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レティアラ大陸
PHASE-515【異世界だとスーサイドウェポンにあらず】
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俺は無事だったけども、ベルはと見れば、何事もなく着地し、次の動きに備えていた。
強力な前足による危機からは脱したけども、だがしかし――だ。
「どうしましょうか! あんなに大きくなるなんて!」
俺に近づいて問うてくるコクリコはあっぷあっぷしている。
「落ち着け。まずは無人の在来線を大量に用意して、在来線に爆弾を積んでだな――――」
と、訳の分からない事を言ってしまった。
「お前が落ち着け」
吹き飛ばされた衝撃からは何とか難を逃れたけども、地面激突の危機とコクリコの焦りが伝播したのか、俺はパニックになっていたようだ。
ゲッコーさんから何を言っているんだと、拳骨をいただいた。
「地には水です。トール様は理解されているでしょうが、それで徹底的に対応した方が良いと思います」
魔王であるのになんとも下から言ってくる。
魔王然としていない言い方ではあるけど、巨大な存在と相対していても落ち着きある姿は魔王然としている。
地龍は自然魔法も使用出来るから、必ずしも水が通用するとは限らないけど、突破口となるのはやはり水系魔法しかないか。
後はあの質量に対して、同等以上の質量をぶつけるくらいか。
――……在来線爆弾……。
「考え事は後で。来ます!」
即座にリズベッドが障壁を展開。
ズドドドドドド――――と、激しい炸裂音が響き渡る。
原因は岩龍の体から、鱗を模した礫がこちらに向かって放たれたものだ。
先ほどの面制圧に使用した物よりも一回り大きい物だった。
障壁に当たれば、礫は勢いよくはじけて小石に姿を変える。それくらいに速度と威力のあるものだった。
生身にくらえば、蜂の巣であの世に召されるレベル。
岩龍版のショットガンと例える攻撃だ。
リズベッドが防いでくれるからノーダメージ。それが気に入らないのか、岩龍は地龍の時と同様に、歯がゆさから地団駄を踏む。
踏まれるだけで地龍の時よりも大きな地震を生み出す。
立つのも難しく、ベルとゲッコーさんを除けば等しく四つん這い。
岩龍を中心に、蜘蛛の巣の形で放射状に地割れが広がる。
「スクワッド。フロート」
四つん這いになりつつも、魔法を立て続けに使用するリズベッド。
途端に皆から「お?」や「ん?」と、体に異変を感じた声が上がる。
もちろん声には、俺のも含まれている。
先ほどまで感じていた揺れを感じなくなったし、俺たちの下を地割れが通過するが問題ない。
「浮いて――る?」
フロート。その名の通りの魔法効果だ。
スクワッドは集団に同じ効果の恩恵を同時に与えてくれる魔法だそうだ。
リズベッドの使用魔法は、結界魔法に限定されているって話だったけど、やはり使おうと思えば、様々な魔法が使用出来るようだね。
マナを自在にコントロール出来るんだから、本来は使用出来て当然なんだよな。
この世界において、捕食で力を得るショゴスもチートだけど、リズベッドも十分にチートだ。
フロートの恩恵によって、床から伝わる激しい揺れに、地割れ部分に足を取られたり、落下する恐れも回避できる。
こりゃなんとも便利だけども、移動方法はどうするんだろうか?
「普段の移動のように行えば問題ないです」
との事だった。
ためしに歩くイメージを浮かべれば、前へと進む。
止まりたい時は、思っているところでピタリと止まってくれる。
「素晴らしい」
これなら走らなくていいから疲れることもない。
「よし。シャルナやるぞ」
「分かった」
掌を岩龍へと向けて、
「スプリームフォール」
「カスケード」
と、同時に唱え、岩龍の直上より大瀑布を見舞ってやる。
瞬時に床から急速に育った樹木が現れる。
『ガァァァァァァァ!』
シャルナのは防げても、俺のはやはり難しいようだな。
上からの水圧で押しつけて、二足歩行から強制的に四足に戻してやる。
後はこれを繰り返せばいいような気もする。
「よし」
同時にゲッコーさんも動く。
手にするのは先ほどまでのM72 LAWに代わって、スーサイドウェポンと揶揄されるRPG-7だ。
M72 LAWよりも高火力。
第三世代戦車でも、脆いところに当たれば行動不能に出来るだけの威力がある。
担ってフロートで移動すれば、スカート付きと呼ばれる重モビルスーツのようだな。
「発射する」
射撃体勢のゲッコーさんの後ろにはもちろん誰も立つ事はない。
ド派手なバックブラストがゲッコーさんの後方に発生。
背後にいれば、それだけで死に直結するのを容易に連想させるほどの後方噴射力。
弾頭が動きが止まった岩龍の脚部に直撃すれば、
『ア゛アァァァァァァァァア』
痛みのような声を上げる。
直撃したのは右の後ろ足。
岩石で出来た足は、弾頭によって大きく破損する。M72 LAWを遙かに上回る威力。
ファンタジーの世界においても十分な威力を発揮してくれる。
民兵やゲリラ御用達の安価で強力な凄いヤツ。それがRPG-7。
現代戦闘においては、その激しい発射煙で即座に位置がばれ、反撃にあうことから自殺兵器と揶揄されるけども、この世界なら大丈夫。
威力としては、上位の炸裂魔法くらいはあるだろうね。
強力な前足による危機からは脱したけども、だがしかし――だ。
「どうしましょうか! あんなに大きくなるなんて!」
俺に近づいて問うてくるコクリコはあっぷあっぷしている。
「落ち着け。まずは無人の在来線を大量に用意して、在来線に爆弾を積んでだな――――」
と、訳の分からない事を言ってしまった。
「お前が落ち着け」
吹き飛ばされた衝撃からは何とか難を逃れたけども、地面激突の危機とコクリコの焦りが伝播したのか、俺はパニックになっていたようだ。
ゲッコーさんから何を言っているんだと、拳骨をいただいた。
「地には水です。トール様は理解されているでしょうが、それで徹底的に対応した方が良いと思います」
魔王であるのになんとも下から言ってくる。
魔王然としていない言い方ではあるけど、巨大な存在と相対していても落ち着きある姿は魔王然としている。
地龍は自然魔法も使用出来るから、必ずしも水が通用するとは限らないけど、突破口となるのはやはり水系魔法しかないか。
後はあの質量に対して、同等以上の質量をぶつけるくらいか。
――……在来線爆弾……。
「考え事は後で。来ます!」
即座にリズベッドが障壁を展開。
ズドドドドドド――――と、激しい炸裂音が響き渡る。
原因は岩龍の体から、鱗を模した礫がこちらに向かって放たれたものだ。
先ほどの面制圧に使用した物よりも一回り大きい物だった。
障壁に当たれば、礫は勢いよくはじけて小石に姿を変える。それくらいに速度と威力のあるものだった。
生身にくらえば、蜂の巣であの世に召されるレベル。
岩龍版のショットガンと例える攻撃だ。
リズベッドが防いでくれるからノーダメージ。それが気に入らないのか、岩龍は地龍の時と同様に、歯がゆさから地団駄を踏む。
踏まれるだけで地龍の時よりも大きな地震を生み出す。
立つのも難しく、ベルとゲッコーさんを除けば等しく四つん這い。
岩龍を中心に、蜘蛛の巣の形で放射状に地割れが広がる。
「スクワッド。フロート」
四つん這いになりつつも、魔法を立て続けに使用するリズベッド。
途端に皆から「お?」や「ん?」と、体に異変を感じた声が上がる。
もちろん声には、俺のも含まれている。
先ほどまで感じていた揺れを感じなくなったし、俺たちの下を地割れが通過するが問題ない。
「浮いて――る?」
フロート。その名の通りの魔法効果だ。
スクワッドは集団に同じ効果の恩恵を同時に与えてくれる魔法だそうだ。
リズベッドの使用魔法は、結界魔法に限定されているって話だったけど、やはり使おうと思えば、様々な魔法が使用出来るようだね。
マナを自在にコントロール出来るんだから、本来は使用出来て当然なんだよな。
この世界において、捕食で力を得るショゴスもチートだけど、リズベッドも十分にチートだ。
フロートの恩恵によって、床から伝わる激しい揺れに、地割れ部分に足を取られたり、落下する恐れも回避できる。
こりゃなんとも便利だけども、移動方法はどうするんだろうか?
「普段の移動のように行えば問題ないです」
との事だった。
ためしに歩くイメージを浮かべれば、前へと進む。
止まりたい時は、思っているところでピタリと止まってくれる。
「素晴らしい」
これなら走らなくていいから疲れることもない。
「よし。シャルナやるぞ」
「分かった」
掌を岩龍へと向けて、
「スプリームフォール」
「カスケード」
と、同時に唱え、岩龍の直上より大瀑布を見舞ってやる。
瞬時に床から急速に育った樹木が現れる。
『ガァァァァァァァ!』
シャルナのは防げても、俺のはやはり難しいようだな。
上からの水圧で押しつけて、二足歩行から強制的に四足に戻してやる。
後はこれを繰り返せばいいような気もする。
「よし」
同時にゲッコーさんも動く。
手にするのは先ほどまでのM72 LAWに代わって、スーサイドウェポンと揶揄されるRPG-7だ。
M72 LAWよりも高火力。
第三世代戦車でも、脆いところに当たれば行動不能に出来るだけの威力がある。
担ってフロートで移動すれば、スカート付きと呼ばれる重モビルスーツのようだな。
「発射する」
射撃体勢のゲッコーさんの後ろにはもちろん誰も立つ事はない。
ド派手なバックブラストがゲッコーさんの後方に発生。
背後にいれば、それだけで死に直結するのを容易に連想させるほどの後方噴射力。
弾頭が動きが止まった岩龍の脚部に直撃すれば、
『ア゛アァァァァァァァァア』
痛みのような声を上げる。
直撃したのは右の後ろ足。
岩石で出来た足は、弾頭によって大きく破損する。M72 LAWを遙かに上回る威力。
ファンタジーの世界においても十分な威力を発揮してくれる。
民兵やゲリラ御用達の安価で強力な凄いヤツ。それがRPG-7。
現代戦闘においては、その激しい発射煙で即座に位置がばれ、反撃にあうことから自殺兵器と揶揄されるけども、この世界なら大丈夫。
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