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レコンキスタ
PHASE-36
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『ここには郭大の乙女があると思っていたかな? あれは背の外部ではなく、内部に埋め込まれている。ここを改修していたことと、この位置より気配を感知したから、ここには郭大の乙女があるとだけ思い込んだな』
「うるさいの!」
お! 魔王さんの声音が荒ぶる。
シーツみたいなのを目にしてから、気分を害しているようだ。
『戒律の乙女の効果は強大。だからこそ、そこを主目標として狙ってくれるのを願っていたよ。ここは感知されてほしくなかったからね。徹底したよ。郭大の乙女を囮にし、更に隠匿の乙女まで使用したのだから』
「隠匿の乙女――――」
って、なんぞや?
魔王さんを見れば、兵仗の効果を説明してくれるだろう。
「あの外套じゃ。纏った全てを隠し通すことが出来る。視覚、感覚、魔力。全てから隠せる。作り手の妾も感知できん」
何それ! 欲しいんですけど。のぞきとか好き放題出来るよね。
「邪なことは考えるなよ」
「あ、はい……」
ノゾキ、ヨクナイ。
『では、ここにあるものをお披露目しよう』
なんかいちいち演出くさい初老だな。
取り巻きが隠匿の乙女を取れば、出てきたのは横格子状の金属カバー。
広さは畳二畳といったところ。
あのカバーの下にとっておきが隠されているわけだ。
「魔王さん」
顔を見れば、荒ぶっていた声の時と打って変わって、しらけたものになっていた。
「なんじゃ、集約の乙女ではないか」
またも新しい兵仗。
でも、リアクションからして、大して脅威がないみたいだけども。
『なんだ、驚嘆にはほど遠いな。魔王』
「集約の乙女をどう活用するのか知っておるのか?」
――――集約の乙女なる兵仗は、大気中にある魔力を集めて、術者の魔力を補う兵仗だそうだ。
間断なく魔力を取り入れることで、魔法を永続的にしようできるのが、この兵仗の特徴。
大魔法を連続して使えるので、壊滅的な攻撃力を有するらしいけども、それでもこの状況で、大仰に見せつけるものではないとのこと。
そもそもが、それを捷利嚮導の乙女に取り付けている意図が理解できないそうだ。
『ふ、製作者であるのに、利用方法が単純だな。阿呆め』
「あ?」
うわ~。すっごく怒ってらっしゃるよ。
ストレートに阿呆とか言われると、プライド高いから、相当頭に来るみたいだね。
体に紫色の光を纏ってる。
同色の髪が逆立って、魔力を迸らせてる。
戒律の乙女を取り込んだからか、願望破壊の乙女がなくても多少は大丈夫だというのが分かる。
『凄んでも所詮は小兵の威嚇。畏れなど毛ほどもない』
おうおう、随分と強気に挑発だな。
「わからんの~。大気中の魔力など言うほど脅威ではない。なのにその強気」
『脅威ではないか――――。そんな事だから殆どの兵仗が手元に戻ってこないのだ。節穴め!』
「あ!」
ますます紫色の光が強味を帯びる。
『先ほども言ったぞ。決着は人の手でつけるとな。人の結束力を見せてやる!』
魔王さんは未だに理解できていないご様子。
でも、ヘルムは強気だよ。
なんであんなに強気なんだ?
集約の乙女の効果は大気中の魔力を集めること――――。
――……集める……。
ちょっと待て……。大気中の魔力を集める…………。
ヘルムの元にはラゴットの勢力がいる……。
ラゴット……。
タリスマン……。
不祥事……。
不祥事後、欠陥のタリスマンをエクスペンダブルズと名を変えて、消費アイテムとして売り出せば、人気爆発。
大陸中の冒険者は、駆け出しから、ヴィン海域のガチ勢までこぞって使用していた。
――……チャントカウンターでヴィン海域の空を調べた時の、魔力濃度の異常な数値たるや……。
あ――、この事、ヘルムが局長の時に報告したっけ?
まあ、報告しても意味なかったか。うん……。だって、大気中に魔力粒子を飛散させたかったって事だろう。報告しても、もみ消してたな。
――……この時のために……。
『この中で真っ先に理解したのは、やはりウィザースプーン君か。流石だ』
「なんじゃピート?」
教えろと、僕の傍らに来る魔王さん。
「捷利嚮導の乙女って、現状は全力じゃないんですよね? 魔力不足で」
「そうじゃ」
「その部分は解決すると思います」
――――お偉い方々に説明すれば、兵仗を生み出した魔王さんを含め、皆さんそろって頬に汗が伝う。
戒律の乙女を奪還されても、ヘルムの余裕は変わらない。変わるわけもないか……。
魔力不足が解消されれば、それ以上の力を得るからな……。
映像に映る表情は、相も変わらず見下した笑みだ。
「うるさいの!」
お! 魔王さんの声音が荒ぶる。
シーツみたいなのを目にしてから、気分を害しているようだ。
『戒律の乙女の効果は強大。だからこそ、そこを主目標として狙ってくれるのを願っていたよ。ここは感知されてほしくなかったからね。徹底したよ。郭大の乙女を囮にし、更に隠匿の乙女まで使用したのだから』
「隠匿の乙女――――」
って、なんぞや?
魔王さんを見れば、兵仗の効果を説明してくれるだろう。
「あの外套じゃ。纏った全てを隠し通すことが出来る。視覚、感覚、魔力。全てから隠せる。作り手の妾も感知できん」
何それ! 欲しいんですけど。のぞきとか好き放題出来るよね。
「邪なことは考えるなよ」
「あ、はい……」
ノゾキ、ヨクナイ。
『では、ここにあるものをお披露目しよう』
なんかいちいち演出くさい初老だな。
取り巻きが隠匿の乙女を取れば、出てきたのは横格子状の金属カバー。
広さは畳二畳といったところ。
あのカバーの下にとっておきが隠されているわけだ。
「魔王さん」
顔を見れば、荒ぶっていた声の時と打って変わって、しらけたものになっていた。
「なんじゃ、集約の乙女ではないか」
またも新しい兵仗。
でも、リアクションからして、大して脅威がないみたいだけども。
『なんだ、驚嘆にはほど遠いな。魔王』
「集約の乙女をどう活用するのか知っておるのか?」
――――集約の乙女なる兵仗は、大気中にある魔力を集めて、術者の魔力を補う兵仗だそうだ。
間断なく魔力を取り入れることで、魔法を永続的にしようできるのが、この兵仗の特徴。
大魔法を連続して使えるので、壊滅的な攻撃力を有するらしいけども、それでもこの状況で、大仰に見せつけるものではないとのこと。
そもそもが、それを捷利嚮導の乙女に取り付けている意図が理解できないそうだ。
『ふ、製作者であるのに、利用方法が単純だな。阿呆め』
「あ?」
うわ~。すっごく怒ってらっしゃるよ。
ストレートに阿呆とか言われると、プライド高いから、相当頭に来るみたいだね。
体に紫色の光を纏ってる。
同色の髪が逆立って、魔力を迸らせてる。
戒律の乙女を取り込んだからか、願望破壊の乙女がなくても多少は大丈夫だというのが分かる。
『凄んでも所詮は小兵の威嚇。畏れなど毛ほどもない』
おうおう、随分と強気に挑発だな。
「わからんの~。大気中の魔力など言うほど脅威ではない。なのにその強気」
『脅威ではないか――――。そんな事だから殆どの兵仗が手元に戻ってこないのだ。節穴め!』
「あ!」
ますます紫色の光が強味を帯びる。
『先ほども言ったぞ。決着は人の手でつけるとな。人の結束力を見せてやる!』
魔王さんは未だに理解できていないご様子。
でも、ヘルムは強気だよ。
なんであんなに強気なんだ?
集約の乙女の効果は大気中の魔力を集めること――――。
――……集める……。
ちょっと待て……。大気中の魔力を集める…………。
ヘルムの元にはラゴットの勢力がいる……。
ラゴット……。
タリスマン……。
不祥事……。
不祥事後、欠陥のタリスマンをエクスペンダブルズと名を変えて、消費アイテムとして売り出せば、人気爆発。
大陸中の冒険者は、駆け出しから、ヴィン海域のガチ勢までこぞって使用していた。
――……チャントカウンターでヴィン海域の空を調べた時の、魔力濃度の異常な数値たるや……。
あ――、この事、ヘルムが局長の時に報告したっけ?
まあ、報告しても意味なかったか。うん……。だって、大気中に魔力粒子を飛散させたかったって事だろう。報告しても、もみ消してたな。
――……この時のために……。
『この中で真っ先に理解したのは、やはりウィザースプーン君か。流石だ』
「なんじゃピート?」
教えろと、僕の傍らに来る魔王さん。
「捷利嚮導の乙女って、現状は全力じゃないんですよね? 魔力不足で」
「そうじゃ」
「その部分は解決すると思います」
――――お偉い方々に説明すれば、兵仗を生み出した魔王さんを含め、皆さんそろって頬に汗が伝う。
戒律の乙女を奪還されても、ヘルムの余裕は変わらない。変わるわけもないか……。
魔力不足が解消されれば、それ以上の力を得るからな……。
映像に映る表情は、相も変わらず見下した笑みだ。
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