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公務員が発掘冒険とか……
PHASE-05
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さあ、休日終了! 仕事だ! くそったれ! 未だに体が追っつかないぜ……。
体を百八十度回頭したくてたまらない。
「ん?」
目抜き通りへと続く角に佇む美しき銀色の髪。
朝から仕事に励むために忙しく足を動かす男性陣の足がそこで止まる。
さながら誘蛾灯に集まる羽虫の如し。
「あっ」
僕を見て声が漏れてから、目と目が合う。
「おはようございます。ロールさん」
「おはよう」
もしかしてだけど、これ、僕の事を待ってたんじゃないの?
「待っててくれたりしましてた?」
率直に聞いてみる。
「うん。ちょっと今日は部屋を出るのが遅くなったから、このくらいだとピート君と時間が合うかなあと思って、ちょっとだけ待ってた」
いやもう、その行動。恋人のやり取りじゃないですかやだ~。
仕事に行くのが億劫だったのに、俄然やる気が漲ってきましたよ。
バリバリと働いて、出世して、庶民街でもいいからそこそこな土地に一戸建てを手に入れて、ロールさんとの明るい家族計画を――――――――、
「別世界から帰ってきてほしいんだけど……」
へへ……。
僕とロールさん。長女五歳、長男三歳のあったか家族のところまでトリップしてたぜ。
待っててくれるって嬉しいな~。こんなの毎日ほしいイベントだよ。
でも、どうしよう。貴族になって一夫多妻ってのを諦めるとなると、サージャスさんや、シナンさんにアズナさんが寂しがるしな~。
――……なんて痛い発想なのだろうか。
完全に残念なナルシストが、ここにいた――。
ほら、かまってられないとばかりに、ロールさんが歩き出してるじゃないか。
なので、後を追う。
先ほどまで誘蛾灯に集まった羽虫役の男性陣から、僕の耳朶に羽音ではなく、舌打ちが届けられてくる。
それに対して何とも思っていない僕のメンタル。
ロールさんと通勤というイベントで、テンションはすこぶる高い。
追いついて横を歩く。
「昨日、違令管理課のゲイアードさんと話したんですけど――――」
ラゴットのことを語ると、ロールさんも耳にしていたようで、納得はいっていないみたいだけど、これ以上はと、諦めてくれてるみたい。
危険な橋を渡るのもよくないから、ここらで詮索もやめるべきだね。
「でも、私もまだまだだね」
仕事に追われて外の情報に、目と耳を向けられず、情報を得るのが遅れてしまったことが恥ずかしいと考えてるみたい。
まあ、帰って直ぐに、周囲から頼られるから、それに没入しないといけなかったわけですからね。
その間、僕は、ロールさんに比べたら暇な存在でしたし。
少しでも、ロールさんの仕事量が軽減するように、僕自身もスキル向上の努力をしないとね。
――――。
「お~い。ピート」
「なんすか?」
「これやっとけ」
「はい!」
「お、おう……。いい返事だな。普段からそうだと、おじさんのポイントも上がるってもんだぞ」
別におっさんのポイントをゲットしても嬉しくないよ。
どうせポイント特典も大したものじゃないだろうし。
で、どんな内容だい?
――――ふむん。大地系の魔石の発注の為の、第四保管庫の在庫チェックと、使用数と保管庫内の消費数が釣り合っているかの確認か――――、
「え~」
何これ? 間違ってない? やい、整備長!
面倒くさいけど、おっさんの席まで移動。
「使用した数、多くないですか?」
「多いよ。需要があるから仕方ないだろ」
何を淡々と。需要があったら困るよ。それだけ、大地が荒れてるって事だからね。
「じゃあ、この数字で間違いないんですね」
「俺がそんなミスする男に見えるのか? お前には」
「チェックに丸一日を要してしまうくらいに」
「ハッハッハ――――子孫繁栄出来ないようにしてやろうか?」
やれるもんならやってみな。
まあ、まだコイツには頑張ってもらわないといけないから、リスクは避けておくか。
このおっさん股間ばっかり殴ってくるからな。
「とにかく、よろしく~。じゃあ、外回りに行ってくら」
若者が頑張ってるのに、ふてぇ野郎だ。
外回りにかこつけて、どうせ王都周辺をプラプラしてから木陰で居眠りだろ。
寝てるところをモンスターに襲われればいいのに……。
全く。帰って来てからは、機嫌も直ったけど、こういう所は直らないんだな。
きっと、レオニアさんに慰めてもらったんだろう。
お金の力で――――。
体を百八十度回頭したくてたまらない。
「ん?」
目抜き通りへと続く角に佇む美しき銀色の髪。
朝から仕事に励むために忙しく足を動かす男性陣の足がそこで止まる。
さながら誘蛾灯に集まる羽虫の如し。
「あっ」
僕を見て声が漏れてから、目と目が合う。
「おはようございます。ロールさん」
「おはよう」
もしかしてだけど、これ、僕の事を待ってたんじゃないの?
「待っててくれたりしましてた?」
率直に聞いてみる。
「うん。ちょっと今日は部屋を出るのが遅くなったから、このくらいだとピート君と時間が合うかなあと思って、ちょっとだけ待ってた」
いやもう、その行動。恋人のやり取りじゃないですかやだ~。
仕事に行くのが億劫だったのに、俄然やる気が漲ってきましたよ。
バリバリと働いて、出世して、庶民街でもいいからそこそこな土地に一戸建てを手に入れて、ロールさんとの明るい家族計画を――――――――、
「別世界から帰ってきてほしいんだけど……」
へへ……。
僕とロールさん。長女五歳、長男三歳のあったか家族のところまでトリップしてたぜ。
待っててくれるって嬉しいな~。こんなの毎日ほしいイベントだよ。
でも、どうしよう。貴族になって一夫多妻ってのを諦めるとなると、サージャスさんや、シナンさんにアズナさんが寂しがるしな~。
――……なんて痛い発想なのだろうか。
完全に残念なナルシストが、ここにいた――。
ほら、かまってられないとばかりに、ロールさんが歩き出してるじゃないか。
なので、後を追う。
先ほどまで誘蛾灯に集まった羽虫役の男性陣から、僕の耳朶に羽音ではなく、舌打ちが届けられてくる。
それに対して何とも思っていない僕のメンタル。
ロールさんと通勤というイベントで、テンションはすこぶる高い。
追いついて横を歩く。
「昨日、違令管理課のゲイアードさんと話したんですけど――――」
ラゴットのことを語ると、ロールさんも耳にしていたようで、納得はいっていないみたいだけど、これ以上はと、諦めてくれてるみたい。
危険な橋を渡るのもよくないから、ここらで詮索もやめるべきだね。
「でも、私もまだまだだね」
仕事に追われて外の情報に、目と耳を向けられず、情報を得るのが遅れてしまったことが恥ずかしいと考えてるみたい。
まあ、帰って直ぐに、周囲から頼られるから、それに没入しないといけなかったわけですからね。
その間、僕は、ロールさんに比べたら暇な存在でしたし。
少しでも、ロールさんの仕事量が軽減するように、僕自身もスキル向上の努力をしないとね。
――――。
「お~い。ピート」
「なんすか?」
「これやっとけ」
「はい!」
「お、おう……。いい返事だな。普段からそうだと、おじさんのポイントも上がるってもんだぞ」
別におっさんのポイントをゲットしても嬉しくないよ。
どうせポイント特典も大したものじゃないだろうし。
で、どんな内容だい?
――――ふむん。大地系の魔石の発注の為の、第四保管庫の在庫チェックと、使用数と保管庫内の消費数が釣り合っているかの確認か――――、
「え~」
何これ? 間違ってない? やい、整備長!
面倒くさいけど、おっさんの席まで移動。
「使用した数、多くないですか?」
「多いよ。需要があるから仕方ないだろ」
何を淡々と。需要があったら困るよ。それだけ、大地が荒れてるって事だからね。
「じゃあ、この数字で間違いないんですね」
「俺がそんなミスする男に見えるのか? お前には」
「チェックに丸一日を要してしまうくらいに」
「ハッハッハ――――子孫繁栄出来ないようにしてやろうか?」
やれるもんならやってみな。
まあ、まだコイツには頑張ってもらわないといけないから、リスクは避けておくか。
このおっさん股間ばっかり殴ってくるからな。
「とにかく、よろしく~。じゃあ、外回りに行ってくら」
若者が頑張ってるのに、ふてぇ野郎だ。
外回りにかこつけて、どうせ王都周辺をプラプラしてから木陰で居眠りだろ。
寝てるところをモンスターに襲われればいいのに……。
全く。帰って来てからは、機嫌も直ったけど、こういう所は直らないんだな。
きっと、レオニアさんに慰めてもらったんだろう。
お金の力で――――。
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