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矮人と巨人
PHASE-1353【ピン抜き良し】
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「障壁に守られていない相手に対してなら、指切りでのバースト撃ちじゃなくてセミでもいいね。頭さえ狙えば問題ないし、弾持ちもよくなるし」
「お、そうだな」
――……ではなく。
「もう一回言わせてもらうけど、熟れてるな」
「大したものでしょ」
「おう、大したもんだよ」
綺麗な姿勢による立射。
そういった姿勢になる前からの所作は、銃に触れたことがないと出来ない動きばかりだ。
発言もこの世界の存在からしたら、かけ離れているしな。
指切り、バースト、セミ。
俺とゲッコーさんの会話を聞いているだけでそれらを理解しているわけがない。
手にして経験しないと分からないと思う。
「随分と扱いに慣れてるようで」
「まあね。王都に戻ってから、トールとコクリコが修練場で訓練している中、私もコツコツと教わってたんだよ」
酒蔵でポーション作りの協力もしてくれていたけども、それ以外に射撃訓練も酒蔵の近くで経験していたという。
酒蔵にはゲッコーさんもいるから、そこで基礎的な知識を教えてもらっていたそうだ。
ゲッコーさんやオジマさんたちS級さんがシャルナの射撃訓練に付き合ってくれたという。
そら射撃姿勢も様になるってもんだ。
教えているのが超一流の面々ばかりなんだからな。
しかも先生の【王佐の才】もあるから、シャルナの習得技量も早くなっているだろうし。
それにしても、
「綺麗だな~」
と、シャルナに聞こえない程度に独白。
薄い色素の金糸のような髪を靡かせるエルフは弓だけでなく、銃を持たせても様になる。
でも射手として最高の腕を持つエルフが選択する銃を想像するとなると――、
「スナイパーライフルがよかったんじゃないの?」
「確かにスナイパーライフルはいい銃だけど、重いからね」
スナイパーライフルはアサルトライフルなんかと比べると倍くらいの重さもあるから、動き回りながら使用するのはよろしくないとのこと。
訓練時にはアサルトライフルだけでなく、いろんな銃器を扱っているのが今の発言から窺えた。
「アレは待ちの姿勢で、長距離から使用するのが強味だからね」
と、これまた俺よりも銃を理解した発言をしてくれた。
実際、走り回って使用するようなもんじゃないよな。
ゲーム内だとスナイパーライフルを手にして走り回ってたりもするからな。LMGでは抱いていた重さという概念を完全に消し去っていた。
いろんなレンジに対応可能なアサルトライフルが便利だからということからMASADAを俺に催促したそうだ。
ゲッコーさんが普段から使用しているから、教える時もMASADAだったんだろうな。
だから手に馴染んでいるMASADAを選んだんだろう。
「じゃあ私は離れるよ」
俺だけでなく、他の面子のために立ち回ると言い、俺から離れていく中で、ダンッダンッとセミオートで敵の命を奪っていく。
一発の銃声が聞こえれば、一つの命が消える。
確実なワンショットワンキルは凄いの一言。
ハイエルフが全体の射撃掩護をしてくれるというのは凄い安心感を与えてくれるね。
前線に立ちながらも全体の掩護とかが出来るのは凄すぎるよ。
対して――、
「オラオラオラオラオラッ――――」
俺なんて弾幕による圧力で倒していくので精一杯。
「いいんじゃないの」
離れた位置からシャルナが言ってくれる。
素早く動きつつ五十発を撃ちまくることで相手を慌てふためかせているところに、シャルナが正確無比な射撃で倒していく。
こういったパターンを作っていくのはいい。
問題はそのパターンを見破られることだけど、見破られる前に倒してしまえば問題なし。
「そいや!」
ちょっと離れた位置ではコクリコが奮闘。
ゴロ丸の掩護は難しくなったけども、コクリコのところまでタチアナたち三人が合流。
直ぐさまコルレオンがコクリコの横に立ち、共に接近戦闘を行う。
タチアナとパロンズ氏は変わらず後方支援。
四人による隊伍が整ってくれば強固さも増す。
回復と障壁魔法を封じられながらもスリングによる投石掩護と、パロンズ氏の背嚢からタチアナがポーションを取り、傷と疲労が溜まっていく前衛へポーションによる回復を行ってくれる。
使用するポーションは即回復が可能なハイポーションからと、コクリコが指示を出していた。
ここでの戦いを終えて王都に戻ったら、コクリコが消費した分のハイポーションは俺が補充して上げよう。
今回はコクリコの奢りだったけども、あの気っぷの良さを見習って、必要な時にはそれだけの出費をしないとな。ギルド会頭として。
――こちらの面々を見渡せば、数の多さに対しても恐れを抱くことなく奮戦してくれている。
見るだけで俺も鼓舞されるってもんだよ。
「どんどん行くぞ!」
トリガーを引きっぱなしにしての弾幕で、ひたすらに相手の障壁が行き届いていない箇所を徹底的に狙っていく。
「ついでだ――フラググレネード」
と、手榴弾をいくつか召喚。
射撃を中断してから、
「ピン抜き良し――投げ!」
ピリアによる肉体向上による遠投はかなりのもの。
その遠投にて狙う目標は――、
「なんだ?」
ラプスの発動で余裕が出てふんぞり返っているハルダームへとプレゼントしてやる。
こちらから向こうの足元は見えないけども、ハルダームの目の動きは確認できる。
ハルダームの足元にてコロコロと転がっているようだった。
投擲から数秒――、
「ボカン!」
念を送るように発せば、
「ぐぁ!?」
ハルダームの足元で爆発が発生。
爆ぜることでグレネードの破片がハルダームを襲う。
六メートルを超える巨体が背を反らせながら倒れる姿が見て取れた。
ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥン――と、こちらにまで振動を伝えるほど派手に倒れてくれる。
「お、そうだな」
――……ではなく。
「もう一回言わせてもらうけど、熟れてるな」
「大したものでしょ」
「おう、大したもんだよ」
綺麗な姿勢による立射。
そういった姿勢になる前からの所作は、銃に触れたことがないと出来ない動きばかりだ。
発言もこの世界の存在からしたら、かけ離れているしな。
指切り、バースト、セミ。
俺とゲッコーさんの会話を聞いているだけでそれらを理解しているわけがない。
手にして経験しないと分からないと思う。
「随分と扱いに慣れてるようで」
「まあね。王都に戻ってから、トールとコクリコが修練場で訓練している中、私もコツコツと教わってたんだよ」
酒蔵でポーション作りの協力もしてくれていたけども、それ以外に射撃訓練も酒蔵の近くで経験していたという。
酒蔵にはゲッコーさんもいるから、そこで基礎的な知識を教えてもらっていたそうだ。
ゲッコーさんやオジマさんたちS級さんがシャルナの射撃訓練に付き合ってくれたという。
そら射撃姿勢も様になるってもんだ。
教えているのが超一流の面々ばかりなんだからな。
しかも先生の【王佐の才】もあるから、シャルナの習得技量も早くなっているだろうし。
それにしても、
「綺麗だな~」
と、シャルナに聞こえない程度に独白。
薄い色素の金糸のような髪を靡かせるエルフは弓だけでなく、銃を持たせても様になる。
でも射手として最高の腕を持つエルフが選択する銃を想像するとなると――、
「スナイパーライフルがよかったんじゃないの?」
「確かにスナイパーライフルはいい銃だけど、重いからね」
スナイパーライフルはアサルトライフルなんかと比べると倍くらいの重さもあるから、動き回りながら使用するのはよろしくないとのこと。
訓練時にはアサルトライフルだけでなく、いろんな銃器を扱っているのが今の発言から窺えた。
「アレは待ちの姿勢で、長距離から使用するのが強味だからね」
と、これまた俺よりも銃を理解した発言をしてくれた。
実際、走り回って使用するようなもんじゃないよな。
ゲーム内だとスナイパーライフルを手にして走り回ってたりもするからな。LMGでは抱いていた重さという概念を完全に消し去っていた。
いろんなレンジに対応可能なアサルトライフルが便利だからということからMASADAを俺に催促したそうだ。
ゲッコーさんが普段から使用しているから、教える時もMASADAだったんだろうな。
だから手に馴染んでいるMASADAを選んだんだろう。
「じゃあ私は離れるよ」
俺だけでなく、他の面子のために立ち回ると言い、俺から離れていく中で、ダンッダンッとセミオートで敵の命を奪っていく。
一発の銃声が聞こえれば、一つの命が消える。
確実なワンショットワンキルは凄いの一言。
ハイエルフが全体の射撃掩護をしてくれるというのは凄い安心感を与えてくれるね。
前線に立ちながらも全体の掩護とかが出来るのは凄すぎるよ。
対して――、
「オラオラオラオラオラッ――――」
俺なんて弾幕による圧力で倒していくので精一杯。
「いいんじゃないの」
離れた位置からシャルナが言ってくれる。
素早く動きつつ五十発を撃ちまくることで相手を慌てふためかせているところに、シャルナが正確無比な射撃で倒していく。
こういったパターンを作っていくのはいい。
問題はそのパターンを見破られることだけど、見破られる前に倒してしまえば問題なし。
「そいや!」
ちょっと離れた位置ではコクリコが奮闘。
ゴロ丸の掩護は難しくなったけども、コクリコのところまでタチアナたち三人が合流。
直ぐさまコルレオンがコクリコの横に立ち、共に接近戦闘を行う。
タチアナとパロンズ氏は変わらず後方支援。
四人による隊伍が整ってくれば強固さも増す。
回復と障壁魔法を封じられながらもスリングによる投石掩護と、パロンズ氏の背嚢からタチアナがポーションを取り、傷と疲労が溜まっていく前衛へポーションによる回復を行ってくれる。
使用するポーションは即回復が可能なハイポーションからと、コクリコが指示を出していた。
ここでの戦いを終えて王都に戻ったら、コクリコが消費した分のハイポーションは俺が補充して上げよう。
今回はコクリコの奢りだったけども、あの気っぷの良さを見習って、必要な時にはそれだけの出費をしないとな。ギルド会頭として。
――こちらの面々を見渡せば、数の多さに対しても恐れを抱くことなく奮戦してくれている。
見るだけで俺も鼓舞されるってもんだよ。
「どんどん行くぞ!」
トリガーを引きっぱなしにしての弾幕で、ひたすらに相手の障壁が行き届いていない箇所を徹底的に狙っていく。
「ついでだ――フラググレネード」
と、手榴弾をいくつか召喚。
射撃を中断してから、
「ピン抜き良し――投げ!」
ピリアによる肉体向上による遠投はかなりのもの。
その遠投にて狙う目標は――、
「なんだ?」
ラプスの発動で余裕が出てふんぞり返っているハルダームへとプレゼントしてやる。
こちらから向こうの足元は見えないけども、ハルダームの目の動きは確認できる。
ハルダームの足元にてコロコロと転がっているようだった。
投擲から数秒――、
「ボカン!」
念を送るように発せば、
「ぐぁ!?」
ハルダームの足元で爆発が発生。
爆ぜることでグレネードの破片がハルダームを襲う。
六メートルを超える巨体が背を反らせながら倒れる姿が見て取れた。
ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥン――と、こちらにまで振動を伝えるほど派手に倒れてくれる。
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