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王都潜入
PHASE-21
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「勝てん。強すぎる。報を優先する。金にはなる」
合理主義は、これ以上は損しか無いと考えているようだ。
敵の情報を上へと伝えるだけでも利益は発生するようで、それを優先するようだ。
納得がいかないのは、歯を失ったグリー。
でも、とっておきだったオーガが、そこそこ簡単に倒された事もあり、このまま戦い続けても勝てる見込みはない。
悔しくて歯を軋らせている。
歯が抜けているから、食いしばると目立って、見てるこっちは笑ってしまうけどね。
それが更に怒りを与える事になったのか、
「せいぜいこの王都で活躍しな。まあどのみち、王城跡まで来たら、そこがお前等の終焉の地だけどな」
と、完全に三下やられ役の内容を口にする。実際、三下だから仕方ないけど。
グリーの三下発言に興醒めしてしまう。
加えて、口の中を魔法で治したのか、聞き取りやすくなったのも、つまらなくなった原因。
笑っていたこっちサイドは、冷ややかな視線を向ける事を、返答の行為とした。
「くそ! こんなしょぼいのでオーガが!」
オーガが倒れ込んだところに突き刺さった、ドレークさんの得物に影を伸ばせば、
「あ! こら!!」
ズブズブと影の中に両刃斧が沈んでいく。
「ハハハ――――これいらないけど貰っとくぜ。売っても安いだろうがな」
なんという無様な嫌がらせだろう。
グリーが現状出来る精一杯の嫌がらせがコレだよ……。
――――影の中に消えていくサージャスさんの元パーティー。
確実に逃げられるように、亡者に分厚い陣形を作らせた後に逃げていった。
こちらの攻撃で亡者は即霧散。
戦闘が終わった場にて、嫌がらせのしょっぱさに呆れる僕たち。
ただ一人、ドレークさんは別。
褐色の肌を赤くして、エンレージマックスである。
これまでの戦闘で、共に戦ってきた大切な相棒を奪われて大層ご立腹だ。
だったら、投げなければよかったと思うの。
――――静かになったな~。
先ほどまでの派手な戦闘は何だったのか? と、思わせるほどの森閑。
こちらに迫っていた子爵の軍勢は途中で反転したそうだ。グリー達の撤退が伝えらたんだろう。
勝てないと踏んでの後退だな。
「はあ……」
でっかい体で、重い嘆息を僕の横でしないでいただきたい。
だから、投げなきゃよかったと思うの。
「くそ~手が寂しいぜ……」
落ち込まないで、周囲の手伝いをしなさいよ。
皆で導線を引っ張ってるんだから。
陽動の為の必要な作業ですよ。
撤退したとはいえ、ここは敵のお膝元。
直ぐにでも大軍が来る可能性が高いんですから。早いとこ作業を終わらせないといけないんですよ。
オーガを倒した存在とは思えない落ち込みっぷりだな。
周囲も気を遣ってるのか、手伝え的な発言はしない。
大事なら投げなきゃいいんだよ。とは、思ってるはずだけども。
――。
「どうぞ」
と、ロールさんが両手で持っている物をドレークさんに手渡そうとする。
青みがかった、白銀の長い棒。
「これは――――! 何とも美しい」
刀剣に関しては人一倍興味を抱くのか、ムツ氏が興味津々に、ロールさんが手にする代物を凝視。
「これって、ミスリルカジキ? とか言われてた魚の吻ですよね」
「そうだよ」
利器の素材として、最高位に位置するミスリルと同等の硬度を誇る事から、カジキの頭に、ミスリルを冠するようになったらしい。
船上で釣り上げて、吻の所有者になったロールさん。
自宅が近くにあった事もあり、シナンさん達に護衛をしてもらいながら、吻を取りに帰ってたそうだ。
「私が持っていても仕方がない物です。今この時こそ、この吻も活躍できると思います」
先端は槍のように鋭利で、且つミスリルと同等の硬度。
そこいらの武器では太刀打ち出来ない代物だ。正直、ドレークさんの愛用する斧よりも遙か上位の代物。
「いいのかい?」
「どうぞ」
女神のような優しき微笑みで、吻を手渡すと、雰囲気に呑まれたのか、ドレークさんは片膝をついて、恭しく諸手を伸ばして受け取った。
不思議なもので、二人の空間だけが、神聖な場になったかのように、光芒がさしていた。
――――そこら辺に落ちていた布きれを集めて吻に巻き付け、先端部分だけをそのままにすれば、簡易な槍の出来上がりだ。
つぎはぎのボロ布のせいで見た目は悪くなったけども、ミスリル級の硬度だからな。最高の槍の誕生だ。
合理主義は、これ以上は損しか無いと考えているようだ。
敵の情報を上へと伝えるだけでも利益は発生するようで、それを優先するようだ。
納得がいかないのは、歯を失ったグリー。
でも、とっておきだったオーガが、そこそこ簡単に倒された事もあり、このまま戦い続けても勝てる見込みはない。
悔しくて歯を軋らせている。
歯が抜けているから、食いしばると目立って、見てるこっちは笑ってしまうけどね。
それが更に怒りを与える事になったのか、
「せいぜいこの王都で活躍しな。まあどのみち、王城跡まで来たら、そこがお前等の終焉の地だけどな」
と、完全に三下やられ役の内容を口にする。実際、三下だから仕方ないけど。
グリーの三下発言に興醒めしてしまう。
加えて、口の中を魔法で治したのか、聞き取りやすくなったのも、つまらなくなった原因。
笑っていたこっちサイドは、冷ややかな視線を向ける事を、返答の行為とした。
「くそ! こんなしょぼいのでオーガが!」
オーガが倒れ込んだところに突き刺さった、ドレークさんの得物に影を伸ばせば、
「あ! こら!!」
ズブズブと影の中に両刃斧が沈んでいく。
「ハハハ――――これいらないけど貰っとくぜ。売っても安いだろうがな」
なんという無様な嫌がらせだろう。
グリーが現状出来る精一杯の嫌がらせがコレだよ……。
――――影の中に消えていくサージャスさんの元パーティー。
確実に逃げられるように、亡者に分厚い陣形を作らせた後に逃げていった。
こちらの攻撃で亡者は即霧散。
戦闘が終わった場にて、嫌がらせのしょっぱさに呆れる僕たち。
ただ一人、ドレークさんは別。
褐色の肌を赤くして、エンレージマックスである。
これまでの戦闘で、共に戦ってきた大切な相棒を奪われて大層ご立腹だ。
だったら、投げなければよかったと思うの。
――――静かになったな~。
先ほどまでの派手な戦闘は何だったのか? と、思わせるほどの森閑。
こちらに迫っていた子爵の軍勢は途中で反転したそうだ。グリー達の撤退が伝えらたんだろう。
勝てないと踏んでの後退だな。
「はあ……」
でっかい体で、重い嘆息を僕の横でしないでいただきたい。
だから、投げなきゃよかったと思うの。
「くそ~手が寂しいぜ……」
落ち込まないで、周囲の手伝いをしなさいよ。
皆で導線を引っ張ってるんだから。
陽動の為の必要な作業ですよ。
撤退したとはいえ、ここは敵のお膝元。
直ぐにでも大軍が来る可能性が高いんですから。早いとこ作業を終わらせないといけないんですよ。
オーガを倒した存在とは思えない落ち込みっぷりだな。
周囲も気を遣ってるのか、手伝え的な発言はしない。
大事なら投げなきゃいいんだよ。とは、思ってるはずだけども。
――。
「どうぞ」
と、ロールさんが両手で持っている物をドレークさんに手渡そうとする。
青みがかった、白銀の長い棒。
「これは――――! 何とも美しい」
刀剣に関しては人一倍興味を抱くのか、ムツ氏が興味津々に、ロールさんが手にする代物を凝視。
「これって、ミスリルカジキ? とか言われてた魚の吻ですよね」
「そうだよ」
利器の素材として、最高位に位置するミスリルと同等の硬度を誇る事から、カジキの頭に、ミスリルを冠するようになったらしい。
船上で釣り上げて、吻の所有者になったロールさん。
自宅が近くにあった事もあり、シナンさん達に護衛をしてもらいながら、吻を取りに帰ってたそうだ。
「私が持っていても仕方がない物です。今この時こそ、この吻も活躍できると思います」
先端は槍のように鋭利で、且つミスリルと同等の硬度。
そこいらの武器では太刀打ち出来ない代物だ。正直、ドレークさんの愛用する斧よりも遙か上位の代物。
「いいのかい?」
「どうぞ」
女神のような優しき微笑みで、吻を手渡すと、雰囲気に呑まれたのか、ドレークさんは片膝をついて、恭しく諸手を伸ばして受け取った。
不思議なもので、二人の空間だけが、神聖な場になったかのように、光芒がさしていた。
――――そこら辺に落ちていた布きれを集めて吻に巻き付け、先端部分だけをそのままにすれば、簡易な槍の出来上がりだ。
つぎはぎのボロ布のせいで見た目は悪くなったけども、ミスリル級の硬度だからな。最高の槍の誕生だ。
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