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驕った創造主
PHASE-1729【触手よりいい動き】
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「よくやった!」
笑顔で手を伸ばし、ゴロ丸の方へと引っ張ってくれるベル。
嬉しい事だが、
「まずはミルモンの解毒だな」
言えば既に準備万端とばかりにワックさんがアンチドーテをミルモンへと飲ませてくれる。
アンチドーテはギリギリで足りたかな。
戦闘はまだ終わっていないから油断は出来ないけども。
だが終幕は近い。
バルバダイは喋りすぎたからな。
後はベルとワックさんがキーとなる。
「なにをする気だ貴様等! シュネーを返せぇぇぇぇぇぇえっ!!」
「五月蠅いんだよ! 黙って見とけ」
「黙るものかよ! シュネーを返せ! それは私の物だ!」
「救世主とか言いながら物あつかいするような奴に返す分けねえだろ」
「奪い返せ!」
触手による奪還を試みるも、
「無駄よ無駄!」
「キュゥゥゥゥゥゥウ!」
ジージーとゴロ丸による防衛。
空中を自由に飛翔するジージーがロングソードで弾き返し、ゴロ丸が力技で巨大クラゲの動きを制す。
「ええい! ジュニア私を助けておくれ!」
懇願するように発せば、
「クゥゥゥゥ――」
俺の手にする頭部から鳴き声。
バルバダイが発した後に鳴き声。やはりシュネーを介してからゴロ太に指示を出しているようだな。
バルバダイからシュネー。シュネーからゴロ太。
こういった流れで力を利用しているというのは確定。
「お、おのれ!」
悔しそうな声。
ゴロ太にお願いをするも、この地点で頼れるような戦力はやはりもういない模様。
魚群も見えるがゴロ丸の体に乗っている時点で何も出来ないし、何より自分の指示でモーモーチャーチャーにブラストスマッシュを撃たせ、魚群にフレンドリーファイアしたことで戦力大幅ダウンというバカッぷりだからな。
――上空に警戒をするも鳥も来ない。
ジージーは悉く屠ったんだな……。
だが、 現状こちらへと攻め立ててくる脅威が無いというのは有り難いことでもある。
「どうよ?」
なのでこっちはこっちで先に進めよう。
「難しいか?」
継いで問うてみれば、
「少し待て」
俺が両手に持つ頭部にベルが手を当てる。
やおら瞳を閉じて集中。
傘内部から叫声からなる暴言が飛んでくるが、ベルの集中を妨げることは出来ない。
完全無視してくるすげない態度の美人に狙いを定めてくる。
ベルに対しての攻撃を皆で防ぎつつ集中するベルを見守れば、
「可能かもしれない」
瞳を開いて俺を見てくる。
普段ならベルが俺に言うような発言だけども――、
「かもしれないじゃなくて、確定した発言が欲しいね」
言えば、
「言ってくれる」
強気な笑みを見せてくれた。
「必ず完遂する。と、発言を訂正する」
「大丈夫。ベルなら絶対に出来る。俺はベルの力を信じているから」
「そうか」
微笑みを見せてくれた。こんな状況下でも俺の鼓動は早くなる。
「いいよ。今のは凄くポイント高いよ。サラッと言ったところなんて特にね」
元気になったミルモンが上機嫌に俺を称賛。
指摘されればちょっと背中がむず痒くなるってもんだ。
「今以上に集中する。動けなくなるので後は頼む」
「おうよ。ゴロ丸、ジージー! カバーするぞ」
「キュウ!」と「承知!」が同時に耳朶に届くところで跳躍。
触手を払いつつモーモーチャーチャーの傘のような頭頂部に降り立ち、
「おらっ! かかってこいやクソマッド」
挑発すれば、
「殺してやる!」
見上げてくる目力は大したもの。
中々のプレッシャーを与えてくるのは、やはり大切な存在をこちらに奪われたからということからくる怒りなんだろう。
けども、
「怒気ならこっちは常にお前の上を行っているからな!」
頂で構えれば、触手による包囲攻撃。
自分が内部にいることもあって、水圧カッターは使ってこない。
ゴロ太がまだ内部にいるからその選択はありがたい。
「ぬぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
「気合い入ってるな」
思いを乗せるかのような鞭打のラッシュ。
全方位から迫ってくるのを――、
「ふんっふんっふんっ!」
「おお、凄いよ兄ちゃん」
二刀にて全て弾き返してやる。
「どうしたマッド? 気合いの割りには大したことねえな。気持ちだけが先行しているぞ。それとも最高傑作ってのは、お前の中でだけの最高傑作か?」
口角を上げ、現状の位置から文字通り見下してやる。
これに呼応して俺の左肩からも愛らしい嘲笑を顔に貼り付けて掩護してくれるミルモン。
「貴様等っ!」
大いに猛っているけども、
「余裕だね」
「余裕すぎるってもんだ」
ミルモンへと返しながら悉くを防ぐ。
イグニースで防ぐ必要はない。多方向からの攻撃は二刀で十分に対応できる。
うん――。
これはこれで良い訓練になるな。一対多を想定しての訓練にはもってこいだ。
撓りのある鞭打の攻撃は刀剣よりも見極めるのが難しい。
ギルドの新米達の為にこういった訓練を採用してもいいな。
多方向からの対処だけでなく、人ならざる者の攻撃手段の擬似的な訓練にもなるからね。
「上の空といった馬鹿面だな。こんな時に考え事か! 随分と余裕なことだ!」
「そう見えるなら――そうなんだろう。馬鹿面は余計だけど。正直なところ、今の俺の実力からすればとろくさい攻撃だ。自称最高傑作」
心に思っていたことを素直に口に出してあげれば、バルバダイのこめかみに浮き上がる血管が激しく脈動。
振るってくる触手よりも荒々しく、生き生きとした動きだった。
笑顔で手を伸ばし、ゴロ丸の方へと引っ張ってくれるベル。
嬉しい事だが、
「まずはミルモンの解毒だな」
言えば既に準備万端とばかりにワックさんがアンチドーテをミルモンへと飲ませてくれる。
アンチドーテはギリギリで足りたかな。
戦闘はまだ終わっていないから油断は出来ないけども。
だが終幕は近い。
バルバダイは喋りすぎたからな。
後はベルとワックさんがキーとなる。
「なにをする気だ貴様等! シュネーを返せぇぇぇぇぇぇえっ!!」
「五月蠅いんだよ! 黙って見とけ」
「黙るものかよ! シュネーを返せ! それは私の物だ!」
「救世主とか言いながら物あつかいするような奴に返す分けねえだろ」
「奪い返せ!」
触手による奪還を試みるも、
「無駄よ無駄!」
「キュゥゥゥゥゥゥウ!」
ジージーとゴロ丸による防衛。
空中を自由に飛翔するジージーがロングソードで弾き返し、ゴロ丸が力技で巨大クラゲの動きを制す。
「ええい! ジュニア私を助けておくれ!」
懇願するように発せば、
「クゥゥゥゥ――」
俺の手にする頭部から鳴き声。
バルバダイが発した後に鳴き声。やはりシュネーを介してからゴロ太に指示を出しているようだな。
バルバダイからシュネー。シュネーからゴロ太。
こういった流れで力を利用しているというのは確定。
「お、おのれ!」
悔しそうな声。
ゴロ太にお願いをするも、この地点で頼れるような戦力はやはりもういない模様。
魚群も見えるがゴロ丸の体に乗っている時点で何も出来ないし、何より自分の指示でモーモーチャーチャーにブラストスマッシュを撃たせ、魚群にフレンドリーファイアしたことで戦力大幅ダウンというバカッぷりだからな。
――上空に警戒をするも鳥も来ない。
ジージーは悉く屠ったんだな……。
だが、 現状こちらへと攻め立ててくる脅威が無いというのは有り難いことでもある。
「どうよ?」
なのでこっちはこっちで先に進めよう。
「難しいか?」
継いで問うてみれば、
「少し待て」
俺が両手に持つ頭部にベルが手を当てる。
やおら瞳を閉じて集中。
傘内部から叫声からなる暴言が飛んでくるが、ベルの集中を妨げることは出来ない。
完全無視してくるすげない態度の美人に狙いを定めてくる。
ベルに対しての攻撃を皆で防ぎつつ集中するベルを見守れば、
「可能かもしれない」
瞳を開いて俺を見てくる。
普段ならベルが俺に言うような発言だけども――、
「かもしれないじゃなくて、確定した発言が欲しいね」
言えば、
「言ってくれる」
強気な笑みを見せてくれた。
「必ず完遂する。と、発言を訂正する」
「大丈夫。ベルなら絶対に出来る。俺はベルの力を信じているから」
「そうか」
微笑みを見せてくれた。こんな状況下でも俺の鼓動は早くなる。
「いいよ。今のは凄くポイント高いよ。サラッと言ったところなんて特にね」
元気になったミルモンが上機嫌に俺を称賛。
指摘されればちょっと背中がむず痒くなるってもんだ。
「今以上に集中する。動けなくなるので後は頼む」
「おうよ。ゴロ丸、ジージー! カバーするぞ」
「キュウ!」と「承知!」が同時に耳朶に届くところで跳躍。
触手を払いつつモーモーチャーチャーの傘のような頭頂部に降り立ち、
「おらっ! かかってこいやクソマッド」
挑発すれば、
「殺してやる!」
見上げてくる目力は大したもの。
中々のプレッシャーを与えてくるのは、やはり大切な存在をこちらに奪われたからということからくる怒りなんだろう。
けども、
「怒気ならこっちは常にお前の上を行っているからな!」
頂で構えれば、触手による包囲攻撃。
自分が内部にいることもあって、水圧カッターは使ってこない。
ゴロ太がまだ内部にいるからその選択はありがたい。
「ぬぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
「気合い入ってるな」
思いを乗せるかのような鞭打のラッシュ。
全方位から迫ってくるのを――、
「ふんっふんっふんっ!」
「おお、凄いよ兄ちゃん」
二刀にて全て弾き返してやる。
「どうしたマッド? 気合いの割りには大したことねえな。気持ちだけが先行しているぞ。それとも最高傑作ってのは、お前の中でだけの最高傑作か?」
口角を上げ、現状の位置から文字通り見下してやる。
これに呼応して俺の左肩からも愛らしい嘲笑を顔に貼り付けて掩護してくれるミルモン。
「貴様等っ!」
大いに猛っているけども、
「余裕だね」
「余裕すぎるってもんだ」
ミルモンへと返しながら悉くを防ぐ。
イグニースで防ぐ必要はない。多方向からの攻撃は二刀で十分に対応できる。
うん――。
これはこれで良い訓練になるな。一対多を想定しての訓練にはもってこいだ。
撓りのある鞭打の攻撃は刀剣よりも見極めるのが難しい。
ギルドの新米達の為にこういった訓練を採用してもいいな。
多方向からの対処だけでなく、人ならざる者の攻撃手段の擬似的な訓練にもなるからね。
「上の空といった馬鹿面だな。こんな時に考え事か! 随分と余裕なことだ!」
「そう見えるなら――そうなんだろう。馬鹿面は余計だけど。正直なところ、今の俺の実力からすればとろくさい攻撃だ。自称最高傑作」
心に思っていたことを素直に口に出してあげれば、バルバダイのこめかみに浮き上がる血管が激しく脈動。
振るってくる触手よりも荒々しく、生き生きとした動きだった。
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