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矮人と巨人
PHASE-1352【綺麗な指切り】
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障壁を展開しながらこちらへと進んでくるのは面倒なこと。
マスリリースはどうしても刀を振るというモーションが入るから、距離の離れた相手はそのモーションにきっちりと対応してくる。
プロテクションは仕方ないとしても、連携によるウォーターカーテンを突破できないのは情けない限り。
本当に俺よりも上手く初歩の障壁魔法を利用している。
連携のウォーターカーテンには、相殺を上回る連続攻撃で対処するしかないのだが……。
二振りからのマスリリースに対抗するために相手は三重のウォーターカーテン。
一つ多いのは念のためって事だろう。
こちらは四連続を撃ち込まないとならないけど、現状の実力ではマスリリースは二連撃が限界。
集中により生じるラグからの三振り、四振りとなれば、相手も次を展開してくるだけの時間を得るからな。
でもって相手の飽和攻撃を回避したり防ぎつつの攻撃なので、マスリリースの連撃は適していない。
「となれば――」
「ティーガーってのをまた使うの?」
「いや違う。虎と比べると圧倒的に地味な手持ち武器になる」
と、ミルモンに返しつつ、イグニースを展開しながら二刀を鞘へと収めてプレイギアを取り出し、自分の左手にディスプレイを向け、
「AR-57」
言えば小さな輝きが発生し、輝きが消えれば代わりに左手にはほどよい重み。
現れるのは銃。
「さあ、モダンウェポンの力の恩恵を俺に与えてくれ」
言いつつチャージングハンドルを引いて構える。
ストックに頬を当ててからドットサイトを覗き――トリガーを引く。
ダダダダダダダ――――っとAR-57が音源となって弾丸を吐き出せば、眼前のオークとカクエンを中心とした部隊がバタバタと倒れていく。
倒れた場所からはうめき声。
「決殺というわけにはいかないけど、効果はあるな」
ウォーターカーテンを展開しようとも、一発目が相殺対象となればそれ以降の弾丸が残りの二重を相殺し――相手に届く。
流石にプロテクションの部分への攻撃は無効だけども、相手の隊列を崩すには十分。
マガジンの弾数も五十発という多さで継戦力も高い。
「元々のマガジンの主であるFN P90を選択しないところが、俺の偏屈さが出ている証拠だよな」
AR-57――FN P90の独特なマガジンを利用したAR-15 のへんてこ改造銃。
初手の射撃後、直ぐに足を動かして今まで立っていた場所から離れつつ、次の標的に狙いを定めて射撃。
撃つ時は指を切らないという素人まる出しな射撃となれば、五十発でも直ぐに弾切れになる。
「AR-57のマガジン」
プレイギアを片手に数回同様の発言をして地面に召喚するマガジンを回収。
マガジンチェンジから即射撃。
必殺ではなくてもボディアーマーレベルⅡを貫通するだけあって、立派な作りであっても生産性重視の鉄の鎧なら、簡単に貫通して体にダメージを与える事ができる。
――ひたすらに撃ってはマガジンをチェンジしていく。
「まだまだ!」
気迫をAR-57 に憑依させるように弾丸を撃ち続ける。
本来AR-15 がマガジンを差し込む部分から排莢するAR-57 。
落ちてくる薬莢が俺の半長靴にも当たってくる。
変わった作りのAR-57 だけども、素早く動きながら多い弾数で遠距離から攻撃できるのはありがたい。
弾数はあっても重量のあるLMGでは、動きが鈍くなるから飽和攻撃を掻い潜りながらの攻撃は難しくなるからな。
こういう時はPDWやカービンに分類されるAR-57がいい。
「そんなのもあるんだね」
「おうよ!」
背後で見守るミルモンに応えつつも射撃をやめることはない。
この異世界に来てから銃を握る機会は何回もあったし、普段からチアッパ・ライノとチーフスペシャルは携帯しているけども、俺個人がここまで銃に頼るのは初めてだ。
で、使って思うことは、通用する相手に対しては本当に強いということ。
「なんとも面妖なモノを使用する。だが怯むな!」
弾丸の捕捉が難しいであろうこちらの攻撃に不安になりながらも、背後からの絶対的な存在の下知には従うとばかりに、
「筒の部分を向けられたら警戒しろ!」
ワンオフ持ちの十体長による指示に再び隊列を組み直していく。
「トール」
「おうシャルナ」
射撃により動きが鈍くなった敵兵を蹴散らしながら、シャルナが俺に合流。
「問題なしか」
と、継げば、
「私自体に問題は無いけど、矢がもう殆ど無い」
前者だけを聞けば、現状、戦闘においては苦戦はしていないというのが分かる。
だが問題はなくても継戦力が削られているのも事実。なので矢が尽き果てる前に俺へと合流したようだ。
「MASADA貸して」
「おう!?」
「早く!」
「おう!」
まさかシャルナの口からサラッとMASADAって単語が出てくるなんて思ってもいなかった。
こちらに飛んでくる矢と魔法を回避しつつ応射。
プレイギアを左手に持っての右手だけでの応射ではあるけど、そこはピリアというマナが存在する異世界。
インクリーズとストレンクスンによる肉体強化と、その能力を倍加させてくれる効果によって、右手だけで使用しても反動を抑える事が出来ている。
これならLMGのアキンボって浪漫使用もいけるかもしれないけど、やはり現状より動きが鈍くなるのは間違いないので、今はこのままでいこう。
――などと考えつつ、シャルナへと向けてMASADAと発して召喚。
主にゲッコーさんが使用するアサルトライフルを手にするシャルナ。
矢継ぎ早にコレのマガジンもと催促するので、言われたとおりに予備マガジンを四つ出す。
予備マガジンをベルトに挟み込むシャルナ。
「――熟れてるな」
マガジンを挟み込めば直ぐにMASADAのチャージングハンドルを引いてから構える。
「――様になってるな」
と、シャルナの姿に続けて発せば、「ありがと」と、短く返ってくる。
短く返す返事の如くトリガーも短く引くシャルナ。
ダダッと二発を発射。
標的となった相対する一人の兜に風穴が二つ出来れば、力なく倒れる。
トリガー引きっぱなしな残念な俺と違い、これぞお手本とばかりに、白皙の綺麗な食指で綺麗な指切り射撃を見せてくれた。
マスリリースはどうしても刀を振るというモーションが入るから、距離の離れた相手はそのモーションにきっちりと対応してくる。
プロテクションは仕方ないとしても、連携によるウォーターカーテンを突破できないのは情けない限り。
本当に俺よりも上手く初歩の障壁魔法を利用している。
連携のウォーターカーテンには、相殺を上回る連続攻撃で対処するしかないのだが……。
二振りからのマスリリースに対抗するために相手は三重のウォーターカーテン。
一つ多いのは念のためって事だろう。
こちらは四連続を撃ち込まないとならないけど、現状の実力ではマスリリースは二連撃が限界。
集中により生じるラグからの三振り、四振りとなれば、相手も次を展開してくるだけの時間を得るからな。
でもって相手の飽和攻撃を回避したり防ぎつつの攻撃なので、マスリリースの連撃は適していない。
「となれば――」
「ティーガーってのをまた使うの?」
「いや違う。虎と比べると圧倒的に地味な手持ち武器になる」
と、ミルモンに返しつつ、イグニースを展開しながら二刀を鞘へと収めてプレイギアを取り出し、自分の左手にディスプレイを向け、
「AR-57」
言えば小さな輝きが発生し、輝きが消えれば代わりに左手にはほどよい重み。
現れるのは銃。
「さあ、モダンウェポンの力の恩恵を俺に与えてくれ」
言いつつチャージングハンドルを引いて構える。
ストックに頬を当ててからドットサイトを覗き――トリガーを引く。
ダダダダダダダ――――っとAR-57が音源となって弾丸を吐き出せば、眼前のオークとカクエンを中心とした部隊がバタバタと倒れていく。
倒れた場所からはうめき声。
「決殺というわけにはいかないけど、効果はあるな」
ウォーターカーテンを展開しようとも、一発目が相殺対象となればそれ以降の弾丸が残りの二重を相殺し――相手に届く。
流石にプロテクションの部分への攻撃は無効だけども、相手の隊列を崩すには十分。
マガジンの弾数も五十発という多さで継戦力も高い。
「元々のマガジンの主であるFN P90を選択しないところが、俺の偏屈さが出ている証拠だよな」
AR-57――FN P90の独特なマガジンを利用したAR-15 のへんてこ改造銃。
初手の射撃後、直ぐに足を動かして今まで立っていた場所から離れつつ、次の標的に狙いを定めて射撃。
撃つ時は指を切らないという素人まる出しな射撃となれば、五十発でも直ぐに弾切れになる。
「AR-57のマガジン」
プレイギアを片手に数回同様の発言をして地面に召喚するマガジンを回収。
マガジンチェンジから即射撃。
必殺ではなくてもボディアーマーレベルⅡを貫通するだけあって、立派な作りであっても生産性重視の鉄の鎧なら、簡単に貫通して体にダメージを与える事ができる。
――ひたすらに撃ってはマガジンをチェンジしていく。
「まだまだ!」
気迫をAR-57 に憑依させるように弾丸を撃ち続ける。
本来AR-15 がマガジンを差し込む部分から排莢するAR-57 。
落ちてくる薬莢が俺の半長靴にも当たってくる。
変わった作りのAR-57 だけども、素早く動きながら多い弾数で遠距離から攻撃できるのはありがたい。
弾数はあっても重量のあるLMGでは、動きが鈍くなるから飽和攻撃を掻い潜りながらの攻撃は難しくなるからな。
こういう時はPDWやカービンに分類されるAR-57がいい。
「そんなのもあるんだね」
「おうよ!」
背後で見守るミルモンに応えつつも射撃をやめることはない。
この異世界に来てから銃を握る機会は何回もあったし、普段からチアッパ・ライノとチーフスペシャルは携帯しているけども、俺個人がここまで銃に頼るのは初めてだ。
で、使って思うことは、通用する相手に対しては本当に強いということ。
「なんとも面妖なモノを使用する。だが怯むな!」
弾丸の捕捉が難しいであろうこちらの攻撃に不安になりながらも、背後からの絶対的な存在の下知には従うとばかりに、
「筒の部分を向けられたら警戒しろ!」
ワンオフ持ちの十体長による指示に再び隊列を組み直していく。
「トール」
「おうシャルナ」
射撃により動きが鈍くなった敵兵を蹴散らしながら、シャルナが俺に合流。
「問題なしか」
と、継げば、
「私自体に問題は無いけど、矢がもう殆ど無い」
前者だけを聞けば、現状、戦闘においては苦戦はしていないというのが分かる。
だが問題はなくても継戦力が削られているのも事実。なので矢が尽き果てる前に俺へと合流したようだ。
「MASADA貸して」
「おう!?」
「早く!」
「おう!」
まさかシャルナの口からサラッとMASADAって単語が出てくるなんて思ってもいなかった。
こちらに飛んでくる矢と魔法を回避しつつ応射。
プレイギアを左手に持っての右手だけでの応射ではあるけど、そこはピリアというマナが存在する異世界。
インクリーズとストレンクスンによる肉体強化と、その能力を倍加させてくれる効果によって、右手だけで使用しても反動を抑える事が出来ている。
これならLMGのアキンボって浪漫使用もいけるかもしれないけど、やはり現状より動きが鈍くなるのは間違いないので、今はこのままでいこう。
――などと考えつつ、シャルナへと向けてMASADAと発して召喚。
主にゲッコーさんが使用するアサルトライフルを手にするシャルナ。
矢継ぎ早にコレのマガジンもと催促するので、言われたとおりに予備マガジンを四つ出す。
予備マガジンをベルトに挟み込むシャルナ。
「――熟れてるな」
マガジンを挟み込めば直ぐにMASADAのチャージングハンドルを引いてから構える。
「――様になってるな」
と、シャルナの姿に続けて発せば、「ありがと」と、短く返ってくる。
短く返す返事の如くトリガーも短く引くシャルナ。
ダダッと二発を発射。
標的となった相対する一人の兜に風穴が二つ出来れば、力なく倒れる。
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