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第3章 航路
64.街を作るようです
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「さてと、じゃぁ今度はこれかな」
と気を改めてハジメが鞄から一枚の紙を取り出す。城壁の設計図をハジメの店兼家を設計してくれた建築家のエルムに書いてもらったのだ。依頼して書いてもらったのではないが。
ある日コウとリナリーがお昼ご飯を食べている頃、ポーションを買いにエルムが来たのだ。その時城壁みたいなものも作れるか興味本位で聞いたことがある。その時にエルムは「建築魔法なら出来ます」と言ったのだ。じゃぁ海の中でも出来るのか問うと、
「海の中ですか・・・。石で作っても波で削れるでしょうし、木では腐るでしょうし、なかなか難しいですね・・・。まぁそもそも海が城壁のようなものですし」
ハジメはそれでも作るとすればという条件を付けるとエルムは考え込んでしまった。それを見たハジメは
「あ、ごめんなさい。変な事を言ってしまって」
と言うと、エルムは
「いえいえ、面白い考えですね。少し持ち帰って考えさせてください」
と言い、その3日後紙に書かれた設計図を持ってきたのだ。ハジメは本当に申し訳ないことをしたと謝ったが、彼はいい勉強になりましたと言い、記念にと言ってその設計図をハジメに渡したのだ。この時にはまさか使う日が来るとは思わなかった。
マコンの街にある海底は昔大型船が泊まっていたこともあって深い。その湾の形は東京湾を西に90°回転させた感じと言ったら伝わるだろうか。ハジメは陽に頼んで腐食に抜群に強い白金を溶かし、マコンの設計図に沿って、城壁の様に海中から50cmほど出るような板状にした状態で海中に設置していく。海中の生態系が壊れるかもしれないが、今回は見逃して貰いたいところだ。その上に普通に5mほどの棒状の鉄を白金に挿していく。これが鉄筋の代わりとなる。そしてそこに来たの火山帯から採取してきた、火山灰と石灰を混ぜ海岸にある石を混ぜてローマン・コンクリートとして使用する。
舞が風でコンクリートを混ぜ、海中の白金から1mほどを風で包み型として、航がそれを魔法で流し込み、藍が水分を飛ばして完成である。そして高さ5mほどの防波堤をアクアラインのように作る。橋ではないので、2つの方向からくる防波堤が繋がらず、互い違いのようにする。2つの堤防が平行になるとそれだけで大きな波から街を守ることが出来る。船は湾から外に出るには面倒くさいが、住民を守る為には必要な事である。街の北側の城壁を防波堤兼桟橋としておく。大きな船は湾から出るのが面倒だから、普段はそこで荷物の上げ下ろしをし、海が荒れる時は湾に入れ、避難させることができるようにしておいた。また有事の時は左右の城壁からそこを通る船を攻撃することが出来るだろう。また水路の途中には水門を作る。普段は開いているが閉めることも出来るようにした。
これらの作業は3日程で終了した。その間も航はイブの家に帰って薬草を収穫して持ってきてくれたのである。調剤机がないのでポーションは作れないがアイテムボックスに仕舞っておけば鮮度は保たれる。調剤机も持ってこようかと思ったが、作らなくても数年は大丈夫なほどストックがあるのでやめておいた。今は街の土台作りに専念した方がいいだろうと思ったのだ。それにしても精霊って万能すぎるとハジメは改めて思った。
その後は航に敷地内を平らにしてもらい、藍に地面の水分を飛ばして貰い、舞がそれを風で海に運んだ。
そして5日目のお昼前にはその作業が全て終わったのである。ここからは金を使い、人を使い、ハジメの街づくり計画に沿って行うようになる。
その計画とは街の北にある港あたりに500m×500mほどの市場の建物を作り、そこを中心として南に商店を配置し、西には職人街として利用しようと考えている。そして港の近くには道の駅のような施設を作り、そこで漁師たちが取ってきた新鮮な魚介類を売り、調理法を伝えるために実演する場とする。ということである。後は大通りや道を配置しなければならないだろう。
「さてと、あとは道かな」
と海に向かって背伸びをすると、
「ハジメー。そこの山に硬い石があるみたいだけど、使う?」
と航が言う。この場所割と資源多いのかもしれない。4人でゆっくり航の案内でその場所まで歩いてくる。街から南へ4kmほど進んだところまで来ると航はもう少し先にある山を指さして
「あそこだよ。取ってくるね」
と言って不意に姿が消える。1分も経たず再び姿を現す。そこにはくすんだ茶色の石があった。舞に頼んで切断してもらうと中は艶は無いがナチュラルモカ色の優しい色あいである。これを敷き詰めて道としても良いのかもしれない。航が言うにはここらの山はこの石で出来ているらしい。一山で街の道路は充分に賄えそうである。航と舞に頼んで運んできた石を縦10㎝×横20㎝、厚さ20㎝に切ってもらい、切った面を上にして道路となる場所へ敷き詰めていく。丸3日かかって街の入り口から9kmほどまっすぐ進み、直角に北へ折れ、道の駅を設置する場所を通って中央市場へと続く。夕日に照らされて綺麗に光っている。大通りはこんなものだろう。後は職人さんにお願いすることにする。後は発表を待つだけだろう。取りあえずハジメたちは暫くそれを眺めた後、イブの街に帰るためにその街を後にしたのだった。
それから2週間後の昼下がりハジメを訪ねてコウと同じくらいの身長のおじいさんの顔をした男が来店する。男はハジメの顔を見ると
「ほむほむ。お主が船を依頼したいというモンかの。ワシは船大工のモーリーというもんじゃ。少し話をしたくての」
と頑固そうな笑みを浮かべる。
ハンドブック 12項目目
12-1.道を作ろう:Clear!
と気を改めてハジメが鞄から一枚の紙を取り出す。城壁の設計図をハジメの店兼家を設計してくれた建築家のエルムに書いてもらったのだ。依頼して書いてもらったのではないが。
ある日コウとリナリーがお昼ご飯を食べている頃、ポーションを買いにエルムが来たのだ。その時城壁みたいなものも作れるか興味本位で聞いたことがある。その時にエルムは「建築魔法なら出来ます」と言ったのだ。じゃぁ海の中でも出来るのか問うと、
「海の中ですか・・・。石で作っても波で削れるでしょうし、木では腐るでしょうし、なかなか難しいですね・・・。まぁそもそも海が城壁のようなものですし」
ハジメはそれでも作るとすればという条件を付けるとエルムは考え込んでしまった。それを見たハジメは
「あ、ごめんなさい。変な事を言ってしまって」
と言うと、エルムは
「いえいえ、面白い考えですね。少し持ち帰って考えさせてください」
と言い、その3日後紙に書かれた設計図を持ってきたのだ。ハジメは本当に申し訳ないことをしたと謝ったが、彼はいい勉強になりましたと言い、記念にと言ってその設計図をハジメに渡したのだ。この時にはまさか使う日が来るとは思わなかった。
マコンの街にある海底は昔大型船が泊まっていたこともあって深い。その湾の形は東京湾を西に90°回転させた感じと言ったら伝わるだろうか。ハジメは陽に頼んで腐食に抜群に強い白金を溶かし、マコンの設計図に沿って、城壁の様に海中から50cmほど出るような板状にした状態で海中に設置していく。海中の生態系が壊れるかもしれないが、今回は見逃して貰いたいところだ。その上に普通に5mほどの棒状の鉄を白金に挿していく。これが鉄筋の代わりとなる。そしてそこに来たの火山帯から採取してきた、火山灰と石灰を混ぜ海岸にある石を混ぜてローマン・コンクリートとして使用する。
舞が風でコンクリートを混ぜ、海中の白金から1mほどを風で包み型として、航がそれを魔法で流し込み、藍が水分を飛ばして完成である。そして高さ5mほどの防波堤をアクアラインのように作る。橋ではないので、2つの方向からくる防波堤が繋がらず、互い違いのようにする。2つの堤防が平行になるとそれだけで大きな波から街を守ることが出来る。船は湾から外に出るには面倒くさいが、住民を守る為には必要な事である。街の北側の城壁を防波堤兼桟橋としておく。大きな船は湾から出るのが面倒だから、普段はそこで荷物の上げ下ろしをし、海が荒れる時は湾に入れ、避難させることができるようにしておいた。また有事の時は左右の城壁からそこを通る船を攻撃することが出来るだろう。また水路の途中には水門を作る。普段は開いているが閉めることも出来るようにした。
これらの作業は3日程で終了した。その間も航はイブの家に帰って薬草を収穫して持ってきてくれたのである。調剤机がないのでポーションは作れないがアイテムボックスに仕舞っておけば鮮度は保たれる。調剤机も持ってこようかと思ったが、作らなくても数年は大丈夫なほどストックがあるのでやめておいた。今は街の土台作りに専念した方がいいだろうと思ったのだ。それにしても精霊って万能すぎるとハジメは改めて思った。
その後は航に敷地内を平らにしてもらい、藍に地面の水分を飛ばして貰い、舞がそれを風で海に運んだ。
そして5日目のお昼前にはその作業が全て終わったのである。ここからは金を使い、人を使い、ハジメの街づくり計画に沿って行うようになる。
その計画とは街の北にある港あたりに500m×500mほどの市場の建物を作り、そこを中心として南に商店を配置し、西には職人街として利用しようと考えている。そして港の近くには道の駅のような施設を作り、そこで漁師たちが取ってきた新鮮な魚介類を売り、調理法を伝えるために実演する場とする。ということである。後は大通りや道を配置しなければならないだろう。
「さてと、あとは道かな」
と海に向かって背伸びをすると、
「ハジメー。そこの山に硬い石があるみたいだけど、使う?」
と航が言う。この場所割と資源多いのかもしれない。4人でゆっくり航の案内でその場所まで歩いてくる。街から南へ4kmほど進んだところまで来ると航はもう少し先にある山を指さして
「あそこだよ。取ってくるね」
と言って不意に姿が消える。1分も経たず再び姿を現す。そこにはくすんだ茶色の石があった。舞に頼んで切断してもらうと中は艶は無いがナチュラルモカ色の優しい色あいである。これを敷き詰めて道としても良いのかもしれない。航が言うにはここらの山はこの石で出来ているらしい。一山で街の道路は充分に賄えそうである。航と舞に頼んで運んできた石を縦10㎝×横20㎝、厚さ20㎝に切ってもらい、切った面を上にして道路となる場所へ敷き詰めていく。丸3日かかって街の入り口から9kmほどまっすぐ進み、直角に北へ折れ、道の駅を設置する場所を通って中央市場へと続く。夕日に照らされて綺麗に光っている。大通りはこんなものだろう。後は職人さんにお願いすることにする。後は発表を待つだけだろう。取りあえずハジメたちは暫くそれを眺めた後、イブの街に帰るためにその街を後にしたのだった。
それから2週間後の昼下がりハジメを訪ねてコウと同じくらいの身長のおじいさんの顔をした男が来店する。男はハジメの顔を見ると
「ほむほむ。お主が船を依頼したいというモンかの。ワシは船大工のモーリーというもんじゃ。少し話をしたくての」
と頑固そうな笑みを浮かべる。
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12-1.道を作ろう:Clear!
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