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十話 至高への一歩

●覗いた罪悪感

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 一心不乱に三人の熱棒を全身で構い続けていると、才明の腰の動きが速くなり、俺の意識がそちらへ向かってしまう。

「ん、ン……はぁ……ッ、ぁ、あア……ッ」

 口も手も動かせなくなり、二人の興奮し切ったものを離し、才明からの刺激に喘ぐ。両腕が崩れ落ち、上体を伏せながら腰を高く突き出した形になり、激しさを増す抽挿と快楽に身悶え、シーツを掻く。

 限界を迎えそうな間際、才明の腰が大きく引きかける。だが、

「才明、外は駄目だ。お前の欲を中に吐き出せ」

 華侯焔の低く、重たい声。戯れの色はなく、その威圧感に才明の身体が一瞬強張る。

 背後から聞こえる、才明の小さなため息。
 そこから一気に俺の奥へ滑り込み、絶頂間近の昂りを何度も叩き込んでくる。

「あ、ぁ、ぁ……っ……――ッッ!」

 俺の中にひと際大きな脈動が生まれ、快楽の頂に突き上げられ、熱と疼きを溜め込んだすべてが解放される。

 同時に才明は動きを止め、俺の最奥に熱を注ぎ込む。
 トドメを刺すように、一度、二度、と大きく押し込んだ後。中からゆっくりと昂りを引き抜き、完全に突っ伏して息を切らせている俺の耳元で才明が呟く。

「すみません、無理をさせて……」

 この謝罪は才明らしくない。きっと仲林アナの声。
 俺の身体が現実のものだと知りながら、この世界の理に縛られ、役柄を演じている身。仮の姿から罪悪感に苦しむ気配が伝わってくる。

 彼も被害者だ。それに、この行為はゲームを進めるために必要なこと。

 喘ぎ過ぎて喉が乾き、上手く言葉にできない。
 だから俺は才明に手を伸ばし、頬を撫でながら笑いかける。

 気にしなくていい。俺は大丈夫だから。

 心の声が伝わったのか、才明がかすかにハッと息を引く。
 そして俺の上気している頬に唇を落とした。

「貴方様の懐の広さに感謝します……誠人様」

 才明が俺を労うように頭を撫でる。その様を華侯焔はニッと笑いながら見つめる。

「俺に遠慮せず、しっかり中に出せ。そうすれば領主との絆を強めて、合わせ技の威力が高まる」

 技……? これで?
 まだ快楽の海に沈んだまま放心していた俺は、目だけを華侯焔に向ける。

 俺の視線に気づいて、華侯焔が薄く微笑む。

「本来なら、少しずつ関係を深めて合わせ技の練度を高めるんだがな……身体を重ね、精を与えるのが手っ取り早い。回数が多く、想いが深いほど力になるんだ」

 華侯焔は才明や英正を見交わしながら、落ち着いた声で告げた。

「いいか、これから上の連中を相手にしていくのに、悠長なことはしていられない。手段は選ぶな。お前らなら喜んで誠人の糧になれるだろ?」
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