307 / 604
ウィザースプーン、ヴィン海域に行ったてよ
PHASE-09
しおりを挟む
「やっぱり驚くよね」
と、ザンデさん。
「そりゃそうですよ。こんなにタリスマンを見るのは王都の街商でもないですよ」
地面に置かれた木箱に朝日が当たり、光を反射するタリスマンがあちこちで美しく輝いている。
幻想的な光景だ。
「実を言うと、これタリスマンじゃないんだよね」
「へ?」
タリスマンじゃない。――――てことは、これがゲイアードさんが言っていた噂の粗悪品。
「エクスペンダブルズってやつですか?」
「流石は博学な王都整備局勤務」
お褒めいただき、ありがとうございます。
コレか、コレがエクスペンダブルズか。
王都のお祭りで売られてたのはタリスマンとして見てたから実感なかったけど、エクスペンダブルズと理解して目にすれば――――、なるほど、これは分からん。
どこからどう見てもタリスマンだよ。これは商人の方でも、良質の善し悪しを見極めるのは難しいだろうね。
ザンデさんが言うには、最近はこれが人気の使い捨てアイテムだそうだ。
その事もゲイアードさんは言っていた。
意外だ、装備からして、本物志向主義と思われるここの方々にも人気があるとはね。
「最初は半信半疑だったんだけどね」
「だったとは?」
興味を持った数人が使用していたのを目にしてから、人気に火が付いたそうだ。
通常クラスの魔法が、これを使用したら、三倍ほどの威力に跳ね上がり、加えてタリスマンも併用したら、大魔法一歩手前の威力の魔法を、詠唱もしないで唱えられる。
この新感覚が、ガチ勢の方々には刺激的だったみたいだ。
ここで戦う方々は、外の世界を俗世だと考えてそうだから、外の情報には無頓着だろうし、ポズンの村でそんな話を聞いても、俗世だからと興味を持たなそうなんだけどな。
銃を見せた時も、こんなのが今は流通してるのか。とか、的外れな事も言ってたから、外の世界には目を向けてないのが分かるもの。
どうやって流行ったのやら――――。
「ラゴットの商人がね――――」
「でたよ!」
おっと、いかんいかん。つい声に出してしまった。話を中断させて申し訳ないです。〝あ、どうぞ〟と、続けてもらう。
僕たちがワギョウに行った時期に、大陸全土にラゴットの商人が足を運んでいた。
謝罪行脚だな。これも話で聞いている。
で、行脚は、このヴィン海域も例に漏れずだったそうだ。
訪れた理由は、もちろん粗悪品を販売してしまった事への謝罪。だが、正直ここの方々は自前のタリスマンを所持していた事と、外の世界に興味がなかった事から、購入者はいなかったそうなんだけども、商人さんは、では――、ものは試しにと、消費アイテムとして名を変えたエクスペンダブルズを無償で提供したそうだ。
先ほど説明してもらった、半信半疑だったけども、只であった事から、遊び半分で使用してみたら、タリスマンのような安定した魔力増幅能力はないものの、エクスペンダブルズ内部の魔力が暴走分裂し、内部で抑えきれないぐらいの魔力粒子が結合する事で、安定したタリスマンとは違って、爆発的な威力に変わる事が使用者にとって面白かったみたいで、それからというもの、このヴィン海域でもトレンドになったそうだ。
「詠唱無し。しかも通常魔法だから消費魔力も少ないのに大魔法に近い威力が唱えられる。これによって継戦力も向上。利便性のよさに、虜になってるよ」
ガチ勢の方々は、財力にものをいわせて、大量のエクスペンダブルズをポズンの村まで運んでもらっているらしい。
ラゴットにとっては上客であるから、他よりも安く大量に販売しているそうだ。
ザンデさんもお気に入りとばかりに、掌で転がしながら、僕にここでのエクスペンダブルズ人気の経緯を教えてくれた。
毎日、戦いに身を投じる方々だ、あって困るものでもないから、大量買いも頷けるよ。
――。
「よし、注文していた各種アイテムも各々の手に渡ったな。いいか、絶対にRを攻略だ」
皆さんより一段高い岩の上に立って、目立つ装備が、朝日で反射して更に目立っている存在であるナイゼルさんが、戦闘前に皆さんを鼓舞している。
「「「「ypaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!」」」」
――――なんて?
「Rもだが、第一目標は、毎度毎度、俺たちの前に立ちふさがる、最古参位、水魔龍ドレッドノートをどうにかせんとな」
ナイゼルさんの鼓舞を最前線で受ける方が発言。
あのでっかいドラゴンのことだろう。
ドレッドノートか……。畏れを知らず、暴れ回るって感じだな。
実際、巨大な体で暴れ回ってたけどね……。
よかった、あの時の攻撃が僕の所に来ないで――――、本当によかった。
と、ザンデさん。
「そりゃそうですよ。こんなにタリスマンを見るのは王都の街商でもないですよ」
地面に置かれた木箱に朝日が当たり、光を反射するタリスマンがあちこちで美しく輝いている。
幻想的な光景だ。
「実を言うと、これタリスマンじゃないんだよね」
「へ?」
タリスマンじゃない。――――てことは、これがゲイアードさんが言っていた噂の粗悪品。
「エクスペンダブルズってやつですか?」
「流石は博学な王都整備局勤務」
お褒めいただき、ありがとうございます。
コレか、コレがエクスペンダブルズか。
王都のお祭りで売られてたのはタリスマンとして見てたから実感なかったけど、エクスペンダブルズと理解して目にすれば――――、なるほど、これは分からん。
どこからどう見てもタリスマンだよ。これは商人の方でも、良質の善し悪しを見極めるのは難しいだろうね。
ザンデさんが言うには、最近はこれが人気の使い捨てアイテムだそうだ。
その事もゲイアードさんは言っていた。
意外だ、装備からして、本物志向主義と思われるここの方々にも人気があるとはね。
「最初は半信半疑だったんだけどね」
「だったとは?」
興味を持った数人が使用していたのを目にしてから、人気に火が付いたそうだ。
通常クラスの魔法が、これを使用したら、三倍ほどの威力に跳ね上がり、加えてタリスマンも併用したら、大魔法一歩手前の威力の魔法を、詠唱もしないで唱えられる。
この新感覚が、ガチ勢の方々には刺激的だったみたいだ。
ここで戦う方々は、外の世界を俗世だと考えてそうだから、外の情報には無頓着だろうし、ポズンの村でそんな話を聞いても、俗世だからと興味を持たなそうなんだけどな。
銃を見せた時も、こんなのが今は流通してるのか。とか、的外れな事も言ってたから、外の世界には目を向けてないのが分かるもの。
どうやって流行ったのやら――――。
「ラゴットの商人がね――――」
「でたよ!」
おっと、いかんいかん。つい声に出してしまった。話を中断させて申し訳ないです。〝あ、どうぞ〟と、続けてもらう。
僕たちがワギョウに行った時期に、大陸全土にラゴットの商人が足を運んでいた。
謝罪行脚だな。これも話で聞いている。
で、行脚は、このヴィン海域も例に漏れずだったそうだ。
訪れた理由は、もちろん粗悪品を販売してしまった事への謝罪。だが、正直ここの方々は自前のタリスマンを所持していた事と、外の世界に興味がなかった事から、購入者はいなかったそうなんだけども、商人さんは、では――、ものは試しにと、消費アイテムとして名を変えたエクスペンダブルズを無償で提供したそうだ。
先ほど説明してもらった、半信半疑だったけども、只であった事から、遊び半分で使用してみたら、タリスマンのような安定した魔力増幅能力はないものの、エクスペンダブルズ内部の魔力が暴走分裂し、内部で抑えきれないぐらいの魔力粒子が結合する事で、安定したタリスマンとは違って、爆発的な威力に変わる事が使用者にとって面白かったみたいで、それからというもの、このヴィン海域でもトレンドになったそうだ。
「詠唱無し。しかも通常魔法だから消費魔力も少ないのに大魔法に近い威力が唱えられる。これによって継戦力も向上。利便性のよさに、虜になってるよ」
ガチ勢の方々は、財力にものをいわせて、大量のエクスペンダブルズをポズンの村まで運んでもらっているらしい。
ラゴットにとっては上客であるから、他よりも安く大量に販売しているそうだ。
ザンデさんもお気に入りとばかりに、掌で転がしながら、僕にここでのエクスペンダブルズ人気の経緯を教えてくれた。
毎日、戦いに身を投じる方々だ、あって困るものでもないから、大量買いも頷けるよ。
――。
「よし、注文していた各種アイテムも各々の手に渡ったな。いいか、絶対にRを攻略だ」
皆さんより一段高い岩の上に立って、目立つ装備が、朝日で反射して更に目立っている存在であるナイゼルさんが、戦闘前に皆さんを鼓舞している。
「「「「ypaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!」」」」
――――なんて?
「Rもだが、第一目標は、毎度毎度、俺たちの前に立ちふさがる、最古参位、水魔龍ドレッドノートをどうにかせんとな」
ナイゼルさんの鼓舞を最前線で受ける方が発言。
あのでっかいドラゴンのことだろう。
ドレッドノートか……。畏れを知らず、暴れ回るって感じだな。
実際、巨大な体で暴れ回ってたけどね……。
よかった、あの時の攻撃が僕の所に来ないで――――、本当によかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる