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発展と鍛錬
PHASE-1252【弱々しいことで……】
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「アハハハハハ――ッ! ゴロ太の体は撫で心地最高だな! ホレホレホレ――!」
最高の感触に俺のテンションは爆上がり。
でもって勇者である俺の事が大好きなゴロ太も、俺に触れられて大喜びの声を上げる。
赤いマフラーは正義の印。
正義の心を持つ人語を喋れる子グマのゴロ太は、勇者に触られることで大喜びなのである。
「アハハハ――ハハハ…………ハァッン!?」
ゴロ太の感触を堪能していたところで俺へと向けられるベルの視線。
俺の体はその眼力によって強張ってしまう……。
俺が登場する度に、ゴロ太が俺へと寄ってくるという光景を目にするベルのエメラルドグリーンからなる瞳は、俺に対して嫉妬を宿らせているもの……。
ゴロ太を奪われたということからくる、恨めしそうな視線。
そういった視線は、俺が別の女の子と楽しげに話をしている時なんかに向けられると最高なんだけどね……。
「う、ううん」
喉の調子を整えてから、
「ゴロ太。ベルの方に戻ってあげなさい」
優しくそう伝えれば、ベルは当然だな。とばかりに首肯していた。
「でもボクはもっと勇者様と遊びたい」
愛らしいつぶらな瞳で見上げてくる仕草は破壊力抜群なのだ……が、
「ぐぅぅ……」
俺とは別の意味で破壊力抜群の発言を耳にして、ベルの精神世界にクリティカルヒットが見舞われていた。
凄く打ちひしがれていらっしゃる……。
普段は目にする事が出来ないベルのこういった姿ってのは、ゴロ太なんかの愛玩生物がからまないと見れない貴重なシーンでもある。
更に付け加えるなら、俺と愛玩生物のやり取りでこういった状態になるんだよな。
「うぅぅ……」
でもって俺に恨みを抱く視線を向けてくることで、俺も精神世界に大きなダメージを受けるという悪循環…………。
もちろんそんな事などまったく分かっていないゴロ太は俺にくっついてくるし、抱っこしてほしいと両手を伸ばしてくる。
戦闘時には浄化の炎を纏う中佐殿だが、現在は嫉妬のオーラを纏っておられます。
ハイパー化するんじゃないかってくらいの圧力を感じるね……。
圧を受けつつもリクエストに応えて抱っこしてやれば、ふわふわで心地よいゴロ太の感触の虜になりそう。
抱っこされるゴロ太も大喜びだし。
だからこそ余計にベルに負のオーラが強大化しているようにも思えてしまう……。
「そ、それで、何か変わったことはなかったか?」
上擦った声で問えば、
「ないよ~」
「うん。それは良かったなゴロ太」
優しく返しつつ、話を聞きたいベルへと目を向ける。
ジト目のベルに視線を合わせるのも勇気が必要だ。
「お前が来るまでは何事もなく幸せな時間だった」
俺だけがダメージを受ける発言はやめてもらおうか……。
「ボクは今、勇者様に抱っこされて幸せだよ♪」
「くぅあ……」
俺だけでなく、ベルもダメージを受けていた。
明らかに俺よりも大きなダメージを精神に受けているような気がする。
先ほどまで俺を半眼で睨んでいたが、ゴロ太の純真無垢な発言を耳にしたことで、目力は弱々しいものへと変わってしまう。
最強の存在なのにな……。
「ほらゴロ太。ベルに抱っこしてもらいなさい」
ここはベルの精神を回復させるため、そう提案をしてみるが、
「いつも抱っこされているから勇者様がいい」
「かはっ……」
吐血しそうな勢いだなベル……。
提案が裏目に出てしまい、余計にダメージを与えることになってしまった……。
ここまで精神的に弱ったベルは初めて見る。やはりゴロ太の存在はベルにとって、とても大きなものだというのが分かる。
ミユキを抱っこして、なんとか精神の回復を実行するベルの姿が痛々しかった……。
「護衛の数が減ったけども、それ以降に何かしらあったかを聞きたいんだけど」
抱っこされるゴロ太は俺の発言に対し、頭上に疑問符を浮かべるように首を傾げ、
「本当になにもない」
と、ベルは言う。
「寝惚けて外とトイレを間違えるってこともないようだな」
「コリンズ殿から聞き及んでいるようだな。安心しろ。私がちゃんと世話をしている」
「そうか」
ちゃんと世話って事は、トイレでもゴロ太が用を足すのを手伝っているのかな?
ゴロ太が夜中トイレに起きる時のベルの行動が容易に想像できる。
ゴロ太の起床に連動するようにバチコーン! と目を見開いて、トイレまで抱っこして連れて行くんだろうな。
だとするとお世話が過ぎるね。
だから俺に抱っこされたいと思うんだろうよ。あんまり過保護すぎるとゴロ太が反抗期になるかもよ。
お姉ちゃんなんて大嫌いだよ! ――などと言われれば、ベルは本当に吐血するかもしれんな……。
「なんだ?」
「いや別に」
これはマジで過保護すぎてゴロ太が反抗期にならないか心配になってくる。
「過保護にだけはなるなよ」
と、一応、釘を刺しておく。
「ゴロ太が堕落するとでも?」
「いや、ベルが駄目になるからってのが正解だ」
「うぅ……。言うではないか……」
反論できない時点で自分でも過保護だと思ってんだろうな。
公爵旗をゴロ太デザインに変えてくれたからな……。
本当にベルはゴロ太を前にすると駄目になる。
ここに来る前からベルがダメダメになっているのは分かっていたので――、
「俺達が王都にいない時は、皆がゴロ太と協力しあってくれ」
「「「「はい!」」」」
コボルトキッズからは元気いっぱいの肯定が返ってくる。
ゴロ太とコボルトキッズにミユキという完璧布陣。
ベルにとってこの建物は、愛玩モフモフパラダイスなんだろうな……。
誰もいないところでパライゾ、パライゾとか言ってそう……。
最高の感触に俺のテンションは爆上がり。
でもって勇者である俺の事が大好きなゴロ太も、俺に触れられて大喜びの声を上げる。
赤いマフラーは正義の印。
正義の心を持つ人語を喋れる子グマのゴロ太は、勇者に触られることで大喜びなのである。
「アハハハ――ハハハ…………ハァッン!?」
ゴロ太の感触を堪能していたところで俺へと向けられるベルの視線。
俺の体はその眼力によって強張ってしまう……。
俺が登場する度に、ゴロ太が俺へと寄ってくるという光景を目にするベルのエメラルドグリーンからなる瞳は、俺に対して嫉妬を宿らせているもの……。
ゴロ太を奪われたということからくる、恨めしそうな視線。
そういった視線は、俺が別の女の子と楽しげに話をしている時なんかに向けられると最高なんだけどね……。
「う、ううん」
喉の調子を整えてから、
「ゴロ太。ベルの方に戻ってあげなさい」
優しくそう伝えれば、ベルは当然だな。とばかりに首肯していた。
「でもボクはもっと勇者様と遊びたい」
愛らしいつぶらな瞳で見上げてくる仕草は破壊力抜群なのだ……が、
「ぐぅぅ……」
俺とは別の意味で破壊力抜群の発言を耳にして、ベルの精神世界にクリティカルヒットが見舞われていた。
凄く打ちひしがれていらっしゃる……。
普段は目にする事が出来ないベルのこういった姿ってのは、ゴロ太なんかの愛玩生物がからまないと見れない貴重なシーンでもある。
更に付け加えるなら、俺と愛玩生物のやり取りでこういった状態になるんだよな。
「うぅぅ……」
でもって俺に恨みを抱く視線を向けてくることで、俺も精神世界に大きなダメージを受けるという悪循環…………。
もちろんそんな事などまったく分かっていないゴロ太は俺にくっついてくるし、抱っこしてほしいと両手を伸ばしてくる。
戦闘時には浄化の炎を纏う中佐殿だが、現在は嫉妬のオーラを纏っておられます。
ハイパー化するんじゃないかってくらいの圧力を感じるね……。
圧を受けつつもリクエストに応えて抱っこしてやれば、ふわふわで心地よいゴロ太の感触の虜になりそう。
抱っこされるゴロ太も大喜びだし。
だからこそ余計にベルに負のオーラが強大化しているようにも思えてしまう……。
「そ、それで、何か変わったことはなかったか?」
上擦った声で問えば、
「ないよ~」
「うん。それは良かったなゴロ太」
優しく返しつつ、話を聞きたいベルへと目を向ける。
ジト目のベルに視線を合わせるのも勇気が必要だ。
「お前が来るまでは何事もなく幸せな時間だった」
俺だけがダメージを受ける発言はやめてもらおうか……。
「ボクは今、勇者様に抱っこされて幸せだよ♪」
「くぅあ……」
俺だけでなく、ベルもダメージを受けていた。
明らかに俺よりも大きなダメージを精神に受けているような気がする。
先ほどまで俺を半眼で睨んでいたが、ゴロ太の純真無垢な発言を耳にしたことで、目力は弱々しいものへと変わってしまう。
最強の存在なのにな……。
「ほらゴロ太。ベルに抱っこしてもらいなさい」
ここはベルの精神を回復させるため、そう提案をしてみるが、
「いつも抱っこされているから勇者様がいい」
「かはっ……」
吐血しそうな勢いだなベル……。
提案が裏目に出てしまい、余計にダメージを与えることになってしまった……。
ここまで精神的に弱ったベルは初めて見る。やはりゴロ太の存在はベルにとって、とても大きなものだというのが分かる。
ミユキを抱っこして、なんとか精神の回復を実行するベルの姿が痛々しかった……。
「護衛の数が減ったけども、それ以降に何かしらあったかを聞きたいんだけど」
抱っこされるゴロ太は俺の発言に対し、頭上に疑問符を浮かべるように首を傾げ、
「本当になにもない」
と、ベルは言う。
「寝惚けて外とトイレを間違えるってこともないようだな」
「コリンズ殿から聞き及んでいるようだな。安心しろ。私がちゃんと世話をしている」
「そうか」
ちゃんと世話って事は、トイレでもゴロ太が用を足すのを手伝っているのかな?
ゴロ太が夜中トイレに起きる時のベルの行動が容易に想像できる。
ゴロ太の起床に連動するようにバチコーン! と目を見開いて、トイレまで抱っこして連れて行くんだろうな。
だとするとお世話が過ぎるね。
だから俺に抱っこされたいと思うんだろうよ。あんまり過保護すぎるとゴロ太が反抗期になるかもよ。
お姉ちゃんなんて大嫌いだよ! ――などと言われれば、ベルは本当に吐血するかもしれんな……。
「なんだ?」
「いや別に」
これはマジで過保護すぎてゴロ太が反抗期にならないか心配になってくる。
「過保護にだけはなるなよ」
と、一応、釘を刺しておく。
「ゴロ太が堕落するとでも?」
「いや、ベルが駄目になるからってのが正解だ」
「うぅ……。言うではないか……」
反論できない時点で自分でも過保護だと思ってんだろうな。
公爵旗をゴロ太デザインに変えてくれたからな……。
本当にベルはゴロ太を前にすると駄目になる。
ここに来る前からベルがダメダメになっているのは分かっていたので――、
「俺達が王都にいない時は、皆がゴロ太と協力しあってくれ」
「「「「はい!」」」」
コボルトキッズからは元気いっぱいの肯定が返ってくる。
ゴロ太とコボルトキッズにミユキという完璧布陣。
ベルにとってこの建物は、愛玩モフモフパラダイスなんだろうな……。
誰もいないところでパライゾ、パライゾとか言ってそう……。
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