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ミルド領・閑話
PHASE-1014【破格の提案だと思うの】
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「敗北者である以上。お前の勝利条件どおり何でも聞き入れよう。反論はせん。好きなように処刑するがいい」
「え!? 今なんでも聞き入れるって言った!?」
「ああ。なにを聞き直す。お前が言い出したのだ」
「一応の流れというか、ただ言ってみたかっただけ。それはさておき本当だな。絶対に聞き入れるんだな!」
「どうした? 興奮しているようだが――まさか本当に股を開いてほしいのか? 処刑の前に陵辱で心を汚したいのならば好きにすればいい。手ほどきくらいはしてやる」
――…………。
――……。
「あのな。そう言うのは本当に良くないぞ。俺の時を止めるんじゃないよ」
俺みたいな純情童貞にそんな事を言うと、真に受けるからな。
美人のお姉さんからの手ほどきで卒業とか、美少女な幼馴染みと恋人になって結ばれるのと同じくらいに、ギャルゲーでは最高のシチュエーションなんだけど。
まあ18禁はした事ないけど。
したくてもプレイする前に死んじゃった、夏の日の蝉とアスファルトと縁石の思い出……。
「ではどうしてほしいのだ」
「絶対に聞き入れるんだな」
「しつこいぞ。さっさと言え」
よしよし。
「だったら――ええっと、爺様」
「何かな?」
「クガ領って今どうなってんすか?」
「今現在は領地没収により公爵家が統治している。隣領であるネアシスも同様だ。ロンブレス伯爵の死とともに、カリオネルが残った一族を改易としたからな」
「なるほど」
我欲が強かったロンブレス伯爵。
キノコ問題以降、自領だけでも維持するために傾倒した結果、その強すぎる欲は領民からの税収に傾けられたそうで、これにより領民からの受けはよくなかったようだ。
だからなのか、カリオネルの改易の決断は評判がよかったという。
愚者も一得ってやつだな。
こういった経緯もあって、ネアシスも現在は公爵家の統治下となっているそうだ。
事の発端はロンブレス伯爵の欲望でもあるし、改易を受けた一族には同情するけども、それはここで膝をつく美人さんにも言えるからな。
結局は両陣営の伯爵の欲望が原因で破滅したようなもの。
それに振り回された一族はおいしい思いもしてたんだろうが、最終的には犠牲者みたいなもんだ。
――――よし!
「お宅にはクガ領と隣領であるネアシス領をくれてやる。爵位は男爵。領民の為、ミルド領の為、ひいてはこの世界の為に励むんだな」
「「「「…………はぁ?」」」」
「皆して疑問符を浮かべないの。俺がこのミルド領の領主なんだからさ。領主様の言うことは絶対~。っていう領主様ゲームを流行らせようかな」
「……また訳の分からんことを言い出す。戦いの最中もだったが、今回のは今までで一番とち狂っている発言だな」
「なんだよ。男爵じゃ不満なのか」
「不満になるだろうな」
と、ここで爺様が俺達のとこに近寄ってくる。
今回はスティーブンスだけでなく、S級さん四人が護衛につく完璧な防御布陣。
その横では顔面蒼白な荀攸さん。
「何でですか? いいでしょう男爵の爵位」
とりあえず荀攸さんをスルーしつつ爺様に問う。
「その二つを与えておいて男爵となれば、他の諸侯たちが納得しないだろう」
――男爵。五爵の中では一番下。
二領を合わせれば広大な領地となるそうな。
そもそも両方の土地は伯爵階級が統治していたわけだから広くて当然。
なのに、それをいきなり男爵が手に入れるという事になれば、爵位を持たない貴族や豪族たちなんかはいいとしても、俺に帰順している爵位持ちの貴族たちは納得いかないこと間違いなしだそうだ。
これには荀攸さんも爺様に賛同し、焦りを混じらせて発言。
というか、俺に勝てば無罪って言った時よりも焦ってますね。
きっちりと整っていた髪の毛が乱れまくってます。広めのデコ部分に髪がすだれてますよ。
そんな乱れた荀攸さんを見つつ、
「ん~じゃあ。伯爵で」
何とも軽く言ってみる。
すると連動するように荀攸さんの髪がさらに乱れた。
「そんな簡単にはいかんぞトールよ」
「王様に連絡を入れて、ちゃちゃっと手続きを済ませればいいだけでしょ?」
「いやまあ、そうなのだが」
「じゃあ早速。ゲッコーさん、S級さんに力を借りてもいいですか」
「構わないぞ。ヘリを出してくれれば直ぐに追いつくだろう。襲爵手続きも手短にしてもらおう」
「ゲッコー殿!?」
「荀攸氏。この地はトールが統治者。その統治者がそうしたいと思っているのだからいいんじゃないのか」
「いやですが……間尺に合いません」
思わぬ所からの賛同に、流石の荀攸さんも困ったと首を傾げてしまう。
しかたないよね。俺に勝てば無罪。って発言以上の無茶苦茶な発言だもんね。
これから先もミルド領で政務をこなしてくれる荀攸さんの事を思うと、申し訳ない気持ちになるよ。
その原因をガンガン生み出しているのは俺なんだけども。
先にしっかりと謝っておこうかな。
「え!? 今なんでも聞き入れるって言った!?」
「ああ。なにを聞き直す。お前が言い出したのだ」
「一応の流れというか、ただ言ってみたかっただけ。それはさておき本当だな。絶対に聞き入れるんだな!」
「どうした? 興奮しているようだが――まさか本当に股を開いてほしいのか? 処刑の前に陵辱で心を汚したいのならば好きにすればいい。手ほどきくらいはしてやる」
――…………。
――……。
「あのな。そう言うのは本当に良くないぞ。俺の時を止めるんじゃないよ」
俺みたいな純情童貞にそんな事を言うと、真に受けるからな。
美人のお姉さんからの手ほどきで卒業とか、美少女な幼馴染みと恋人になって結ばれるのと同じくらいに、ギャルゲーでは最高のシチュエーションなんだけど。
まあ18禁はした事ないけど。
したくてもプレイする前に死んじゃった、夏の日の蝉とアスファルトと縁石の思い出……。
「ではどうしてほしいのだ」
「絶対に聞き入れるんだな」
「しつこいぞ。さっさと言え」
よしよし。
「だったら――ええっと、爺様」
「何かな?」
「クガ領って今どうなってんすか?」
「今現在は領地没収により公爵家が統治している。隣領であるネアシスも同様だ。ロンブレス伯爵の死とともに、カリオネルが残った一族を改易としたからな」
「なるほど」
我欲が強かったロンブレス伯爵。
キノコ問題以降、自領だけでも維持するために傾倒した結果、その強すぎる欲は領民からの税収に傾けられたそうで、これにより領民からの受けはよくなかったようだ。
だからなのか、カリオネルの改易の決断は評判がよかったという。
愚者も一得ってやつだな。
こういった経緯もあって、ネアシスも現在は公爵家の統治下となっているそうだ。
事の発端はロンブレス伯爵の欲望でもあるし、改易を受けた一族には同情するけども、それはここで膝をつく美人さんにも言えるからな。
結局は両陣営の伯爵の欲望が原因で破滅したようなもの。
それに振り回された一族はおいしい思いもしてたんだろうが、最終的には犠牲者みたいなもんだ。
――――よし!
「お宅にはクガ領と隣領であるネアシス領をくれてやる。爵位は男爵。領民の為、ミルド領の為、ひいてはこの世界の為に励むんだな」
「「「「…………はぁ?」」」」
「皆して疑問符を浮かべないの。俺がこのミルド領の領主なんだからさ。領主様の言うことは絶対~。っていう領主様ゲームを流行らせようかな」
「……また訳の分からんことを言い出す。戦いの最中もだったが、今回のは今までで一番とち狂っている発言だな」
「なんだよ。男爵じゃ不満なのか」
「不満になるだろうな」
と、ここで爺様が俺達のとこに近寄ってくる。
今回はスティーブンスだけでなく、S級さん四人が護衛につく完璧な防御布陣。
その横では顔面蒼白な荀攸さん。
「何でですか? いいでしょう男爵の爵位」
とりあえず荀攸さんをスルーしつつ爺様に問う。
「その二つを与えておいて男爵となれば、他の諸侯たちが納得しないだろう」
――男爵。五爵の中では一番下。
二領を合わせれば広大な領地となるそうな。
そもそも両方の土地は伯爵階級が統治していたわけだから広くて当然。
なのに、それをいきなり男爵が手に入れるという事になれば、爵位を持たない貴族や豪族たちなんかはいいとしても、俺に帰順している爵位持ちの貴族たちは納得いかないこと間違いなしだそうだ。
これには荀攸さんも爺様に賛同し、焦りを混じらせて発言。
というか、俺に勝てば無罪って言った時よりも焦ってますね。
きっちりと整っていた髪の毛が乱れまくってます。広めのデコ部分に髪がすだれてますよ。
そんな乱れた荀攸さんを見つつ、
「ん~じゃあ。伯爵で」
何とも軽く言ってみる。
すると連動するように荀攸さんの髪がさらに乱れた。
「そんな簡単にはいかんぞトールよ」
「王様に連絡を入れて、ちゃちゃっと手続きを済ませればいいだけでしょ?」
「いやまあ、そうなのだが」
「じゃあ早速。ゲッコーさん、S級さんに力を借りてもいいですか」
「構わないぞ。ヘリを出してくれれば直ぐに追いつくだろう。襲爵手続きも手短にしてもらおう」
「ゲッコー殿!?」
「荀攸氏。この地はトールが統治者。その統治者がそうしたいと思っているのだからいいんじゃないのか」
「いやですが……間尺に合いません」
思わぬ所からの賛同に、流石の荀攸さんも困ったと首を傾げてしまう。
しかたないよね。俺に勝てば無罪。って発言以上の無茶苦茶な発言だもんね。
これから先もミルド領で政務をこなしてくれる荀攸さんの事を思うと、申し訳ない気持ちになるよ。
その原因をガンガン生み出しているのは俺なんだけども。
先にしっかりと謝っておこうかな。
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