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驕った創造主
PHASE-1679【以前トカレフ弾を弾いたヤツ】
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「ではジージー。次に進む道を開いてくれないだろうか」
「お任せいただきたい!」
頼れるシケイダマンがジャンパーの隠された方向へと手を伸ばし、
「ふんっ!」
活力あるかけ声を発する事で、
「おお! 出てきた!」
楕円形からなる漆黒の穴が顕現。
「ようやくだな」
ゴロ太へと近づいて来たことでベルの声は非常に明るく、誰よりも先に踏み入ろうと歩み出す。
「俺が先に行こう」
と、制止。
以前を思い出してほしいと言えば、
「……頼らせてもらう」
「おうよっ!」
ベルに頼られるのは男冥利に尽きるというもの。
以前はベルが先行して直ぐさま戻ってきた記憶。
あの時はジャンパーの先に巨大ヤスデいたことで直ぐさま戻ってきたんだよな。
――火龍の籠手を前面に出してのピーカブースタイルで前進しつつ、漆黒の穴からなるジャンパーへと足を踏み入れる。
「――ふむん――」
入ってからもう一度戻り、
「問題なしだ。皆、続いてくれ」
言って再び踵を返す中でミルモンが俺の左肩へと座ってくる。
俺とミルモンの後に続き、ベル、ガリオン、ジージー、ワックさん。
最後尾にルーフェンスさんとリレントレス・アウルがついてくる。
「なんだよまた通路かよ。道ばっかりで飽き飽きしてくるな」
と、ガリオンが悪態。
薄暗く真っ直ぐと伸びた通路。
既視感があった。
「なんか――」
「ネポリスに隠されていた地下施設に似ているな」
と、ベルが俺の思いを口にしてくれる。
凹凸のない壁に天井と床。
ほんのりと灯る薄緑色の照明が等間隔で天井に設置。
淡い灯りではあるが、足元までちゃんと照らしてくれるのでビジョンの使用は必要ない。
「気配は――」
「ない」
ベルへと問えば問題なしとのこと。
ならば! と、堂々と強い足踏みで通路を歩かせてもらおう。
カツンカツンと足音が反響。静寂が支配する薄緑色に照らされる通路の中を移動するのはホラーチック。
しばらく歩いたところで扉が現れる。
扉はハンドルタイプ。
これまたネポリスの地下施設で目にしたのと同じタイプだ。
ハンドルに手をかけて――回す。
「おお! 動いた」
前回は魔法でロックされていたけども、ここのはそんな仕様ではなく普通に可動してくれる。
――ガチャン! と、音が響いたところで重々しいドアをこちら側へと引くというのも以前と一緒。
注油の行き届いた扉は重厚な作りであってもスムーズに開いてくれる。
わずかに開いた部分から先行してくれるのは、筋肉モリモリマッチョマン。
厚い胸板の持ち主だが器用にスルリと進入。
「――何もいないようだな」
とのことなので、開ききったところで皆してお邪魔する。
「広間だな」
テニスコートほどある広々とした無機質な部屋。
広い部屋だというのに椅子の一脚も設置されていない。
「なんだよ肩すかしもいいところだな」
広いだけで何もないから無駄に警戒して損をしたとガリオン。
そんなガリオンに対し、
「お前は徒手空拳を得意としていても、気配感知は大したことがないようだな」
「おん?」
ベルの指摘に疑問符を浮かべるガリオンだったが、
「お前の頭上だ」
「おん!?」
ベルの再度の指摘に同音だが緊張した声を上げたガリオンが天井を見上げたところで、
「ゲェェェェェェェェッ!」
「なんだコイツは!?」
見た事もない存在が頭上から登場した事で、強面の顔を驚きで引きつらせながらバックステップにて大きく距離を取る。
直ぐさま構えて見据える先では、先ほどまでガリオンが立っていた場所に四つん這いで着地する存在。
「ゲェェェェェェェェッ!」
不細工なカエルのような鳴き声は以前も耳にしたことがあるものだった。
「スケイルマンじゃないか」
「スケイルマン? 聞いた事も見た事もねえな。気味の悪い肉玉もそうだったが、コイツもここの連中が創り出したヤツか?」
「ああ、そうだ」
「特徴は?」
「薄緑の鱗に覆われた体は銃弾――強力な飛び道具すらも弾き返す堅牢なもの。攻撃手段は口を開いての――」
俺が説明を言い終えるよりも先に、ガリオンに向けて伸びてくるのはドドメ色の――、
「舌が武器か」
鞭のような撓りと、槍を思わせる先端の一撃に対し、ここでも回避を選択するガリオン。
「なんと速い!」
「速い? 何処がだよ」
ルーフェンスさんの感想を真っ向から否定するガリオン。
オーラアーマーを手の部分にだけ纏わせ、迫り来る舌を今度は躱さずにキャッチ。
「どう見てもとろくさいだろう」
と、ドヤる次には、
「クセえしキタねえ色の舌だ――なっ!」
勢いよく腕を引き、長い舌を引きちぎる。
半分ほどをもぎれば、その部分から勢いよくどす黒い体液が噴き出す。
「ああ、本当にキタねえな……」
ガリオンは嘆息を漏らしながら舌を投げ捨てる。
「ゲェェェェェ!」
舌を半分ほど奪われた事に対して何か思うところがあったようで、スケイルマンは鳴き声を上げながら四つん這いの姿勢からゆっくりと立ち上がり、二足歩行での戦闘態勢。
猫背の姿勢にてガリオンへと驀地。
「少しは痛みを感じろよ。痛めつけている楽しさってのがねえだろう」
言い方……。
アンデッドだからね。痛みを感じる事はないので舌を引きちぎられようともお構いなし。
スケイルマンは特徴的な攻撃手段を序盤で奪われたが、アンデッド故に引く事はない。
弱体化した状態で挑んでくるが、それだとガリオンに届く事はない。
――次の動きで決まりだな。
胸中でフラグの立つような呟きをするが、立つ事もなく決まるのは間違いない。
それくらいに力量差があるからな。
「お任せいただきたい!」
頼れるシケイダマンがジャンパーの隠された方向へと手を伸ばし、
「ふんっ!」
活力あるかけ声を発する事で、
「おお! 出てきた!」
楕円形からなる漆黒の穴が顕現。
「ようやくだな」
ゴロ太へと近づいて来たことでベルの声は非常に明るく、誰よりも先に踏み入ろうと歩み出す。
「俺が先に行こう」
と、制止。
以前を思い出してほしいと言えば、
「……頼らせてもらう」
「おうよっ!」
ベルに頼られるのは男冥利に尽きるというもの。
以前はベルが先行して直ぐさま戻ってきた記憶。
あの時はジャンパーの先に巨大ヤスデいたことで直ぐさま戻ってきたんだよな。
――火龍の籠手を前面に出してのピーカブースタイルで前進しつつ、漆黒の穴からなるジャンパーへと足を踏み入れる。
「――ふむん――」
入ってからもう一度戻り、
「問題なしだ。皆、続いてくれ」
言って再び踵を返す中でミルモンが俺の左肩へと座ってくる。
俺とミルモンの後に続き、ベル、ガリオン、ジージー、ワックさん。
最後尾にルーフェンスさんとリレントレス・アウルがついてくる。
「なんだよまた通路かよ。道ばっかりで飽き飽きしてくるな」
と、ガリオンが悪態。
薄暗く真っ直ぐと伸びた通路。
既視感があった。
「なんか――」
「ネポリスに隠されていた地下施設に似ているな」
と、ベルが俺の思いを口にしてくれる。
凹凸のない壁に天井と床。
ほんのりと灯る薄緑色の照明が等間隔で天井に設置。
淡い灯りではあるが、足元までちゃんと照らしてくれるのでビジョンの使用は必要ない。
「気配は――」
「ない」
ベルへと問えば問題なしとのこと。
ならば! と、堂々と強い足踏みで通路を歩かせてもらおう。
カツンカツンと足音が反響。静寂が支配する薄緑色に照らされる通路の中を移動するのはホラーチック。
しばらく歩いたところで扉が現れる。
扉はハンドルタイプ。
これまたネポリスの地下施設で目にしたのと同じタイプだ。
ハンドルに手をかけて――回す。
「おお! 動いた」
前回は魔法でロックされていたけども、ここのはそんな仕様ではなく普通に可動してくれる。
――ガチャン! と、音が響いたところで重々しいドアをこちら側へと引くというのも以前と一緒。
注油の行き届いた扉は重厚な作りであってもスムーズに開いてくれる。
わずかに開いた部分から先行してくれるのは、筋肉モリモリマッチョマン。
厚い胸板の持ち主だが器用にスルリと進入。
「――何もいないようだな」
とのことなので、開ききったところで皆してお邪魔する。
「広間だな」
テニスコートほどある広々とした無機質な部屋。
広い部屋だというのに椅子の一脚も設置されていない。
「なんだよ肩すかしもいいところだな」
広いだけで何もないから無駄に警戒して損をしたとガリオン。
そんなガリオンに対し、
「お前は徒手空拳を得意としていても、気配感知は大したことがないようだな」
「おん?」
ベルの指摘に疑問符を浮かべるガリオンだったが、
「お前の頭上だ」
「おん!?」
ベルの再度の指摘に同音だが緊張した声を上げたガリオンが天井を見上げたところで、
「ゲェェェェェェェェッ!」
「なんだコイツは!?」
見た事もない存在が頭上から登場した事で、強面の顔を驚きで引きつらせながらバックステップにて大きく距離を取る。
直ぐさま構えて見据える先では、先ほどまでガリオンが立っていた場所に四つん這いで着地する存在。
「ゲェェェェェェェェッ!」
不細工なカエルのような鳴き声は以前も耳にしたことがあるものだった。
「スケイルマンじゃないか」
「スケイルマン? 聞いた事も見た事もねえな。気味の悪い肉玉もそうだったが、コイツもここの連中が創り出したヤツか?」
「ああ、そうだ」
「特徴は?」
「薄緑の鱗に覆われた体は銃弾――強力な飛び道具すらも弾き返す堅牢なもの。攻撃手段は口を開いての――」
俺が説明を言い終えるよりも先に、ガリオンに向けて伸びてくるのはドドメ色の――、
「舌が武器か」
鞭のような撓りと、槍を思わせる先端の一撃に対し、ここでも回避を選択するガリオン。
「なんと速い!」
「速い? 何処がだよ」
ルーフェンスさんの感想を真っ向から否定するガリオン。
オーラアーマーを手の部分にだけ纏わせ、迫り来る舌を今度は躱さずにキャッチ。
「どう見てもとろくさいだろう」
と、ドヤる次には、
「クセえしキタねえ色の舌だ――なっ!」
勢いよく腕を引き、長い舌を引きちぎる。
半分ほどをもぎれば、その部分から勢いよくどす黒い体液が噴き出す。
「ああ、本当にキタねえな……」
ガリオンは嘆息を漏らしながら舌を投げ捨てる。
「ゲェェェェェ!」
舌を半分ほど奪われた事に対して何か思うところがあったようで、スケイルマンは鳴き声を上げながら四つん這いの姿勢からゆっくりと立ち上がり、二足歩行での戦闘態勢。
猫背の姿勢にてガリオンへと驀地。
「少しは痛みを感じろよ。痛めつけている楽しさってのがねえだろう」
言い方……。
アンデッドだからね。痛みを感じる事はないので舌を引きちぎられようともお構いなし。
スケイルマンは特徴的な攻撃手段を序盤で奪われたが、アンデッド故に引く事はない。
弱体化した状態で挑んでくるが、それだとガリオンに届く事はない。
――次の動きで決まりだな。
胸中でフラグの立つような呟きをするが、立つ事もなく決まるのは間違いない。
それくらいに力量差があるからな。
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