拝啓、あなた方が荒らした大地を修復しているのは……僕たちです!

FOX4

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レコンキスタ

PHASE-34

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「おお!」
 優勢だ。

「見てください。冒険者と、王軍、魔王軍の皆さんが本気になればこんなもんですよ」
 値千金だよサージャスさん。今回の事で、違反金全額チャラに出来ないか、王様に交渉してみますよ。
 
 戒律の乙女ヘルフィヨトルを奪還したことで、皆さんが攻勢に転じている。
 鬱憤を晴らすように、方々ほうぼうで魔法を唱えまくっている。
 ここだけじゃない。市街地の方角からも鬨の声が上がっている。不死王さん達も、程なくすれば合流するだろう。
 
 対してラゴット勢は、気圧されて今にも士気が崩壊しそうになっている。

「さあ、魔王さんの所へ」

「ええ。ピート殿、お手を――」
 白魚のような手をとる。
 すべすべの心地のいい手である。
 そのまま、飛翔魔法で一気に後方まで移動すれば――――、
「ようやった! それでこそピートじゃ!」
 それでこその所が何を根拠にしてるのかは分からないけども、素直にお褒めの言葉をいただきましょう。

 ――。

「此度の失態。弁明のしようもございません」

「よい。よう耐えた。そもそもこの様な事態になったのは、妾が兵仗などを作り出し事がよ」
 一応は反省しているようだけども、遠因って何だよ! 
 ど真ん中! 根幹、根源で、原因。遠因じゃない。

「それよりもお召し物を」
 膝を付いて魔王さんの前で屈むカグラさんに、ロールさんがすぐに長いマントを用意する。
 周囲の男達の目がチラチラとカグラさんに向けられているからね。しかたないね。
 毛先に行くほど濃い赤髪になる、階調色の髪を有した美人様には、流石の大公様も目を忙しなく動かしていた。
 ハタと我に返ったのか、僕と目があう。

 なので――――、
「へっ」
 と、小馬鹿に嘲笑してやった。
 ぐぬぬぬと、歯を軋らせております。

「状況はどうです?」
 マントをカグラさんに羽織らせるロールさんに聞けば、
「うん。こちらが有利になったよ」
 でしょうね。
 もともと一人一人の質は圧倒してこっちが高いんだもの。
 素人が一人で侵入して、いくら銃を持っていたからって、こんなに簡単に事が運ぶってのは練度不足だよ。

 現状、立て直した皆さんが押し始め、余裕が出てきたのか、北門からの侵入を防いでいた黒い集団に対して、一団が討伐に出たそうだ。
 魔法は効果的で、倒すことが可能になったとのこと。
 正し、普通の亡者と違って、耐久力が高いそうで、魔法で倒すのにも時間がかかっているそうだ。

「では、私も」
 ロールさんに状況を聞いている間に、テントに入ったカグラさんが、服装を整えて出て来る。
 急遽だったからか、服装は、王軍の近衛と同じ白を基調とした兵服。
 鎧は装備せずに、兵服にマントとだけ。旅人のような服装になっているけども――――、
「なんだろうね。美人様だと、何を着ても様になるね」
 見とれて独白。
 
 普通の人なら旅人の服装だけど、カグラさんだと、世界に名の知れた大賢者的な出で立ちに見えてしまう。

「無理はするな」
 心配する魔王さん。

「問題ありません。最低限の事は出来ます」
 柔和な笑みでそれに返している。

「そうか。じゃが、補佐がいて困るまい。戒律の乙女ヘルフィヨトルも妾の中に戻ったことだしの――――」
 もう体に戻してるんだ。

「――――じゃから、もうこの状況も見えておるじゃろうし、理解も出来ておろう!」
 継いで、急に語気を荒げる魔王さん。
 つかつかと近づいていく相手は――――、シュパーブ君。
 
 ちっちゃくて丸みのある角を諸手でむんずと掴んで、自分の顔に近づけている。
 
 ――――何してんの? 皆が戦ってる最中に、トップが奇行に走るんじゃないよ。
 こっちとしては、サージャスさんに、ダイアンと戦っているドレークさん達の事も心配だから、この目で早く確かめたいんだよ。
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