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驕った創造主
PHASE-1727【中指立てる】
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後は、
「ワックさん。保護者としてこれから実行することに意見があれば」
「僕は構わないよ」
ゴロ太とシュネーを救えるなら無茶はする。
「なら決まりだな」
「それで、足場はどうする? トールとジージー殿はいいとしても、私とガリオンでは水面を――いや、やろうと思えば出来るかもしれないが」
水面を走るとか考えているのかな? ベルなら実際やれそうな気はするけども……。
「モーモーチャーチャーがいる付近までは浅い湖底だ。そこまでの移動は頼れる存在にお願いしようと思う」
最近ご無沙汰だからへそ曲げられるのは嫌だけども、状況が状況だからな。
「お前は出来る子だもんな!」
地龍から賜った角の一欠片で作られた勾玉を手にして地面を擦る。
火龍、水龍と違って鱗ではなく角の欠片から作られたアイテムは完全毒耐性だけでなく、非常に頼れる存在も簡単に呼び出せるのが最高。
青白い輝きも久方ぶりだ。
「なんだ!? なんの輝きだ!」
ミルモンからの一刺しも完治したようで、湖方向から元気に驚く声が上がる。
「頼むぞ!」
ラグビーボールを思わせる、頭部と胴体の一体型楕円ボディが地面から顕現。
「キュゥゥゥゥウ!」
久しぶりの登場にやる気のある声。
「思うところはあるだろうけど、今はそんな状況じゃない。ベルとガリオン、ワックさんを頼むぞゴロ丸!」
「キュ!」
よかった! 拗ねてない。
俺に対して嫉妬を向けてくると思ったけど、そんな状況じゃないのはやっぱり分かってくれている。
「頼らせてもらうぞゴロ丸」
「キュウ!」
ゴロ丸の体へと降り立つベルからのお願いにサムズアップで返していた。
「これか! これが情報に聞く勇者のミスリルゴーレムか! なんと素晴らしい! 手軽に召喚するようなゴーレムではないぞ! その首飾りは是非とも手に入れたい!」
「誰がやるか! そもそもテメーなんかの声をゴロ丸が聞き入れるわけがねえ!」
俺の返しに反応するゴロ丸がバルバダイに向けるのは、両手の中指を立てる所作。
やっぱり俺の思考はゴロ丸とリンクしているようだ。
この世界でそのジェスチャーをしても意味は伝わらないからな。
「テメーを倒してからこっちはきっちりとテメーの技術を奪うけどね。リジェネポーションの製作技術は特にな」
「貴様等に私の叡智を渡す事は絶対に無い!」
からの水圧カッター。
「キュゥゥゥッ」
ピーカブースタイルで前へと立ってくれるゴロ丸。
三メートルを超える純度百パーセントのミスリルボディの持ち主。
石床を切る威力があろうとも――、
「損傷なし!」
「キュウ!」
当然とばかりに俺へと返事をすれば湖へと踏み入ってくれる。
「じゃあ、俺も!」
勢いよく湖へと飛び込めばジージーが上空から矢を放ち、水柱をモーモーチャーチャーの側で生み出す。
「焦ってるよあのクズ」
「そうだな」
「もっと焦らせてあげないとね」
「おうよ! 次で終幕にさせてもらおう」
上半身を水面に出したままの高速移動。
ミルモンと語り合いながら巨大クラゲ・モーモーチャーチャーへと再接近。
「なぜこうも上手くいかん!」
「俺たちを相手にしているからだろうね」
「生意気な発言だな!」
自身の怒りの感情を伝播させるような鞭打。
「当たらねえよ! 当初はゴロ太の能力に驚かされたけども、扱う奴がお前みたいな戦闘素人だとな」
「なにを!」
実際、数を投入してくるのは脅威ではあるけども、数だけだったからな。
小魚が連携して引きずり込もうとしたのは驚いたけど、それ以外の生物は連携らしい連携が見られなかった。
自然生物を従える能力ってのは凄いけど、それを規律ある軍隊のように扱えるってレベルにはまだ到達していないようだ。
支配されているゴロ太。
そのゴロ太に指示を出すためにゴロ太――というよりシュネーを介してゴロ太を動かすバルバダイ。
ゴロ太が純粋に自然生物を動かしているわけじゃない。
なによりバルバダイが生物に連携を取らせるだけの将才を持ち合わせていない素人。
「俺が言うのもなんだけど、ぶっつけ本番でやるべきじゃないな。対峙するのが最強さんがいるパーティーとなれば尚更だ」
「お前達がこの地へと踏み入らなければこんな急場とはならなかったのだ!」
「お前等がゴロ太を攫わなければこうはならなかったのさ! どのみちお前等のことは捕まえるつもりではあったけどね!」
「ジュニア! あいつ等を殺せ!」
ゴロ太に対して優しい言葉づかいだったのに、今となっては焦りから語気が荒々しい。
そのリアクション、完全にシュネーの頭部が狙われるのだけは絶対に避けなければいけない! という内面の考えが表に出てんだよ。
こっちとしては攻略法が見つかって有り難いけどね。
ミルモンがお手柄すぎた。
「なぜ援軍がまともに来ない! 早く呼べ! 呼んでコイツ等を殺すのだ!」
「いい加減にしろよ! ゴロ太に汚い言葉をぶつけたり、悪い言葉を教えるんじゃない!」
「黙れ! 仕留めろモーモーチャーチャー! 我が最高傑作よ!」
近場からの生物が中々に反応しない状態。荒らげた声で次に指示を出すのは自分の最高傑作。
頼るべきは自らが創り出した最高傑作ってか。
「ワックさん。保護者としてこれから実行することに意見があれば」
「僕は構わないよ」
ゴロ太とシュネーを救えるなら無茶はする。
「なら決まりだな」
「それで、足場はどうする? トールとジージー殿はいいとしても、私とガリオンでは水面を――いや、やろうと思えば出来るかもしれないが」
水面を走るとか考えているのかな? ベルなら実際やれそうな気はするけども……。
「モーモーチャーチャーがいる付近までは浅い湖底だ。そこまでの移動は頼れる存在にお願いしようと思う」
最近ご無沙汰だからへそ曲げられるのは嫌だけども、状況が状況だからな。
「お前は出来る子だもんな!」
地龍から賜った角の一欠片で作られた勾玉を手にして地面を擦る。
火龍、水龍と違って鱗ではなく角の欠片から作られたアイテムは完全毒耐性だけでなく、非常に頼れる存在も簡単に呼び出せるのが最高。
青白い輝きも久方ぶりだ。
「なんだ!? なんの輝きだ!」
ミルモンからの一刺しも完治したようで、湖方向から元気に驚く声が上がる。
「頼むぞ!」
ラグビーボールを思わせる、頭部と胴体の一体型楕円ボディが地面から顕現。
「キュゥゥゥゥウ!」
久しぶりの登場にやる気のある声。
「思うところはあるだろうけど、今はそんな状況じゃない。ベルとガリオン、ワックさんを頼むぞゴロ丸!」
「キュ!」
よかった! 拗ねてない。
俺に対して嫉妬を向けてくると思ったけど、そんな状況じゃないのはやっぱり分かってくれている。
「頼らせてもらうぞゴロ丸」
「キュウ!」
ゴロ丸の体へと降り立つベルからのお願いにサムズアップで返していた。
「これか! これが情報に聞く勇者のミスリルゴーレムか! なんと素晴らしい! 手軽に召喚するようなゴーレムではないぞ! その首飾りは是非とも手に入れたい!」
「誰がやるか! そもそもテメーなんかの声をゴロ丸が聞き入れるわけがねえ!」
俺の返しに反応するゴロ丸がバルバダイに向けるのは、両手の中指を立てる所作。
やっぱり俺の思考はゴロ丸とリンクしているようだ。
この世界でそのジェスチャーをしても意味は伝わらないからな。
「テメーを倒してからこっちはきっちりとテメーの技術を奪うけどね。リジェネポーションの製作技術は特にな」
「貴様等に私の叡智を渡す事は絶対に無い!」
からの水圧カッター。
「キュゥゥゥッ」
ピーカブースタイルで前へと立ってくれるゴロ丸。
三メートルを超える純度百パーセントのミスリルボディの持ち主。
石床を切る威力があろうとも――、
「損傷なし!」
「キュウ!」
当然とばかりに俺へと返事をすれば湖へと踏み入ってくれる。
「じゃあ、俺も!」
勢いよく湖へと飛び込めばジージーが上空から矢を放ち、水柱をモーモーチャーチャーの側で生み出す。
「焦ってるよあのクズ」
「そうだな」
「もっと焦らせてあげないとね」
「おうよ! 次で終幕にさせてもらおう」
上半身を水面に出したままの高速移動。
ミルモンと語り合いながら巨大クラゲ・モーモーチャーチャーへと再接近。
「なぜこうも上手くいかん!」
「俺たちを相手にしているからだろうね」
「生意気な発言だな!」
自身の怒りの感情を伝播させるような鞭打。
「当たらねえよ! 当初はゴロ太の能力に驚かされたけども、扱う奴がお前みたいな戦闘素人だとな」
「なにを!」
実際、数を投入してくるのは脅威ではあるけども、数だけだったからな。
小魚が連携して引きずり込もうとしたのは驚いたけど、それ以外の生物は連携らしい連携が見られなかった。
自然生物を従える能力ってのは凄いけど、それを規律ある軍隊のように扱えるってレベルにはまだ到達していないようだ。
支配されているゴロ太。
そのゴロ太に指示を出すためにゴロ太――というよりシュネーを介してゴロ太を動かすバルバダイ。
ゴロ太が純粋に自然生物を動かしているわけじゃない。
なによりバルバダイが生物に連携を取らせるだけの将才を持ち合わせていない素人。
「俺が言うのもなんだけど、ぶっつけ本番でやるべきじゃないな。対峙するのが最強さんがいるパーティーとなれば尚更だ」
「お前達がこの地へと踏み入らなければこんな急場とはならなかったのだ!」
「お前等がゴロ太を攫わなければこうはならなかったのさ! どのみちお前等のことは捕まえるつもりではあったけどね!」
「ジュニア! あいつ等を殺せ!」
ゴロ太に対して優しい言葉づかいだったのに、今となっては焦りから語気が荒々しい。
そのリアクション、完全にシュネーの頭部が狙われるのだけは絶対に避けなければいけない! という内面の考えが表に出てんだよ。
こっちとしては攻略法が見つかって有り難いけどね。
ミルモンがお手柄すぎた。
「なぜ援軍がまともに来ない! 早く呼べ! 呼んでコイツ等を殺すのだ!」
「いい加減にしろよ! ゴロ太に汚い言葉をぶつけたり、悪い言葉を教えるんじゃない!」
「黙れ! 仕留めろモーモーチャーチャー! 我が最高傑作よ!」
近場からの生物が中々に反応しない状態。荒らげた声で次に指示を出すのは自分の最高傑作。
頼るべきは自らが創り出した最高傑作ってか。
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