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勇者御一行対炎竜王麾下戦闘後
PHASE-08
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――――朝焼けの美しさを目にした時から今日はラッキーデーだと思ったんだ!
本日は朝から、ロールさんとペアを組めた喜びに心を踊らせつつ、エルンさんがやらかしてくれた大地転生で被害甚大な森の植林に取りかかる。
本日も張り切る勤労君シリーズ。地割れの穴埋め作業から始まり、隆起した部分を崩していき、それを利用して穴埋めを行っていき、埋まっていったところから、僕が仮設テントから持参した大袋を背負って、ロールさんの後をついていく。
「もらえる?」
の一言に、僕が大袋から勤労君シリーズと同サイズの魔石を手にしてそれを渡す。植林担当の他のペアも同様の動き。
勤労君シリーズ同様に土に埋めていく。
それを繰り返す。
その様は正に種まき。
今日は朝から気温も高くて汗ばむけども、湿度はなくて乾燥しているからか、吹いてくる風は心地のいい涼しさを体にあたえてくれる。
なので、仕事は捗る。
合間合間に口にする、腰にぶら下げた水筒の中身である冷えたレモネードが風とは違う涼を体内に伝える。
――――昼までには僕たちが担当している区画に魔石の植え込みが終了。その頃には水筒の中も空になる。でも、心配は無い。予備はあと二本ある。朝の部、昼の部、夕の部と怠りはない。
「では、よろしくお願いします」
昼休憩に入る前の締めの仕事をロールさんに託す。それに応える笑みを見せてくれる。
整備長とは違う安定した信頼感。
「インパクト!」
力強い言葉とともに地に向けた食指を天高く向ける。
言葉に呼応するかのように大地に埋めた魔石が光り輝く。壱號君たちのような激しく目を眩ませるような輝きじゃなく、ほのかなもので優しい緑色の光。
すぐに大地がむくむくと動き、ひょっこりと芽が出る。
芽吹くと、みるみると大木となっていき、僕たちは陽射しから木陰の下に居る存在になった。
涼しさが更に増して、最高の休憩を取れそうだ。
――僕たちが使用した魔石にはエルンさんが使用した大地転生の下位にあたる大地系魔法が封じられており、魔石一つから立派な大木が生まれる。
破壊で自然が荒らされた時に使用し、あるべき姿に戻すためのアイテム。
でも、これがとても高価なもので、違反金の三分の一がこれの生産資金に回されている。
主な支払先は、大地系の魔法を得意としているフリーランスな魔法使いの方々や、委託先である魔王軍の壌獣王さんのところ。
「すがすがしいね」
「まったくです」
深呼吸。新緑の匂いで鼻孔と肺の中を大掃除するイメージ。
日頃のストレスから開放される。周りを見渡せば、僕同様にロールさんをはじめ、他の局員の方々も新鮮な空気を取り入れて、心のデトックスを行っております。
「お昼ご飯は、ここで食べましょう」
昼食は、一気にピクニック気分だ。植林担当の皆さんと集まって、和気藹々とした中で食事をとる。
独り身の僕は、住んでる多層型共同住宅の一階にある大衆食堂で朝に売られる弁当を買ってからいつも出勤のスタイル。
家庭のある方は、愛妻弁当だ。羨ましい限りである。
紙袋から取り出す本日の昼食は、ライ麦パンに厚切りハムのトッピングであるサンドイッチが二つと、リンゴ一つ。二本目の水筒に入ったチェリーエード。
恵まれているのは、大衆食堂のオーナーが作る、シンプルながらも素材に妥協しない姿勢での調理。出来上がりは地味であっても、おいしいというところ。
リンゴだっていいものだ。露天で売ってるものの中では、打ち身が酷くて、シワシワのものも普通に売ってあるし、それが普通に売れる。
でも、食堂のはツヤがあって、口にすると歯触りのいい音を耳朶に届けてくれる。
――満足のいく昼食だった。でもって、隣で楽しく会話は弾ませてもらったロールさんは、暑さからつなぎの上半身を脱いで、黒シャツ姿。形の良い隆起をお目に出来て感謝である。
本当に! 全てにおいて満足のいく昼食だった。
「幸せそうだな……」
背後から仄暗い闇に誘いそうな声が聞こえる。
振り返れば口から吐かれる煙は禍々しく、闇の眷属に分類されるだろう。目元なんてつり上がって、もう整備局辞めて魔王軍に就職すればいいんじゃないかと思ってしまう。
「お疲れ様です。整備長」
労いの言葉に蹲踞の姿勢で、僕に頭頂部を見せる形で、紫煙を地面に強い呼気で吐き出している。
ストレス値が相当に溜まっているようだ。楽な仕事を選んだくせに何を機嫌が悪くなっているのか。
「石がよ……」
は? 小声で聞き取りにくいので食指を一本たててもう一度と促すと、
「敷石が足りなくなったんだよ!」
まあ、あれだけ壊された街道ですからね。敷石を運ぶにしても馬車では限度もあるだろうし。次が運ばれてくるまで、そこらにある手頃な石をパズルのような感じで合わせて埋め込んでいくしかないですよ。
手頃の石がないなら大石を崩して作らないといけないだろうけど。そうなると重労働ですね。それがストレス上昇の原因か……。
楽をしようと安易に考えるからそうなる。大体、地方に比べたら、勤労君シリーズも整っていて遙かに恵まれているのに、更に楽しようなんて姿勢がいただけない。
未だ支給されてないところでは、馬や牛を使っての古き時代からの方法で頑張ってる。ちょっと便利になると、直ぐに不平不満を口にしたがる。
現状、僕が心底に抱く思いは…………、
――――整備長ざまぁ。
「こっちはあらまし終わってるみたいだな」
「ロールさんの指揮がよくて午後の予定を前倒しです」
「それは結構♪」
なんだよこの不敵な笑みは……。
「あっ」
制止しようと手を伸ばしたけど間に合わなかった……。
整備長が僕のチェリーエードの入った水筒に手を伸ばして勢いよく飲み干す。下品にも一部が口からこぼれている。頬の傷も相まって山賊感をかもしている。
「よう、人を呪わば穴二つってことわざ知ってるか? お前、俺がしんどいの見て、ざまぁとか思ったろ?」
読心術をたまに披露してくよね……。
きっと僕の目はなんとも落ち着きなく動き回っていた事だろうさ。図星だったもんだから。不敵な笑みが更に鋭角なものになっている。
その笑みは、僕の楽しいピクニック気分に終焉を伝える悪魔の使い……。
「ロールちゃん。こいつ午後から借りるから」
「こっちは大丈夫なんでいいですよ」
なんて素敵な笑顔で僕を突き放すんですか。嫌だ、嫌だ、嫌だぁぁぁぁあぁっ! こんなむさいのと一緒になりたくないです!
救いの目を向けてみる。
笑顔が返ってくるだけであった。
昨日と一緒……。体感的に僕とロールさんの距離がとてつもない早さで離れていく感覚。
ロールさんとしては、僕にいろんな仕事の経験を積んでほしいという善意から来ているんだろうけどね……。
〝善意は、時として受ける者の進退を絶望に追い込む事がある〟ピートマック・ウィザースプーン心の呟き。
安い迷言が心中で産声を上げたところで、僕の腕はがっしりと整備長に掴まれて、街道修復に連れられていく…………。
金槌持って、鑿持って、屈強な局員の方々と、勤労君たちが作業中に撤去した大石に歩んでいく。
ピクニックが一転してのデスマーチ。
さながら地面に落ちたあめ玉に群がっていく蟻の気分だ。
「ささ! 午後からも頑張っていこうぜ」
あんだけ辛そうにしてたのに、急に元気なって。僕という生贄を得たもんだから、自分の分はこっちに回して楽するつもりだ。この鑿を心臓に打ち込んでやりたいよ。
「おお! いいね! 気合い入った打ち込みじゃないかピート」
大石を削っていく僕に背後から整備長。そりゃ貴男の事を思った怨嗟の情念を籠もらせておりますからね。
――おかげで進む進む。煉瓦サイズに切り出して、形を整えてから、埋め込み担当に渡していく。
それを待つうちの一人に鞍替えした整備長には、気持ち力を込めて投げ渡す。
周りは彫刻のような筋肉を纏った褐色の方々ばかり。色白で細い腕の僕がよくついて行っていると、自分自身を褒めたくなる。
「頑張ってますな~」
弐號君そう言うと、石切が終わりかけているのを確認して、次の大石をプレゼントしてくる。
僕って……、いつから石工職人に転職したんだっけ?
本日は朝から、ロールさんとペアを組めた喜びに心を踊らせつつ、エルンさんがやらかしてくれた大地転生で被害甚大な森の植林に取りかかる。
本日も張り切る勤労君シリーズ。地割れの穴埋め作業から始まり、隆起した部分を崩していき、それを利用して穴埋めを行っていき、埋まっていったところから、僕が仮設テントから持参した大袋を背負って、ロールさんの後をついていく。
「もらえる?」
の一言に、僕が大袋から勤労君シリーズと同サイズの魔石を手にしてそれを渡す。植林担当の他のペアも同様の動き。
勤労君シリーズ同様に土に埋めていく。
それを繰り返す。
その様は正に種まき。
今日は朝から気温も高くて汗ばむけども、湿度はなくて乾燥しているからか、吹いてくる風は心地のいい涼しさを体にあたえてくれる。
なので、仕事は捗る。
合間合間に口にする、腰にぶら下げた水筒の中身である冷えたレモネードが風とは違う涼を体内に伝える。
――――昼までには僕たちが担当している区画に魔石の植え込みが終了。その頃には水筒の中も空になる。でも、心配は無い。予備はあと二本ある。朝の部、昼の部、夕の部と怠りはない。
「では、よろしくお願いします」
昼休憩に入る前の締めの仕事をロールさんに託す。それに応える笑みを見せてくれる。
整備長とは違う安定した信頼感。
「インパクト!」
力強い言葉とともに地に向けた食指を天高く向ける。
言葉に呼応するかのように大地に埋めた魔石が光り輝く。壱號君たちのような激しく目を眩ませるような輝きじゃなく、ほのかなもので優しい緑色の光。
すぐに大地がむくむくと動き、ひょっこりと芽が出る。
芽吹くと、みるみると大木となっていき、僕たちは陽射しから木陰の下に居る存在になった。
涼しさが更に増して、最高の休憩を取れそうだ。
――僕たちが使用した魔石にはエルンさんが使用した大地転生の下位にあたる大地系魔法が封じられており、魔石一つから立派な大木が生まれる。
破壊で自然が荒らされた時に使用し、あるべき姿に戻すためのアイテム。
でも、これがとても高価なもので、違反金の三分の一がこれの生産資金に回されている。
主な支払先は、大地系の魔法を得意としているフリーランスな魔法使いの方々や、委託先である魔王軍の壌獣王さんのところ。
「すがすがしいね」
「まったくです」
深呼吸。新緑の匂いで鼻孔と肺の中を大掃除するイメージ。
日頃のストレスから開放される。周りを見渡せば、僕同様にロールさんをはじめ、他の局員の方々も新鮮な空気を取り入れて、心のデトックスを行っております。
「お昼ご飯は、ここで食べましょう」
昼食は、一気にピクニック気分だ。植林担当の皆さんと集まって、和気藹々とした中で食事をとる。
独り身の僕は、住んでる多層型共同住宅の一階にある大衆食堂で朝に売られる弁当を買ってからいつも出勤のスタイル。
家庭のある方は、愛妻弁当だ。羨ましい限りである。
紙袋から取り出す本日の昼食は、ライ麦パンに厚切りハムのトッピングであるサンドイッチが二つと、リンゴ一つ。二本目の水筒に入ったチェリーエード。
恵まれているのは、大衆食堂のオーナーが作る、シンプルながらも素材に妥協しない姿勢での調理。出来上がりは地味であっても、おいしいというところ。
リンゴだっていいものだ。露天で売ってるものの中では、打ち身が酷くて、シワシワのものも普通に売ってあるし、それが普通に売れる。
でも、食堂のはツヤがあって、口にすると歯触りのいい音を耳朶に届けてくれる。
――満足のいく昼食だった。でもって、隣で楽しく会話は弾ませてもらったロールさんは、暑さからつなぎの上半身を脱いで、黒シャツ姿。形の良い隆起をお目に出来て感謝である。
本当に! 全てにおいて満足のいく昼食だった。
「幸せそうだな……」
背後から仄暗い闇に誘いそうな声が聞こえる。
振り返れば口から吐かれる煙は禍々しく、闇の眷属に分類されるだろう。目元なんてつり上がって、もう整備局辞めて魔王軍に就職すればいいんじゃないかと思ってしまう。
「お疲れ様です。整備長」
労いの言葉に蹲踞の姿勢で、僕に頭頂部を見せる形で、紫煙を地面に強い呼気で吐き出している。
ストレス値が相当に溜まっているようだ。楽な仕事を選んだくせに何を機嫌が悪くなっているのか。
「石がよ……」
は? 小声で聞き取りにくいので食指を一本たててもう一度と促すと、
「敷石が足りなくなったんだよ!」
まあ、あれだけ壊された街道ですからね。敷石を運ぶにしても馬車では限度もあるだろうし。次が運ばれてくるまで、そこらにある手頃な石をパズルのような感じで合わせて埋め込んでいくしかないですよ。
手頃の石がないなら大石を崩して作らないといけないだろうけど。そうなると重労働ですね。それがストレス上昇の原因か……。
楽をしようと安易に考えるからそうなる。大体、地方に比べたら、勤労君シリーズも整っていて遙かに恵まれているのに、更に楽しようなんて姿勢がいただけない。
未だ支給されてないところでは、馬や牛を使っての古き時代からの方法で頑張ってる。ちょっと便利になると、直ぐに不平不満を口にしたがる。
現状、僕が心底に抱く思いは…………、
――――整備長ざまぁ。
「こっちはあらまし終わってるみたいだな」
「ロールさんの指揮がよくて午後の予定を前倒しです」
「それは結構♪」
なんだよこの不敵な笑みは……。
「あっ」
制止しようと手を伸ばしたけど間に合わなかった……。
整備長が僕のチェリーエードの入った水筒に手を伸ばして勢いよく飲み干す。下品にも一部が口からこぼれている。頬の傷も相まって山賊感をかもしている。
「よう、人を呪わば穴二つってことわざ知ってるか? お前、俺がしんどいの見て、ざまぁとか思ったろ?」
読心術をたまに披露してくよね……。
きっと僕の目はなんとも落ち着きなく動き回っていた事だろうさ。図星だったもんだから。不敵な笑みが更に鋭角なものになっている。
その笑みは、僕の楽しいピクニック気分に終焉を伝える悪魔の使い……。
「ロールちゃん。こいつ午後から借りるから」
「こっちは大丈夫なんでいいですよ」
なんて素敵な笑顔で僕を突き放すんですか。嫌だ、嫌だ、嫌だぁぁぁぁあぁっ! こんなむさいのと一緒になりたくないです!
救いの目を向けてみる。
笑顔が返ってくるだけであった。
昨日と一緒……。体感的に僕とロールさんの距離がとてつもない早さで離れていく感覚。
ロールさんとしては、僕にいろんな仕事の経験を積んでほしいという善意から来ているんだろうけどね……。
〝善意は、時として受ける者の進退を絶望に追い込む事がある〟ピートマック・ウィザースプーン心の呟き。
安い迷言が心中で産声を上げたところで、僕の腕はがっしりと整備長に掴まれて、街道修復に連れられていく…………。
金槌持って、鑿持って、屈強な局員の方々と、勤労君たちが作業中に撤去した大石に歩んでいく。
ピクニックが一転してのデスマーチ。
さながら地面に落ちたあめ玉に群がっていく蟻の気分だ。
「ささ! 午後からも頑張っていこうぜ」
あんだけ辛そうにしてたのに、急に元気なって。僕という生贄を得たもんだから、自分の分はこっちに回して楽するつもりだ。この鑿を心臓に打ち込んでやりたいよ。
「おお! いいね! 気合い入った打ち込みじゃないかピート」
大石を削っていく僕に背後から整備長。そりゃ貴男の事を思った怨嗟の情念を籠もらせておりますからね。
――おかげで進む進む。煉瓦サイズに切り出して、形を整えてから、埋め込み担当に渡していく。
それを待つうちの一人に鞍替えした整備長には、気持ち力を込めて投げ渡す。
周りは彫刻のような筋肉を纏った褐色の方々ばかり。色白で細い腕の僕がよくついて行っていると、自分自身を褒めたくなる。
「頑張ってますな~」
弐號君そう言うと、石切が終わりかけているのを確認して、次の大石をプレゼントしてくる。
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