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トール師になる
PHASE-1191【あれ、淡泊?】
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「この国の宝から作られた認識票だ。国宝を汚さないような行動をするように」
言えば、ここでも快活な返事を俺へと発してくる二人。
「ちょっと待っていただきたい!」
「なんだコクリコ」
「私の分は?」
「ないよ」
「なぜに!」
「だって――な~」
チラリとギムロンを見れば、大きく首肯し、
「これは会頭――つまりは勇者の弟子達である証のために作っただけだからの。お前さんのはない」
「希少な鉱物から作られた特注品ですよ!」
「そうだな」
返せば、
「そういったモノは私も欲しいに決まっているでしょう。というかそんな事くらい分かることでしょう。私がそういう特別なモノを欲する存在だということくらい!」
清々しいほどに物欲の塊的な発言をしたもんだよ……。
流石はコクリコ・シュレンテッドである。
「私の認識票も特別なモノにしていただきたい!」
「だから王都に帰ったら色を変えてやるから」
「最高位である紫色級を超える特別なのが欲しいです」
「だったらもっと頑張って下さい」
「今回はかなり頑張りましたよ」
「うん。そうだね」
「何とも軽い返事ですね!」
「お前はお前でカトゼンカ氏に凄い物を貰っているんだから我慢しろ」
「一つを得れば、次を欲したくなるのですよ!」
――……本当に……、なんて清々しい強欲なのか……。
「お前の強欲さは、現魔王やデミタスに聞かされた蹂躙王の強欲さに匹敵するんじゃなかろうか……。いや、超えているかもな……」
「そうでしょう! この私は魔王を超える存在ですからね!」
「褒めてねえよ! とにかくこの認識票は俺たちとエルフ達との関係性を繋ぐための証でもある。なのでお前にはありません。王都で色が変わるのを楽しみにしとけ」
「しかたない。折れて上げましょう。しかし! 紫色級以外は認めませんからね!」
――うん。俺と一緒にしっかりと、一段一段を上って成長しような。
なので当然ながら黄色級となります。
「ワシも次へと上がらせてもらおうかの」
「当然だな」
赤色級の認識票を見せてくるギムロン。
ギムロンもカイルやマイヤと肩を並べての青色級が相応しい。
その上の最高位を目指すとなると難しいだろうけど。
リンと肩を並べるってなると厳しいよな。
――……というか大事な事を忘れていた……。
シャルナってまだ黄色級のままだったような……。
魔法の実力は一級品だし、北ではリンと一緒になってマジョリカからの一撃により死にかけた俺を直ぐさま救ってくれたしな。
今回もガグ戦でリンと肩を並べての活躍だった。
元々、紫色級とは思っていたけども。
王都に戻ったらしっかりと最高位にしないとね。シャルナがいきなり紫色級をぶら下げても誰も不満は漏らさないだろうし。
――……コクリコ以外は。
――――。
「ふぃ~」
夕食を済ませてルミナングスさんの屋敷の個室にてゆっくりとした時間を過ごす。
連戦続きの疲れってのがようやく取り除かれた感じがする。
肉体的な疲れは既に無いけど、精神面はひりついた戦いで擦り切れてたからな。
「今ごろサルタナの家では、サルタナとハウルーシが認識票を見ながら楽しく会話をしているだろうな~」
などと独り言ちっていれば、
テッテレー♪
「お、分かっていたよ」
戦いが終わり、一人でゆったりとする時間が生まれれば、それを待っていたかのようにプレイギアからなる音。
今回は期待大だ。
プレイギアを取り出してからディスプレイを見れば――、
「おお!」
期待通りにレベルが上がっていた。
レベル74という数字。
音が鳴るまでは66だったから一気に8も上がった。
とうとう俺もレベル七十台に突入したか。
まあ、この世界にはレベルやステータスの概念はなく、あくまで評価指標でしかないけども、やはり七十台の数字ってのは嬉しいものだ。
ようやく高レベル台の存在になれた気がするからな。
ピローン♪
「これまた分かってたよ」
レベルアップを伝える音に続くのもいつものことだな。
『いよいよ七十台に突入ね。高レベル台の仲間入りおめでとう』
流石セラ。俺と同じ感性だな。
『ありがとう。今回は今までで一番に苦労したからな』
『でしょうね。まさか一人であれだけの相手を撃退するなんてね。最初の頃はオーク一人を相手にするのにも手を焼いていたのに。成長を喜んでいるわ』
相変わらず返信が早いし、文面の量も短時間とは思えない速さで打ち込んでくる。
『七十台となれば、大抵の相手に敗北するって事はなくなるわね』
『魔法は一つを除けば、七十台とは思えないほどにしょっぱいのばっかりだけどな』
『覚えなさい』
『覚えたくても次から次へとやる事が出てくるからな。ほぼ実戦で技を生み出すという苦労だ。だから魔法習得もまったく進まないよ……』
『覚えなさい』
『時間に余裕があれば頑張るんだけどな~』
『覚えなさい』
あれ? 三連続で同じ文面。
なんだこの淡泊さを感じざるを得ない返信は。
コイツ――まさか面倒くさくなっている?
俺とのメールのやり取りが何よりも楽しみのはずなのに。
相手にしないとヤンデレみたいなメールを送ってきていたのに。
そんなセラが面倒くさがっている――だと。
言えば、ここでも快活な返事を俺へと発してくる二人。
「ちょっと待っていただきたい!」
「なんだコクリコ」
「私の分は?」
「ないよ」
「なぜに!」
「だって――な~」
チラリとギムロンを見れば、大きく首肯し、
「これは会頭――つまりは勇者の弟子達である証のために作っただけだからの。お前さんのはない」
「希少な鉱物から作られた特注品ですよ!」
「そうだな」
返せば、
「そういったモノは私も欲しいに決まっているでしょう。というかそんな事くらい分かることでしょう。私がそういう特別なモノを欲する存在だということくらい!」
清々しいほどに物欲の塊的な発言をしたもんだよ……。
流石はコクリコ・シュレンテッドである。
「私の認識票も特別なモノにしていただきたい!」
「だから王都に帰ったら色を変えてやるから」
「最高位である紫色級を超える特別なのが欲しいです」
「だったらもっと頑張って下さい」
「今回はかなり頑張りましたよ」
「うん。そうだね」
「何とも軽い返事ですね!」
「お前はお前でカトゼンカ氏に凄い物を貰っているんだから我慢しろ」
「一つを得れば、次を欲したくなるのですよ!」
――……本当に……、なんて清々しい強欲なのか……。
「お前の強欲さは、現魔王やデミタスに聞かされた蹂躙王の強欲さに匹敵するんじゃなかろうか……。いや、超えているかもな……」
「そうでしょう! この私は魔王を超える存在ですからね!」
「褒めてねえよ! とにかくこの認識票は俺たちとエルフ達との関係性を繋ぐための証でもある。なのでお前にはありません。王都で色が変わるのを楽しみにしとけ」
「しかたない。折れて上げましょう。しかし! 紫色級以外は認めませんからね!」
――うん。俺と一緒にしっかりと、一段一段を上って成長しような。
なので当然ながら黄色級となります。
「ワシも次へと上がらせてもらおうかの」
「当然だな」
赤色級の認識票を見せてくるギムロン。
ギムロンもカイルやマイヤと肩を並べての青色級が相応しい。
その上の最高位を目指すとなると難しいだろうけど。
リンと肩を並べるってなると厳しいよな。
――……というか大事な事を忘れていた……。
シャルナってまだ黄色級のままだったような……。
魔法の実力は一級品だし、北ではリンと一緒になってマジョリカからの一撃により死にかけた俺を直ぐさま救ってくれたしな。
今回もガグ戦でリンと肩を並べての活躍だった。
元々、紫色級とは思っていたけども。
王都に戻ったらしっかりと最高位にしないとね。シャルナがいきなり紫色級をぶら下げても誰も不満は漏らさないだろうし。
――……コクリコ以外は。
――――。
「ふぃ~」
夕食を済ませてルミナングスさんの屋敷の個室にてゆっくりとした時間を過ごす。
連戦続きの疲れってのがようやく取り除かれた感じがする。
肉体的な疲れは既に無いけど、精神面はひりついた戦いで擦り切れてたからな。
「今ごろサルタナの家では、サルタナとハウルーシが認識票を見ながら楽しく会話をしているだろうな~」
などと独り言ちっていれば、
テッテレー♪
「お、分かっていたよ」
戦いが終わり、一人でゆったりとする時間が生まれれば、それを待っていたかのようにプレイギアからなる音。
今回は期待大だ。
プレイギアを取り出してからディスプレイを見れば――、
「おお!」
期待通りにレベルが上がっていた。
レベル74という数字。
音が鳴るまでは66だったから一気に8も上がった。
とうとう俺もレベル七十台に突入したか。
まあ、この世界にはレベルやステータスの概念はなく、あくまで評価指標でしかないけども、やはり七十台の数字ってのは嬉しいものだ。
ようやく高レベル台の存在になれた気がするからな。
ピローン♪
「これまた分かってたよ」
レベルアップを伝える音に続くのもいつものことだな。
『いよいよ七十台に突入ね。高レベル台の仲間入りおめでとう』
流石セラ。俺と同じ感性だな。
『ありがとう。今回は今までで一番に苦労したからな』
『でしょうね。まさか一人であれだけの相手を撃退するなんてね。最初の頃はオーク一人を相手にするのにも手を焼いていたのに。成長を喜んでいるわ』
相変わらず返信が早いし、文面の量も短時間とは思えない速さで打ち込んでくる。
『七十台となれば、大抵の相手に敗北するって事はなくなるわね』
『魔法は一つを除けば、七十台とは思えないほどにしょっぱいのばっかりだけどな』
『覚えなさい』
『覚えたくても次から次へとやる事が出てくるからな。ほぼ実戦で技を生み出すという苦労だ。だから魔法習得もまったく進まないよ……』
『覚えなさい』
『時間に余裕があれば頑張るんだけどな~』
『覚えなさい』
あれ? 三連続で同じ文面。
なんだこの淡泊さを感じざるを得ない返信は。
コイツ――まさか面倒くさくなっている?
俺とのメールのやり取りが何よりも楽しみのはずなのに。
相手にしないとヤンデレみたいなメールを送ってきていたのに。
そんなセラが面倒くさがっている――だと。
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