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十話 至高への一歩

●入れ替わりながら

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 快楽を褒美としてもらうだけではない、勝ち抜くために必要な行為。

 もしかして、ただ早くゲームのセーブを行えるようにするだけでなく、このことを伝えるために四人でやるようにしたのか? とぼんやり考えていると、華侯焔が英正に目配せする。

「次はお前の番だ、英正。早く挿れたくてたまらないだろ?」

「……いえ、私は――」

「無理して俺に譲らなくていい。誠人がよがっているのを見せつけられて、もう我慢ができないんじゃないのか?」

 不敵に笑いながら華侯焔の視線が、英正の下半身へと移る。
 ああ、確かに。英正のものがいつもより赤みが増し、今にもはち切れそうだ。

 指摘されて英正はカッと顔を赤くする。それでも俺が目を合わせて小さく頷いてやると、瞳がパッと輝く。ギラつきを帯びながらも純粋な喜びと好意が溢れ出て、掴みどころのない手練手管の二人より心が分かりやすい。

 緩慢な動きで才明が俺から離れ、入れ替わりに英正が俺の背後にやって来る。

「誠人様……お身体は大丈夫ですか?」

 限界が近くても自分の欲望より、俺を優先できる英正の精神力には感心する。こういう人柄だから、褒美を手厚くしたいと考えてしまう。

 俺は鈍い動きで身体を起こすと、自分から英正に口づける。
 小鳥が親鳥に餌を強請るように舌を差し入れ、早く繋がりたいと暗に伝えると、唐突に英正の腕が俺を閉じ込めた。

 グチャ、グチャ、と口の中を英正に食い散らかされていく。
 達して間もない身体はこれだけで何度も甘く弾け、休んで形を取り戻し始めていた理性を消し去ってしまう。

「ンン……ッ、ん、ぁ……ン……っ」

 深いキスに圧倒されて、身体がフラついて後ろに倒れそうになる。
 ――左から華侯焔の、右から才明の腕が伸び、俺の背を支えてくれた。

 そして華侯焔が俺の耳元に顔を寄せ、英正に目配せした。

「このまま挿れてしまえ。身体を起こした体勢のほうが、俺たちも構ってもらえる」

 言いながら華侯焔は俺の耳を甘くかじり、胸に指を食い込ませてくる。
 才明も「そうですね」と艶めいた声で呟き、俺の首筋に吸い付く。

 左右の責めに思わず視界が揺れ、俺の顔が崩れる。
 きっと鏡を向けられたら、さぞ情けない姿を晒しているのだろう。それでも正面で俺を凝視する英正の目から、熱が逃げるどころか増しているのが分かって安堵してしまう。

 こちらにまで届きそうな熱い息を吐き出した後、英正は俺の両脚を抱え上げ、淫らにぬかるんだ後孔を露わにさせる。

 そこへ怒張し続けたものを埋めた瞬間、英正の顔が歪む。

 しかめっ面のような、悦びを噛み締めるような表情。
 本当に素直だ。力強くねじ込まれる感触と、心底悦びを覚えた英正の様子に、俺の身体も悦び騒ぐように肉壁が脈動した。
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