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王都潜入
PHASE-10
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「ボーイ。魔弾が使えない以上、下がっとけ」
と、言いつつ、頼りになる愛玩生物が亡者に向かって息を吐く。
地面を凍結させるものより強力なブレス――――。
こちらに迫ってきた亡者をカチコチだ。
「ふん!」
いただくとばかりに、固まった亡者を強靱な爪で切り裂くジャジャイさん。
獅子のしなやかさと、強烈な力によって、氷は粉々。中に閉じ込められた亡者は霧散。
物理攻撃だけども、凍らせると倒せるのか? と、手をみれば、青白い光を纏っている。
更に後列の亡者が迫れば、アクシャイさんがシュパーブ君に負けじと、真逆の息を吹きかける。
範囲も広く、直接あたってなくても、熱いと感じる熱が体に伝わってくる。
接近を許しても、手に青白い光を纏わせた拳を百人長が亡者に打ち込む。
拳打は、空気の壁を打ち砕きそうなもの。視覚に直接つたえてくる迫力だ。
ジャジャイさんもそうだったし、百人長もそう。ロウさん達の上役だもの。出来て当然なんだな。手にチャクラを纏って戦うのを当たり前にこなしている。
近づく亡者をばったばったと霧散させていく。
百人長の一撃が破壊力抜群のスレッジハンマーなら、ジャジャイさんのは、そこらの利器では太刀打ち出来ない鋭利な刃物だ。
「流石は元ガチ勢だ」
感心するシュパーブ君。
そうだった――――。忘れてたよ。この方々も元はガチ勢だったな。
ゲンジ砂漠はヴィン海域同様に、以前は大魔法が使い放題。
そんな中で戦い続けてたんだ。強くて当然なんだよな。
「つえ~。けどまあ、こっちは千体いるからな。いずれは押し切る。そっちは三十くらいだし。魔法も使えねえし」
「なら――――」
のほほんと構えていたところに、ドレークさんが斧の側面を使ってグリーを襲う。
かろうじて躱してるってのは、顔に伝う冷や汗で理解できた。
壁が大きく抉れる。当たってれば一撃で失神だな。
「――元を断てばいいだけだよな」
「調子に乗るなよ! ハゲ!」
「剃ってんだよ! 垂れ目!」
咄嗟の反撃は火球。
大きさは通常サイズよりやや大きいといったところ。
基本魔法の威力で術者の実力は分かるもの。
やっぱりこいつは、サージャスさんとパーティーを組めるほどの実力はないな。
ドレークさん。魔法は使えずともこの程度ならと、容易く斧で打ち消した。
「お前、それでも元サージャスのパーティーかよ。いくら何でも手応えがないぞ」
「なめんなよ」
「いや、正論だろう」
同調するレンショウが、棍にてドレークさんの動きを制する。
側面からの早い突きを身をよじって避けると、そのままグリーと距離をとる。
「巨躯であるのにしなやかな動きだ」
「おい、正論って何だよ」
「言ったとおりだ」
グリーへすげなく返し、ドレークさんを攻め立てる。
数合の打ち合い。
徐々にだけど、ドレークさんが押されてきている。グリーとちがって、レンショウってやつは強いな。
「やろう!」
劣勢を打破しようと、大きく振り上げるドレークさん。
一撃に全身全霊をかけるといったところ。
振り下ろすと同時に、レンショウの後方をとる。大振りはフェイントだったようだ。
「見え透いている」
「ぐ……」
背を向けたまま棍を背後に向かって突く。ドレークさんの胸部に直撃。
胸当で守られたようだけど、ダメージを受けたのか、膝を突く。
ワギョウでムツ氏との激闘を目にしているだけあって、こうやって簡単に膝を突く姿に驚いてしまった。
「先にも述べたが、巨躯であるのにいい動きだ」
「どうも」
「で、どうだ? 鋭さはあっても、重くない一撃の威力は?」
「根に持つタイプだな」
「小心者でね。話を戻すが、その敏捷さ、本来ならこの上をいく高速戦が出来るんだろう? 疾風脚などを使われていれば、こちらは苦戦していたな」
「残念。魔法は使えねえんだ。で、いま正に使えればと痛感している」
「そうか――――まあどのみちここでは使えない。俺たち以外は。炎熱蜷局」
ドレークさんの体に、地面から発生した、大縄状の炎が巻き付く。
「あちぃぃぃぃぃぃぃ!」
焼かれる体から苦痛の声が上がる。
「いいざまだぜ」
自分もとばかりに、動きを封じられたドレークさんに対して、グリーがワンドを向ける。
阻害しようと僕が銃口を向けた時、ザイオン氏がワンドに向かって飛びかかり、ムツ氏がドレークさんを拘束する炎の大綱を鞘から走らせた刀で両断。
「良い刀だ」
「最上業物だ」
「倒してからいただく」
「それは無理な相談だな」
レンショウの前に立ちふさがるムツ氏。
「すまねえ」
と、礼を述べるドレークさん。
「先ほどは、鋭い突きであっても、重さがない一撃より守っていただきましたからね」
さらっと、レンショウに対して毒を吐くムツ氏。
反対側では、
「卑怯な戦い方だね!」
「効率の良い戦い方なんだよ。小麦色の子猫ちゃん」
「気持ち悪い! エロい垂れ目め!」
ブンディ・ダガーでグリーに攻撃を打ち込んでいくザイオン氏。
と、言いつつ、頼りになる愛玩生物が亡者に向かって息を吐く。
地面を凍結させるものより強力なブレス――――。
こちらに迫ってきた亡者をカチコチだ。
「ふん!」
いただくとばかりに、固まった亡者を強靱な爪で切り裂くジャジャイさん。
獅子のしなやかさと、強烈な力によって、氷は粉々。中に閉じ込められた亡者は霧散。
物理攻撃だけども、凍らせると倒せるのか? と、手をみれば、青白い光を纏っている。
更に後列の亡者が迫れば、アクシャイさんがシュパーブ君に負けじと、真逆の息を吹きかける。
範囲も広く、直接あたってなくても、熱いと感じる熱が体に伝わってくる。
接近を許しても、手に青白い光を纏わせた拳を百人長が亡者に打ち込む。
拳打は、空気の壁を打ち砕きそうなもの。視覚に直接つたえてくる迫力だ。
ジャジャイさんもそうだったし、百人長もそう。ロウさん達の上役だもの。出来て当然なんだな。手にチャクラを纏って戦うのを当たり前にこなしている。
近づく亡者をばったばったと霧散させていく。
百人長の一撃が破壊力抜群のスレッジハンマーなら、ジャジャイさんのは、そこらの利器では太刀打ち出来ない鋭利な刃物だ。
「流石は元ガチ勢だ」
感心するシュパーブ君。
そうだった――――。忘れてたよ。この方々も元はガチ勢だったな。
ゲンジ砂漠はヴィン海域同様に、以前は大魔法が使い放題。
そんな中で戦い続けてたんだ。強くて当然なんだよな。
「つえ~。けどまあ、こっちは千体いるからな。いずれは押し切る。そっちは三十くらいだし。魔法も使えねえし」
「なら――――」
のほほんと構えていたところに、ドレークさんが斧の側面を使ってグリーを襲う。
かろうじて躱してるってのは、顔に伝う冷や汗で理解できた。
壁が大きく抉れる。当たってれば一撃で失神だな。
「――元を断てばいいだけだよな」
「調子に乗るなよ! ハゲ!」
「剃ってんだよ! 垂れ目!」
咄嗟の反撃は火球。
大きさは通常サイズよりやや大きいといったところ。
基本魔法の威力で術者の実力は分かるもの。
やっぱりこいつは、サージャスさんとパーティーを組めるほどの実力はないな。
ドレークさん。魔法は使えずともこの程度ならと、容易く斧で打ち消した。
「お前、それでも元サージャスのパーティーかよ。いくら何でも手応えがないぞ」
「なめんなよ」
「いや、正論だろう」
同調するレンショウが、棍にてドレークさんの動きを制する。
側面からの早い突きを身をよじって避けると、そのままグリーと距離をとる。
「巨躯であるのにしなやかな動きだ」
「おい、正論って何だよ」
「言ったとおりだ」
グリーへすげなく返し、ドレークさんを攻め立てる。
数合の打ち合い。
徐々にだけど、ドレークさんが押されてきている。グリーとちがって、レンショウってやつは強いな。
「やろう!」
劣勢を打破しようと、大きく振り上げるドレークさん。
一撃に全身全霊をかけるといったところ。
振り下ろすと同時に、レンショウの後方をとる。大振りはフェイントだったようだ。
「見え透いている」
「ぐ……」
背を向けたまま棍を背後に向かって突く。ドレークさんの胸部に直撃。
胸当で守られたようだけど、ダメージを受けたのか、膝を突く。
ワギョウでムツ氏との激闘を目にしているだけあって、こうやって簡単に膝を突く姿に驚いてしまった。
「先にも述べたが、巨躯であるのにいい動きだ」
「どうも」
「で、どうだ? 鋭さはあっても、重くない一撃の威力は?」
「根に持つタイプだな」
「小心者でね。話を戻すが、その敏捷さ、本来ならこの上をいく高速戦が出来るんだろう? 疾風脚などを使われていれば、こちらは苦戦していたな」
「残念。魔法は使えねえんだ。で、いま正に使えればと痛感している」
「そうか――――まあどのみちここでは使えない。俺たち以外は。炎熱蜷局」
ドレークさんの体に、地面から発生した、大縄状の炎が巻き付く。
「あちぃぃぃぃぃぃぃ!」
焼かれる体から苦痛の声が上がる。
「いいざまだぜ」
自分もとばかりに、動きを封じられたドレークさんに対して、グリーがワンドを向ける。
阻害しようと僕が銃口を向けた時、ザイオン氏がワンドに向かって飛びかかり、ムツ氏がドレークさんを拘束する炎の大綱を鞘から走らせた刀で両断。
「良い刀だ」
「最上業物だ」
「倒してからいただく」
「それは無理な相談だな」
レンショウの前に立ちふさがるムツ氏。
「すまねえ」
と、礼を述べるドレークさん。
「先ほどは、鋭い突きであっても、重さがない一撃より守っていただきましたからね」
さらっと、レンショウに対して毒を吐くムツ氏。
反対側では、
「卑怯な戦い方だね!」
「効率の良い戦い方なんだよ。小麦色の子猫ちゃん」
「気持ち悪い! エロい垂れ目め!」
ブンディ・ダガーでグリーに攻撃を打ち込んでいくザイオン氏。
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