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矮人と巨人
PHASE-1397【保存が利かないのが多い訳】
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分断して挟撃を受けないように押しとどめてくれた歩兵には感謝しかないと高順氏。
それは俺も同意見でしかない。
犠牲になった方々に感謝をする中で、騎兵だけで見れば犠牲者が出ていないことには驚嘆の二文字。
エイトリの奇跡と呼ばれる奇跡が本当だったというのを共に行動する事で経験させてもらった。
三万弱の相手を千五百の騎兵突撃にて壊走させる。
正にジャガーノート。
「それで歩兵の被害は?」
「二百ほどの死者が出た。今後、戦闘をするのが難しい者達もかなりいる。今回の戦いでこちらは五百弱の兵を失ったと考えるべきだな」
「多いですね」
「三万を相手にして五百だ。上々と見るべきだ。そう切り替えないと、これ以上の戦へとなった時、勇者の精神は壊れることになる。難しいだろうが、無理にでも切り替えることだな」
「……はい」
難しいことだな。慣れることはないし慣れたくもない。と思った矢先にそういったアドバイスをもらっても……な……。
――……五百か。
魔王軍――蹂躙王が有する三百万からしたら相手側の今回の犠牲は微々たるものなんだろうが、こちらサイドにすれば二百の死と、戦闘が出来なくなった方々を含めて強兵五百がいなくなるというのは痛打。
「兵の補充は頼むぞ」
「あ、はい」
補充か……。
別段、表現としては間違いではないけども、モノを数えるみたいで淋しくなるね。
常に最前線で戦っているからこそ、死というものが希薄になるのだろうか。
一々、気にしている暇はないという環境でもあるのだろうけど。
高順氏が言うように、多くの仲間の死に向き合っていたら精神が病むだろうから切り替えないといけないんだろうな。
「死んだ者は帰ってこない。ならばその者達の――」
「意思を継ぐことで、その面々は生者のなかで生き続けるってことですね」
「分かっているじゃないか。生き残ったのならば、生き残った者の責務を全うしないといけない」
「うっす」
――。
「ご苦労さん」
「私達よりも会頭の方が大変だったでしょう」
今回の突撃にタチアナ、コルレオン、パロンズ氏は不参加だった。
三人には要塞に残ってもらい、防御壁の守りに就いてもらっていた。
戦闘終了後は、タチアナは運ばれてくる怪我人の治療。
コルレオンは素早さを活かして要塞内部での伝令役。
パロンズ氏は壁上などに設置されたバリスタなどの防衛兵器のメンテナンス。
三人とも自分の得意分野で活躍してくれている。
「回復魔法は偉大だな」
ファーストエイドにその上位であるキュアを使用できるタチアナの存在は大きいようで、怪我人も見る見る回復していく。
「私よりもシャルナさんの力が大きいですよ」
「そんな事はないよ。傷の具合で各々が出来る範囲で魔法を使用すれば、多くの怪我人を癒やすことが出来るからね」
と、シャルナ。
遺体回収を終えれば、南に目を向けていたシャルナも治療に専念してくれていた。
キュアの上位であるヒールに、更にその上位であるアーチヒールを使用。
要塞内でも上位回復魔法を使用できる者は限られているということから、シャルナの存在は非常に大きな役割を担っていた。
特に上位と大魔法の間に位置づけられているという最上位魔法のアーチヒールを使用できる者はいないからか、シャルナに頼る事が多くなっている。
レビテーションの長時間使用からの、回復魔法の多用。
流石のシャルナも疲労を隠せないでいる。
「要塞には回復魔法が使用できる人材と兵士の更なる動員。ポーションもハイポーション以上の物を優先的に送らないといけないな」
「そこは知者が既にやってくれている。人材と生産がまだ追いついていないのだ」
まあ、俺が考えつきそうな事は先生が済ませているのは当たり前か。
兵士は畑で収穫できるものじゃないからな。
人材を得て、訓練する時間も必要になる。
最前線へと配置するとなれば、精強な兵に育てないといけないから、育成には時間を要する。
先生と高順氏のスキルがあるから練度速度が上がることが強味だけども、それでもまずは人材がいないことには練度どうこうじゃないからな。
「各地の領主たちにもっと協力をしてもらわないといけないよな」
「そこは王と、この大陸で権力第二位である公爵という立場の勇者次第だろうな」
「北伐時とその後には、日和見を決め込んでいた権力者達が協力的になったのは喜ばしかったんですけどね」
「だが、余力をまだ持っている者達もいるだろう。この状況下で余力を持たせるのは許せん。吐き出させるんだな。要塞を完成させるためにも作業する者の人数もまだ足りん。だからこそ駐留させる兵の数も限られてしまう」
「あ、はい……」
高順氏の発言に背中を伸ばす。
落ち着きある語りながらも、隠すことの出来ない怒りの感情。
兵の補充を頼むと淡々と言い、切り替えることが大事と言いながらも、共に戦う者達の死になんの感慨もわかないってことはありえないもんな。
兵の増強と各地の領主への協力をもっと得る為にも、王様たちに励んでもらおう。
俺は政治面ではなんの役にも立たないからな。
出来る事があるなら公爵という肩書き使えるくらい。
でも十分にその肩書きを利用できるような頭は持ち合わせていないので、その部分を先生には遺憾なく利用してもらおう。
――。
「よく励んでくれた」
と、要塞指揮官が発せば、突撃時の喊声にも負けないような声が上がる。
ひりついたものは一切無く、喜色からなる声。
勝利に喜ぶ要塞兵とギルドメンバー。
手には杯を持ち、中身を一気に呷る。
戦死した仲間達を弔い、しんみりとしていた時間はわずか。
勝利の喜びを大声で発し、英雄たちを天へと送ってやるということだそうだ。
戦いが終結してから程なくして、要塞へと到着した援軍が持ってきた食糧と酒を勝利の祝いとして存分に振る舞う。
その到着したばかりの援軍が要塞にて宴の間、守備に就いてくれた。
それにしても――、
「大量の酒樽はともかく、食糧は日持ちしないものばかりですね」
干し肉ではなく、ベーコンやハムが多い。
果物もドライフルーツじゃなくて生のもの。
とても前線の食糧として扱うようなものじゃない。
「兵糧は要塞に十分に蓄えてある」
現状、要塞内にある兵糧だけでも、要塞に駐屯する兵や職人が半年は満足のいく食事がとれるという。
「だったらなんでこんなにも食糧と酒が運ばれてきたんですかね?」
「知者が気を利かせたのだろう」
即応できる援軍が前線に運んできたのは勝利を祝うためのモノ。
勝つと分かっている――信じているからこそ、先生が運ばせたのはご祝儀という名の物資だろうと高順氏。
それは俺も同意見でしかない。
犠牲になった方々に感謝をする中で、騎兵だけで見れば犠牲者が出ていないことには驚嘆の二文字。
エイトリの奇跡と呼ばれる奇跡が本当だったというのを共に行動する事で経験させてもらった。
三万弱の相手を千五百の騎兵突撃にて壊走させる。
正にジャガーノート。
「それで歩兵の被害は?」
「二百ほどの死者が出た。今後、戦闘をするのが難しい者達もかなりいる。今回の戦いでこちらは五百弱の兵を失ったと考えるべきだな」
「多いですね」
「三万を相手にして五百だ。上々と見るべきだ。そう切り替えないと、これ以上の戦へとなった時、勇者の精神は壊れることになる。難しいだろうが、無理にでも切り替えることだな」
「……はい」
難しいことだな。慣れることはないし慣れたくもない。と思った矢先にそういったアドバイスをもらっても……な……。
――……五百か。
魔王軍――蹂躙王が有する三百万からしたら相手側の今回の犠牲は微々たるものなんだろうが、こちらサイドにすれば二百の死と、戦闘が出来なくなった方々を含めて強兵五百がいなくなるというのは痛打。
「兵の補充は頼むぞ」
「あ、はい」
補充か……。
別段、表現としては間違いではないけども、モノを数えるみたいで淋しくなるね。
常に最前線で戦っているからこそ、死というものが希薄になるのだろうか。
一々、気にしている暇はないという環境でもあるのだろうけど。
高順氏が言うように、多くの仲間の死に向き合っていたら精神が病むだろうから切り替えないといけないんだろうな。
「死んだ者は帰ってこない。ならばその者達の――」
「意思を継ぐことで、その面々は生者のなかで生き続けるってことですね」
「分かっているじゃないか。生き残ったのならば、生き残った者の責務を全うしないといけない」
「うっす」
――。
「ご苦労さん」
「私達よりも会頭の方が大変だったでしょう」
今回の突撃にタチアナ、コルレオン、パロンズ氏は不参加だった。
三人には要塞に残ってもらい、防御壁の守りに就いてもらっていた。
戦闘終了後は、タチアナは運ばれてくる怪我人の治療。
コルレオンは素早さを活かして要塞内部での伝令役。
パロンズ氏は壁上などに設置されたバリスタなどの防衛兵器のメンテナンス。
三人とも自分の得意分野で活躍してくれている。
「回復魔法は偉大だな」
ファーストエイドにその上位であるキュアを使用できるタチアナの存在は大きいようで、怪我人も見る見る回復していく。
「私よりもシャルナさんの力が大きいですよ」
「そんな事はないよ。傷の具合で各々が出来る範囲で魔法を使用すれば、多くの怪我人を癒やすことが出来るからね」
と、シャルナ。
遺体回収を終えれば、南に目を向けていたシャルナも治療に専念してくれていた。
キュアの上位であるヒールに、更にその上位であるアーチヒールを使用。
要塞内でも上位回復魔法を使用できる者は限られているということから、シャルナの存在は非常に大きな役割を担っていた。
特に上位と大魔法の間に位置づけられているという最上位魔法のアーチヒールを使用できる者はいないからか、シャルナに頼る事が多くなっている。
レビテーションの長時間使用からの、回復魔法の多用。
流石のシャルナも疲労を隠せないでいる。
「要塞には回復魔法が使用できる人材と兵士の更なる動員。ポーションもハイポーション以上の物を優先的に送らないといけないな」
「そこは知者が既にやってくれている。人材と生産がまだ追いついていないのだ」
まあ、俺が考えつきそうな事は先生が済ませているのは当たり前か。
兵士は畑で収穫できるものじゃないからな。
人材を得て、訓練する時間も必要になる。
最前線へと配置するとなれば、精強な兵に育てないといけないから、育成には時間を要する。
先生と高順氏のスキルがあるから練度速度が上がることが強味だけども、それでもまずは人材がいないことには練度どうこうじゃないからな。
「各地の領主たちにもっと協力をしてもらわないといけないよな」
「そこは王と、この大陸で権力第二位である公爵という立場の勇者次第だろうな」
「北伐時とその後には、日和見を決め込んでいた権力者達が協力的になったのは喜ばしかったんですけどね」
「だが、余力をまだ持っている者達もいるだろう。この状況下で余力を持たせるのは許せん。吐き出させるんだな。要塞を完成させるためにも作業する者の人数もまだ足りん。だからこそ駐留させる兵の数も限られてしまう」
「あ、はい……」
高順氏の発言に背中を伸ばす。
落ち着きある語りながらも、隠すことの出来ない怒りの感情。
兵の補充を頼むと淡々と言い、切り替えることが大事と言いながらも、共に戦う者達の死になんの感慨もわかないってことはありえないもんな。
兵の増強と各地の領主への協力をもっと得る為にも、王様たちに励んでもらおう。
俺は政治面ではなんの役にも立たないからな。
出来る事があるなら公爵という肩書き使えるくらい。
でも十分にその肩書きを利用できるような頭は持ち合わせていないので、その部分を先生には遺憾なく利用してもらおう。
――。
「よく励んでくれた」
と、要塞指揮官が発せば、突撃時の喊声にも負けないような声が上がる。
ひりついたものは一切無く、喜色からなる声。
勝利に喜ぶ要塞兵とギルドメンバー。
手には杯を持ち、中身を一気に呷る。
戦死した仲間達を弔い、しんみりとしていた時間はわずか。
勝利の喜びを大声で発し、英雄たちを天へと送ってやるということだそうだ。
戦いが終結してから程なくして、要塞へと到着した援軍が持ってきた食糧と酒を勝利の祝いとして存分に振る舞う。
その到着したばかりの援軍が要塞にて宴の間、守備に就いてくれた。
それにしても――、
「大量の酒樽はともかく、食糧は日持ちしないものばかりですね」
干し肉ではなく、ベーコンやハムが多い。
果物もドライフルーツじゃなくて生のもの。
とても前線の食糧として扱うようなものじゃない。
「兵糧は要塞に十分に蓄えてある」
現状、要塞内にある兵糧だけでも、要塞に駐屯する兵や職人が半年は満足のいく食事がとれるという。
「だったらなんでこんなにも食糧と酒が運ばれてきたんですかね?」
「知者が気を利かせたのだろう」
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