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トール師になる
PHASE-1144【小出しで対応】
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「なので……殺さなければなりません」
中距離から発動する魔法は――ウインドランス。
立派な形状をした風の槍。
言葉はたどたどしいが、魔法の発動はキビキビとしている。
投げる所作に連動し、風の槍が俺へと迫る。
「ふんす!」
ブレイズを纏わせた残火でかき消してやる。
投擲速度、鋭さ共に素晴らしいが、
「シャルナほどじゃない」
「シャルナ様と比べられると、こちらが困るというものです」
上役の娘が褒められると饒舌になったね。
ルーシャンナルさんの本当の思いが伝わってきたようだった。
俺を殺さないといけないって部分では変に間があるたどたどしい喋り方だから、本心とは違うってのが窺える。
理由は一つだよな。
「嫌なヤツだよ」
「私でしょうか?」
「違いますよ」
ルーシャンナルさんに否定で返しつつ、しっかりと偽者を睨み付ければ、ここでも美人を台無しにさせる口が裂けたような嘲笑を浮かべる。
「フル・ギルの使い手は――お前か?」
「どうかしらね~」
やっぱり濁してくるか。
「まあいいさ。本当の事を聞き出すためにも、ルーシャンナルさんを戦闘不能にしたらその顔を思いっきりぶっ飛ばす! たとえ女であってもな!」
「出来るのかしらね? 貴男――程度に」
見下してくるね~。
だがな。
「そんな態度で勝ち誇るなよ。俺は普段からそんな感じで見下されているからな!」
「情けないことを堂々と言えるのはある意味、才能なのかしら」
「うるせい! とにかくお前の強気な姿なんて脅威でもないんだよ!」
マッドメンヒルの威力に、俺の攻撃の圧だけで転倒するほどの非力さから察すれば、実力は知れている。
傍観する存在はフル・ギルの使い手ではないだろう。
こちらの問いに対して濁してはいるが、実力からしてこの女じゃない。
まだ他に脅威となる者がいると考えるべきだ。
コイツが主犯じゃないにしても、ポルパロングやカゲスト以上に情報を有しているのは間違いない。
全力でぶん殴って王様たちの前に無理矢理に跪かせてやる!
そうすれば問題の解決にも近づくというもの。
まだいるであろう仲間の事をしっかりと聞き出してやる。
その前に、
「今は私を脅威と見るべきです」
ですよね。
「よいしょい!」
「ぬぅ……」
細身の剣による斬撃を受け止め、力任せに振り抜き押し返す。
「やり手ではあるんですけどね!」
申し訳ないんですけどね。正直、ルーシャンナルさんの実力では俺を倒すって事は土台無理です。
「接近戦じゃなく、エルフお得意の弓と魔法がいいんじゃないですか?」
「では――そうしましょう」
再度ルーシャンナルさんが距離を開いたところを見計らって、
「ラピッド」
で、間合いを詰める。
俺の言葉に乗っかって本人は遠距離で仕掛けようとしたんだろけどもね。
なんでも真に受けては駄目ですよ。
詰めてきた俺に対して驚きの表情になっていた。
「いやいや」
呆れつつのトラース・キックをルーシャンナルさんの胸元に打ち込んでやれば、一瞬、息が出来なかったのか苦痛の表情を浮かべて後方に転がる。
「……そういった戦い方もするんですね」
直ぐさま立ち上がり呼吸を整えて返答するところに、
「烈火!」
「!? プロテクション!」
少しだけイグニースを練った右の弱烈火を体勢を整えている最中に叩き込む。
小さな爆発は障壁に防がれるも、爆発に気圧されたルーシャンナルさんは慌てて距離を取る。
――焦燥は隙を生み出しますよ。
と、心で呟きつつ、今度はアクセルにて背後へと一瞬で回り込み。
「こういった戦い方もしっかりとしますよ」
と、先ほどの発言に返しながら、左拳前方に顕現する弱烈火をルーシャンナルさんの背中へと叩き込んだ。
「がぁ!」
いいダメージが入ったのが分かる。
金糸を思わせる長い髪に火球が触れれば、小さな爆風に乗って俺の鼻腔へと髪が焼けた時の独特なニオイが届く。
「手加減なしね」
「おうよ。手加減してやれる相手じゃないからな」
って、しっかりと偽者に嘘で返してやる。
窺って力量を見定めるだけでなく、俺との会話からも力を測ろうとしているんだろうからな。
ここでイキッて俺の力はこんなもんじゃないぜ! とか、じゃあ次は本気の威力を見せてやるぜ! なんてアホなムーブはしない。
相手には俺の実力を過小評価してほしいからな。
ルーシャンナルさんには俺の持ってる全てを見せる事なく戦わせてもらう。
次の相手となる美人さんを全力でぶん殴るためにな!
中距離から発動する魔法は――ウインドランス。
立派な形状をした風の槍。
言葉はたどたどしいが、魔法の発動はキビキビとしている。
投げる所作に連動し、風の槍が俺へと迫る。
「ふんす!」
ブレイズを纏わせた残火でかき消してやる。
投擲速度、鋭さ共に素晴らしいが、
「シャルナほどじゃない」
「シャルナ様と比べられると、こちらが困るというものです」
上役の娘が褒められると饒舌になったね。
ルーシャンナルさんの本当の思いが伝わってきたようだった。
俺を殺さないといけないって部分では変に間があるたどたどしい喋り方だから、本心とは違うってのが窺える。
理由は一つだよな。
「嫌なヤツだよ」
「私でしょうか?」
「違いますよ」
ルーシャンナルさんに否定で返しつつ、しっかりと偽者を睨み付ければ、ここでも美人を台無しにさせる口が裂けたような嘲笑を浮かべる。
「フル・ギルの使い手は――お前か?」
「どうかしらね~」
やっぱり濁してくるか。
「まあいいさ。本当の事を聞き出すためにも、ルーシャンナルさんを戦闘不能にしたらその顔を思いっきりぶっ飛ばす! たとえ女であってもな!」
「出来るのかしらね? 貴男――程度に」
見下してくるね~。
だがな。
「そんな態度で勝ち誇るなよ。俺は普段からそんな感じで見下されているからな!」
「情けないことを堂々と言えるのはある意味、才能なのかしら」
「うるせい! とにかくお前の強気な姿なんて脅威でもないんだよ!」
マッドメンヒルの威力に、俺の攻撃の圧だけで転倒するほどの非力さから察すれば、実力は知れている。
傍観する存在はフル・ギルの使い手ではないだろう。
こちらの問いに対して濁してはいるが、実力からしてこの女じゃない。
まだ他に脅威となる者がいると考えるべきだ。
コイツが主犯じゃないにしても、ポルパロングやカゲスト以上に情報を有しているのは間違いない。
全力でぶん殴って王様たちの前に無理矢理に跪かせてやる!
そうすれば問題の解決にも近づくというもの。
まだいるであろう仲間の事をしっかりと聞き出してやる。
その前に、
「今は私を脅威と見るべきです」
ですよね。
「よいしょい!」
「ぬぅ……」
細身の剣による斬撃を受け止め、力任せに振り抜き押し返す。
「やり手ではあるんですけどね!」
申し訳ないんですけどね。正直、ルーシャンナルさんの実力では俺を倒すって事は土台無理です。
「接近戦じゃなく、エルフお得意の弓と魔法がいいんじゃないですか?」
「では――そうしましょう」
再度ルーシャンナルさんが距離を開いたところを見計らって、
「ラピッド」
で、間合いを詰める。
俺の言葉に乗っかって本人は遠距離で仕掛けようとしたんだろけどもね。
なんでも真に受けては駄目ですよ。
詰めてきた俺に対して驚きの表情になっていた。
「いやいや」
呆れつつのトラース・キックをルーシャンナルさんの胸元に打ち込んでやれば、一瞬、息が出来なかったのか苦痛の表情を浮かべて後方に転がる。
「……そういった戦い方もするんですね」
直ぐさま立ち上がり呼吸を整えて返答するところに、
「烈火!」
「!? プロテクション!」
少しだけイグニースを練った右の弱烈火を体勢を整えている最中に叩き込む。
小さな爆発は障壁に防がれるも、爆発に気圧されたルーシャンナルさんは慌てて距離を取る。
――焦燥は隙を生み出しますよ。
と、心で呟きつつ、今度はアクセルにて背後へと一瞬で回り込み。
「こういった戦い方もしっかりとしますよ」
と、先ほどの発言に返しながら、左拳前方に顕現する弱烈火をルーシャンナルさんの背中へと叩き込んだ。
「がぁ!」
いいダメージが入ったのが分かる。
金糸を思わせる長い髪に火球が触れれば、小さな爆風に乗って俺の鼻腔へと髪が焼けた時の独特なニオイが届く。
「手加減なしね」
「おうよ。手加減してやれる相手じゃないからな」
って、しっかりと偽者に嘘で返してやる。
窺って力量を見定めるだけでなく、俺との会話からも力を測ろうとしているんだろうからな。
ここでイキッて俺の力はこんなもんじゃないぜ! とか、じゃあ次は本気の威力を見せてやるぜ! なんてアホなムーブはしない。
相手には俺の実力を過小評価してほしいからな。
ルーシャンナルさんには俺の持ってる全てを見せる事なく戦わせてもらう。
次の相手となる美人さんを全力でぶん殴るためにな!
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