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十話 至高への一歩

●脇目も振らず

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 また身体の内側を拓かれ、英正のもので奥まで埋められ、これだけで果てそうになる。

 中を少しでも揺さぶられたなら、すぐにでも快楽の頂に手が届いてしまうだろう。
 だが英正は根本まで昂りを埋めると、そのままジッとしてしまう。

「ぁ……英、正……?」

「すみ、ません……動くと、すぐ出てしまいそうで……」

 浅い息を繰り返しながら、英正がもどかしげに答える。
 不意に華侯焔と才明から声を押し殺した笑いが聞こえてきた。

「本当に嘘がつけない身体だな。ちょっと休んでろ。その間に俺たちで誠人が冷めないようにしてやるから」

「ええ、そうですね。もっと悦んで頂かねば……」

 二人が俺の身体を弄り、肌に吸い付き、好き勝手に愛撫を施していく。

 華侯焔は特に俺の胸を弄ってくる。硬く勃ち上がってしまった乳首を指で扱き、時折爪弾いたり吸い付いたりして快楽を教え込んでくる。

 反対側の才明も俺の胸に刺激を与えてくるが、それよりも首筋やうなじへの刺激が多い。わざとリップ音や舌を這わせる音を立て、耳を通して頭の中まで疼かせようとする。

 二人とも俺を今まで以上に快楽を覚える身体に仕立て上げようとしてきて、とても困ってしまう。俺の身体は現実の生身だというのに。

「う、ぁ……ぁぁ……っ……ン……」

 気持ち良い。けれど今、一番欲しいのは――。
 わずかに身を捩りながら、自分で最奥への刺激を生み出そうとする。

 俺の奥で硬いままの英正の昂りが、軽く最奥を押す。それだけで甘く大きな痺れが走り抜けていく。

 何度も繰り返していると、一度精を放って中勃ちになっていた俺のものが、再び大きくなっていく。こんな痴態を三人に見せてしまっていると思うだけで、身体の芯が燃えるように熱くなる。それがまた快感を高め、俺の腰を揺らしてしまう。

 英正から息を飲み、詰まらせる音がする。
 次の瞬間、ズン、と深く最奥を貫かれた。

「あぁ――……ッ!」

 今までとは比べ物にならない、膨大で圧倒される快感の波が俺を呑み込む。

 大きく達して息が出来なくなった俺に対し、英正は腰を振って何度も絶頂を与えてくる。

 視界の点滅が激しくて、目の前が真っ白だ。
 これだけでもう身に余る快楽だというのに――華侯焔と才明の手が、俺の昂りに触れる。

 才明の長い指は俺の竿を滑らかに扱き、華侯焔の熱く大きな手が俺の先端を弄り愛でてくる。

 前と後ろ。これでもかと与えられた快感に、俺の身体は弾けることしかできなかった。

「――……ッッ!! ……っ……ッ……」

 声にならない叫びを上げながら俺は大きく果て、そこからビク、ビク、と小さな絶頂を何度も繰り返す。

 だが、まだ英正は達していない。
 限界を超えた俺の中を激しく責め立て、俺を快楽に溺れさせながらようやく中に熱い情欲を注いだ。
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