631 / 1,861
ダンジョン何階まで潜れる?
PHASE-631【ハードウェアチートとは呼ばないで……】
しおりを挟む
『まずは感度設定が大事よ』
そんな事は言われなくても分かってますよ。
高感度だと振り回されるから俺は平均の感度だ。
かたや天界勢はセラも含めて低感度。
ゆっくりとした感度で確実にヘッショを狙うらしい。完全に現世のFPSプロゲーマーの上位陣の考えと似ている。
立ち回りがしっかりとしているから、基本バックアタックに見舞われる事がないので、低感度でしっかりと相手を狙う事だけに意識したスタイルだな。
もし後ろを取られたとしても、相手の位置をその時点で把握しているそうで、即座に対応するので問題ないらしい。
パラシュート降下してきた人の後ろを取ったけど、即座に俺がやられたのはその為だな。
『よし! じゃあ頑張ろう♪』
――――フレンドと出来るという楽しげなセラの声と共に俺も練習を始める。
初めて心が折られそうになる中でも、セラからしっかりとフォローしてもらってなんとか自力で1キル出来るようになった。
たったの1キルでこんなに喜んだのは、FPSを始めたばかりの時と同じ感動だった。
この調子で立ち回り方を練習していき、敵が来る位置を把握。
見えない所では相手の足音やリロード状態を確認し、その隙をついて一気に攻めてから倒すというのを繰り返していった――――。
「ふぅぅぅぅぅ」
おかしいな。確か昼くらいに始めたのに、窓から外を見れば、空が白んでいるぞ。
あまりに熱中しすぎて、まさか徹夜をしているとはな……。
体がだるい――――ということはない。
この世界に来てからは戦いの中に身を投じ、丸一日動き回るといったことも普通になってきているからな。
ベッドに横になったりしながら体をリラックスさせ、訪れる空腹と渇きは、定期的にポテチとエードを摂取しているので問題ない。
普段に比べれば過酷さなんてありゃしない。
ただブルーライトが原因なのか、目がギンギンになっているけども。
「よっしゃ! 頑張るぞ」
『いい意気ね』
セラのヤツ、こんなにもゲームしていて仕事とか大丈夫なのだろうか?
俺はこの数日間は休みになっているけど、コイツは死者を導く立場のはずなんだけどな。
俺みたいに休みなのか? それとも俺とゲームが出来る喜びが優先されているのだろうか。
もし後者なら、ちょっと病んでいるけど、スタイル抜群の美人がそう思ってくれていると思うと、それは嬉しくもある。
――……ふむん……。
「どうしてもデスの方が上回る。こんな事が続くのは初めてだ」
『相手は毎日、眠りもせずにゲームしている連中だから』
ぶっちゃけ疲れ知らずってのはチートだよね。
現世だったらハードウェアチートでもいいくらいなんですけど。
その身体的な差を埋める事は、可能といえば可能だ。
「――ストレンクスン」
小声でポツリと呟く。
『それは良いのかしら?』
流石は死神。俺のレベルとかを確認しているだけあって、俺が現在使用できるピリアなんかもスキルチェックしているようだな。
「確かに心が痛むところもある。でも天界の転生待ちの方々も大概だろう」
『まあ確かに。そう考えると問題ないかも』
なんかアレだな。フレンドだからか甘い査定になってないか。
出会ったときは人を小馬鹿にした感じの死神だったけど、フレンドを切られるのが嫌なのか、結構、甘々だ。
だがこの力は俺が得た力。使っても問題ない。と、言い聞かせてから戦いに挑む。
「――ほほう」
コイツはいい。
『あら、急にいい動きになったわね』
「だろ」
自分でもビックリ。地力が倍加するストレンクスンは正解だ。
動体視力の向上で、相手よりも素早く索敵が出来るし、目から入った情報が指に届くまでの伝達速度が、先ほどまでに比べれて明らかに速くなっている。
目と脳と指が同時に連動しているとばかりの速度だ。
狙って直ぐに撃つ。
元々のエイム力は残念なスキルなので初弾は外すタイプだが、それでもそれ以外で勝っているからか、撃ち負ける回数が減ってきた。
この天界と繋がっているオンライン対戦でようやくキルレが0.8くらいにまでなってきた。
最初に比べれば大きな飛躍だ。
「これなら1に戻せるかもしれない」
『頑張りなさい』
って、とんでもなくキルレが高いのに言われる。
やはり神なだけあるんだろうな。これだけの猛者達と戦っているのに、普通に平均キルレが10を超えてる。
端から見たら完全にチーターなんだけども、神なんだからなんでもありって事だろうな。
ちなみIDのThirteen_ Grim Reaper-Death-で気になっていた十三は、タロットカードの大アルカナの十三番目が死神だからってことらしい。
死神、死神、死神ってことなんだろう。
他にもDeathは死神と、助動詞としての【です】にもかけているそうで、私は死神です。と、自己紹介の意味もあるらしい。
ま、どうでもいいです。
そんな事は言われなくても分かってますよ。
高感度だと振り回されるから俺は平均の感度だ。
かたや天界勢はセラも含めて低感度。
ゆっくりとした感度で確実にヘッショを狙うらしい。完全に現世のFPSプロゲーマーの上位陣の考えと似ている。
立ち回りがしっかりとしているから、基本バックアタックに見舞われる事がないので、低感度でしっかりと相手を狙う事だけに意識したスタイルだな。
もし後ろを取られたとしても、相手の位置をその時点で把握しているそうで、即座に対応するので問題ないらしい。
パラシュート降下してきた人の後ろを取ったけど、即座に俺がやられたのはその為だな。
『よし! じゃあ頑張ろう♪』
――――フレンドと出来るという楽しげなセラの声と共に俺も練習を始める。
初めて心が折られそうになる中でも、セラからしっかりとフォローしてもらってなんとか自力で1キル出来るようになった。
たったの1キルでこんなに喜んだのは、FPSを始めたばかりの時と同じ感動だった。
この調子で立ち回り方を練習していき、敵が来る位置を把握。
見えない所では相手の足音やリロード状態を確認し、その隙をついて一気に攻めてから倒すというのを繰り返していった――――。
「ふぅぅぅぅぅ」
おかしいな。確か昼くらいに始めたのに、窓から外を見れば、空が白んでいるぞ。
あまりに熱中しすぎて、まさか徹夜をしているとはな……。
体がだるい――――ということはない。
この世界に来てからは戦いの中に身を投じ、丸一日動き回るといったことも普通になってきているからな。
ベッドに横になったりしながら体をリラックスさせ、訪れる空腹と渇きは、定期的にポテチとエードを摂取しているので問題ない。
普段に比べれば過酷さなんてありゃしない。
ただブルーライトが原因なのか、目がギンギンになっているけども。
「よっしゃ! 頑張るぞ」
『いい意気ね』
セラのヤツ、こんなにもゲームしていて仕事とか大丈夫なのだろうか?
俺はこの数日間は休みになっているけど、コイツは死者を導く立場のはずなんだけどな。
俺みたいに休みなのか? それとも俺とゲームが出来る喜びが優先されているのだろうか。
もし後者なら、ちょっと病んでいるけど、スタイル抜群の美人がそう思ってくれていると思うと、それは嬉しくもある。
――……ふむん……。
「どうしてもデスの方が上回る。こんな事が続くのは初めてだ」
『相手は毎日、眠りもせずにゲームしている連中だから』
ぶっちゃけ疲れ知らずってのはチートだよね。
現世だったらハードウェアチートでもいいくらいなんですけど。
その身体的な差を埋める事は、可能といえば可能だ。
「――ストレンクスン」
小声でポツリと呟く。
『それは良いのかしら?』
流石は死神。俺のレベルとかを確認しているだけあって、俺が現在使用できるピリアなんかもスキルチェックしているようだな。
「確かに心が痛むところもある。でも天界の転生待ちの方々も大概だろう」
『まあ確かに。そう考えると問題ないかも』
なんかアレだな。フレンドだからか甘い査定になってないか。
出会ったときは人を小馬鹿にした感じの死神だったけど、フレンドを切られるのが嫌なのか、結構、甘々だ。
だがこの力は俺が得た力。使っても問題ない。と、言い聞かせてから戦いに挑む。
「――ほほう」
コイツはいい。
『あら、急にいい動きになったわね』
「だろ」
自分でもビックリ。地力が倍加するストレンクスンは正解だ。
動体視力の向上で、相手よりも素早く索敵が出来るし、目から入った情報が指に届くまでの伝達速度が、先ほどまでに比べれて明らかに速くなっている。
目と脳と指が同時に連動しているとばかりの速度だ。
狙って直ぐに撃つ。
元々のエイム力は残念なスキルなので初弾は外すタイプだが、それでもそれ以外で勝っているからか、撃ち負ける回数が減ってきた。
この天界と繋がっているオンライン対戦でようやくキルレが0.8くらいにまでなってきた。
最初に比べれば大きな飛躍だ。
「これなら1に戻せるかもしれない」
『頑張りなさい』
って、とんでもなくキルレが高いのに言われる。
やはり神なだけあるんだろうな。これだけの猛者達と戦っているのに、普通に平均キルレが10を超えてる。
端から見たら完全にチーターなんだけども、神なんだからなんでもありって事だろうな。
ちなみIDのThirteen_ Grim Reaper-Death-で気になっていた十三は、タロットカードの大アルカナの十三番目が死神だからってことらしい。
死神、死神、死神ってことなんだろう。
他にもDeathは死神と、助動詞としての【です】にもかけているそうで、私は死神です。と、自己紹介の意味もあるらしい。
ま、どうでもいいです。
1
あなたにおすすめの小説
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道
コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。
主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。
こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。
そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。
修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。
それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。
不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。
記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。
メサメサメサ
メサ メサ
メサ メサ
メサ メサ
メサメサメサメサメサ
メ サ メ サ サ
メ サ メ サ サ サ
メ サ メ サ ササ
他サイトにも掲載しています。
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる