拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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王都潜入

PHASE-23

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「ロウ。お前たちが、公務員の方々の護衛につけ」
 百人長のご指名。
 僕と演習で行動を共にしていた班の三人を護衛につけてくれる。


 
 ――――ヘルムが仕掛けてきた西門。
 その範囲にあるのが魔道開発局。
 
 大通りは目立つので、路地裏を移動しながら、白亜のドーム状の建設物を目指す僕たち。

 ――。

「上手い具合に陽動が効いてるニャ」
 二階建ての建物にある煙突の上で、シナンさんが爆発が起きた辺りを単眼鏡で見ている。
 
 大規模な爆発が数カ所で起こった事で、相手もいよいよ、こちらが本格的に攻めてきたと思ったようだ。
 立哨の子爵の兵と違い、統一性の無い装備からなる冒険者くずれと、亡者の混成部隊があちこちで動き出したとの事だ。
 トップがヘルムだからな。
 素人がトップだから、こういう策には陥りやすいのかもしれない。
 ヘルムが人の言葉に耳を貸すタイプなら、こちらの行動の効果も薄まるかもしれないけど、魔王さん討伐に、今の世界の変革を意固地になってやっている節もあるから、人の発言に耳を貸すことは希薄だろう。
 こちらとしては、そうだとありがたい。

「――――先を急ごう」
 西側に迫ってくる存在はいない。
 出来るだけ早く到着するためにも、今が好機と捉えて、大通りを通って、時間短縮を考えるタモンさんが動き出せば、僕たちも続く。
 シナンさんが煙突から音も無く降り立つその様は、正に猫。
 そのまま僕たちの背後を守ってくれる殿しんがりのポジションだ。
 
 しかし、不憫なのはブンゴさん。
 研究ばかりが祟って、体力がないようだ。
 ヒーヒーと肩で大きく息をしながら、ふらつく足で懸命についてくる。
 
 ――――ゲート付近まで来たけど、人の姿はない。

「これならいけるな」
 と、タモンさんが頭を上げたところで、ロウさんに押さえ込まれる。
 人気が無くても堂々と動いてほしくなかったようで、ロウさん、ググタムさん、シナンさんの三人が先行して周辺警戒をしつつ、物陰から物陰へ移動し、こちらを誘導してくれる。
 
 ――。

 その甲斐あって無事ドームまで到達。

「で、ここからは?」
 ググタムさんが、タモンさんに質問。

「堂々と入るってのは却下されそうだから、ダクトを通って行こう」
 自分の仕事場である第二研究所まで続くダクトがある場所は知っているとの事で、そこまで移動する。

「――――ここだ」
 半球からわずかに出っ張ったダクト。
 タモンさん、肩車でブンゴさんを担ぐと、いまだ呼吸も整っていないまま、常備しているドライバーで四方のネジを手早く外し、格子状の金属ふたを外して、ブンゴさんはそのままダクト内に入っていく。
 続いてタモンさんが筋肉にものをいわせ跳躍し、補助も必要なくダクトの中に入っていく。
 タモンさんのような筋肉の塊が入れるんだから、ダクトの中は存外、広いようだ。

「次は?」
 ロウさんが僕たちを見る。
 僕とロールさんではダクトまでジャンプしても届かない。補助を行うからと、ロウさんがまずは僕たちからと言って、促してくる。

「では、ロールさん」
 どうぞと手をダクトに向ける。
 目で確認できる前より、何も出来ない後方が危険。もしもの時は僕が盾代わりになると伝える。
 心優しきロールさんである。それは申し訳ないから自分が。と、言うけども、ここで議論をする事こそが、危機的状況を生み出すと言い聞かせて、ダクトへ入るように指示した。
 ロールさんが中に入ったのを確認して――――、
「では、ロウさん」

「なんか、落ち着きのある、渋い声ですね」

「そうですか?」
 まあ、紳士なんで。
 このような戦場においても、エロで頭が支配される――――、紳士なんで。

「では――――、お願いします」
 ロウさんの手に足を置いてから、するりと滑り込むようにダクトへと進入する。
 きっと、人には見せられないくらいに口角が上がっているはずだ。
 ――――しかも、悪い感じで――――。

 ――――しゃあ! こら! 上手くいったぜ!!
 ワギョウの茶室に入る時は失敗したが、今回は成功じゃい!
 ――――ヒャッハー。
 眼前には、押せば素晴らしい弾力を堪能できるであろう暫定局長のお尻様じゃ。
 これを――――待っていた。
 皆さんが懸命になって、王都解放に全力を尽くしているっていうのに。
 僕は、これを――――待っていた。
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