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火龍
PHASE-126【氷結】
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「人間がなめおって」
俺が調べている間にも、マレンティは四本の内の二本の腕を使用して、トライデントを握る。
その他のサハギンが持つ物と違って、装飾や、煌びやかに宝石もちりばめているトライデントだ。
儀仗用にしか見えないな。
得意げに振り回せば、仕掛けてくるかと思いきや、穂先をこちらへと向けてくるだけだ。
だが、それを合図として、巣穴を思わせる要塞内の穴からサハギン達がわらわらと出現し、ゴブリンも遅れて現れる。
「うへ、多いな……」
流石は敵の要塞だ。
多くて当然だが、多すぎる。こっちは四人なのに。
包囲されて、チクチクと矢で攻撃をされたらいやだな~。
「ふん」
お、ベルお得意の炎で一蹴かと思ったが、軽機関銃での掃討だ。
包囲しようと画策するサハギン達はそれで考えを断念。
ミズーリも凄いが、白兵戦となると、ベルが図抜けている。
炎を使えばもっと凄いが、今回はあまり使用しない。
実戦で俺を鍛えるためなんだろうね。
「どうした? 自慢の炎とやらを見せてもらいたいものだ」
高圧的な声だ。
「フリーズランサー」
継いで唱えるのは、電柱くらいの氷の柱。
「そんなに見たいのならば見せてあげましょう! ファイヤーボール」
「貴様の初歩など興味が無い!」
あ、やっぱり初歩なんだな。
火の玉が簡単に氷の柱にかき消された。
「我が魔法が!?」
いや、うん。コクリコよ、初歩魔法でなぜにそこまでの自信があるのか……。
質量で考えても、相手の魔法より劣っているのは分かるじゃん。
「棒立ちしてないで躱せよ」
俺が隠れる岩までフードを引っ張る。「ぐえ」と、聞こえたがお構いなしだ。
が、美少女の【ぐえ】は聞きたくはないな。
「まったく」
ここでベルの炎が炸裂。
簡単に氷の柱と、その線上にいた敵が消し炭だ。
「たったの一振りだと。なんだあの炎は……。あの威力、三爪痕の三王のような力ではないか」
「どうした? 四本腕は至高なのだろう。この程度の火遊びで、後退りするとは情けないな」
「う……」
剣を指揮棒のように振れば、従うように炎が動く。まるで生命を与えられたかのようだ。
炎はマレンティを囲み、後退りをこれ以上させてやらないとばかりに退路を塞いだ。
「さあ、下がれなくなったな」
「なめるな! この程度の炎」
さっきは三王のような力と恐れておいて、今はこの程度と言う。情緒が不安定なのかな?
「ウォール・オブ・アイス」
氷の壁が炎の壁の内側に展開される。
「ほお」
感心しているベル。
それもそのはずだ。
氷の壁が、ベルの炎を防いでいる。氷が溶ける形跡もない。氷には霜が張り、冷気を出している。
信じられない。容易く灰燼とするベルの炎を防ぐなんて。
炎以上の氷となるなら、あの氷はチートクラスじゃないか。
え、でも、あいつレベル52だよ。ベルに対しても後退りしてたし。
でも、眼前では炎を防ぐ氷の壁という現実。
――あれ!? やばいんじゃないの。あいつ言うだけあって、強いんじゃないのか?
「我は火龍を封じる役目を司る。この程度の炎は、心地よい暖かさよ」
「言ってくれる。後退りしたようにも見えたが」
「貴様の見間違いだ。赤髪」
「嘘をつけ」
横からヤジを入れてやれば、
「黙れ!」
おっと、俺には強気に魔法を使ってくるよね。
コクリコと違って、リキャストタイムは短いようで、結構な数の魔法を連続で唱えてくる。
ここはまだ訪れてはいけないルートだったんじゃないだろうか。
RPGでも、行けるからといって、フィールドを進んで行くと、出て来るモンスターに瞬殺される事もあるからな。
ここはもっと腕を磨いて、訪れる場所だったのかもしれない……。
俺が調べている間にも、マレンティは四本の内の二本の腕を使用して、トライデントを握る。
その他のサハギンが持つ物と違って、装飾や、煌びやかに宝石もちりばめているトライデントだ。
儀仗用にしか見えないな。
得意げに振り回せば、仕掛けてくるかと思いきや、穂先をこちらへと向けてくるだけだ。
だが、それを合図として、巣穴を思わせる要塞内の穴からサハギン達がわらわらと出現し、ゴブリンも遅れて現れる。
「うへ、多いな……」
流石は敵の要塞だ。
多くて当然だが、多すぎる。こっちは四人なのに。
包囲されて、チクチクと矢で攻撃をされたらいやだな~。
「ふん」
お、ベルお得意の炎で一蹴かと思ったが、軽機関銃での掃討だ。
包囲しようと画策するサハギン達はそれで考えを断念。
ミズーリも凄いが、白兵戦となると、ベルが図抜けている。
炎を使えばもっと凄いが、今回はあまり使用しない。
実戦で俺を鍛えるためなんだろうね。
「どうした? 自慢の炎とやらを見せてもらいたいものだ」
高圧的な声だ。
「フリーズランサー」
継いで唱えるのは、電柱くらいの氷の柱。
「そんなに見たいのならば見せてあげましょう! ファイヤーボール」
「貴様の初歩など興味が無い!」
あ、やっぱり初歩なんだな。
火の玉が簡単に氷の柱にかき消された。
「我が魔法が!?」
いや、うん。コクリコよ、初歩魔法でなぜにそこまでの自信があるのか……。
質量で考えても、相手の魔法より劣っているのは分かるじゃん。
「棒立ちしてないで躱せよ」
俺が隠れる岩までフードを引っ張る。「ぐえ」と、聞こえたがお構いなしだ。
が、美少女の【ぐえ】は聞きたくはないな。
「まったく」
ここでベルの炎が炸裂。
簡単に氷の柱と、その線上にいた敵が消し炭だ。
「たったの一振りだと。なんだあの炎は……。あの威力、三爪痕の三王のような力ではないか」
「どうした? 四本腕は至高なのだろう。この程度の火遊びで、後退りするとは情けないな」
「う……」
剣を指揮棒のように振れば、従うように炎が動く。まるで生命を与えられたかのようだ。
炎はマレンティを囲み、後退りをこれ以上させてやらないとばかりに退路を塞いだ。
「さあ、下がれなくなったな」
「なめるな! この程度の炎」
さっきは三王のような力と恐れておいて、今はこの程度と言う。情緒が不安定なのかな?
「ウォール・オブ・アイス」
氷の壁が炎の壁の内側に展開される。
「ほお」
感心しているベル。
それもそのはずだ。
氷の壁が、ベルの炎を防いでいる。氷が溶ける形跡もない。氷には霜が張り、冷気を出している。
信じられない。容易く灰燼とするベルの炎を防ぐなんて。
炎以上の氷となるなら、あの氷はチートクラスじゃないか。
え、でも、あいつレベル52だよ。ベルに対しても後退りしてたし。
でも、眼前では炎を防ぐ氷の壁という現実。
――あれ!? やばいんじゃないの。あいつ言うだけあって、強いんじゃないのか?
「我は火龍を封じる役目を司る。この程度の炎は、心地よい暖かさよ」
「言ってくれる。後退りしたようにも見えたが」
「貴様の見間違いだ。赤髪」
「嘘をつけ」
横からヤジを入れてやれば、
「黙れ!」
おっと、俺には強気に魔法を使ってくるよね。
コクリコと違って、リキャストタイムは短いようで、結構な数の魔法を連続で唱えてくる。
ここはまだ訪れてはいけないルートだったんじゃないだろうか。
RPGでも、行けるからといって、フィールドを進んで行くと、出て来るモンスターに瞬殺される事もあるからな。
ここはもっと腕を磨いて、訪れる場所だったのかもしれない……。
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