拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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レコンキスタ

PHASE-10

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 このまま行けば、北門を突破される。
 歯を軋らせるヘイター。

「仕方ないな! もう! 我が玩具箱カタコンベを――――」

「いい! 無理はするな」
 鼻血を流しつつ、涙目のヘルムが声高に制止。

「でもさ! 見てよ。兄やんが僕ちゃんを無視して、北門に走って行ってる。この僕ちゃんを無視して! しかも朽無しの体アタナトイとちゃんと向き合ってないよ。困るよ。僕ちゃんの傑作新術を簡単に流されるとかさ!」

「構わんだろ。朽無しの体アタナトイは自由に動くし、お前の指示でも動く。その力は決戦の場で使ってやれ」
 フラフラとした足取りで立ち上がり、ヘイターを諭せば、不思議とヘルムの言葉は聞きいれ、
「わかったよ。じゃあ、まずはヘルムさんの治療が大事だね」

「かまわんよ。他の者にやらせる。戻るぞ。そろそろだ」

「だね」
 黒い門が開かれる。

「あ!」
 逃がさないとばかりにリューディアが動けば、付き合いきれないと、炎の壁を発生させて足止めを行う。

「油断大敵。撤退する時こそ慎重に」
 背後から声。
 ヘルムもヘイターも記憶のある声であった。

「!?」
 門に入ろうとしたところで、ヘイターの仮面が宙を舞う。

「危ないな! 姿が見えないと思ったら、潜んでいたんだね。陰湿な」

「お前ほどじゃない」
 二本のナイフで死角からの攻撃。
 かろうじてヘイターは躱してはいたが、仮面に守られながらも、額は浅く斬られており、血が流れる。

「まったく! 新調したばかりの仮面だったのに! 伝説とか言われるカビの生えたアサシンが!」

「カビの生えたアサシンに、手傷を負わされるお前はカビ以下か?」
 唐突に登場したケーシー。
 しかし、アサシンである。唐突なのは仕方が無いが、こんな場面では相対したくないと、ヘルムは青ざめる。
 反面、怒り心頭のヘイターであるが、
「相手にするな。一撃目で仕損じる程度のアサシンだ。戻るぞ」

「しかたないね。仮面の代償は高いよ」
 門以外に黒い空間を現出させれば、それは橋と通路を繋げており、中から朽無しの体アタナトイが数体あらわれる。

「襲え」
 発言通りにケーシーへと襲いかかる。
 舌打ちを一つ。物理攻撃が通用しない存在から距離をとる。
 その間に、空間魔法で具現化された黒い門の中へと二人は入っていった。

「相手にする必要は――ないな」

「ですね」
 通路から飛び降りるケーシーとリューディア。
 
 朽無しの体アタナトイをスクトゥムで端に押しつけて、動きを制している冒険者と兵たちも、徐々にその任を完了させていき、先頭に追いつくように走り出す。
 
 そんな中で――――、
「くそ!」
 一人の冒険者の手首が、朽無しの体アタナトイの手に掴まれてしまう。
 周囲はどうしたらと考えている中で、
「腕を切ってくれ!」
 と、懇願。
 一瞬の躊躇も許されないと、
「すまん!」
 と、言い。鞘から剣を抜く。
 触れられた冒険者は、すぐに布きれを厚手にたたんで口にくわえる。
 振り下ろされた剣は、前腕部分を切り落とす。
 食いしばりながら激痛に耐える中、即座に止血をケーシーが行う。

「よし、行こう」
 体躯のよい冒険者と共に、ケーシーは、腕を失った冒険者を運ぶ。

「やったぜ……」

「何がだ?」
 ケーシーが聞けば、腕を失い、痛みに耐えながらも光明を見たと述べる。
 感染が広がる前に切り落とせば、黒い化け物にならなくてすむ。
 それを自分の体で経験できた。これを仲間のために今後活かせると笑んでみせる。

「最高の者たちが集ったな」
 気骨も覚悟もある者たちに、ケーシーは感嘆する。
 
 ――――北門へと到着し、後陣が全て進入できたところで、門を閉め、後方から迫る朽無しの体アタナトイの進入を阻止する。
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