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PHASE-1441【キタコレ!】
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――。
ギルドハウスにて宴会が熱を帯びる中、一人で行動。
「ご苦労様です」
ギルドハウスから道を挟んで斜向かいにある建物の前には、四体のスケルトンルイン。
二十四時間態勢で建物を守ってくれている。
流線型からなる煌めく金色の鎧兜。鮮やかな真紅のマントを羽織るド派手な存在。
「ベルはいますか?」
「いるぞ」
「お邪魔しますね」
「勇者ではあるが、一応、この建物の主に許可をもらってこよう」
「ええ……」
なんで一々そんなことをしないといけないのか……。
今までこの建物にお邪魔する時、アポイントメントなんて取らなくてもよかったよね?
俺が不服そうな顔になっていたからか、
「すまんな勇者よ。現在、立ち入りを厳しくさせてもらっている」
「なぜです?」
「先日この辺りが騒がしかっただろう。この屋敷を覗き込もうとしていた輩もいたのでな。家主からは、一帯に不審者を近づけないようにしてほしいと頼まれた。我らが主からも素直に従うようにと言われている」
ハダン伯の護衛がこの辺り一帯を占拠していた事をベルは不服に思っていたからな。
普段から警護してくれているけど、リンを経由して更なる厳戒態勢を取らせようとする辺り、可愛い存在には本当に甘々な対応を取るよね……。
こっちは意を決しての訪問だってのに、こういったポンコツモードを耳にすれば出鼻を挫かれた思いだよ……。
「――問題ない」
許可をもらったと一体からOK発言。そのままその一体と一緒にお邪魔する。
「邪魔するで」
「邪魔をするなら訪問は控えてもらいたいな」
――……可愛い存在と違って、俺には塩っ辛い対応ですよ……。
「いくら何でも警戒しすぎだろう」
「念のためだ。ああいった連中がたむろすれば情操教育上よくないからな。伯の人間性は自信過剰ではあるが悪ではない。が、下の者達は分からないからな。不良がうつる」
「さいですか……」
ベビーマンティコアのミユキを抱っこしながらの真剣な面持ちによる言い様に、軽く脱力を覚えてしまう……。
そんなベルと一緒にいるのはコボルトの子供たち。
子供たちは俺に挨拶をすれば、ペンを持ってテーブルに置かれた紙と向き合う。
「勉強を教えてんの?」
「算術をな」
いずれはこの建物で愛らしいモフモフ執事のお店を開店するって考えているから、商売において必須である計算を教えているようだ。
「とても物覚えがよい、良い子たちだ」
教えている側もご満悦。
美しい白髪ロングの巨乳教師とかメチャクチャ羨ましい空間での勉強だな。
こんな教師に教われば、俺だって良いところ見せようと必死になるね。
――まあ嘘だけど。
胸ばっか見て勉強にならないだろうからな。
俺がベルに良いところを見せられる場があるとするならば、向上した腕前を試し合いで直接本人に見せる事だろう。
「それで、どんな用件だ? まだ羽化まで日数はあるだろう」
「是非ともベル好みの成虫になってほしいもんだな」
「と、当然だ……」
これでTHE・虫って姿なら卒倒するかもしれないからな~。
というか乗らないとか言い出すだろうしな。
そうなるとこちらの戦力が大幅ダウンしてしまうので、それだけは勘弁願いたい。
可愛いのが生まれてくることを願いながら、
「で、用件は?」
再度の質問に、
「俺と勝負してもらおう」
「勝負というのは腕試しということでいいな?」
「おうよ!」
「自分から率先して挑んでくるという精神は素晴らしい」
「だろ!」
美人に褒められるとテンションが上がり、短い発言ながらも声が大きくなってしまったことで、勉強中のコボルトキッズ達が目を丸くしてこちらを見てくる。
驚かせてしまったことを謝罪しつつ、
「新たに力を得た俺と勝負してくれ」
「いいだろう」
「俺が強者となった所を刮目してくれよな!」
「――強者?」
俺の強者発言に引っかかるモノがあったようで、ベルの眉尻がわずかに上がる。
怪訝な表情でこちらを凝視しつつも、
「良いだろう。現実を教えてやる」
――……声音にプレッシャーを感じてしまったのですが……。
俺がそう感じている中、後方からは鎧の金属音。
今の声音に後退りしたと思われる……。
完全なる精神耐性があるアンデッド。それも上位アンデッドであるスケルトンルインが後退り……。
妙に喉が渇くね……。
「と、ところでゴロ太は? まだワックさんの所でお手伝いか?」
「ああ。お迎えにもいかないといけないからな。トールとの試合は手早く済ませよう」
手早く済ませなくていいです……。
「今からじゃないから。明日だから」
「そうか。別に今からでも良かったんだがな」
強者であるガルム氏と戦った後に、圧倒的強者のベルと連戦なんて出来るか。
疲労回復はポーションなんかで余裕だけども、連戦となれば集中力を欠く。
精神統一して神経を研ぎ澄ませた状態で挑みたいからな。
「明日の昼に修練場でベルに挑む!」
「いいだろう。手傷の一つでもつけることが出来たなら、なんでも言うことを聞いてやろう」
――…………。
――……。
――!?
「へ? いま何でも言うことを聞くって言った?」
「ああ言った」
「マジでか!?」
「二言はない」
手傷一つでOKって事だからな。
「かするだけでもいいのか?」
「ああ」
「それでなんでも言うことを聞いてくれるのかよ!」
「しつこいぞ」
これはもしかしてもしかしますよ。
当然ながらエロい事をお願いすれば殺されるだろうけども、デート的なイベントは有りでいいってことですよね!
キタコレ!
我が世の春がキタコレ!
ギルドハウスにて宴会が熱を帯びる中、一人で行動。
「ご苦労様です」
ギルドハウスから道を挟んで斜向かいにある建物の前には、四体のスケルトンルイン。
二十四時間態勢で建物を守ってくれている。
流線型からなる煌めく金色の鎧兜。鮮やかな真紅のマントを羽織るド派手な存在。
「ベルはいますか?」
「いるぞ」
「お邪魔しますね」
「勇者ではあるが、一応、この建物の主に許可をもらってこよう」
「ええ……」
なんで一々そんなことをしないといけないのか……。
今までこの建物にお邪魔する時、アポイントメントなんて取らなくてもよかったよね?
俺が不服そうな顔になっていたからか、
「すまんな勇者よ。現在、立ち入りを厳しくさせてもらっている」
「なぜです?」
「先日この辺りが騒がしかっただろう。この屋敷を覗き込もうとしていた輩もいたのでな。家主からは、一帯に不審者を近づけないようにしてほしいと頼まれた。我らが主からも素直に従うようにと言われている」
ハダン伯の護衛がこの辺り一帯を占拠していた事をベルは不服に思っていたからな。
普段から警護してくれているけど、リンを経由して更なる厳戒態勢を取らせようとする辺り、可愛い存在には本当に甘々な対応を取るよね……。
こっちは意を決しての訪問だってのに、こういったポンコツモードを耳にすれば出鼻を挫かれた思いだよ……。
「――問題ない」
許可をもらったと一体からOK発言。そのままその一体と一緒にお邪魔する。
「邪魔するで」
「邪魔をするなら訪問は控えてもらいたいな」
――……可愛い存在と違って、俺には塩っ辛い対応ですよ……。
「いくら何でも警戒しすぎだろう」
「念のためだ。ああいった連中がたむろすれば情操教育上よくないからな。伯の人間性は自信過剰ではあるが悪ではない。が、下の者達は分からないからな。不良がうつる」
「さいですか……」
ベビーマンティコアのミユキを抱っこしながらの真剣な面持ちによる言い様に、軽く脱力を覚えてしまう……。
そんなベルと一緒にいるのはコボルトの子供たち。
子供たちは俺に挨拶をすれば、ペンを持ってテーブルに置かれた紙と向き合う。
「勉強を教えてんの?」
「算術をな」
いずれはこの建物で愛らしいモフモフ執事のお店を開店するって考えているから、商売において必須である計算を教えているようだ。
「とても物覚えがよい、良い子たちだ」
教えている側もご満悦。
美しい白髪ロングの巨乳教師とかメチャクチャ羨ましい空間での勉強だな。
こんな教師に教われば、俺だって良いところ見せようと必死になるね。
――まあ嘘だけど。
胸ばっか見て勉強にならないだろうからな。
俺がベルに良いところを見せられる場があるとするならば、向上した腕前を試し合いで直接本人に見せる事だろう。
「それで、どんな用件だ? まだ羽化まで日数はあるだろう」
「是非ともベル好みの成虫になってほしいもんだな」
「と、当然だ……」
これでTHE・虫って姿なら卒倒するかもしれないからな~。
というか乗らないとか言い出すだろうしな。
そうなるとこちらの戦力が大幅ダウンしてしまうので、それだけは勘弁願いたい。
可愛いのが生まれてくることを願いながら、
「で、用件は?」
再度の質問に、
「俺と勝負してもらおう」
「勝負というのは腕試しということでいいな?」
「おうよ!」
「自分から率先して挑んでくるという精神は素晴らしい」
「だろ!」
美人に褒められるとテンションが上がり、短い発言ながらも声が大きくなってしまったことで、勉強中のコボルトキッズ達が目を丸くしてこちらを見てくる。
驚かせてしまったことを謝罪しつつ、
「新たに力を得た俺と勝負してくれ」
「いいだろう」
「俺が強者となった所を刮目してくれよな!」
「――強者?」
俺の強者発言に引っかかるモノがあったようで、ベルの眉尻がわずかに上がる。
怪訝な表情でこちらを凝視しつつも、
「良いだろう。現実を教えてやる」
――……声音にプレッシャーを感じてしまったのですが……。
俺がそう感じている中、後方からは鎧の金属音。
今の声音に後退りしたと思われる……。
完全なる精神耐性があるアンデッド。それも上位アンデッドであるスケルトンルインが後退り……。
妙に喉が渇くね……。
「と、ところでゴロ太は? まだワックさんの所でお手伝いか?」
「ああ。お迎えにもいかないといけないからな。トールとの試合は手早く済ませよう」
手早く済ませなくていいです……。
「今からじゃないから。明日だから」
「そうか。別に今からでも良かったんだがな」
強者であるガルム氏と戦った後に、圧倒的強者のベルと連戦なんて出来るか。
疲労回復はポーションなんかで余裕だけども、連戦となれば集中力を欠く。
精神統一して神経を研ぎ澄ませた状態で挑みたいからな。
「明日の昼に修練場でベルに挑む!」
「いいだろう。手傷の一つでもつけることが出来たなら、なんでも言うことを聞いてやろう」
――…………。
――……。
――!?
「へ? いま何でも言うことを聞くって言った?」
「ああ言った」
「マジでか!?」
「二言はない」
手傷一つでOKって事だからな。
「かするだけでもいいのか?」
「ああ」
「それでなんでも言うことを聞いてくれるのかよ!」
「しつこいぞ」
これはもしかしてもしかしますよ。
当然ながらエロい事をお願いすれば殺されるだろうけども、デート的なイベントは有りでいいってことですよね!
キタコレ!
我が世の春がキタコレ!
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