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驕った創造主
PHASE-1746【具現世界での決着】
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「ハハハッ。なぃぃぃぃぃい! って、いい咆哮だな。俺たちにはそっちの敗北を伝える叫びに聞こえてくるってもんだ」
「お、おのれぇぇぇぇぇぇいっ!」
「ここでお終いにしようじゃないか」
「くそっ! 角! 角はっ!! 角など何処にもないではないかぁぁぁぁぁあ!」
「だからそう言ってるだろうに。テンパってるな。あるにはあるぞ」
「何処だ!」
なんで敵に縋るように聞いてくるんだよ……。
「ほらここ。お前が俺の虚を衝いた籠手の角だよ」
指摘しつつ籠手を見せてやれば、
「全体には狭すぎるぅぅぅぅぅぅ!」
「でしょうね」
完全に逃げる事だけにリソース割いているな。反撃するということを全く考えていない。
そこそこ強かったけど、不利になれば一気に駄目になるのは戦闘経験の浅さだな。
誕生して直ぐだし、元の体の持ち主も態度と口だけだったからな。
追い込まれているのか、もしかしたら可能かもしれないとばかりに、籠手の角部分へと手を伸ばしてくるところに、
「籠手をお前に見せたのは別の意味なんだけどな」
言いつつ、火龍の籠手に宿った力を使用。
両拳前方にイグニースを圧縮させた火球を顕現させてからの――、
「烈火、烈火――でもって烈火、烈火!」
の四打を上半身に叩き込んでやる。
弱烈火ならある程度の連打も可能になるくらい、イグニース顕現からの圧縮がスムーズになってきたな。
ドーム状の障壁を展開した状態での使用ってのも練度が上がっている証拠だ。
「かぁ……ぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ……」
ぶすぶすと焦げ臭いニオイを立ち上らせてルルハリルが膝をつく。
「聖祚の前でだけとか言ってたみたいだけど、兄ちゃんの前でもちゃんと膝をついてくれたようだね」
「だな!」
小さくて可愛い拳にペチッと俺の拳を当てる。
勝利――と思いたいけどもここでも残心は忘れない。
膝をついてからうつ伏せになったルルハリルがどう動くかを確認。
当然ながら半球の障壁も展開維持。
角に逃げられるのはゴメンだからな。
などと思惑を巡らせていれば、
「兄ちゃん」
「パリーンと割れるような感じなんだな」
「みたいだね」
黒と紫の二色からなる、ハリボテの建築物が乱立していた具現世界であるティンダロスの全体にヒビが入っていけば、音を立てて崩れていく。
――よし!
「無事、元に戻ったみたいだね」
戻ったということだから、
「俺たちの勝ちだなミルモン」
「だね! よっし!」
具現世界の崩壊は勝利の証。
ルルハリル――、
「強くはあったけどな」
「でも今の兄ちゃんの敵じゃなかったね」
「俺たちのだぞ。ミルモン」
「へへ――」
あら可愛い。もともと可愛いけど、照れてる姿は凄く可愛い。
ベルが側で見ていたら心を射抜かれているところだったね。
「勝ったな」
「勝ったよ」
ゴロ太を抱っこしつつベルが近づけば、
「やったね♪」
「おう! ゴロ太も無事でよかった。でもってゴロ太製作のナイフに救われたよ」
「ボクの力が役に立ってよかったよ」
ミルモンに負けず劣らず可愛い微笑み。
これに当てられてポンコツモードのベルは辛抱たまらんとばかりにゴロ太をギュッとする。
羨ましい、羨ましい……。
露出高めの踊り子の服でギュッとか――げにまこと羨ましい……。
「クッ、ハハハ……」
「お、気がついたか」
「この俺が……負けるなど……と……」
「十分に強かったけどな。だけど、お前よりも強い存在と巡り会ってきたからな。お前が今の俺を相手にするとなると、ちと力不足だった」
「な、なめた言い様だ……」
かすれた声。
ポーカーショットの直撃を受けても立ち上がってきたが、立ち上がるまでが限界だったな。
クロウス氏ですら気を失う技だからな。
前回と違って練り込みは足りなかったみたいだけど、ルルハリルくらいの実力だと、見舞われた時点で体の内部はボロボロになっていたことだろう。
立ってはみせても死に体だった。
加えて烈火の四連撃だったからな。
間違いなく決着だ。
「ショゴスという俺たちが絶対に倒さないといけない魔王の力の一部を持った存在だけども、最後に言い残したいことがあるなら聞こうか」
「……ハッ! あるものかよ……。あるとするなら、この体は元々は人間の体だったわけだが……」
「もういい喋るな。トールも聞かなくていい」
ベルが会話に割って入る中で、
「勇者が人間を殺めるというのはどういった気分だ」
しっかりと聞かせてやろうとばかりに、かすれもしなければ詰まりもしない。息切れもすることなく俺の耳朶へと届けてくる。
「良い気分になんかはなれないよな」
「ハハハ……。そんな戯言をよく吐けるもの……だ」
「なんだよ」
「俺が目覚めた時、お前はそこの者達と大いに喜んでいたじゃないか。命を殺めることに苛まれるよりも先に勝利を喜んでいた。殺しを楽しんだようだな」
――……ここでも俺の耳朶に届けるように朗々と語ってくる……。
「俺を見ろ勇者。しっかりとだ。いいか、貴様が殺したのはこの俺ルルハリルではない。聖祚のお力に呑み込まれてしまった哀れなただの人間だ。勇者が人間を殺めた。だというのに勝利に喜ぶ。その姿は実に滑稽だった。だから笑いを零しながら目を覚ましてしまった」
「聞くなトール。下がっていろ」
再度ベルが促す中でもルルハリルの口は止まらず、
「貴様は勇者ではなくただの人殺し。この姿ではなく、ブリオレという人間の姿に戻れれば最高だっただろうにな。ああ、何とも残ねっんんっ!?」
「敗者がベラベラと恥ずかしげもなくよく喋る」
これ以上は聞くに堪えないとばかりに、ジージーが腰に佩いたロングソードを抜くと同時に即、首を刎ねれば、膂力も相まって面長の頭部が勢いよく宙を舞う。
「敗者はただ黙せ」
と、ガリオンがアンリッシュ・ワンショット。
宙を舞う頭部に光弾が直撃すれば完全に消滅。
二人の行動に呼応するように、ベルも浄化の炎でルルハリル――ブリオレの体を消滅させる。
対象の完全消滅により、決着がついた。
「お、おのれぇぇぇぇぇぇいっ!」
「ここでお終いにしようじゃないか」
「くそっ! 角! 角はっ!! 角など何処にもないではないかぁぁぁぁぁあ!」
「だからそう言ってるだろうに。テンパってるな。あるにはあるぞ」
「何処だ!」
なんで敵に縋るように聞いてくるんだよ……。
「ほらここ。お前が俺の虚を衝いた籠手の角だよ」
指摘しつつ籠手を見せてやれば、
「全体には狭すぎるぅぅぅぅぅぅ!」
「でしょうね」
完全に逃げる事だけにリソース割いているな。反撃するということを全く考えていない。
そこそこ強かったけど、不利になれば一気に駄目になるのは戦闘経験の浅さだな。
誕生して直ぐだし、元の体の持ち主も態度と口だけだったからな。
追い込まれているのか、もしかしたら可能かもしれないとばかりに、籠手の角部分へと手を伸ばしてくるところに、
「籠手をお前に見せたのは別の意味なんだけどな」
言いつつ、火龍の籠手に宿った力を使用。
両拳前方にイグニースを圧縮させた火球を顕現させてからの――、
「烈火、烈火――でもって烈火、烈火!」
の四打を上半身に叩き込んでやる。
弱烈火ならある程度の連打も可能になるくらい、イグニース顕現からの圧縮がスムーズになってきたな。
ドーム状の障壁を展開した状態での使用ってのも練度が上がっている証拠だ。
「かぁ……ぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ……」
ぶすぶすと焦げ臭いニオイを立ち上らせてルルハリルが膝をつく。
「聖祚の前でだけとか言ってたみたいだけど、兄ちゃんの前でもちゃんと膝をついてくれたようだね」
「だな!」
小さくて可愛い拳にペチッと俺の拳を当てる。
勝利――と思いたいけどもここでも残心は忘れない。
膝をついてからうつ伏せになったルルハリルがどう動くかを確認。
当然ながら半球の障壁も展開維持。
角に逃げられるのはゴメンだからな。
などと思惑を巡らせていれば、
「兄ちゃん」
「パリーンと割れるような感じなんだな」
「みたいだね」
黒と紫の二色からなる、ハリボテの建築物が乱立していた具現世界であるティンダロスの全体にヒビが入っていけば、音を立てて崩れていく。
――よし!
「無事、元に戻ったみたいだね」
戻ったということだから、
「俺たちの勝ちだなミルモン」
「だね! よっし!」
具現世界の崩壊は勝利の証。
ルルハリル――、
「強くはあったけどな」
「でも今の兄ちゃんの敵じゃなかったね」
「俺たちのだぞ。ミルモン」
「へへ――」
あら可愛い。もともと可愛いけど、照れてる姿は凄く可愛い。
ベルが側で見ていたら心を射抜かれているところだったね。
「勝ったな」
「勝ったよ」
ゴロ太を抱っこしつつベルが近づけば、
「やったね♪」
「おう! ゴロ太も無事でよかった。でもってゴロ太製作のナイフに救われたよ」
「ボクの力が役に立ってよかったよ」
ミルモンに負けず劣らず可愛い微笑み。
これに当てられてポンコツモードのベルは辛抱たまらんとばかりにゴロ太をギュッとする。
羨ましい、羨ましい……。
露出高めの踊り子の服でギュッとか――げにまこと羨ましい……。
「クッ、ハハハ……」
「お、気がついたか」
「この俺が……負けるなど……と……」
「十分に強かったけどな。だけど、お前よりも強い存在と巡り会ってきたからな。お前が今の俺を相手にするとなると、ちと力不足だった」
「な、なめた言い様だ……」
かすれた声。
ポーカーショットの直撃を受けても立ち上がってきたが、立ち上がるまでが限界だったな。
クロウス氏ですら気を失う技だからな。
前回と違って練り込みは足りなかったみたいだけど、ルルハリルくらいの実力だと、見舞われた時点で体の内部はボロボロになっていたことだろう。
立ってはみせても死に体だった。
加えて烈火の四連撃だったからな。
間違いなく決着だ。
「ショゴスという俺たちが絶対に倒さないといけない魔王の力の一部を持った存在だけども、最後に言い残したいことがあるなら聞こうか」
「……ハッ! あるものかよ……。あるとするなら、この体は元々は人間の体だったわけだが……」
「もういい喋るな。トールも聞かなくていい」
ベルが会話に割って入る中で、
「勇者が人間を殺めるというのはどういった気分だ」
しっかりと聞かせてやろうとばかりに、かすれもしなければ詰まりもしない。息切れもすることなく俺の耳朶へと届けてくる。
「良い気分になんかはなれないよな」
「ハハハ……。そんな戯言をよく吐けるもの……だ」
「なんだよ」
「俺が目覚めた時、お前はそこの者達と大いに喜んでいたじゃないか。命を殺めることに苛まれるよりも先に勝利を喜んでいた。殺しを楽しんだようだな」
――……ここでも俺の耳朶に届けるように朗々と語ってくる……。
「俺を見ろ勇者。しっかりとだ。いいか、貴様が殺したのはこの俺ルルハリルではない。聖祚のお力に呑み込まれてしまった哀れなただの人間だ。勇者が人間を殺めた。だというのに勝利に喜ぶ。その姿は実に滑稽だった。だから笑いを零しながら目を覚ましてしまった」
「聞くなトール。下がっていろ」
再度ベルが促す中でもルルハリルの口は止まらず、
「貴様は勇者ではなくただの人殺し。この姿ではなく、ブリオレという人間の姿に戻れれば最高だっただろうにな。ああ、何とも残ねっんんっ!?」
「敗者がベラベラと恥ずかしげもなくよく喋る」
これ以上は聞くに堪えないとばかりに、ジージーが腰に佩いたロングソードを抜くと同時に即、首を刎ねれば、膂力も相まって面長の頭部が勢いよく宙を舞う。
「敗者はただ黙せ」
と、ガリオンがアンリッシュ・ワンショット。
宙を舞う頭部に光弾が直撃すれば完全に消滅。
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対象の完全消滅により、決着がついた。
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