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驕った創造主
PHASE-1619【次の店】
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拳による制裁執行。
これにより完全に呑まれた他の連中。
トドメとばかりに俺の一撃になにか文句あるのか? と、睨みを利かせ、反応が無いのを確認してから、
「待たせて悪かったな」
「いや、いいよ。内の連れも正当防衛だった訳だからね。今ので手打ちにしてよ」
俺がそう言えば、相手からは高速の首肯が返ってくる。
回復魔法の代わりと言ってはなんだけども。と、ポーションを買う代金として雫型金貨を一枚テーブルに置いてからギルドハウスを後にした。
「あんな連中にくれてやる金額じゃねえぞ。雫型金貨を一枚やるより、持ってるポーションを一本くれてやったほうが安くついただろう」
「ガリオンのおっちゃんにオイラも同意見だね。もっと言うならやる必要もないしね」
「一応うわべだけの手打ちってやつだよ。俺はケチだけど、ああいう所では格好つけたくなって出したくなるんだ」
「だったらポーションでいいだろう」
「ガリオン。俺の持ってるポーションは白磁の小瓶だ。ここいらではあまり流通してないだろう。その小瓶の中身を欲しくてハダン伯は先生にしつこく交渉をしてたわけだし。ガリオンはその流れは知らないか」
白磁の小瓶に入ったポーションはここでは珍しいはず。
でも、クルーグ商会はそれを欲している。
そんな白磁の小瓶をクルーグ商会の護衛をメインにやっている連中に渡せば、俺達が王都から来た存在だと気取られる可能性もある。
だからそれを回避したんだよ。と、説明。
「へ~」
感心するミルモン。
「なんだよ。頭の出来は大したことないと思ったが、存外、思慮深いんだな」
ようやくガリオンも俺がそこそこ頭の切れる男だと理解したようだな。
人よりやや劣る頭だが、こういったところはちゃんと起点が利く男なのだよ。
「今回はトールに任せておくといいようだな」
「ぉおう」
急にベルからのお褒めの言葉。
嬉しくて声が裏返った返事になってしまった。
ゴロ太の事があるからか、冷静を装ってはいるがどうしても判断が鈍っているご様子。
だからこそブリオレなんて程度の低いのにも、自らを差し出すような行動を選択してしまう。
普段なら絶対にあり得ない光景だったからな。
「で、どう思うよ?」
「どうって何がよ?」
「さっきの連中だよ」
「ああ、そうだな。十中八九、報復してくるだろうね。力の推量が残念な連中は鳥頭だからな。三歩歩けば自分たちが痛い目に遭ったのを忘れて、怒りに身を任せて間違いなく大人数でくるだろうね。だからうわべだけの手打ちって言葉を使ったんだよ」
「間違いなくそうなるな」
「経験者は語るってやつさ」
ニヤリと笑みをガリオンへと向ければ舌打ち。
無駄に自信を持ち、俺達に挑んできたのがいたからな。
破邪の獅子王牙とかいうのが。
上澄みはともかく、下の連中はさっきのギルドハウスの連中と似たようなもんだったしな。
なので、まず間違いなく俺達をつけ回してくる。
「来たら来で軽くあしらってやるさ。あんな連中程度にタークさん達を頼るのも申し訳ないし」
「来るなら今度は全員を転がして上げようよ」
「然り、然り」
ミルモンとジージーはぶれないね。
そん時は頼らせてもらうけども、
「命は奪っちゃ駄目だからな」
「それは相手の耐久力次第ですな」
いやいや……。そこは手心を心がけてよ。強者なんだからそのくらいの調整はしてもらわないとね。
十人張りというあり得ない弓を扱う力を持つジージー。
あの程度の連中なら、叩くだけで死んでしまう。
「来た時の事はその時に考えるとして、やはり目立つな」
ガリオンが目を向けるのはベル。
傾国クラスの美人様というだけでも目立つけども、この世界では珍しい軍服。しかも白。
どうしても他との意匠の違いもあるから、誰もが記憶してしまう。
この大通りでもし離れ離れになったとしても、通りの人達に聞けば直ぐに解決するレベル。
「服装をここいらのモノに合わせる事は出来ないのかな? せめてこの地にいる間くらいは……」
ベルとの会話となると、言葉に力強さが無くなるガリオン。
「それで今後の進捗がよくなるなら別に構わないが」
「だったら冒険者が足を運ぶ場所に言ってみるか」
ここでもガリオンが道案内。
初めての場所だが、そういった店はギルドハウスの近くには大抵あるもの。
これは俺達のギルドもそうだな。
というか、ギムロンを中心としてギルド内で装備を製作している。
やはり内の面々は優秀だ。
――ゴールドポンドのギルドハウスから少し離れたところに武具を販売する店を発見。
店内だけでなく外にも色々なものが置いてある。
樽の中に無造作に入れられているのは革鞘に収まる利器。
その近くでは店員が目を光らせている。
「見てみても?」
「構わないけど、お前さんには必要ないだろう」
俺の頭から爪先までを見てくれば、整った装備の所有者には無用の長物。と、ぶっきらぼう。
冷やかしと思われているみたいだ。
「クボッタさんも見てみたいですよね」
「可能なら見てみたいよ」
他者の製作に興味津々のワックさん。
俺よりも先に手にする。
革鞘の作りは悪くない。
様々な形状の刀剣を収めた鞘は、ちゃんと一振り一振りに合わせてある。
樽に入った粗製の利器ではあるが、妥協は一切していない。
かなりの職人がいるようだな。
これにより完全に呑まれた他の連中。
トドメとばかりに俺の一撃になにか文句あるのか? と、睨みを利かせ、反応が無いのを確認してから、
「待たせて悪かったな」
「いや、いいよ。内の連れも正当防衛だった訳だからね。今ので手打ちにしてよ」
俺がそう言えば、相手からは高速の首肯が返ってくる。
回復魔法の代わりと言ってはなんだけども。と、ポーションを買う代金として雫型金貨を一枚テーブルに置いてからギルドハウスを後にした。
「あんな連中にくれてやる金額じゃねえぞ。雫型金貨を一枚やるより、持ってるポーションを一本くれてやったほうが安くついただろう」
「ガリオンのおっちゃんにオイラも同意見だね。もっと言うならやる必要もないしね」
「一応うわべだけの手打ちってやつだよ。俺はケチだけど、ああいう所では格好つけたくなって出したくなるんだ」
「だったらポーションでいいだろう」
「ガリオン。俺の持ってるポーションは白磁の小瓶だ。ここいらではあまり流通してないだろう。その小瓶の中身を欲しくてハダン伯は先生にしつこく交渉をしてたわけだし。ガリオンはその流れは知らないか」
白磁の小瓶に入ったポーションはここでは珍しいはず。
でも、クルーグ商会はそれを欲している。
そんな白磁の小瓶をクルーグ商会の護衛をメインにやっている連中に渡せば、俺達が王都から来た存在だと気取られる可能性もある。
だからそれを回避したんだよ。と、説明。
「へ~」
感心するミルモン。
「なんだよ。頭の出来は大したことないと思ったが、存外、思慮深いんだな」
ようやくガリオンも俺がそこそこ頭の切れる男だと理解したようだな。
人よりやや劣る頭だが、こういったところはちゃんと起点が利く男なのだよ。
「今回はトールに任せておくといいようだな」
「ぉおう」
急にベルからのお褒めの言葉。
嬉しくて声が裏返った返事になってしまった。
ゴロ太の事があるからか、冷静を装ってはいるがどうしても判断が鈍っているご様子。
だからこそブリオレなんて程度の低いのにも、自らを差し出すような行動を選択してしまう。
普段なら絶対にあり得ない光景だったからな。
「で、どう思うよ?」
「どうって何がよ?」
「さっきの連中だよ」
「ああ、そうだな。十中八九、報復してくるだろうね。力の推量が残念な連中は鳥頭だからな。三歩歩けば自分たちが痛い目に遭ったのを忘れて、怒りに身を任せて間違いなく大人数でくるだろうね。だからうわべだけの手打ちって言葉を使ったんだよ」
「間違いなくそうなるな」
「経験者は語るってやつさ」
ニヤリと笑みをガリオンへと向ければ舌打ち。
無駄に自信を持ち、俺達に挑んできたのがいたからな。
破邪の獅子王牙とかいうのが。
上澄みはともかく、下の連中はさっきのギルドハウスの連中と似たようなもんだったしな。
なので、まず間違いなく俺達をつけ回してくる。
「来たら来で軽くあしらってやるさ。あんな連中程度にタークさん達を頼るのも申し訳ないし」
「来るなら今度は全員を転がして上げようよ」
「然り、然り」
ミルモンとジージーはぶれないね。
そん時は頼らせてもらうけども、
「命は奪っちゃ駄目だからな」
「それは相手の耐久力次第ですな」
いやいや……。そこは手心を心がけてよ。強者なんだからそのくらいの調整はしてもらわないとね。
十人張りというあり得ない弓を扱う力を持つジージー。
あの程度の連中なら、叩くだけで死んでしまう。
「来た時の事はその時に考えるとして、やはり目立つな」
ガリオンが目を向けるのはベル。
傾国クラスの美人様というだけでも目立つけども、この世界では珍しい軍服。しかも白。
どうしても他との意匠の違いもあるから、誰もが記憶してしまう。
この大通りでもし離れ離れになったとしても、通りの人達に聞けば直ぐに解決するレベル。
「服装をここいらのモノに合わせる事は出来ないのかな? せめてこの地にいる間くらいは……」
ベルとの会話となると、言葉に力強さが無くなるガリオン。
「それで今後の進捗がよくなるなら別に構わないが」
「だったら冒険者が足を運ぶ場所に言ってみるか」
ここでもガリオンが道案内。
初めての場所だが、そういった店はギルドハウスの近くには大抵あるもの。
これは俺達のギルドもそうだな。
というか、ギムロンを中心としてギルド内で装備を製作している。
やはり内の面々は優秀だ。
――ゴールドポンドのギルドハウスから少し離れたところに武具を販売する店を発見。
店内だけでなく外にも色々なものが置いてある。
樽の中に無造作に入れられているのは革鞘に収まる利器。
その近くでは店員が目を光らせている。
「見てみても?」
「構わないけど、お前さんには必要ないだろう」
俺の頭から爪先までを見てくれば、整った装備の所有者には無用の長物。と、ぶっきらぼう。
冷やかしと思われているみたいだ。
「クボッタさんも見てみたいですよね」
「可能なら見てみたいよ」
他者の製作に興味津々のワックさん。
俺よりも先に手にする。
革鞘の作りは悪くない。
様々な形状の刀剣を収めた鞘は、ちゃんと一振り一振りに合わせてある。
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かなりの職人がいるようだな。
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