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チートがほぼ無い冒険
PHASE-274【ポンコツの可能性も出てきた】
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「励んでもらうと言っているが、この恰好からして――――」
「その通りだ。お前の店で働いてもらおうと思ってな」
族長とも約束したからな。
王都で亜人。しかも人と姿がかけ離れた亜人となれば、差別を受ける可能性がある。
それを払拭させるためにも、最強の存在。つまりはベルの庇護下に入るのが一番と判断した。
なにか文句があれば、それはベルに対する挑戦だ。
ベルは偏見で物事を見る人物ではないし、弱い者の味方になろうとする正義感の持ち主。
彼らの居場所をベルの店にと頼む俺。
継いで、
「人手が足りないなら子供たちも雑用を頑張ってくれるらしいぞ」
もちろん異世界とはいえ、子供を働かせるのは倫理に背いたもの。といっても俺の世界、しかも先進国での倫理観。
途上国では働いてる子供の方が多い。この世界でも、子供たちは普通に働いている。
田畑を耕し、戦闘後には亡骸から装備を回収……。
うん。余裕が出来たら学校をつくろう。
働くのはいいとしても、亡骸から装備を回収する子供のいる世界は変えたい。
追々、先生に頼もう。
それより今は――――、
「ちょっと入ってきてごらん」
と、優しい声音で入室を許可すれば、今度もマイヤが誘導。
さっき以上に表情がくだけたものになっている。
ローグとしてギルドに入る前は、魔王軍の施設に破壊工作をしていた女傑が、乙女の表情に変わっている。
トトト――――っと、小さな足音は素足ではなく、革靴が奏でるもの。
「な……」
おっと、帝国軍中佐が口を開いたまま動かなくなってしまったぞ。
小さな足音をたてながら入室してきたのは、ゴロ太とさほど変わらない背格好である子コボルトたちだ。
大人と違って執事服ではなく、パリッと仕立てられた白いワイシャツに黒のスラックス。
お尻の部分には穴が空いていて、そこから尻尾が出ている。
立ち位置としては執事見習いというポジション。四人の子コボルトが並んでいる。
綺麗な服を着ることが出来て嬉しいのか、子コボルト達は大人達と違って、緊張はせずに楽しげである。
「はい、じゃあ皆で言ってみよう」
と、俺が事前に打ち合わせを済まさせていたので、促せば、
「「「「これから店主のお店でお世話になります」」」」
ペコリと頭を下げる子コボルト。愛らしい。これはベルの心にダイレクトアタックが決まっただろう。
大喜びに違いない。
――………………?
あれ? 反応が一切ないんだけども。
動かないままなんだけども。
「おいベル?」
心配そうに皆がベルに目を向け、俺が代表して呼びかける。
呼びかけに応じるように、やおら頭が動き、目は俺に向けられる。
「トール……」
ようやく口を開いたベルの声は、俺が想像していたものとは違い、冷たくて暗い印象を受けるものだった。
手伝い程度とはいえ、やはり子供を働かせるのは反対なのだろうか。
「お前という奴は!」
おっと、ゴロ太を椅子に座らせて詰め寄ってきましたよ。
やばいよ!
「はい、ごめんなさいね。俺はよかれと思って……」
「やはり、商売に関しては天才だな!」
両肩を掴まれて大きく体を揺さぶられる。
喜びの中佐。ご褒美とばかりに俺の体を揺さぶるたびに、ベルのおっぱいが揺れる揺れる。
最高だ!
普段なら俺の視線に破廉恥な! と、拳が飛んできてもおかしくないんだろうけども、俺の視線を全くもって気にしていないご様子。
「こ、こんなモフモフ天国があっていいのか!」
――……俺の視線に気付かないのもびっくりだけども、ベルがこんなキャラだったことに驚きだ。
ここまで可愛いものに目がない乙女だったとは……。
ゴロ太の存在で挙動がおかしくなった事もあったが、ゴロ太と子コボルト達の相乗効果で興奮がえらいことになっている。
頬を赤くして興奮に彩られる表情は、もはや俺が知る帝国軍人のベルではない。
ゴロ太に協力してもらった時、ちょろインだとは思ったが、実をいうとポンコツなのでは……。
有能とポンコツは紙一重だし……。
「その通りだ。お前の店で働いてもらおうと思ってな」
族長とも約束したからな。
王都で亜人。しかも人と姿がかけ離れた亜人となれば、差別を受ける可能性がある。
それを払拭させるためにも、最強の存在。つまりはベルの庇護下に入るのが一番と判断した。
なにか文句があれば、それはベルに対する挑戦だ。
ベルは偏見で物事を見る人物ではないし、弱い者の味方になろうとする正義感の持ち主。
彼らの居場所をベルの店にと頼む俺。
継いで、
「人手が足りないなら子供たちも雑用を頑張ってくれるらしいぞ」
もちろん異世界とはいえ、子供を働かせるのは倫理に背いたもの。といっても俺の世界、しかも先進国での倫理観。
途上国では働いてる子供の方が多い。この世界でも、子供たちは普通に働いている。
田畑を耕し、戦闘後には亡骸から装備を回収……。
うん。余裕が出来たら学校をつくろう。
働くのはいいとしても、亡骸から装備を回収する子供のいる世界は変えたい。
追々、先生に頼もう。
それより今は――――、
「ちょっと入ってきてごらん」
と、優しい声音で入室を許可すれば、今度もマイヤが誘導。
さっき以上に表情がくだけたものになっている。
ローグとしてギルドに入る前は、魔王軍の施設に破壊工作をしていた女傑が、乙女の表情に変わっている。
トトト――――っと、小さな足音は素足ではなく、革靴が奏でるもの。
「な……」
おっと、帝国軍中佐が口を開いたまま動かなくなってしまったぞ。
小さな足音をたてながら入室してきたのは、ゴロ太とさほど変わらない背格好である子コボルトたちだ。
大人と違って執事服ではなく、パリッと仕立てられた白いワイシャツに黒のスラックス。
お尻の部分には穴が空いていて、そこから尻尾が出ている。
立ち位置としては執事見習いというポジション。四人の子コボルトが並んでいる。
綺麗な服を着ることが出来て嬉しいのか、子コボルト達は大人達と違って、緊張はせずに楽しげである。
「はい、じゃあ皆で言ってみよう」
と、俺が事前に打ち合わせを済まさせていたので、促せば、
「「「「これから店主のお店でお世話になります」」」」
ペコリと頭を下げる子コボルト。愛らしい。これはベルの心にダイレクトアタックが決まっただろう。
大喜びに違いない。
――………………?
あれ? 反応が一切ないんだけども。
動かないままなんだけども。
「おいベル?」
心配そうに皆がベルに目を向け、俺が代表して呼びかける。
呼びかけに応じるように、やおら頭が動き、目は俺に向けられる。
「トール……」
ようやく口を開いたベルの声は、俺が想像していたものとは違い、冷たくて暗い印象を受けるものだった。
手伝い程度とはいえ、やはり子供を働かせるのは反対なのだろうか。
「お前という奴は!」
おっと、ゴロ太を椅子に座らせて詰め寄ってきましたよ。
やばいよ!
「はい、ごめんなさいね。俺はよかれと思って……」
「やはり、商売に関しては天才だな!」
両肩を掴まれて大きく体を揺さぶられる。
喜びの中佐。ご褒美とばかりに俺の体を揺さぶるたびに、ベルのおっぱいが揺れる揺れる。
最高だ!
普段なら俺の視線に破廉恥な! と、拳が飛んできてもおかしくないんだろうけども、俺の視線を全くもって気にしていないご様子。
「こ、こんなモフモフ天国があっていいのか!」
――……俺の視線に気付かないのもびっくりだけども、ベルがこんなキャラだったことに驚きだ。
ここまで可愛いものに目がない乙女だったとは……。
ゴロ太の存在で挙動がおかしくなった事もあったが、ゴロ太と子コボルト達の相乗効果で興奮がえらいことになっている。
頬を赤くして興奮に彩られる表情は、もはや俺が知る帝国軍人のベルではない。
ゴロ太に協力してもらった時、ちょろインだとは思ったが、実をいうとポンコツなのでは……。
有能とポンコツは紙一重だし……。
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