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驕った創造主
PHASE-1637【アサードアズへ】
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「改めまして、本日は宜しくお願いします。エマエスさん」
「では、これから目的地まで案内しますが――」
「なんでしょう?」
「移動手段はどうしますか? 馬車を所有していないのならば、駅馬車を利用する事になりますので北門へと急ぎましょう。今なら第二便に間に合います」
自分が使用する馬車は商会の所有物なので、プライベートでは利用する事が出来ない。
冒険者である俺たちが自分たちの馬車でやってくると思い込んでいたようだ。
「問題ないですよ。北門には行きますが、足は別にありますので」
「それなら焦らなくてもいいようですね」
――エマエスと共に北門へと向かう。
四方に伸びる目抜き通りを北側へと進めば、迷うことなく北門まで到着。
開かれた門からは王都でも目にするように、旅商人や冒険者の出入りが多い。
これから向かうアサードアズという町との往来が現在、最も多いとのことで、特に北門方向は賑わっているという。
大通りの道に沿って街商が多く出店しているのがその証拠か。
酒場のハマードがある中心部よりも賑わっているように思えた。
「門番と話しをしてきます」
通行許可をもらう為にエマエスが門番の一人へと歩み寄るところで、その門番と俺たちとの目が合えば、
「そちらの冒険者一行、通って良し!」
と、顔パスとばかりに門を潜らせてもらう。
「既に話しをつけていたんですね」
「自分たちではないですけどね」
潜った先、北門から外へと続く街道より道を外れて森のある方に移動すれば、俺たちの足元に影が走る。
翼を広げた影。
地面に走る影を目にしたエマエスが空を見上げ――、
「えっ! リレントレス・アウル!? 騎鳥隊!?」
と、発したタイミングに合わせるかのようにしてルーフェンスさんが着陸。
「今回、同行してくださるルーフェンスさんです」
伝えれば、
「騎鳥隊が同行……。ロイル領において精鋭の兵が……ですか?」
明らかにおかしいと思っているようだ。
前払いで円形金貨五枚。案内役を全うすることで手にする残り五枚。
高額すぎる報酬と、この領における精鋭が同行となれば表情は怪訝なものになるし、警戒もする。
緊張をほぐしてあげようと俺が動こうとしたところで、
「お前はただ案内をするだけだ。それだけで大金が手に入る。一々と気にすることはない。そもそもこの領の兵が動く時点で俺たちは怪しい存在じゃないってことだ。だから気兼ねなく案内だけしとけばいいんだよ。なっ!」
「は、はひぃ……」
悪人面の筋肉モリモリマッチョマンに肩を組まれて言われれば、それ以上の詮索をすることはなく、震えた声で返事をするだけになる可哀想なエマエス。
申し訳なく思うが、ガリオンが言うように良からぬ事をするわけではない。
これも全ては大切な仲間であるゴロ太のためだ。
「それじゃあアサードアズに向けて出発しよう。来いツッカーヴァッテ」
「キュゥゥゥン」
鳴き声が返ってくれば、街道近くの森の中から可愛いモフモフ脚でノソノソと歩いて出てくる。
空は高速で飛べるが、歩きは以外と遅いんだよな。よちよちしていて愛らしいけど。
幼体時は鋭利な腹脚による勢いある動きだったんだけどな。
「はぁ!? なんですか! この巨大な生物は!?」
「この子に乗ってアサードアズまで行きます。馬で二日の道のりらしいですが、この子なら直ぐに到着しますよ」
「あの、貴方方は一体……。明らかにタダの冒険者じゃないですよね。このような生物まで手なずけていぎゅ!?」
「だから、余計な詮索はしないほうがいい」
「こらガリオン!」
肩に手を回したぶっとい腕でエマエスの顔を絞めるんじゃない。
一般人にお前の筋肉は暴力がすぎるからな。
「こんど余計な事を詮索すれば口を縫い合わすぞ」
「はい!」
「だから脅すなガリオン。案内役にひどいことすればアップから制裁パンチが放たれるぞ」
「――放つぞ」
と、俺の案に乗ってくれるベルの発言に「お、おう……すまん……」と、反省しつつエマエスを解放するガリオン。
強い女に弱い男だぜ。
俺もだけど。
「乗ろうか」
言えばいつものように短い翅をタラップ代わりにしてくれる。
皆が乗る中、恐る恐る足を翅に乗せるエマエスの背中を押してやり、全員が乗り込んだところで、
「アサードアズまで先導させていただきます」
大きな梟に乗ったルーフェンスさんが先に空へと飛び立ち、ツッカーヴァッテがそれに続く。
「お、おおっ! これは凄い!!」
飛び立てばエマエスはご満悦。
安定した飛行と速度。
普段、馬車を利用して進む街道は見慣れているからか「もう、ここまで来ている!」と、興奮気味に声を漏らす。
「陸路だけでなく、空路を開拓できればクルーグ商会はもっと大きくなれそうだ」
独白から出てくる熱のこもった発言は、働き先の更なる躍進に思いを馳せたもの。
純粋に商売を拡大していきたいというのがこの人の考え方。
だがしかし――、
「今からお邪魔するところははたして――」
エマエスのように、純粋に仕事に向き合っている者達ばかりだったら嬉しいんだけどね~。
「では、これから目的地まで案内しますが――」
「なんでしょう?」
「移動手段はどうしますか? 馬車を所有していないのならば、駅馬車を利用する事になりますので北門へと急ぎましょう。今なら第二便に間に合います」
自分が使用する馬車は商会の所有物なので、プライベートでは利用する事が出来ない。
冒険者である俺たちが自分たちの馬車でやってくると思い込んでいたようだ。
「問題ないですよ。北門には行きますが、足は別にありますので」
「それなら焦らなくてもいいようですね」
――エマエスと共に北門へと向かう。
四方に伸びる目抜き通りを北側へと進めば、迷うことなく北門まで到着。
開かれた門からは王都でも目にするように、旅商人や冒険者の出入りが多い。
これから向かうアサードアズという町との往来が現在、最も多いとのことで、特に北門方向は賑わっているという。
大通りの道に沿って街商が多く出店しているのがその証拠か。
酒場のハマードがある中心部よりも賑わっているように思えた。
「門番と話しをしてきます」
通行許可をもらう為にエマエスが門番の一人へと歩み寄るところで、その門番と俺たちとの目が合えば、
「そちらの冒険者一行、通って良し!」
と、顔パスとばかりに門を潜らせてもらう。
「既に話しをつけていたんですね」
「自分たちではないですけどね」
潜った先、北門から外へと続く街道より道を外れて森のある方に移動すれば、俺たちの足元に影が走る。
翼を広げた影。
地面に走る影を目にしたエマエスが空を見上げ――、
「えっ! リレントレス・アウル!? 騎鳥隊!?」
と、発したタイミングに合わせるかのようにしてルーフェンスさんが着陸。
「今回、同行してくださるルーフェンスさんです」
伝えれば、
「騎鳥隊が同行……。ロイル領において精鋭の兵が……ですか?」
明らかにおかしいと思っているようだ。
前払いで円形金貨五枚。案内役を全うすることで手にする残り五枚。
高額すぎる報酬と、この領における精鋭が同行となれば表情は怪訝なものになるし、警戒もする。
緊張をほぐしてあげようと俺が動こうとしたところで、
「お前はただ案内をするだけだ。それだけで大金が手に入る。一々と気にすることはない。そもそもこの領の兵が動く時点で俺たちは怪しい存在じゃないってことだ。だから気兼ねなく案内だけしとけばいいんだよ。なっ!」
「は、はひぃ……」
悪人面の筋肉モリモリマッチョマンに肩を組まれて言われれば、それ以上の詮索をすることはなく、震えた声で返事をするだけになる可哀想なエマエス。
申し訳なく思うが、ガリオンが言うように良からぬ事をするわけではない。
これも全ては大切な仲間であるゴロ太のためだ。
「それじゃあアサードアズに向けて出発しよう。来いツッカーヴァッテ」
「キュゥゥゥン」
鳴き声が返ってくれば、街道近くの森の中から可愛いモフモフ脚でノソノソと歩いて出てくる。
空は高速で飛べるが、歩きは以外と遅いんだよな。よちよちしていて愛らしいけど。
幼体時は鋭利な腹脚による勢いある動きだったんだけどな。
「はぁ!? なんですか! この巨大な生物は!?」
「この子に乗ってアサードアズまで行きます。馬で二日の道のりらしいですが、この子なら直ぐに到着しますよ」
「あの、貴方方は一体……。明らかにタダの冒険者じゃないですよね。このような生物まで手なずけていぎゅ!?」
「だから、余計な詮索はしないほうがいい」
「こらガリオン!」
肩に手を回したぶっとい腕でエマエスの顔を絞めるんじゃない。
一般人にお前の筋肉は暴力がすぎるからな。
「こんど余計な事を詮索すれば口を縫い合わすぞ」
「はい!」
「だから脅すなガリオン。案内役にひどいことすればアップから制裁パンチが放たれるぞ」
「――放つぞ」
と、俺の案に乗ってくれるベルの発言に「お、おう……すまん……」と、反省しつつエマエスを解放するガリオン。
強い女に弱い男だぜ。
俺もだけど。
「乗ろうか」
言えばいつものように短い翅をタラップ代わりにしてくれる。
皆が乗る中、恐る恐る足を翅に乗せるエマエスの背中を押してやり、全員が乗り込んだところで、
「アサードアズまで先導させていただきます」
大きな梟に乗ったルーフェンスさんが先に空へと飛び立ち、ツッカーヴァッテがそれに続く。
「お、おおっ! これは凄い!!」
飛び立てばエマエスはご満悦。
安定した飛行と速度。
普段、馬車を利用して進む街道は見慣れているからか「もう、ここまで来ている!」と、興奮気味に声を漏らす。
「陸路だけでなく、空路を開拓できればクルーグ商会はもっと大きくなれそうだ」
独白から出てくる熱のこもった発言は、働き先の更なる躍進に思いを馳せたもの。
純粋に商売を拡大していきたいというのがこの人の考え方。
だがしかし――、
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エマエスのように、純粋に仕事に向き合っている者達ばかりだったら嬉しいんだけどね~。
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