拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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ブートキャンプへようこそ♪

PHASE-16

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 急いで銃を折って、排莢して次弾装填して、照門で照星とアズナって方に交わる位置で捉えてから撃つ。
 ――美しく躱していくと、こちらを見下ろして、口角を上げて笑っている。
 アズナ――さん。名前で統一しよう。
 アズナさん、挑発してらっしゃる。
 まあ、そんなのに引っかかりませんよ。僕がしょぼいのは僕が一番知ってますから。

「ふざけるニャ!」
 僕は挑発に乗らなかったけど、シナンさんが乗っかってしまった……。
 木々を蹴って、まるで飛んでるかのような俊敏さで追撃。
 しかし、曲線の飛行移動に、直線の追撃ではどだい追いつけず、逆に、アズナさんに従う鳥人タンガタ・マヌさんが、シナンさんを挟み込んだ。

「ちぃ」
 直接的な戦闘なら得意であろうロウさんも、銃は不得手なようで、外して舌打ち。
 まあ、そう簡単には当たらないですよ。
 でも、シナンさんが危ないのは変わらない。
 基本に忠実、三点でしっかりと固定して――、
「ダァン!」
 当たれと願うように、銃声を口にして撃つと、
「あ、当たった――」
 フラフラと、枝に当たりながら落ちていく。打ち所悪くて、死んでないよね。
 
 ――――よかった。ピクピクしている。

「くそ! やるな人間」

「ひゃ」
 僕に銃口を向けて即座に撃ってきた。
 向いた瞬間には、木の幹に姿を隠す僕の動きたるや、自分の体とは思えないくらいの早さだ。
 
 あの、好戦的な鉄火肌をどうにかしないといかんな。
 
 僕とロウさんで応射。シナンさんが懸命に追いかけてるけど、それを意にも介さない感じ。
 シナンさんの後方を、もう一人の鳥人が追撃しているから、そちらにも牽制しないといけなくて大変です。
 司令所が容易く攻撃を受けるってのも情けないけど、周囲に護衛を配置しない僕もどうかと思うよ。
 まあ、ここが落ちても、ベレー帽の数で勝敗が決まるんだから、問題は無いんだろうけども、やっぱり中央が陥落したら士気下がるよね~。

「ググタムさんいけますか?」

「なんとか」
 若干しびれてるけど、何とか動けるようになったみたいなので、通信で近くの部隊に援軍を求める。
 対応したのはグラント・ブラボー。アクシャイさん達が来ての、挟撃を仕掛けるまでに来てもらえると助かる。
 欲を言えば、それで倒しておきたい。アクシャイさん達には直ぐに前線に戻ってもらいたいし。


「あっ!」
 ダンッ。
 ごめんよ――――。戦いなんだ。
 僕が倒した方が起き上がりそうだったから、二発目を撃った。
 
 敵を狙って、引き金を引く。簡単なお仕事だ。
 相手が、動いていなければだけど。

「てめー!」
 喧嘩っ早い口調で。猛禽の目がこちらを捕捉して、急降下で迫る。
 シナンさんは!?
 そっちに目をやれば、鳥人タンガタ・マヌさんに妨害を受けている。
 ありゃりゃ。
 ならばと、ロウさんと上を向いて銃を撃つけども、口角を上げて左右に大きく動いて躱しつつ、距離を縮めてくる。
 流石に銃を構える事は出来ないみたいだけど、接近されてしまったら、僕には対処なんて出来ない。
 美人の脅威が直ぐそこに! 猛禽類が小動物を鋭い爪で捕獲していく光景が、僕の頭の中で映し出される。

「もらったぞ、人間」
 ロウさんは僕から離れた木の位置で撃っていたから、僕を守ろうとする動き出しが遅れてしまった。
 ググタムさんはまだ銃を構えるまでには、回復出来ていない。

「可愛い顔してるじゃん」
 可愛い顔とか、小さい時以外では、言われた事ないんですけど。美人に言われると、嫌な気はしないけど、出来れば銃口を僕に向けないでいただきたい。
 ――後は引き金を引けば終わりな状況になってしまった。
 ロウさんが狙っているけども、射線に僕が入るような位置取りをアズナさんが取っているから、撃てないでいる。

「じゃあ、もらい」

「なわけがねえ!」
 突如として、僕の前に黒い影が走って、アズナさんが消える。
 顔を横に動かすと、木の幹に押しつけて、アズナさんの動きを封じているのはアクシャイさん。
 間に合った。なんとか助かったようだ。てか、グラント・ブラボーより遠くの距離からだったのに、速いな~。
 他の分隊員は完全に置いてきたみたいだね。分隊行動、大事だけど、今回はその速さに感謝だ。

「くっそ! 龍人ドラゴニュートなら、大人しく炎竜王様か、氷竜王様んとこに行けよな!」

「所属を何処にしようが俺の勝手だ」
 鱗に覆われたぶっとい腕で、アズナさんの細い首を押さえつけている。簡単に折れてしまいそうで、見ててヒヤヒヤものだ。

「アズナ!」
 窮地を目にした鳥人タンガタ・マヌさんが踵を返して救出に動こうとすると、
「隙だらけだニャ」
 木の枝に足を絡めて逆さまの状態から、銃を構えて、逆襲の一発を背中に撃ち込んだ――。
 見事に命中。
 落ちる鳥人さんに狙いを定めて、逆さま状態のまま、木の枝を蹴ってから飛び、青いベレー帽をその手に収めると、回転を一つ加えて地面に着地。

「やったニャ! シャーマン分隊で最初のお手柄ニャ」
 跳ねて喜んでいる。
 
 じゃあ、僕は二番目だけども――。
 二発撃ち込んで、動けなくなっている方からベレー帽を奪った。
 これで、四対四だ。
 
 そして――、
「俺もゲット。お前で五人目だ」
 アクシャイさんが、アズナさんからベレー帽を奪って、これで逆転した。

「くそぉぉぉぉぉぉぉ!」
 森に響き渡るアズナさんの悔しがる声。
 

 
 ――――――。
 
 相手側に動きが見られない。偵察部隊チャーフィー二分隊からも、敵性を捕捉出来ないと報が返ってくる。
 
 強襲が失敗に終わった事で、様子を見ているのだろう。
 
 こちらが奪取数をリードしているから、間違いなく相手はアクションを起こしてくる。なので、更なる警戒を、と、伝えた。
 流石に、本陣を攻められたんだからと、偵察部隊は、襟元を正して、今まで以上に目と耳に神経をすり減らしてくれるようだ。
 
 一つの差でも、大きいな。
 土地勘の無い森で、様子を窺い、動かずに待ちでいれるのと、差を覆すために、動かなければならないぶん、捕捉されやすくなるのでは、危険度が違う。
 前者が有利なのは間違いない。このまま前者でいれるように現状を維持しつつ、差を開いていきたいところ。

「――で、この捉えた方々はどうなるのかな?」
 アズナさん達を縛り上げて、座らせた状態で、木に括りつけている状況。
 うむ、何とも立派に実った物をお持ちで。
 ロープで括っているけども、胸の下で強く括ってるから、余計に豊満な実りが強調されていまする。
 豊作ですな!
 目の保養でありませう。
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