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火龍
PHASE-148【高慢ちきな鼻っ柱をぐしゃりだ】
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「さあ、刮目せよ! スプリームフォール!!」
コクリコに負けないくらいに、中二全開なポージングからの大魔法。
右舷方向に暗雲が現れれば、宙空より轟々と流れ出す瀑布。
「へ?」
おっと、俺が魔法を使用したって事に驚きすぎて、思考が追っついていないな。
NowLoadingですな。
しかも大魔法となれば、初期魔法を使用するだけの、なんちゃってロードウィザードからしたら、受け入れがたい現実なのだろう。
「いや~。超えましたわ」
嘲笑。
ここぞとばかりに作り笑いを顔に貼り付けて、嘲笑する俺。
三つ下の十三歳の女の子にするような事じゃないだろうが、股間を殴られ、要塞では更に股間。そしてうずくまったところにストンピング。
こんな事をされたのだ。俺の凄いところを見せつけて、ひれ伏してもらおうじゃないか。
「馬鹿な……」
お? ようやく思考が追っついたようだな。
プルプルと震えてますよ。
雨で濡れた子犬のようにな!
仕方ないよね。メインがファイヤーボールのノービスなんだから。
俺は大魔法ですけども。
何だろうか、まるでソシャゲで課金して、強キャラを持ってる奴が、無課金で強キャラ持ってない人を見下すかのような感じになっている。
俺は、そんなタイプが一番嫌いだというのに、今の俺は正に前者だ。
だが、一部の課金勢がついつい見下してしまう気持ちが、今なら分かる。
なんだこの優越感は!
股間に衝撃を与えてきた相手となると、とくに気分がいいぞ。
「と、言う事で、俺も魔法が使えるようになったよ。まあ、勇者だから、いきなり使えたのが大魔法っていうね。まあ、勇者だから。ロードなんちゃらとは違うからね。俺の凄さを目の当たりにして、胸同様に凹むかもしれないけど、これが現実だ。――――コクリコさん。短い付き合いでしたが、有り難うございました。コクリコさんの今後の躍進を願っております」
ちゃんと台詞の中に凹みを入れることが出来て、喋々と語れた俺の高揚感は、最高潮だ。
「おいぃぃぃぃぃぃ! なぜそこで私がパーティーから抜けないといけないんですか!」
「いやいや、そもそもがね。正式なメンバーではないから。コクリコさんは」
「さんを付けないでください。他人行儀にならないでください! ここまでの付き合いがあるんですから、このまま正式に……というか、胸同様、凹むとか、侮辱されてますよね?」
――……。
「黙らないでいただこうか! 私の自伝には勇者が必要です。トールの活躍もしっかりと書きますから」
「ハハハハ――――」
「なんです? その乾いた笑いは」
「活躍? 踏み台の間違いだろう」
「うぬ……」
うぬ……。じゃねえよ! コイツ! 本当に俺たちを利用する事しか考えてねえ。
「お願いします! もう、空腹の旅はいやなんです。ここにいたら、見た事もない豪華な食べ物が食べられて、私は幸せなんです! 私にもっと愉悦を!」
たじろいでしまう発言だな……。
たくましさも度が過ぎれば、ただの我が儘だな。
「いや、俺がもう魔法ポジションゲットしたし」
「二人いる方がいいでしょう!」
毎度毎度、目立ちたいからって、好戦的に行動されても困るんだよ!
お前がそんなだと、これから先、潜入ミッションに出くわしたら、ゲッコーさんの邪魔になる。
「いいじゃないか。賑やかなのも旅の醍醐味だ」
おっと、甲板に美人が登場。
後ろでは、ゲッコーさんが苦笑い。
俺たちのやり取りを見てたようだ。
「ベル。いいのか?」
「いや、だから。別段、体調を崩しているわけではない」
真っ直ぐと伸びた背筋で立つ姿は、いつもの凛としたベルだ。
髪の色が違うだけ。
2Pキャラみたいだ。
「ベルからもお願いしますよ。私の有用性を説いてください」
「コクリコは十分に戦力になる」
「ですよね!」
くそ! 俺が逆らえない人間を味方にしやがって。
なんだ、あの勝ち誇った顔は。見た感じ、バストサイズAAAのくせに!
一応、俺がこのパーティーのリーダーなんだから、最終決定権を有しているということを理解しているのだろうか。
「だめか?」
なぜそこでベルがお願いしてくるんだよ。
しかも、瞳に色気を感じるんですけど。
ベルはチャームが使用出来るんですかね?
ええい! くそ!
「しかたない。だが今後、後先考えないような行動とかしたら、速攻で追い出すからな。そこはベルもゲッコーさんも理解してね」
「「分かった」」
よし、二人からの言質は取ったからな。
何かやらかしたら追い出すし、自伝に合わせて暴露本も出す!
ワイが異世界の、ボブ・ウッドワードじゃい!
「これで正式に私もパーティーメンバー。見てください、天も祝ってくれています。蒼穹とは正にこの事」
違うよ。火龍を救って、瘴気がこの辺りから消え去ったからだよ。
お前を祝福しているのではなく、俺たちの努力で蒼穹なんだよ。
声に出して言ってやりたいが、喜んでいるところに水をさせば、周囲の好感度がダウンしそうだからやめた。
コクリコに負けないくらいに、中二全開なポージングからの大魔法。
右舷方向に暗雲が現れれば、宙空より轟々と流れ出す瀑布。
「へ?」
おっと、俺が魔法を使用したって事に驚きすぎて、思考が追っついていないな。
NowLoadingですな。
しかも大魔法となれば、初期魔法を使用するだけの、なんちゃってロードウィザードからしたら、受け入れがたい現実なのだろう。
「いや~。超えましたわ」
嘲笑。
ここぞとばかりに作り笑いを顔に貼り付けて、嘲笑する俺。
三つ下の十三歳の女の子にするような事じゃないだろうが、股間を殴られ、要塞では更に股間。そしてうずくまったところにストンピング。
こんな事をされたのだ。俺の凄いところを見せつけて、ひれ伏してもらおうじゃないか。
「馬鹿な……」
お? ようやく思考が追っついたようだな。
プルプルと震えてますよ。
雨で濡れた子犬のようにな!
仕方ないよね。メインがファイヤーボールのノービスなんだから。
俺は大魔法ですけども。
何だろうか、まるでソシャゲで課金して、強キャラを持ってる奴が、無課金で強キャラ持ってない人を見下すかのような感じになっている。
俺は、そんなタイプが一番嫌いだというのに、今の俺は正に前者だ。
だが、一部の課金勢がついつい見下してしまう気持ちが、今なら分かる。
なんだこの優越感は!
股間に衝撃を与えてきた相手となると、とくに気分がいいぞ。
「と、言う事で、俺も魔法が使えるようになったよ。まあ、勇者だから、いきなり使えたのが大魔法っていうね。まあ、勇者だから。ロードなんちゃらとは違うからね。俺の凄さを目の当たりにして、胸同様に凹むかもしれないけど、これが現実だ。――――コクリコさん。短い付き合いでしたが、有り難うございました。コクリコさんの今後の躍進を願っております」
ちゃんと台詞の中に凹みを入れることが出来て、喋々と語れた俺の高揚感は、最高潮だ。
「おいぃぃぃぃぃぃ! なぜそこで私がパーティーから抜けないといけないんですか!」
「いやいや、そもそもがね。正式なメンバーではないから。コクリコさんは」
「さんを付けないでください。他人行儀にならないでください! ここまでの付き合いがあるんですから、このまま正式に……というか、胸同様、凹むとか、侮辱されてますよね?」
――……。
「黙らないでいただこうか! 私の自伝には勇者が必要です。トールの活躍もしっかりと書きますから」
「ハハハハ――――」
「なんです? その乾いた笑いは」
「活躍? 踏み台の間違いだろう」
「うぬ……」
うぬ……。じゃねえよ! コイツ! 本当に俺たちを利用する事しか考えてねえ。
「お願いします! もう、空腹の旅はいやなんです。ここにいたら、見た事もない豪華な食べ物が食べられて、私は幸せなんです! 私にもっと愉悦を!」
たじろいでしまう発言だな……。
たくましさも度が過ぎれば、ただの我が儘だな。
「いや、俺がもう魔法ポジションゲットしたし」
「二人いる方がいいでしょう!」
毎度毎度、目立ちたいからって、好戦的に行動されても困るんだよ!
お前がそんなだと、これから先、潜入ミッションに出くわしたら、ゲッコーさんの邪魔になる。
「いいじゃないか。賑やかなのも旅の醍醐味だ」
おっと、甲板に美人が登場。
後ろでは、ゲッコーさんが苦笑い。
俺たちのやり取りを見てたようだ。
「ベル。いいのか?」
「いや、だから。別段、体調を崩しているわけではない」
真っ直ぐと伸びた背筋で立つ姿は、いつもの凛としたベルだ。
髪の色が違うだけ。
2Pキャラみたいだ。
「ベルからもお願いしますよ。私の有用性を説いてください」
「コクリコは十分に戦力になる」
「ですよね!」
くそ! 俺が逆らえない人間を味方にしやがって。
なんだ、あの勝ち誇った顔は。見た感じ、バストサイズAAAのくせに!
一応、俺がこのパーティーのリーダーなんだから、最終決定権を有しているということを理解しているのだろうか。
「だめか?」
なぜそこでベルがお願いしてくるんだよ。
しかも、瞳に色気を感じるんですけど。
ベルはチャームが使用出来るんですかね?
ええい! くそ!
「しかたない。だが今後、後先考えないような行動とかしたら、速攻で追い出すからな。そこはベルもゲッコーさんも理解してね」
「「分かった」」
よし、二人からの言質は取ったからな。
何かやらかしたら追い出すし、自伝に合わせて暴露本も出す!
ワイが異世界の、ボブ・ウッドワードじゃい!
「これで正式に私もパーティーメンバー。見てください、天も祝ってくれています。蒼穹とは正にこの事」
違うよ。火龍を救って、瘴気がこの辺りから消え去ったからだよ。
お前を祝福しているのではなく、俺たちの努力で蒼穹なんだよ。
声に出して言ってやりたいが、喜んでいるところに水をさせば、周囲の好感度がダウンしそうだからやめた。
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