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二話 初めての戦

●初めてを奪われて2

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「……クッ……ぅ……っ……」

 太く猛ったものが、ゆっくりと俺を埋めていく。

 痛みは感じない。ただ、とにかく圧迫感で息ができない。
 本来ならば不快な感覚だ。しかし薬のせいで敏感になった体を散々弄られ、何をされても悦ぶようにされたせいで、自分を奪われていく感覚がたまらない。

 なかなか入っていかないことに華候焔は焦らず、何度も腰を引いて浅く突いて俺を抉る。
 グッ、グッ、と侵入に慣れない中を押される度に、力の抜けた吐息が俺から零れた。

「ようく締まるな……あぁ、こいつはいい。全部挿れる前に出したくなる」

 中ほどまで己を収め、感嘆の息を吐きながら華候焔が呟く。

 熱に浮かれたような声。俺の耳がそれを入れた時、妙に胸が高揚する。
 こんな屈辱でしかないことをされているのに、喜ばれていることに嬉しさすら覚えてしまう。

 そうして俺の中から隙間が消えていき、奥まで満ちた瞬間、

「――……ッッ! ……ぁ……っ……」

 最奥をひと突きされただけで、全身がギュッと縮まり、俺は声なく叫ぶ。

 渇望していた刺激に体は呆気なく屈し、歓喜に脈打つ。
 ただ華候焔はジッとするだけなのに、俺の体が勝手にはしゃぎ、自分で自分を追い込んで甘い絶頂を生み出してしまう。

 気持ちいい、なんてものじゃない。
 訳が分からない。なのに、もっと欲しくてたまらない。

 何かに取り憑かれたように快楽を取り込んでしまう俺を、華候焔が恍惚に目を細めながら見下ろす。

「いやらしい体だなあ、誠人……ずっとイきっぱなしじゃねえか。いくら薬を飲んだからって、ここまで反応するなんて……最初から素質があったんあなあ」

「んン……ッ、ち、ちが……っ……アァ……ッ」

「ちょっと俺が腰を揺らしただけでイっちまうのに、何が違うんだ? ……ハッ……ここまで出来上がったなら、そろそろいいか……」

 俺の脚を高く上げ、華候焔がより中を密着させる。
 そして次の瞬間、大きく腰を揺らし、リズミカルに俺を攻めた。

「アッ、ぁ、ぁあッ……え、焔……ンっ、くぅ……ッ……はぁァ……ッッ」

「締めろ、締めろ……っ……俺のを飲め……体の芯まで、俺に染まれ……っ」

 最奥を叩き、押し込んだ直後、華候焔の熱が注がれる。

 反発も嫌悪することも奪われた体は、言われた通りに華候焔のほとばしりを嬉々としながら脈打ち、取り込んでいく。

 ふぅ、と華候焔が動きを止めて息をつく。

 しかし俺の中に埋まる凶器は硬度を失わず、膨らみを保ったまま俺の肉壁を押し開き続ける。

 ゆらり。最奥を押しながら、こねるように華候焔が腰を回す。
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