拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

文字の大きさ
251 / 604
公務員が発掘冒険とか……

PHASE-11

しおりを挟む
 ゲイアードさんの時よりも、ネチネチにネットリ感も加わって、まあしつこい。
 男爵様に対しての反論に、ご子息様には隙あらば暴力をと、無い事もさもあったかのように言うんだもの。
 こうやって冤罪が生まれるんだなと、考えさせられるよ。
 
 そして、王都とワギョウで名をはせたサージャスさんとは特別な間柄となっているようだ。
 よし! ここだけは広めろ。上手い具合に広めろ。
 そう願うように、床を見ていた体を思いっ切り起こした。
 
 ――。
 
 でも、内容がいただけなかった……。
 どうやら僕は、困窮の女勇者に装備を与える事で、その女勇者――――すなわち、サージャスさんを手込めにしている公私混同が大好きな、悪漢というポジションのようだ。
 でもって、そんなサージャスさんと逢瀬を重ねては、ワッショイワッショイな好色色魔な存在となっている。
 まったく冗談じゃない! トリップでしかそんな経験ないよ。
 女性の裸をちゃんと見たのは、キドさんとちびっ子のとこで、お風呂入った時におこった僥倖ハプニングで拝んだ、ロールさんのおっぱい様だけだよ。
 おっぱい様の部分は、僕の脳裏にばっちり焼き付けてる。
 お世話ふふんにもなっている。
 
 にしても、先の二人に比べて当たりが強すぎる。
 相当に子爵様の悋気に触れているのか、このおっさんが、作られた色魔設定の僕の事が羨ましくて嫉妬しているからなのか――――。
 おっさんはともかく、子爵様の考えは、まあ分からんでもないよ。
 偉大なる爵位を持つ貴族様に対して、公務員一年生が生意気な態度をとったら、貴族様の矜持を汚されたと思っちゃうんだろうから。
 でもって、高価な装備を所有しているのも許せないんだろう。
 平民風情に舐められたら終わりとばかりに罵ってくる。
 といっても、いま僕に口を開いているのは、貴族でもないノムロのおっさんなんだけどね……。
 代弁としても、もう少し人を選んでほしかった。
 どうやら子爵様の所は、壊滅的に人材が困窮しているようだ。

「これ以上、追い込むと、貴様は大公様に泣いて縋るかもしれん」
 まあ、命の危機に瀕したら、貴男の言うように縋るかもしれません。
 あの方の場合、縋ったら縋ったで、それを蹴って払いのけるだろうけど……。

「大公様の威光があろうとも、この責は課すぞ」
 悪い顔だよ。悪魔が宿っているかのような口角の上がり方だ。
 悪魔といっても下っ端のヤツが憑依してるって感じだけども。まだまだうちの整備長にはおよばないな。
 ノムロのおっさん完全に小悪党ポジションだよ。
 責を予防線にして、大公様を封じようとしているところが小っさいよ。
 僕たちは公務員ですよ。上からズバンと言い切れば従ってしまうんだから、わざわざ大公様の事を口にしなくていいのに。

「その責とは?」
 僕が一番、当たりも強い。
 なので、他の二人の心証が悪くならないように、僕が矢面に立って質問。
 どうせ、小悪党タイプだ。僕に対しての心証に上方修正は見込めない。出来るだけ僕が受け止めようじゃないか。
 免職か? それはそれで、困るけども……。
 もし、免職となるなら、近場だと、カグラさんとこで雑用として雇ってもらえないかな~。
 そうなれば、バンバン王都の内情をリークする所存。

「霊山は分かるな」
 何だよ。僕の思考でも読めるのか? カグラさんの事を考えてたら、カグラさんが住まう霊山であるケルプト山の話だ。

「はい、分かります」

「最近、その付近で発見された物がある」
 鬱陶しい……。おっさんが僕の間合いに入ってくる。
 むさいよ! この距離に入ってこれるのは心を許した方か、美人様だけだよ。

「その発見された物とはなんでしょう」
 先ほどまでは謝罪で頭を下げてたけど、今はおっさんから少しでも離れたいから、弓なりに反ってる状態。
 この所作が、まるで自分に恐れおののいていると感じたのか、ノムロのおっさんは愉悦に浸っているよ。本当に小悪党だな。
 こんなんでニヤリと笑えるなんて――――。
 しょっぱい人だ……。

「発見されたのは、古龍の化石だ」

「はあ」
 それがどうした? と、返したかったけど、グッと堪える。
 僕の前をコツコツと、わざとらしく足音をたてて、右へ左へと往復。

「子爵様は、その化石を欲しておられる」
「はあ」
「発見された化石は、古龍の全体骨格という話でな。これをコレクションに絶対に加えたいそうだ」
「それならば、依頼をお出しになられるといいでしょう」
 まっとうな返しをしてみる。
 そもそもが、僕たちに言うような内容ではない。
 僕たちに有能な人材を紹介してほしいのか、もしくは選出でもしろと言いたいのだろうか?
 それなら、話の内容にも得心がいくけどさ。
しおりを挟む
感想 27

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

処理中です...