。
以前に言っていたすこぶるいい関係とは何だったのか……。
それでも大きな問題に発展していないのはその実力行使に対して素直に受け入れているってことでもあるんだろう。
多分、きっと――そうであってほしい。
「とにもかくにも状況に合った最適解の効果を発揮できるスクロール発動だよな」
「兄ちゃんには難しそうだね」
「あ、うん……」
俺みたいな戦略眼が欠如しているのが持っていても宝の持ち腐れなのは分かっているよ。
でもストレートに言われるとヘコむってもんだ。
特に俺に高い忠誠心と信頼性を持っているミルモンから言われるとくるものがあるね……。
「あ⁉ 違うからね! 兄ちゃんは前線で戦わないといけないから全体を見る暇がないってことだからね。決して戦略や戦術がダメダメってことが理由じゃないから」
「なら嬉しいよ」
「オイラが兄ちゃんに対してそんなトゲのあるようなことを言うわけないじゃないか」
うん。たまに言っているけどね。
「で、どうするのさ?」
「簡単だな。こういったのに聡い方々に任せればいいだけだよ」
――。
「ふむふむ。私と公達にスクロールを任せるということですね」
「はい。まず間違いなくこの陣営――というかこの全軍の中で戦況を見極める能力において二人を超える存在はいませんので」
「ね、公達。主はこういった人なのですよ」
「裏表なく純粋な気持ちで言ってくれるので嬉しい反面、むず痒くもなりますね」
「私の気持ちが分かってくれたでしょう」
「はい。なにより悪い気がしません」
言われるとそれだけで励む気持ちになる。という言葉を二人して言ってくれる。
その気はないけど人誑しなのが俺のようだ。
「変化が激しい戦場で知略を振り絞ってくれるお二人には負担になるでしょうが、適任者となれば二人しかいません。お任せしてもいいですよね?」
「主に言われて断る理由はありません。そもそも上に立つ者はただ一言、実行せよ――と言うだけでよいのです」
「それは横着な言いようですね。言っている俺がもしいるなら俺自身が全力でぶん殴ってやりますよ!」
「そのような性格だからこそ我々もついて行くというもの。任された以上は十二分に力を発揮してご覧に入れましょう」
「とうとう我々もこの世界に馴染んだ力を扱えるわけですね叔父上」
「公達、私たちの偉大なる魔法で敵には絶望を味方には恩恵を与えてあげましょう」
ノリノリなのか先生がポージング。
手にした羊皮紙を巻き、それをワンドに見立てて空へと向ける。
これに遅れて荀攸さんもポージングを真似るが、先生より控えめなものだった。
先生の所作がコクリコに似ているところからして、普段のあいつの所作を参考にしているようだな。
「お二人とも魔法の効果を覚えるのは大変でしょうが――」
「心配ご無用!」
俺へと手のひらを見せて力強く先生が言えば、
「既に効果のほどは頭の中に入れておりますので」
と、荀攸さんが継ぐ。
流石というべきかリンは俺だけでなく皆にもメモを用意していたようで、二人はもう読み終わって完璧に理解している模様。
半日、必死になって読んだけども未だに理解できていない俺とはおつむの出来が違うってもんですばい。
先生じゃないけど、こういうのはやっぱり適材適所だよな。
スクロールは先生と荀攸さんに任せれば問題なし。
二人だけでなく、この二人の指示のもとに扱ってくれる者たちも内のギルドには多くいるからな。
――ギルドといえば、
「先日の夕暮れ時にいざこざがあったけど、現状、問題は発生していないよな?」
「報告が上がっていないから問題ないんじゃない。気になるなら南側に行ってみる?」
「ミルモンの提案に従いませう」
――馬上の人となって南側に移動。
先日は夕方って事もあって訓練を終えている者達も多かったが、昼間ともなれば覇気と闘気に漲る声が方々から上がってくる。
兵士たちも常に己を磨くように槍を手にして連携強化の訓練。
藁人形へと向かっての刺突。
槍衾とは違って班規模の五人編成からなる息の合った突きは強烈なもの。
五人が同じ場所を狙って突き刺すとなれば、大型の連中もひとたまりもないだろう。
無駄なく動く練度の高い兵たち。しかも各地から集まった装備が違う混成軍による高い連携。
付き合いの浅い者達ばかりだから訓練は各地の兵で分けてやったほうが効率が良さそうだが、先生がこの拠点にいるからその辺の問題は解決している。
ユニークスキル【王佐の才】が発動しているから混成軍であっても息の合った連携をサクサクと習得してくれるだろう。
加えて筍攸さんの通常スキルには【師事向上】ってのもあるからな。
二人が同じ場所にいることで習得速度は更に上がる。
励む混成軍だが王都兵の参加者は少ない。
理由は――、
「「「「キィィエェェェェェェェェェェェェェイィィイ!!!!」」」」
王都兵たちの猿叫に慣れていないようで、各地の兵たちは狂った声を上げて標的である藁人形へと突撃する王都兵の姿に距離を置いていた。
藁人形に家族でも殺されたのか? と思うほどに、目を血走らせて鬼気迫る勢いで全力疾走。
諸手で強く握りしめたロングソードを上から下へと振り下ろす姿には共に戦う者たちも畏怖を覚えている。
訓練中は狂気にも見える斬撃だろうが、戦場においてはその突撃が味方側を大いに奮起させてくれるだろう。
「いつ見ても狂っているようにしか見えない……」
藁人形に殺意を込めて剣を振り下ろす王都兵からは陰でも陽でもない不気味な感情が伝わってくるそうで、ミルモンはそれが大層に嫌なようだ。
藁人形であろうとも全身から殺意を放ち、雑念を捨てて斬撃にのみ集中しているという証拠なのかもしれない。
つまりは――、
「わっぜよか~チェストじゃ」
――ダイフクに跨り南側へと移動する中で兵たちの訓練を見つつ移動すれば、
「こっちはまた独特だよね」
「冒険者は集より個だからな」
といってもここでも班規模の隊伍で訓練中。
同じ班規模でも兵士たちのように同時方向から同時攻撃を行うということはなく、一人が正面、二人が左右か背後へと回り込む。後方の二人が前衛三人の支援という個々の特徴を活かした立ち回り方をしている。
これが兵と冒険者の違いだよな。
「会頭。本日も見回りですか?」
「ごきげんようカイル。皆、気合入ってるね」
「最前線のこの地だからこそ油断なんて出来ませんからね。いつでも戦えるように体は常に温めていますよ」
「温めるのもいいけど無理はしないようにね。怪我でもしたら大変だ」
「いやいや、すぐに回復するんで問題ないですよ!」
いつでも回復要員が動いてくれるってことだから結構、無理しているようだな。
「今日は他の冒険者たちとは問題は起こしていないよね?」
「よくやれていますよ。舐め腐ったことを口に出す奴は実力で分からせてやりますけどね」
本日も俺がここへと来る間に何度か衝突が起こっているってのが今の発言で分かったよ……。
以前に言っていたすこぶるいい関係とは何だったのか……。
それでも大きな問題に発展していないのはその実力行使に対して素直に受け入れているってことでもあるんだろう。
多分、きっと――そうであってほしい。
1
あなたにおすすめの小説
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
冷遇された聖女の結末
菜花
恋愛
異世界を救う聖女だと冷遇された毛利ラナ。けれど魔力慣らしの旅に出た途端に豹変する同行者達。彼らは同行者の一人のセレスティアを称えラナを貶める。知り合いもいない世界で心がすり減っていくラナ。彼女の迎える結末は――。
本編にプラスしていくつかのifルートがある長編。
カクヨムにも同じ作品を投稿しています。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる