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PHASE-16
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急いで銃を折って、排莢して次弾装填して、照門で照星とアズナって方に交わる位置で捉えてから撃つ。
――美しく躱していくと、こちらを見下ろして、口角を上げて笑っている。
アズナ――さん。名前で統一しよう。
アズナさん、挑発してらっしゃる。
まあ、そんなのに引っかかりませんよ。僕がしょぼいのは僕が一番知ってますから。
「ふざけるニャ!」
僕は挑発に乗らなかったけど、シナンさんが乗っかってしまった……。
木々を蹴って、まるで飛んでるかのような俊敏さで追撃。
しかし、曲線の飛行移動に、直線の追撃ではどだい追いつけず、逆に、アズナさんに従う鳥人さんが、シナンさんを挟み込んだ。
「ちぃ」
直接的な戦闘なら得意であろうロウさんも、銃は不得手なようで、外して舌打ち。
まあ、そう簡単には当たらないですよ。
でも、シナンさんが危ないのは変わらない。
基本に忠実、三点でしっかりと固定して――、
「ダァン!」
当たれと願うように、銃声を口にして撃つと、
「あ、当たった――」
フラフラと、枝に当たりながら落ちていく。打ち所悪くて、死んでないよね。
――――よかった。ピクピクしている。
「くそ! やるな人間」
「ひゃ」
僕に銃口を向けて即座に撃ってきた。
向いた瞬間には、木の幹に姿を隠す僕の動きたるや、自分の体とは思えないくらいの早さだ。
あの、好戦的な鉄火肌をどうにかしないといかんな。
僕とロウさんで応射。シナンさんが懸命に追いかけてるけど、それを意にも介さない感じ。
シナンさんの後方を、もう一人の鳥人が追撃しているから、そちらにも牽制しないといけなくて大変です。
司令所が容易く攻撃を受けるってのも情けないけど、周囲に護衛を配置しない僕もどうかと思うよ。
まあ、ここが落ちても、ベレー帽の数で勝敗が決まるんだから、問題は無いんだろうけども、やっぱり中央が陥落したら士気下がるよね~。
「ググタムさんいけますか?」
「なんとか」
若干しびれてるけど、何とか動けるようになったみたいなので、通信で近くの部隊に援軍を求める。
対応したのはグラント・ブラボー。アクシャイさん達が来ての、挟撃を仕掛けるまでに来てもらえると助かる。
欲を言えば、それで倒しておきたい。アクシャイさん達には直ぐに前線に戻ってもらいたいし。
「あっ!」
ダンッ。
ごめんよ――――。戦いなんだ。
僕が倒した方が起き上がりそうだったから、二発目を撃った。
敵を狙って、引き金を引く。簡単なお仕事だ。
相手が、動いていなければだけど。
「てめー!」
喧嘩っ早い口調で。猛禽の目がこちらを捕捉して、急降下で迫る。
シナンさんは!?
そっちに目をやれば、鳥人さんに妨害を受けている。
ありゃりゃ。
ならばと、ロウさんと上を向いて銃を撃つけども、口角を上げて左右に大きく動いて躱しつつ、距離を縮めてくる。
流石に銃を構える事は出来ないみたいだけど、接近されてしまったら、僕には対処なんて出来ない。
美人の脅威が直ぐそこに! 猛禽類が小動物を鋭い爪で捕獲していく光景が、僕の頭の中で映し出される。
「もらったぞ、人間」
ロウさんは僕から離れた木の位置で撃っていたから、僕を守ろうとする動き出しが遅れてしまった。
ググタムさんはまだ銃を構えるまでには、回復出来ていない。
「可愛い顔してるじゃん」
可愛い顔とか、小さい時以外では、言われた事ないんですけど。美人に言われると、嫌な気はしないけど、出来れば銃口を僕に向けないでいただきたい。
――後は引き金を引けば終わりな状況になってしまった。
ロウさんが狙っているけども、射線に僕が入るような位置取りをアズナさんが取っているから、撃てないでいる。
「じゃあ、もらい」
「なわけがねえ!」
突如として、僕の前に黒い影が走って、アズナさんが消える。
顔を横に動かすと、木の幹に押しつけて、アズナさんの動きを封じているのはアクシャイさん。
間に合った。なんとか助かったようだ。てか、グラント・ブラボーより遠くの距離からだったのに、速いな~。
他の分隊員は完全に置いてきたみたいだね。分隊行動、大事だけど、今回はその速さに感謝だ。
「くっそ! 龍人なら、大人しく炎竜王様か、氷竜王様んとこに行けよな!」
「所属を何処にしようが俺の勝手だ」
鱗に覆われたぶっとい腕で、アズナさんの細い首を押さえつけている。簡単に折れてしまいそうで、見ててヒヤヒヤものだ。
「アズナ!」
窮地を目にした鳥人さんが踵を返して救出に動こうとすると、
「隙だらけだニャ」
木の枝に足を絡めて逆さまの状態から、銃を構えて、逆襲の一発を背中に撃ち込んだ――。
見事に命中。
落ちる鳥人さんに狙いを定めて、逆さま状態のまま、木の枝を蹴ってから飛び、青いベレー帽をその手に収めると、回転を一つ加えて地面に着地。
「やったニャ! シャーマン分隊で最初のお手柄ニャ」
跳ねて喜んでいる。
じゃあ、僕は二番目だけども――。
二発撃ち込んで、動けなくなっている方からベレー帽を奪った。
これで、四対四だ。
そして――、
「俺もゲット。お前で五人目だ」
アクシャイさんが、アズナさんからベレー帽を奪って、これで逆転した。
「くそぉぉぉぉぉぉぉ!」
森に響き渡るアズナさんの悔しがる声。
――――――。
相手側に動きが見られない。偵察部隊二分隊からも、敵性を捕捉出来ないと報が返ってくる。
強襲が失敗に終わった事で、様子を見ているのだろう。
こちらが奪取数をリードしているから、間違いなく相手はアクションを起こしてくる。なので、更なる警戒を、と、伝えた。
流石に、本陣を攻められたんだからと、偵察部隊は、襟元を正して、今まで以上に目と耳に神経をすり減らしてくれるようだ。
一つの差でも、大きいな。
土地勘の無い森で、様子を窺い、動かずに待ちでいれるのと、差を覆すために、動かなければならないぶん、捕捉されやすくなるのでは、危険度が違う。
前者が有利なのは間違いない。このまま前者でいれるように現状を維持しつつ、差を開いていきたいところ。
「――で、この捉えた方々はどうなるのかな?」
アズナさん達を縛り上げて、座らせた状態で、木に括りつけている状況。
うむ、何とも立派に実った物をお持ちで。
ロープで括っているけども、胸の下で強く括ってるから、余計に豊満な実りが強調されていまする。
豊作ですな!
目の保養でありませう。
――美しく躱していくと、こちらを見下ろして、口角を上げて笑っている。
アズナ――さん。名前で統一しよう。
アズナさん、挑発してらっしゃる。
まあ、そんなのに引っかかりませんよ。僕がしょぼいのは僕が一番知ってますから。
「ふざけるニャ!」
僕は挑発に乗らなかったけど、シナンさんが乗っかってしまった……。
木々を蹴って、まるで飛んでるかのような俊敏さで追撃。
しかし、曲線の飛行移動に、直線の追撃ではどだい追いつけず、逆に、アズナさんに従う鳥人さんが、シナンさんを挟み込んだ。
「ちぃ」
直接的な戦闘なら得意であろうロウさんも、銃は不得手なようで、外して舌打ち。
まあ、そう簡単には当たらないですよ。
でも、シナンさんが危ないのは変わらない。
基本に忠実、三点でしっかりと固定して――、
「ダァン!」
当たれと願うように、銃声を口にして撃つと、
「あ、当たった――」
フラフラと、枝に当たりながら落ちていく。打ち所悪くて、死んでないよね。
――――よかった。ピクピクしている。
「くそ! やるな人間」
「ひゃ」
僕に銃口を向けて即座に撃ってきた。
向いた瞬間には、木の幹に姿を隠す僕の動きたるや、自分の体とは思えないくらいの早さだ。
あの、好戦的な鉄火肌をどうにかしないといかんな。
僕とロウさんで応射。シナンさんが懸命に追いかけてるけど、それを意にも介さない感じ。
シナンさんの後方を、もう一人の鳥人が追撃しているから、そちらにも牽制しないといけなくて大変です。
司令所が容易く攻撃を受けるってのも情けないけど、周囲に護衛を配置しない僕もどうかと思うよ。
まあ、ここが落ちても、ベレー帽の数で勝敗が決まるんだから、問題は無いんだろうけども、やっぱり中央が陥落したら士気下がるよね~。
「ググタムさんいけますか?」
「なんとか」
若干しびれてるけど、何とか動けるようになったみたいなので、通信で近くの部隊に援軍を求める。
対応したのはグラント・ブラボー。アクシャイさん達が来ての、挟撃を仕掛けるまでに来てもらえると助かる。
欲を言えば、それで倒しておきたい。アクシャイさん達には直ぐに前線に戻ってもらいたいし。
「あっ!」
ダンッ。
ごめんよ――――。戦いなんだ。
僕が倒した方が起き上がりそうだったから、二発目を撃った。
敵を狙って、引き金を引く。簡単なお仕事だ。
相手が、動いていなければだけど。
「てめー!」
喧嘩っ早い口調で。猛禽の目がこちらを捕捉して、急降下で迫る。
シナンさんは!?
そっちに目をやれば、鳥人さんに妨害を受けている。
ありゃりゃ。
ならばと、ロウさんと上を向いて銃を撃つけども、口角を上げて左右に大きく動いて躱しつつ、距離を縮めてくる。
流石に銃を構える事は出来ないみたいだけど、接近されてしまったら、僕には対処なんて出来ない。
美人の脅威が直ぐそこに! 猛禽類が小動物を鋭い爪で捕獲していく光景が、僕の頭の中で映し出される。
「もらったぞ、人間」
ロウさんは僕から離れた木の位置で撃っていたから、僕を守ろうとする動き出しが遅れてしまった。
ググタムさんはまだ銃を構えるまでには、回復出来ていない。
「可愛い顔してるじゃん」
可愛い顔とか、小さい時以外では、言われた事ないんですけど。美人に言われると、嫌な気はしないけど、出来れば銃口を僕に向けないでいただきたい。
――後は引き金を引けば終わりな状況になってしまった。
ロウさんが狙っているけども、射線に僕が入るような位置取りをアズナさんが取っているから、撃てないでいる。
「じゃあ、もらい」
「なわけがねえ!」
突如として、僕の前に黒い影が走って、アズナさんが消える。
顔を横に動かすと、木の幹に押しつけて、アズナさんの動きを封じているのはアクシャイさん。
間に合った。なんとか助かったようだ。てか、グラント・ブラボーより遠くの距離からだったのに、速いな~。
他の分隊員は完全に置いてきたみたいだね。分隊行動、大事だけど、今回はその速さに感謝だ。
「くっそ! 龍人なら、大人しく炎竜王様か、氷竜王様んとこに行けよな!」
「所属を何処にしようが俺の勝手だ」
鱗に覆われたぶっとい腕で、アズナさんの細い首を押さえつけている。簡単に折れてしまいそうで、見ててヒヤヒヤものだ。
「アズナ!」
窮地を目にした鳥人さんが踵を返して救出に動こうとすると、
「隙だらけだニャ」
木の枝に足を絡めて逆さまの状態から、銃を構えて、逆襲の一発を背中に撃ち込んだ――。
見事に命中。
落ちる鳥人さんに狙いを定めて、逆さま状態のまま、木の枝を蹴ってから飛び、青いベレー帽をその手に収めると、回転を一つ加えて地面に着地。
「やったニャ! シャーマン分隊で最初のお手柄ニャ」
跳ねて喜んでいる。
じゃあ、僕は二番目だけども――。
二発撃ち込んで、動けなくなっている方からベレー帽を奪った。
これで、四対四だ。
そして――、
「俺もゲット。お前で五人目だ」
アクシャイさんが、アズナさんからベレー帽を奪って、これで逆転した。
「くそぉぉぉぉぉぉぉ!」
森に響き渡るアズナさんの悔しがる声。
――――――。
相手側に動きが見られない。偵察部隊二分隊からも、敵性を捕捉出来ないと報が返ってくる。
強襲が失敗に終わった事で、様子を見ているのだろう。
こちらが奪取数をリードしているから、間違いなく相手はアクションを起こしてくる。なので、更なる警戒を、と、伝えた。
流石に、本陣を攻められたんだからと、偵察部隊は、襟元を正して、今まで以上に目と耳に神経をすり減らしてくれるようだ。
一つの差でも、大きいな。
土地勘の無い森で、様子を窺い、動かずに待ちでいれるのと、差を覆すために、動かなければならないぶん、捕捉されやすくなるのでは、危険度が違う。
前者が有利なのは間違いない。このまま前者でいれるように現状を維持しつつ、差を開いていきたいところ。
「――で、この捉えた方々はどうなるのかな?」
アズナさん達を縛り上げて、座らせた状態で、木に括りつけている状況。
うむ、何とも立派に実った物をお持ちで。
ロープで括っているけども、胸の下で強く括ってるから、余計に豊満な実りが強調されていまする。
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