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二話 初めての戦

●終わりが見えて

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「はぁぁ……ッ、焔……っ……ぁぁ……焔……ッッ――」

「これからが本番だ……たっぷり悦んだんだろ? 次は俺の番だ。もっと悦ばせろ……っ……夜が更けるまで付き合ってもらうぞ、誠人……」

 俺を抉り、おびただしい快楽を与えながら華候焔は囁く。

 そうして何度も俺の中へ放ち、引き抜き――終わりかと思えば四つん這いにされ、獣のごとくな交わりを延々とやられ、俺は啼かされ続ける羽目になった。

 もしかすると普通の者は、とっくに気を失い、華候焔が満足するまで付き合えないかもしれない。

 なまじ鍛えて体力があるだけに、俺は華候焔に付き合えてしまう。
 それでも次第に四肢から力が抜けて、俺は無様に突っ伏して倒れ込む。

 ハァ、ハァ、と息を整えながら、疲労の塊に呑まれていく。気を抜けば意識は遠のき、眠りにつけるだろう――しかし華候焔はまだ俺に眠らぬことを強要してくる。

 うつ伏せに寝た俺の上に体を被せ、満足を知らぬ欲情を埋める。

「……ぁぁ……ぁ……っ……ぁ……」

 もう快感はいらないと心は嘆くのに、俺の体は行き過ぎた快楽を悦んで取り込んでいく。

 寝たまま抱かれることになった俺には、もうシーツを掻いて身悶える体力すらなくなっていた。

 か弱く喘ぎ、未だ収まらぬ絶頂の波がくるままに達し、華候焔のものを締め付け続ける。

「ハハ……ここまで付き合ってくれるとはな。久しぶりに、いい気分で眠れる……」

 ずしり。背中に華候焔の体がのしかかり、俺をベッドへ潰してくる。

 ようやく俺の中から猛りを鎮めたものが抜ける。
 ずっと居座り暴れていたものが消えた途端、ドロリとした淫靡な残骸が俺から零れ落ちていく。

 もう退かすことも、身じろいで華候焔の下から抜け出ることもできぬほど力が入らない。

 ようやく終わった――気が抜け、意識が遠ざかっていく最中、フッと体の上から重みが消えて息がしやすくなる。

 だが、俺が息を吸い込んだ途端、横たわった華候焔が俺を抱き締め、束の間の解放すら許さなかった。

 俺が意識を手放す間際、華候焔は囁く。

「待っているぞ、誠人……もうお前は、逃げられない……」

 返事はできなかった。
 汗ばみ、雄々しい匂いが漂う中で、俺は眠りに落ちた――。
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